共同研究(2012-004)
金型産業の構造(2)
~型種別の視点から~ 愛媛大学法文学部総合政策学科講師 藤川 健 キーワード 金型製造企業、型種(プレス、鍛造、鋳造、ダイカスト、粉末冶金、プラスチック、ガラス、 ゴム)、金型製造企業の層 はじめに Ⅰ.金型製造企業の製造する型種数 Ⅱ.型種別金型製造企業の特徴 Ⅲ.型種別金型製造企業における規模毎の収益力 おわりに 【本レポートについて】 本レポートは、工業集積研究会(代表:慶應義塾大学経済学部・植田浩史教授)と帝国データバ ンクによる共同研究プロジェクトの成果の一部であり、愛媛大学法文学部・藤川健講師による 「金型産業の構造に関する研究」レポートの第 2 回目である。前回のレポート「金型産業の構 造(1)」に引き続き、今回のレポートでも金型製造企業の諸特徴を確認し、その現状を定量的に 取り扱う。前回のレポートでは金型製造企業の専業・兼業に分析軸をおいたが、今回は製造す る型種に注目し分析を行う。はじめに
本稿の目的は、型種別金型製造企業の特徴と収益力を明らかにすることである。型種別の分 析が必要な理由は以下の通りである。多くの刊行資料では、使用できるデータの制約から、金 型製造企業総体を同質のものとして論じなければならなかった。しかしながら、金型製造企業 は成形方法や成形素材(プレス、鍛造、鋳造、ダイカスト、粉末冶金、プラスチック、ガラス、 ゴムなど)により、当該企業の存立基盤が大きく異なるものと予想される。図表1 は、経済産 業省が発行する平成22 年度の『機械統計年報』における型種別生産額を一覧したものである。 そこでは、型種によって 1 組当たりや 1t当たりの生産額が大きく違うことがわかる。このこ とからも、型種間の差異は金型製造企業の経営管理の在り様を大きく変化させることが考えら れる。したがって、本稿では金型製造企業を製造する型種から類型化し、型種別に金型製造企 業の比較分析を行うことにする。 図表1 2010年における型種別生産額 数量 (組) 重量 (t) 金額 (百万円) 1組当たり の金額 (百万円) 1t当たり の金額 (百万円) プレス 124,494 81,497 125,288 1.0 1.5 鍛造 119,956 6,205 17,363 0.1 2.8 鋳造 5,101 2,658 7,200 1.4 2.7 ダイカスト 8,521 10,537 29,859 3.5 2.8 粉末冶金 61,258 408 5,617 0.1 13.8 プラスチック 39,325 27,156 119,663 3.0 4.4 ガラス 335,987 1,801 3,933 0.0 2.2 ゴム 8,649 1,168 5,928 0.7 5.1 703,291 131,431 314,851 0.4 2.4 注:従業者20人以上の事業所を対象とする。 出所:経済産業省『平成22年機械統計年報』より筆者作成。 型種 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) 総計 本稿の分析では、前回使用した金型製造企業のデータを用いる1。詳述すれば、帝国データバ ンクが所有する2011 年 6 月時点の COSMOS2(以降は「C2」と略記)に収録されていた金型 製造企業 3,480 社がその対象である2。ただし、C2 に収録されている企業情報だけでは、金型 製造企業の型種を特定することが困難であった。そのため、本稿では、前述の『機械統計』と 株式会社金型新聞社が刊行する『金型工場名鑑』を型種の捕捉に利用した。具体的に述べれば、 本稿で使用する型種の分類には、平成22 年度の『機械統計』で用いられている 7 つの類型を援1 本稿では、前回使用した「金型専業企業」と「金型兼業企業」の双方を分析の対象としている。 2 金型製造企業の抽出方法に関しては、藤川健[2011]「金型産業の構造(1)~専業と兼業の視点から~」帝国 データバンク『SPECIA 産業レポート』(http://www.tdb.co.jp/report/specia/pdf/spe_e110702.pdf)を参照されたい。
用した。さらに、製造する型種の特定には、『金型工場名鑑』の 2009 年版(東日本編)、及び 2010 年版(西日本編)を活用した3。しかしながら、『機械統計』と『金型工場名鑑』では型種 の分類方法が若干異なる。そのため、『金型工場名鑑』の型種は、可能な限り『機械統計』の類 型に当てはめるよう心掛けた。『機械統計』の型種と『金型工場名鑑』の型種の対応関係を整理 したものが図表 2 である。以上を踏まえ、類型化した型種は、「プレス用金型」、「鍛造用金型」 「鋳造用金型」、「ダイカスト用金型」、「粉末冶金用金型」、「プラスチック用金型」、「ゴム用金 型」、「ガラス用金型」の計8 つである。また、上記の分類にそぐわない型種は、「その他」とし て記述することにした。以下では主に上記 8 つの分類に従い、型種別の金型製造企業に関する 分析を進める。 図表2 機械統計と金型工場名鑑の型種対応表 型種類型 本文での使用型種名 機械統計での表記名 金型工場名鑑での表記名 プレス用金型 プレス用金型 プレス金型、順送、ベンダー、FRP、板金、スタンピ ング、精密順送、セラミック抜き、トランスファ、精 密、プレスブレーキ用、プレス精密板金、精密プレ ス、打ち抜き、ロール、板鍛造 鍛造用金型 鍛造用金型 鍛造金型、冷間鍛造、ネジ、精密鍛造、冷間・温間 鋳造用金型 鋳造用金型 鋳造金型、ロストワックス、鋳型、アルミ鋳造、グラビティ、ZAS鋳造 ダイカスト用金型 ダイカスト用金型 ダイカスト金型、アルミ、アルミ鋳造、アルミサッシ、 押出 粉末冶金用金型 粉末や金用金型 粉末冶金金型、セラミック、超硬、粉末成形用超硬 プラスチック用金型 プラスチック用金型 プラスチック金型、ブロー、真空金型、超精密微細プ ラスチック、カード、MIM、ビニール、超精密プラス チック、プラスチック押出、エンボス金型、プリント基 板、回転成形用樹脂板金金型、射出成形、真空圧 空成形、ブロー成形、真空成形、ペットボトル、PP、 ホーミングロール、モールド、ウレタン、超精密モー ルド、レンズ、半導体用封止、圧空成形、モールド 精密 ガラス用金型 ガラス用金型 ガラス金型 ゴム用金型 ゴム用金型 ゴム金型 その他 その他 表記無し 発泡スチロール、窯業、高周波、スチロール、LP、NTC交換、FC、電鋳、GP、ラフドリ 分類不可 表記無し 表記無し 積層(用途ではなく製造方法の一種)、木型(金属で はない) 出所:2011年9月15日の金型工場名鑑編集担当者の回答に基づき、筆者作成。 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold)
