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衛星通信実験とその応用技術論文特集の発行にあたって

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電子情報通信学会論文誌 B Vol. J94-B No. 3 pp. 313-314 ©(社)電子情報通信学会 2011 313

特集

衛星通信実験とその応用技術論文特集の発行にあたって

衛星通信実験とその応用技術論文特集編集委員会 委員長  

若 菜 弘 充

1994年のETS―Ⅵ,1998年のCOMETSと実験用通信 衛星が静止軌道に達せず,実証実験や利用実験の中断 があった後,2002年マイクロラブサット等の小型衛星 の打上げを皮切りに,2005年OICETS,2006年ETS―Ⅷ, 2008年WINDS,2010年準天頂衛星(QZS―1)の打上 げに成功し,衛星通信実験が再開されて貴重な実験成 果が得られてきた.この間,商用衛星を用いた新たな 衛星通信システムや新規サービスに関する実証実験も 続けられ,衛星通信の利用分野も衛星通信の特徴であ る広域性や同報性を生かす領域から,地上系と衛星系 の融合,通信と測位の融合,災害時の非常通信,環境 計測技術を応用した分野やマルチメディア化,グロー バル化,広帯域・高機能化へとその守備範囲を拡大し, 更に船舶・航空機等の移動体衛星通信も従来以上に高 速・広域化による新しいサービスへと変化しつつあ る. 本特集では,ETS―Ⅷ,WINDS,OICETS等実験衛 星の開発と実証実験の成果,商用通信衛星を用いた新 規サービスとその実証実験,将来の衛星通信システム 構想を特集号として一つにまとめ,研究開発の動向, 技術課題と解決策,将来への展望と課題を体系的に整 理した. 最初の2編の「招待論文」では,衛星通信システム の現状と国内外の最新状況を紹介し今後の展望をまと めている.トピックスとして超高速インターネット衛 星「きずな」WINDSの開発と利用実験の成果を取り 上げた.衛星通信技術の現状と課題の全体がよく理解 できる. 一般論文は,衛星搭載及び地球局のアンテナ技術, 新たな衛星通信システム,光衛星通信技術に大別され る.大型展開アンテナ(反射鏡19m×17m)を特徴と するETS―Ⅷに関しては,アンテナ放射特性の軌道上 評価試験結果を報告する.WINDSに関しては,搭載 されたKa帯アクティブフェイズドアレーアンテナの 開発結果とその軌道上評価試験の結果,622Mbit/s高 速時分割多元接続(TDMA)システムの開発成果を 紹介する.柔軟性のある高速衛星通信ネットワークの 構築が期待できる技術開発である.2003年世界無線通 信会議でKu帯を用いた海事衛星通信が承認され,船 舶でも数Mbit/sの高速通信が可能となった.周波数 有効利用のため,Ku帯では直線偏波が用いられてお り,移動局では偏波追尾が技術課題となる.ディジタ ル制御偏波追尾アンテナの開発結果に関する論文,偏 波 追 尾 が 不 要 と な る 偏 波 周 波 数 可 変 分 割 多 重 (VPFDM)を提案する論文を掲載した.今後のKu帯 移動体衛星通信に必要な技術開発と期待できる.地上 系と衛星系を統合した移動通信システムの研究開発が 始まっており,周波数利用効率改善のための動的資源 割当法の研究,携帯電話から衛星系への干渉量評価実 験結果を取り上げた.更に応用技術として,多地点デ ータ集信型衛星通信システムの提案とその実証実験も 取り上げた.光衛星通信に関しては,低軌道周回衛星 OICETSと地上局間の光通信における大気伝搬特性の 解析結果,複数の地上局を組み合わせたネットワーク での衛星・地上局間の光通信可能時間率の解析を掲載 した.光衛星通信は観測衛星から地上局への高速デー タ伝送には不可欠な技術であり,そのための実証実験 の成果は極めて貴重である. 本特集では衛星通信技術の現状と将来について体系 的にまとめられており,多くの研究者や技術者を刺激

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電子情報通信学会論文誌 2011/3 Vol. J94–B No. 3 314 して将来の衛星通信システム,サービス構想の一助に なれば幸いである.本特集に投稿頂いた方々,論文査 読に御協力頂いた査読委員,本特集号の企画,編集に 御尽力頂いた編集委員及び学会事務局の奥村梨奈様に 感謝致します. 若 わか   弘 ひろみつ ( 正 員: フ ェ ロ ー)  1976早 大・ 理 工・ 応 物 卒, 1978同大大学院修士号取得,1984同大大学院博士号取得.1982 電波研究所(現情報通信研究機構)入所.以来,同所鹿島宇宙 通信センターにてCS,ETS―V,ETS―Ⅵ,COMETS等を用いた 衛星通信の研究開発に従事.2002 ∼ 2005同横須賀無線通信研究 センター長,2008 ∼ 2009同知識創成コミュニケーション研究セ ンター長.現在,情報通信研究機構高級研究員.1998本会論文賞, 2000科学技術庁長官研究功績者表彰受賞,2010本会フェロー. 理博.IEEE,AIAA各会員. 衛星通信実験とその応用技術論文特集編集委員会 委 員 長 若 菜 弘 充 加 藤   寧 ・ 髙 山 佳 久 青 柳 貴 洋 ・ 石 川 博 康 ・ 北 脇 信 彦 ・ 小 林   聖 杉 山 隆 利 ・ 田 中 將 義 ・ 内 藤   出 ・ 米 田 誠 良

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