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Expression of retinoid X receptor α is decreased in 3'-methyl-4-dimethylaminoazobenzene-induced hepatocellular carcinoma in rats

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Academic year: 2021

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(1)

Title

Expression of retinoid X receptor α is decreased in 3'-methyl-4-

dimethylaminoazobenzene-induced hepatocellular carcinoma in

rats( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

安藤, 暢洋

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)甲 第729号

Issue Date

2007-10-16

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/23099

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員

【12】

安 藤 暢 洋(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 729 号 平成 19 年10 月 16 日 学位規則第4条第1項該当 Expression

of retinoid X receptorαis decreasedin3'

-methyト4-dimethylaminoazobenzene-induced hepatoceJJular carcinomain rats

(主査)教授 森 脇 久 隆 (副査)教授 森 秀 樹 教授 吉 田 和 弘 論文内容の要旨 背tと目的 肝細胞癌(以下ECC)は近年の治療法や診断法の発展にもかかわらず,いまだもっとも予後不良な癌の 一つである。HCCの発生は一般的に,B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる肝の慢性的な炎症状態が 関与している。すなわちHCCは,慢性肝炎・肝硬変を母地として非常に高い確率で発生し根治術後も再発 をきたすが,この発生率・再発率の高さが,HCCの予後を不良とする主な要因である。一方で,明らかな highriskgroup(慢性肝炎・肝硬変・HCC治療後)を対象としたHCCに対する有効な化学予防法の開発は, HCCの予後改善に直結する治療と考えられるが,その為には肝発癌の根本的なメカニズムの解明,すなわ ちHCCの発生に関与している特異的分子標的の同定が重要と考えられる。

レチノイドはビタミンA とその誘導体の総称であり,異なった二つの核内受容体retinoic acid

receptors(RARs)及びretinoidXreceptors(RXRs)に結合することによって,上皮細胞の正常な増殖・ 分化・細胞死(アポトーシス)の調節に重要な作用を果たしている。それぞれのレセプターは3つのサブ タイプ(α,β,†)から構成されているが,レチノイドやRARs・RXRsの発現・機能異常は,正常な細胞の 分化・増殖からの逸脱,すなわち細胞の異型化・悪性化,ひいては発癌に関与すると考えられている。我々 の教室では今までに,RXRα蛋白の異常リン酸化修飾による機能不全が,HCCの発生に関与している可能性 を報告してきた。すなわち,RXRαはヒト肝癌組織およびヒト肝癌細胞株において,恒常的にリン酸化修飾 を受けていることを発見するとともに,リン酸化されたRXRαは,RXRE,RAREを介した転写活性を減弱し, その結果として,HCC細胞はレチノイド不応性の状態となり,アポトーシスへの抵抗性を獲得することを 1D Vltz・00)実験によって証明してきた。しかしながらRXRαを始めとする各種retinoid receptorの発現 異常が,肝発癌の特に初期段階に及ぼす影響についてはいまだに解明されていない。そこで今回我々は, 3'-methyl-4-dimethylaminoazobenzene(3'-MeDAB)誘発ラット化学肝発癌モデルを用いて,ラットの HCC,腺腫,およびその前腫瘍性病変であるGST-P陽性fociにおけるRXRα,RARα,およびRARβの発現状 態について検討した。 方法 雄性Fischerラットを3'-MeDAB群(38匹)とcontrol群(8匹)の二つに分け,3'-MeDAB群には0.06% の3'一MeDABを混餌した飼料を16週にわたって与えた。3'一MeDABによる初期変化を確認するため,実験 開始4週で4匹屠殺し,残りの3'-MeDAB群34匹とcontrol群は16週で屠殺した。肝臓はホルマリン固 定後にパラフィン切片を作成し,HE染色,glutathione S-tranSferase placentalform(GST-P)染色,

proliferating cellnuclear antigen(PCNA)染色,RXRα,RARα,RARβ,β-Catenin,およびcyclin Dl

の免疫染色を行った。また,16週屠殺ラット肝の腫瘍部,腫瘍周囲部,非腫瘍部より蛋白を抽出し,RXRα, RARα,RARβ蛋白の発現をWestern blot法で検討した。同様の標本からRNAも抽出し,RT-PCR法によって RXRα,RARα,RARβのmRNA発現に関しても検討した。 結果 16週屠殺例の免疫組織学的検討では,非腫瘍部と比較しHCCにおいてRXRα蛋白の発現は著明に抑制さ れており,PCNA染色ではHCCにおける細胞増殖の克進が認められた。また同週齢の腺腫においても,非腫 瘍部と比較しPCNA染色で明らかな細胞増殖の克進とRXRα蛋白の発現抑制を認めた。さらに4週屠殺例の