3 『金型工場名鑑』では、隔年で東日本と西日本に立地する事業所の住所、電話番号、FAX 番号、営業品目(製 造する型種)、従業員数を掲載している。一方の東日本編では、北海道、青森県、秋田県、岩手県、山形県、 宮城県、福島県、東京都、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、埼玉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県を 対象としている。他方の西日本編では、愛知県、静岡県、岐阜県、三重県、富山県、石川県、大阪府、滋賀県、 京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、岡山県、広島県、鳥取県、島根県、山口県、香川県、徳島県、高知県、 愛媛県、福岡県、大分県、宮崎県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県、沖縄県を網羅している。なお、2011 年 9 月 15 日の金型工場名鑑編集担当者に行った聞き取り調査によれば、収録されている事業所は社団法人日本 金型工業会が作成している『会員名簿』や電話帳などを利用し、ダイレクトメールや電話でその存否を確認し て適宜更新しているとのことであった。
Ⅰ.金型製造企業の製造する型種数
1.金型製造企業の型種数 C2 に収録されている 3,480 社(100.0%)の企業名と、金型工場名鑑に記載されている事業 所名を照合し、製造する型種を特定できた企業は 2,171 社(62.4%)であった。各都道府県別 における型種の捕捉率を提示したものが図表3 である。捕捉率が高い上位の都道府県は、奈良 県(100.0%)、佐賀県(83.3%)、岐阜県(82.7%)、滋賀県(80.0%)、新潟県(79.2%)であ った。それに対し、捕捉率が低い下位の都道府県は、高知県(0.0%)、沖縄県(0.0%)、秋田県 (25.0%)、宮城県(32.1%)、北海道(33.3%)、長崎県(33.3%)であった。また、愛知県(66.9%)、 大阪府(70.5%)、東京都(59.3%)などの金型製造企業数が多い地域では、半数以上の企業で 型種を特定することが可能であった。いずれにせよ、C2 の金型製造企業が金型工場名鑑に掲載 されていない理由は不明である。なお、型種が特定できた金型製造企業と、C2 に収録されてい た金型製造企業総数の企業規模を比較したものが、図表4 と図表 5 である。それらを見れば、 僅かながら金型製造企業総数の方が小規模な企業を多く含んでいるが、両者には概ね差が無い ように感じられる。したがって、型種を特定する段階での企業規模の偏りはあまり生じていな いと考えている。図表3 都道府県別型種特定企業の捕捉率 都道県名 金型製造企業総数 金型工場 名鑑の事 業所数 型種特定 企業数 捕捉率 都道県名 金型製造 企業総数 金型工場 名鑑の事 業所数 型種特定 企業数 捕捉率 愛知県 520 1,867 348 66.9% 山形県 26 140 12 46.2% 大阪府 359 1,488 253 70.5% 滋賀県 25 107 20 80.0% 東京都 295 1,967 175 59.3% 福井県 22 66 11 50.0% 神奈川県 271 1,063 149 55.0% 岩手県 21 78 9 42.9% 埼玉県 244 1,098 154 63.1% 北海道 18 51 6 33.3% 静岡県 191 797 135 70.7% 熊本県 15 69 8 53.3% 群馬県 156 642 101 64.7% 大分県 12 31 7 58.3% 長野県 126 659 74 58.7% 愛媛県 12 23 5 41.7% 新潟県 120 407 95 79.2% 和歌山県 10 17 4 40.0% 岐阜県 110 534 91 82.7% 徳島県 8 31 6 75.0% 栃木県 110 347 60 54.5% 鹿児島県 8 35 3 37.5% 広島県 88 229 52 59.1% 秋田県 8 30 2 25.0% 富山県 75 195 52 69.3% 香川県 7 30 5 71.4% 兵庫県 74 369 47 63.5% 宮崎県 7 31 4 57.1% 福岡県 66 168 28 42.4% 佐賀県 6 33 5 83.3% 千葉県 60 323 38 63.3% 鳥取県 6 26 4 66.7% 茨城県 60 283 32 53.3% 山口県 5 29 2 40.0% 福島県 57 157 24 42.1% 青森県 5 17 2 40.0% 三重県 54 261 34 63.0% 高知県 5 15 0 0.0% 宮城県 53 120 17 32.1% 奈良県 4 48 4 100.0% 京都府 46 202 33 71.7% 島根県 4 17 3 75.0% 岡山県 45 138 26 57.8% 長崎県 3 8 1 33.3% 山梨県 35 133 16 45.7% 沖縄県 1 1 0 0.0% 石川県 27 91 14 51.9% 総計 3,480 14,471 2,171 62.4% 注:金型製造企業総数と型種特定企業は企業数を、金型工場名鑑が事業所数を示す。 注:都道府県は立地する金型製造企業総数の多いものから列挙している。 出所:COSMOS2及び株式会社金型新聞社『金型工場名鑑』(2009年版、2010年版)より筆者作成。 図表4 従業員数における型種特定企業と金型製造企業総数の構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 1~3人 438 21.1% 777 23.6% 4~9人 687 33.1% 1,112 33.8% 10~19人 435 21.0% 664 20.2% 20~29人 221 10.7% 318 9.7% 30~49人 155 7.5% 224 6.8% 50~99人 87 4.2% 127 3.9% 100~199人 33 1.6% 44 1.3% 200~299人 14 0.7% 17 0.5% 300~499人 2 0.1% 4 0.1% 500人以上 2 0.1% 3 0.1% 回答企業計 2,074 100.0% 3,290 100.0% 無回答企業計 97 - 190 -総計 2,171 - 3,480 -注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2より筆者作成。 従業員数 型種特定企業 金型製造企業総数
