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狂犬病ウイルスの神経病原性に係わるウイルス及び宿主側因子

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Academic year: 2021

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Title

狂犬病ウイルスの神経病原性に係わるウイルス及び宿主側

因子( はしがき )

Author(s)

源, 宣之

Report No.

平成8年度-平成10年度年度科学研究費補助金 (基盤研究

(B)(2) 課題番号08456150) 研究成果報告書

Issue Date

1998

Type

研究報告書

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/333

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

平成8年度∼平成10年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(2)) 研究成果報告書 狂犬病ウイルスの神経病原性に係わる ウイルス及び宿主側因子 はしがき 狂犬病は約4,000年前から人類に知られている。にもかかわらず、多くの急性伝染病 の発生が減少した今日においても、世界のその発生状況はこの数十年間あまり変化して いない。しかも、本病は高度に医療技術の発達した現在においても人や動物が発病する とほぼ100%死亡する極めて危険な人畜共通伝染病である。何故に、我々はこの危険な 伝染病を地球上から駆逐させることが出来ないのであろうか。これは狂犬病の特異な病

態とその病原体である狂犬病ウイルスの性状に起因するものと思われる。本病病原体の

科学的な研究は1880年代にパスツールによって幕開けられた。パスツールは危険な野 外ウイルスである街上毒をウサギの脳組織に長期継代することによて、潜伏期間の一定・ 短縮化、末梢感染性の低下など病原性の変化した固定毒を作出した。その後現在まで、 固定毒はワクチン開発を始め、種々の基礎的な研究に大きく貞献している。しかし、狂 犬病ウイルスの病原性に関する知見は乏しく、現在においても街上毒の長期かつ不定の

潜伏期間中のウイルスの生体内での動態、激しい神経症状を示すにも係わらず神経組織

変化がはとんど認められないこと、街上毒から固定毒への変異機構などはほとんど不明 のままである。 そこで、本研究では狂犬病ウイルスの神経病原性の分子基盤を確立することを目的に、 まず我が国の動物用狂犬病ワクチンの製造棟で、哺乳マウスに対してのみ病原性を示す、 弱毒型のRC-Hし昧とその親株で成熟マウスに病原性を持つ、強毒型の西ヶ原株の遺伝 性状を比較検討した。ついで、弱毒型のRC-HL昧を晴乳マウスの脳組織で継代し、成 熟マウスに病原性を示す病原復帰株の作出及びそれらの遺伝子解析を行った。また、狂

犬病ウイルスの各構造蛋白質に対するモノクローナル抗体(MAb)を用いて、それらに対

するエピトープの解析を通して、病原性に関連するアミノ酸領域の特定を試みた。さら に、狂犬病ウイルスの病原性を宿主側から調べるために、感染神経細胞の機能変化を細 胞内カルシュウムやイオンチャンネルの動態から電気生理学的に追求した。 その結果、強毒株の培養神経細胞における細胞病原性が弱毒株のそれより極めて微弱 なことを明らかにした。一方、遺伝子解析より、両株間で認められる糖(G)蛋白質のア ミノ酸の違いは13ケ所のみで、これまでに弱毒株で報告されていた病原性に関与してい ると推定されていた333番目のアミノ酸の変化は認められなかった。RC-Hし陳を哺乳マ ウスの脳組織で22代継代したが、成熟マウスに病原性を示す病原復帰株は作出するこ

(3)

-1-とが出来なかった。種々のMAbに対するエピトープを特定したところ、病原性に関連 すると推測されるエピトープが確認された。狂犬病ウイルス感染培養神経細胞の膜電位 をホールセルバッチクランプ法で調べた。その結果、Na電流が小さくなり、細胞の機 能障害を起こすメカニズムを解明する手がかりが得られた。 以上の如く、狂犬病ウイルスの病原性について、一部が明らかになり、また次に進む べき手がかりが得られた。そこで、これまでに明らかに出来た新しい知見を本報告書に まとめ、それらを参考にして、引き続き検討すべき多くの課題の解決に当たりたい。な

お、本研究を実施する端緒となった狂犬病ウイルスの分子生物学的性状を解析しキ基礎

的な論文を末尾に添付した。 本研究を遂行するに当たり、私共の講座の大学院及び学部学生諸君のご協力を頂いた。 心から謝意を表したい。 最後に、科学研究費の補助を受けて本研究が実施され、かつこの研究成果報告書をま とめることが出来たことに対して、文部省当局はじめ関係各位に深く感謝申し上げる。 2 .トー.L:`.L F≡トーi.■‖...1--.-きt さt--Eh-E畏l■

参照

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