(3)

-23-免疫組織学的検討では,GST-P陽性fociにおいてもHCCや腺腫同様に,RXRα蛋白の発現と細胞増殖は低下 していた。次に,RXRαの蛋白・mRNAの発現をWesternblot法およびRT-PCR法にて検討したところ,腫瘍 周囲部および非腫瘍部と比較し腫瘍部(HCC)において有意な発現の低下を認めた。他のretinoidreceptor であるRARα,RARβの蛋白・mRNAの発現レベルについても検討したところ,RXRαと同様に腫瘍部において 両者ともその発現低下を認めた。これらの結果は,ラット肝腫瘍において,retinoid receptorの発現は mRNAのレベルで低下していることを示唆するものと考えられた。一方,細胞質および核内に過剰に蓄積す ることによって,肝発癌にoncogenicに作用すると考えられているβ-Catenin蛋白の発現について免疫組 織学的に検討したところ,腫瘍周囲部および非腫瘍部では細胞膜に局在していた同蛋白が,腫瘍部では細 胞質あるいは一部が核内へ局在が変化していることが認められた。さらに,β-Cateninの標的分子である cyclinDlも,腫瘍周囲部および非腫瘍部と比較し腫瘍部において核に強発現していることが認められた。 これらの結果から,3'一MeDABを用いたラットの化学肝発癌モデルにおいて,β-Cateninの局在が細胞膜 から細胞質または核内へ移行することで,β-Catenin/Wnt経路が活性化されcyclin Dlを含む細胞増殖分 子の発現が増加していることが考えられた。 考奪・結語 今回の3'-MeDAB誘発ラット化学肝発癌モデルを用いた研究によって,RXRαの発現はHCCや腺腫のみな らず,より早期の前腫瘍性病変であるGST-P陽性fociにおいても,すでにその低下が始まっていることが 確認された。この発見は,ラット肝発癌ではその初期段階において,RXRαの発現低下が関与している可能 性を示唆するものであった。この結果は,これまでに我々がヒト肝発癌において報告してきた「リン酸化 によるRXRαの機能不全が肝発癌に関与する」という仮説とはやや異なるものであったが,今回動物モデル で認められた「RXRαの発現自体の低下」という結果も,RXRαの正常機能の喪失が肝発癌の本態に深く関与 している可能性を支持するものであり,あらためてRXRαの機能不全がHCCの発癌において重要な役割を果 たしていることが示唆された。 またRXRαに加えて,今回の実験ではRARαおよびRARβの蛋白・mRNAの発現も,非腫瘍部と比較して腫瘍 部において有意に低下していることが確認された。RARβは様々なタイプの癌腫において,tumOrSuPPreSSOr geneとして役割を果たすことが報告されており,今回の我々の実験で,その発現が蛋白・mRNA共に低下し ていたことは興味深い結果と考えられた。さらにRARαについては,β-Cateninとcomplexを形成しその活 性を抑制的に制御するとの報告があるため,今回の我々の実験で確認されたRARαの低下とβ-Catenin蛋白 の細胞質・核内への局在の変化は,RARα/β-Catenin complex形成の低下とfreelevelのβ-Catenin蛋白 の増加,ひいてはβ一Catenin/TCF/Wntシグナルの活性に関与している可能性を示唆するものと考えられた。 このことは,β-Catenin/TCF/Wntシグナルの下流にあるcyclin Dlの発現増加を説明するものであり,肝 発癌における重要なメカニズムの一つとして注目すべき結果と考えられた。今後,retinoid receptorの 発現低下が,直接どのようにβ-Catenin/TCF/Wntシグナルに影響しているかを解明すると共に,肝発癌の 過程においてretinoidの投与がこのシグナルにどのような効果を及ぼすか,検討していく必要があると考 えられた。 以上,今回の我々の実験によって,retinoid receptor,特にRXRαはラットの化学肝発癌において重要 な役割を果たしている可能性が示唆された。 論文審査の結果の要旨 申請者 安藤暢洋は,ラット3'-MeDAB肝発癌モデルにおいて,RXRα,RARα,RARβの発現が前癌病変の 段階から低下し始めることを見出し,これがβ-Catenin,CyClinDlの細胞内局在変化に関与する可能性を 示した。これらの知見は肝発癌の化学予防を考える上で大きな意義を有し,消化器病学及び肝臓病学の進 歩に寄与するものと認める。 [主論文公表誌]

Expression of retinoid X receptor αis decreasedin 3'・methyl・4・dimethylaminoazobenzene・induced hepatocellularcarcinomainrats

OncologyReports18,879・884(2007).

参照

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