図表5 資本金額における型種特定企業と金型製造企業総数の構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 300万円未満 1 0.0% 10 0.3% 300万円以上1,000万円未満 783 36.5% 1,386 40.2% 1,000万円以上3,000万円未満 1,108 51.6% 1,674 48.6% 3,000万円以上5,000万円未満 152 7.1% 214 6.2% 5,000万円以上1億円未満 72 3.4% 120 3.5% 1億円以上3億円未満 20 0.9% 25 0.7% 3億円以上10億円未満 7 0.3% 12 0.3% 10億円以上100億円未満 4 0.2% 4 0.1% 回答企業計 2,147 100.0% 3,445 100.0% 無回答企業計 24 - 35 -総計 2,171 - 3,480 -注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2より筆者作成。 資本金額 型種特定企業 金型製造企業総数 上記の点を考慮しつつ、型種特定企業 2,171 社に対して考察を加えていこう。型種を特定で きた2,171 社は、複数の型種を製造している企業も含まれている。そのため、製造する型種数 別に金型製造企業の特徴を明確にする必要がある。型種特定企業の製造する型種数を提示した ものが図表6 である。2,171 社中、製造する型種が 1 つのものが 1,739 社(以降は「型種 1」と 略記)、2 つのものが 369 社(以降は「型種 2」と略記)、3 つのものが 48 社(以降は「型種 3」 と略記)、4 つのものが 10 社(以降は「型種 4」と略記)、5 つのものが 5 社(以降は「型種 5」 と略記)であった。したがって、金型製造企業の大半(80.1%)が単一の型種のみの製造に特 化していることが読み取れる。ただし、非常に少数ではあるが、「その他」を含めた9 種類中 5 種の金型を製造している金型製造企業(5 社)も存在していることに留意しなければならない。 図表6 金型製造企業の製造する型種数 型種数 企業数 構成比率 型種1 1,739 80.1% 型種2 369 17.0% 型種3 48 2.2% 型種4 10 0.5% 型種5 5 0.2% 回答企業計 2,171 100.0% 無回答企業計 0 -総計 2,171 -出所:COSMOS2より筆者作成。 注:色付き箇所は当該区分における最も 高い数値を指す。
また、型種特定企業の 17.0%(369 社)を占める「型種 2」における金型の組み合わせを提 示したものが図表7 である。縦の行は売上に占める割合が最も大きい主となる型種であり、横 の列が次に売り上げに占める割合が大きい従となる型種を表わしている。図表7 の結果から、2 種類の金型を製造している企業は、主として「プレス用金型」を製造しているものが過半数 (54.5%)を超えていることが明らかになった。さらに、主となる型種別に検討した場合、「プ レス用金型」(201 社)では「プラスチック用金型」(182 社)が、「鍛造用金型」(14 社)では 「プラスチック用金型」(5 社)が、「鋳造用金型」(17 社)では「ダイカスト用金型」(10 社) が、「ダイカスト用金型」(33 社)では「プラスチック用金型」(26 社)が、「粉末冶金用金型」 (3 社)では「鍛造用金型」(2 社)が、「プラスチック用金型」(62 社)では「ダイカスト用金 型」(33 社)が、「ガラス用金型」(6 社)では「プラスチック用金型」(6 社)が、「ゴム用金型」 (33 社)では「プラスチック用金型」(26 社)がそれぞれ従として選択する比率が高まってい る。このことから、金型製造企業が複数の金型を製造する場合には、「プラスチック用金型」を 第2 の型種として選択し易い傾向が窺える。換言すれば、「プラスチック用金型」は、他の型種 との技術や技能の類似性が見出し易いため、従の金型として選択されている可能性がある。 図表7 型種を2つ持つ金型製造企業の金型の組み合わせ 型種 プレス 鍛造 鋳造 ダイカスト 粉末冶金 プラスチッ ク ガラス ゴム 型種計 0 5 4 4 4 182 0 2 201 0.0% 2.5% 2.0% 2.0% 2.0% 90.5% 0.0% 1.0% 100.0% 4 0 1 1 3 5 0 0 14 28.6% 0.0% 7.1% 7.1% 21.4% 35.7% 0.0% 0.0% 100.0% 2 2 0 10 0 3 0 0 17 11.8% 11.8% 0.0% 58.8% 0.0% 17.6% 0.0% 0.0% 100.0% 2 1 4 0 0 26 0 0 33 6.1% 3.0% 12.1% 0.0% 0.0% 78.8% 0.0% 0.0% 100.0% 1 2 0 0 0 0 0 0 3 33.3% 66.7% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 100.0% 9 2 7 33 3 0 1 7 62 14.5% 3.2% 11.3% 53.2% 4.8% 0.0% 1.6% 11.3% 100.0% 0 0 0 0 0 6 0 0 6 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 100.0% 0.0% 0.0% 100.0% 4 0 3 0 0 26 0 0 33 12.1% 0.0% 9.1% 0.0% 0.0% 78.8% 0.0% 0.0% 100.0% 22 12 19 48 10 248 1 9 369 6.0% 3.3% 5.1% 13.0% 2.7% 67.2% 0.3% 2.4% 100.0% 注:各数値は上段が各区分における企業数で、下段が構成比率を示す。 注:縦の行は売上に占める割合が最も高い主となる型種を表し、横の列が次に売り上げに占める割合が高い従となる型種を示す。 注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2より筆者作成。 ガラス ゴム 回答企業計 プレス 鍛造 鋳造 ダイカスト 粉末冶金 プラスチック 2.型種数別金型製造企業の概要 製造する型種数別の金型製造企業の概要は次のようになる。図表8 は、型種数別の従業員数 の平均値、中央値、最大値、最小値、標準偏差を提示したものである。そこでは製造する型種
が増加すれば従業員数も加算されるという一般的な兆候が見出せる。ただし、「型種1」の金型 製造企業の最大値は672 人となり、他の型種の最大値を大きく上回っている。また、型種数別 の資本金額を示せば、図表9 の通りである。従業員数と同様、型種数と資本金額は比例してい るように見受けられる。また、「型種1」の金型製造企業の最大値が一際大きくなっていること もわかる。これらのことから、製造する型種が多い企業の方が大規模化する傾向にある。しか しながら、型種を1 種類に特化している金型製造企業の中には、巨大な企業規模を有する金型 製造企業も存在していることが明らかになった。 図表8 型種数別従業員数の平均値・中央値・最大値・最小値・標準偏差 型種数 企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 型種1 1,649 16 8 672 1 34.9 型種2 364 26 10 431 1 31.3 型種3 47 38 20 272 1 47.7 型種4 9 44 17 130 1 52.3 型種5 5 68 41 221 12 46.3 回答企業計 2,074 18 8 672 1 78.1 無回答企業計 97 - - - - -総計 2,171 - - - - -出所:COSMOS2より筆者作成。 図表9 型種数別資本金額(万円)の平均値・中央値・最大値・最小値・標準偏差 型種数 企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 型種1 1,719 1,590 1,000 235,000 50 3,106.6 型種2 366 2,867 1,000 142,992 300 7,475.1 型種3 48 4,204 1,810 40,000 300 11,082.9 型種4 9 1,900 1,000 5,000 300 7,103.5 型種5 5 3,088 3,000 5,000 1,275 1,589.6 回答企業計 2,147 1,871 1,000 235,000 50 8,196.2 無回答企業計 24 - - - - -総計 2,171 - - - - -出所:COSMOS2より筆者作成。 また、型種数別の立地に関わる項目を確認したものが図表10 並びに図表 11 である。図表 10 は、立地する都道府県別に型種数を整理したものである。それを見れば、多くの都道府県では 「型種1」の金型製造企業が最も多い割合を示していることが理解できる。とりわけ、「型種1」 の割合が多い都道府県は、福井県(100.0%)、徳島県(100.0%)、香川県(100.0%)、鳥取県 (100.0%)、長崎県(100.0%)であった。それに対し、「型種 1」の割合が少ない都道府県は、 鹿児島県(0.0%)、大分県(42.9%)、岩手県(44.4%)、山形県(50.0%)、秋田県(50.0%)、
山口県(50.0%)、青森県(50.0%)であった。これらの全国的な動向からは、型種数と各都道 府県の関連性をあまり見出し難いと言える。ただし、金型製造企業数が多い上位5 都府県に限 定すれば、「型種1」の割合は、愛知県が 79.3%(276 社)、大阪府が 78.7%(199 社)、東京都 が77.7%(136 社)、埼玉県が 84.4%(130 社)、神奈川県が 79.2%(118 社)となっており、 全国平均の8 割に近づく傾向にあることが読み取れた。また、創業年を確認した図表 11 を見れ ば、製造する型種数が多くなるに連れ、創業年が古くなることがわかる。しかしながら、最も 創業年が古い金型製造企業(1867 年)は、「型種1」に存在していることも指摘する必要がある。 図表10 型種数別立地先都道府県 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 愛知県 276 79.3% 62 17.8% 6 1.7% 2 0.6% 2 0.6% 348 100.0% 大阪府 199 78.7% 49 19.4% 5 2.0% 0 0.0% 0 0.0% 253 100.0% 東京都 136 77.7% 37 21.1% 1 0.6% 1 0.6% 0 0.0% 175 100.0% 埼玉県 130 84.4% 23 14.9% 1 0.6% 0 0.0% 0 0.0% 154 100.0% 神奈川県 118 79.2% 28 18.8% 2 1.3% 0 0.0% 1 0.7% 149 100.0% 静岡県 110 81.5% 20 14.8% 5 3.7% 0 0.0% 0 0.0% 135 100.0% 群馬県 97 96.0% 1 1.0% 1 1.0% 2 2.0% 0 0.0% 101 100.0% 新潟県 81 85.3% 11 11.6% 3 3.2% 0 0.0% 0 0.0% 95 100.0% 岐阜県 67 73.6% 19 20.9% 5 5.5% 0 0.0% 0 0.0% 91 100.0% 長野県 69 93.2% 4 5.4% 1 1.4% 0 0.0% 0 0.0% 74 100.0% 栃木県 55 91.7% 4 6.7% 1 1.7% 0 0.0% 0 0.0% 60 100.0% 広島県 43 82.7% 4 7.7% 5 9.6% 0 0.0% 0 0.0% 52 100.0% 富山県 37 71.2% 13 25.0% 2 3.8% 0 0.0% 0 0.0% 52 100.0% 兵庫県 37 78.7% 9 19.1% 1 2.1% 0 0.0% 0 0.0% 47 100.0% 千葉県 30 78.9% 6 15.8% 0 0.0% 2 5.3% 0 0.0% 38 100.0% 三重県 21 61.8% 12 35.3% 0 0.0% 1 2.9% 0 0.0% 34 100.0% 京都府 27 81.8% 6 18.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 33 100.0% 茨城県 27 84.4% 4 12.5% 0 0.0% 1 3.1% 0 0.0% 32 100.0% 福岡県 20 71.4% 6 21.4% 1 3.6% 1 3.6% 0 0.0% 28 100.0% 岡山県 21 80.8% 2 7.7% 2 7.7% 0 0.0% 1 3.8% 26 100.0% 福島県 16 66.7% 7 29.2% 1 4.2% 0 0.0% 0 0.0% 24 100.0% 滋賀県 16 80.0% 4 20.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 20 100.0% 宮城県 12 70.6% 4 23.5% 1 5.9% 0 0.0% 0 0.0% 17 100.0% 山梨県 12 75.0% 4 25.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 16 100.0% 石川県 12 85.7% 2 14.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 14 100.0% 山形県 6 50.0% 4 33.3% 2 16.7% 0 0.0% 0 0.0% 12 100.0% 福井県 11 100.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 11 100.0% 岩手県 4 44.4% 4 44.4% 1 11.1% 0 0.0% 0 0.0% 9 100.0% 熊本県 5 62.5% 3 37.5% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 8 100.0% 大分県 3 42.9% 4 57.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 7 100.0% 北海道 4 66.7% 2 33.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 6 100.0% 徳島県 6 100.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 6 100.0% 愛媛県 4 80.0% 1 20.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 5 100.0% 香川県 5 100.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 5 100.0% 佐賀県 3 60.0% 2 40.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 5 100.0% 和歌山県 3 75.0% 1 25.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 4 100.0% 宮崎県 3 75.0% 1 25.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 4 100.0% 鳥取県 4 100.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 4 100.0% 奈良県 3 75.0% 1 25.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 4 100.0% 鹿児島県 0 0.0% 3 100.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 3 100.0% 島根県 2 66.7% 1 33.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 3 100.0% 秋田県 1 50.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 50.0% 2 100.0% 山口県 1 50.0% 0 0.0% 1 50.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 100.0% 青森県 1 50.0% 1 50.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 100.0% 長崎県 1 100.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 100.0% 高知県 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 -沖縄県 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 -総計 1,739 80.1% 369 17.0% 48 2.2% 10 0.5% 5 0.2% 2,171 100.0% 注:都道府県は立地する金型製造企業数の多いものから列挙している。 出所:COSMOS2より筆者作成。 都道府県 型種1 型種2 型種3 型種4 型種5 型種数計
図表11 型種数別創業年の平均値・中央値・最大値・最小値・標準偏差 型種数 企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 型種1 1,161 1968 1969 2005 1867 16.4 型種2 247 1967 1969 2002 1880 14.0 型種3 26 1957 1963 1984 1913 16.7 型種4 8 1941 1946 1963 1913 19.8 型種5 4 1962 1959 1993 1937 17.1 回答企業計 1,446 1967 1969 2005 1867 20.6 無回答企業計 725 - - - - -総計 2,171 - - - - -出所:COSMOS2より筆者作成。 さらに、型種数別の経営成果の相違を提示したのが図表12 と図表 13 である。図表 12 は型 種数別の2010 年の売上額を掲載したものである。それを見れば、型種数の増加は、売上額の上 昇を伴うことが理解できる。ただし、「型種5」の売上額の高さは目に付くが、最も大きい売上 額を誇るのは「型種1」の 186 億 6,500 万円であった。また、図表 13 の 2010 年の税引後利益 を検討すれば、「型種5」の利益額は売上額に反して低迷していることが明らかになった。そし て、最も低い利益額は「型種1」の-26 億 100 万円であった。 図表12 型種数別2010年の売上額(百万円)の平均値・中央値・最大値・最小値・標準偏差 型種数 企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 型種1 1,739 232 100 18,665 1 792.4 型種2 369 421 150 12,483 3 640.5 型種3 48 540 217 4,425 10 1,023.8 型種4 10 379 203 1,550 6 909.1 型種5 5 674 621 1,883 100 453.8 回答企業計 2,171 273 110 18,665 1 645.9 無回答企業計 0 - - - - -総計 2,171 273 110 18,665 1 645.9 出所:COSMOS2より筆者作成。 図表13 型種数別2010年の税引後利益額(千円)の平均値・中央値・最大値・最小値・標準偏差 型種数 企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 型種1 520 -10,244 500 169,380 -2,601,000 55,224.5 型種2 141 -10,692 500 375,499 -886,173 123,663.7 型種3 28 100,555 -6,276 3,201,628 -199,667 102,221.6 型種4 4 -58,989 -3,341 21,727 -251,000 611,564.0 型種5 3 -160,401 -189,000 -9,800 -282,403 128,666.7 回答企業計 696 -6,805 452 3,201,628 -2,601,000 138,533.5 無回答企業計 1,475 - - - - -総計 2,171 - - - - -出所:COSMOS2より筆者作成。
以上の結果から、型種数の大まかな兆候は把握できる。つまり、多様な型種を手掛けている 金型製造企業は、比較的企業規模が大きく、老舗の企業と言える。そして、型種数の増加と売 上額の上昇は関連があるように見受けられるが、それが利益額の向上に直結し難い状況にある。 ただし、型種数を増加させるかは金型製造企業の経営方針に大きく依存する。それは型種数を 限定している巨大な企業規模の企業や老舗企業が存在していることから類推できる。 上記の型種数の動向を踏まえ、以下では金型製造企業の製造する型種を、主に製造している 型種 1 種のみに限定し、型種間の違いによる金型製造企業の特質を見出すことにする。本稿で 対象とする型種特定企業2,171 社の構成を示せば、図表 14 のようになる。そこでは、「プレス 用金型」が879 社(40.5%)、「プラスチック用金型」が 876 社(40.4%)、「ダイカスト用金型」 が125 社(5.8%)、「ゴム用金型」が 94 社(4.3%)、「鋳造用金型」が 77 社(3.5%)、「鍛造用 金型」が62 社(2.9%)、「その他の金型」が25 社(1.2%)、「粉末冶金用金型」が19 社(0.9%)、 「ガラス用金型」が14 社(0.6%)となった。したがって、型種を 1 種類に限定した型種特定 企業は、「プレス用金型」と「プラスチック用金型」で8 割(80.9%)を占めることが明らかに なった。ただし、型種に関する重複を認めれば、「プラスチック用金型」(1,165 社)の方が製造 する企業数が多くなることがわかる。なお、社団法人日本金型工業会が発行している2011 年版 『会員名簿』の比率と比較すれば、本稿で用いる型種特定企業は、「プレス用金型」を主とする 金型製造企業の割合が高くなっていた4。 図表14 型種構成 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 プレス 879 40.5% 923 34.3% 110 24.4% 鍛造 62 2.9% 86 3.2% 20 4.4% 鋳造 77 3.5% 109 4.0% 30 6.7% ダイカスト 125 5.8% 209 7.8% 33 7.3% 粉末冶金 19 0.9% 38 1.4% 4 0.9% プラスチック 876 40.4% 1,165 43.2% 211 46.9% ガラス 14 0.6% 17 0.6% 8 1.8% ゴム 94 4.3% 116 4.3% 31 6.9% 25 1.2% 31 1.2% 3 0.7% 2,171 100.0% 2,694 100.0% 450 100.0% 0 - 0 - 18 -2,171 - 2,694 - 468 -注:金型工業会の「その他」の区分は窯業である。 注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2及び社団法人日本金型工業会『会員名簿』(2011年版)より筆者作成。 注:型種限定は当該企業にとって主たる型種から分類したものである。また、複数型種は主となる型種に加えて、従となる 型種も含め類型化したものである。そのため、「プレス用金型」と「プラスチック用金型」を共に手掛けている企業は、「プレ ス」と「プラスチック」の2回にカウントされており、複数型種の合計が2,171社よりも多くなっている。 型種限定 複数型種 金型工業会 金属加工用金型(Die) 非金属加工用金型 (Mold) その他 回答企業計 類型不可企業 総計 型種
4 社団法人日本金型工業会は、『会員名簿』を隔年で発行しており、本データの対象となる 2010 年時点の会員 数並びに型種が不明であった。そのため、本データとの比較では直近の 2011 年版の『会員名簿』を使用した。
Ⅱ.型種別金型製造企業の特徴
1.型種別金型製造企業の企業規模 それでは、型種別の金型製造企業の特徴を検討していくことにしよう。まず、それぞれの型 種の企業規模から把握する。図表15 は従業員数を提示したものである。それを見れば、多くの 型種では、従業員区分「4~9 人」が最も多くなっていることがわかる。ただし、「ダイカスト 用金型」、「粉末冶金用金型」、「ガラス用金型」の3 種は、最も多い従業員区分が 10 人以上を指 示している。その中でも、従業員数10 人以上が 83.3%(15 社)を占める「粉末冶金用金型」 の従業員数の大きさは一際目を引く。 図表15 型種別従業員数 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 1~3人 190 22.9% 7 11.3% 8 10.7% 19 15.7% 0.0% 187 22.3% 3 23.1% 17 18.5% 7 28.0% 438 21.1% 4~9人 285 34.3% 18 29.0% 24 32.0% 26 21.5% 3 16.7% 292 34.9% 3 23.1% 32 34.8% 4 16.0% 687 33.1% 10~19人 172 20.7% 13 21.0% 18 24.0% 33 27.3% 3 16.7% 174 20.8% 1 7.7% 16 17.4% 5 20.0% 435 21.0% 20~29人 74 8.9% 8 12.9% 9 12.0% 15 12.4% 4 22.2% 89 10.6% 1 7.7% 16 17.4% 5 20.0% 221 10.7% 30~49人 53 6.4% 10 16.1% 9 12.0% 16 13.2% 3 16.7% 52 6.2% 1 7.7% 9 9.8% 2 8.0% 155 7.5% 50~99人 39 4.7% 6 9.7% 2 2.7% 9 7.4% 1 5.6% 23 2.7% 4 30.8% 1 1.1% 2 8.0% 87 4.2% 100~199人 12 1.4% 0 0.0% 2 2.7% 1 0.8% 2 11.1% 16 1.9% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 33 1.6% 200~299人 3 0.4% 0 0.0% 3 4.0% 2 1.7% 2 11.1% 3 0.4% 0 0.0% 1 1.1% 0 0.0% 14 0.7% 300~499人 2 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.1% 500人以上 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.1% 回答企業計 831 100.0% 62 100.0% 75 100.0% 121 100.0% 18 100.0% 837 100.0% 13 100.0% 92 100.0% 25 100.0% 2,074 100.0% 無回答企業計 48 - 0 - 2 - 4 - 1 - 39 - 1 - 2 - 0 - 97 -総計 879 - 62 - 77 - 125 - 19 - 876 - 14 - 94 - 25 - 2,171 -注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2より筆者作成。 従業員数 金属加工用金型(Die) 非金属加工用金型(Mold) その他 型種計 プレス 鍛造 鋳造 ダイカスト 粉末冶金 プラスチック ガラス ゴム また、資本金規模を表したものが図表 16 である。型種を問わず、最も多いのは資本金区分 「1,000 万円以上 3,000 万円未満」であった。このように、資本金額 3,000 万円未満の企業が 8 割以上を占めている型種が多い。したがって、型種別の資本金額の相違はあまり無いようにも 見受けられる。ところが、3,000 万円以上の資本金区分として再整理すれば、「粉末冶金用金型」 と「ガラス用金型」ではその値が3 割を超えていることが理解できる。 図表16 型種別資本金額 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.0% 345 39.6% 14 23.0% 20 26.3% 38 30.9% 4 21.1% 319 36.8% 3 23.1% 32 34.8% 8 33.3% 783 36.5% 430 49.3% 35 57.4% 45 59.2% 63 51.2% 9 47.4% 459 52.9% 6 46.2% 48 52.2% 13 54.2% 1,108 51.6% 60 6.9% 6 9.8% 7 9.2% 10 8.1% 2 10.5% 53 6.1% 3 23.1% 8 8.7% 3 12.5% 152 7.1% 24 2.8% 3 4.9% 2 2.6% 12 9.8% 2 10.5% 26 3.0% 1 7.7% 2 2.2% 0 0.0% 72 3.4% 6 0.7% 3 4.9% 1 1.3% 0 0.0% 1 5.3% 7 0.8% 0 0.0% 2 2.2% 0 0.0% 20 0.9% 4 0.5% 0 0.0% 1 1.3% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 7 0.3% 2 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 5.3% 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 4 0.2% 872 100.0% 61 100.0% 76 100.0% 123 100.0% 19 100.0% 867 100.0% 13 100.0% 92 100.0% 24 100.0% 2,147 100.0% 7 - 1 - 1 - 2 - 0 - 9 - 1 - 2 - 1 - 24 -879 - 62 - 77 - 125 - 19 - 876 - 14 - 94 - 25 - 2,171 -注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2より筆者作成。 金属加工用金型(Die) 非金属加工用金型(Mold) その他 型種計 プレス 鍛造 鋳造 ダイカスト 粉末冶金 プラスチック ガラス ゴム 資本金額 回答企業計 無回答企業計 総計 300万円未満 300万円以上1,000万円未満 1,000万円以上3,000万円未満 3,000万円以上5,000万円未満 5,000万円以上1億円未満 1億円以上3億円未満 3億円以上10億円未満 10億円以上100億円未満 上記の型種間における企業規模の格差は、平均値、最大値、最小値、標準偏差を分析すれば より鮮明になる。図表17 は、従業員数におけるそれらの数値を提示したものである。とりわけ、 中央値の数値から検討すれば、「粉末冶金用金型」(28 人)、「ダイカスト用金型」(14 人)、「鋳造用金型」(13 人)、「鍛造用金型」(12 人)、「ガラス用金型」(12 人)は、従業員数 10 人以上 となっている5。さらに、最も従業員数が少ない「プレス用金型」(8 人)や「プラスチック用金 型」(8 人)と、最も多い「粉末冶金用金型」(28 人)では、従業員数に 3 倍以上の開きが見ら れる。ただし、中央値と平均値の乖離を鑑みれば、「粉末冶金用金型」を製造しているカテゴリ ーの中でも、従業員数に大きなバラツキが発生していると言えよう。そして、「プレス用金型」 と「プラスチック用金型」の最大値は、それぞれ672 人と 547 人となり、他の型種よりも多く なっている。つまり、「プレス用金型」と「プラスチック用金型」の型種内で従業員数の差が激 しいことが予想される。また、資本金額の値を比較したものが図表18 である。そこでは中央値 のみで型種間の差異を読み取ることが困難であった。しかしながら、最大値と最小値の差を分 析すれば、「プレス用金型」(23 億 4,950 万円)、「プラスチック用金型」(16 億 1,000 万円)、「粉 末冶金用金型」(14 億 2,692 万 1,000 円)の順で値が開いていることがわかる。 企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 プレス 831 17 8 672 1 39.1 鍛造 62 20 12 84 1 19.8 鋳造 75 27 13 266 1 47.0 ダイカスト 121 23 14 230 1 32.0 粉末冶金 18 60 28 295 5 78.4 プラスチック 837 16 8 547 1 31.9 ガラス 13 28 12 90 2 29.8 ゴム 92 16 9 272 1 29.6 25 17 10 70 2 16.8 2,074 18 8 672 1 36.0 97 - - - - -2,171 - - - - -出所:COSMOS2より筆者作成。 無回答企業計 総計 図表17 型種別従業員数の平均値・中央値・最大値・最小値・標準偏差 型種 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) その他 回答企業計
5 以降の型種別の比較を行う際には、中央値の値を中心に考察する。それは平均値と中央値の乖離が著しいた め、中央値の方が母集団の属性を的確に捉えていると判断したためである。
企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 プレス 872 1,935 1,000 235,000 50 9734.7 鍛造 61 1,949 1,000 13,000 300 2525 鋳造 76 2,181 1,000 40,000 300 5308.5 ダイカスト 123 1,813 1,000 9,888 300 2035.6 粉末冶金 19 10,129 1,000 142,992 300 31612.8 プラスチック 867 1,657 1,000 161,300 300 6596.1 ガラス 13 2,058 1,000 5,400 300 1653.9 ゴム 92 1,509 1,000 15,000 300 2127.4 24 1,158 1,000 3,500 300 920.6 2,147 1,871 1,000 235,000 50 8196.2 24 - - - - -2,171 - - - - -出所:COSMOS2より筆者作成。 無回答企業計 総計 図表18 型種別資本金額(万円)の平均値・中央値・最大値・最小値・標準偏差 型種 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) その他 回答企業計 以上の企業規模に関する記述から、「粉末冶金用金型」を製造している金型製造企業は、他の 型種よりも大規模な金型製造企業であると言える。そして、「プレス用金型」と「プラスチック 用金型」では、相対的に小規模な金型製造企業が多いことがわかる。ただし、それらの型種で は型種内の企業規模間格差が著しいと言えよう。 2.型種別金型製造企業の立地状況 次に、型種別の金型製造企業における立地の状況を把握することにする。立地する都道府県 を整理したものが図表19 である。それを見れば、多くの型種では金型製造企業数が最も多い「愛 知県」に集中していることが把握できる。とりわけ、「鍛造用金型」(77 社)は「愛知県」(19 社)に集約していると言える。ただし、一般的な傾向と異なる兆候を示す型種も存在している。 例えば、「ガラス用金型」(14 社)は顕著に「大阪府」(6 社)に特化していると言える。そして、 「粉末冶金用金型」(19 社)では「京都府」(4 社)が、「ゴム用金型」(94 社)では「東京都」 (13 社)が最も高い割合を占めている。
図表19 型種別立地先都道府県 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 愛知県 154 17.5% 19 30.6% 10 13.0% 23 18.4% 2 10.5% 121 13.8% 0 0.0% 13 13.8% 6 24.0% 348 16.0% 大阪府 87 9.9% 14 22.6% 6 7.8% 7 5.6% 1 5.3% 120 13.7% 6 42.9% 7 7.4% 5 20.0% 253 11.7% 東京都 70 8.0% 4 6.5% 2 2.6% 4 3.2% 1 5.3% 76 8.7% 1 7.1% 16 17.0% 1 4.0% 175 8.1% 埼玉県 38 4.3% 3 4.8% 8 10.4% 15 12.0% 3 15.8% 73 8.3% 0 0.0% 11 11.7% 3 12.0% 154 7.1% 神奈川県 62 7.1% 2 3.2% 1 1.3% 10 8.0% 1 5.3% 63 7.2% 4 28.6% 6 6.4% 0 0.0% 149 6.9% 静岡県 69 7.8% 1 1.6% 4 5.2% 9 7.2% 0 0.0% 47 5.4% 0 0.0% 4 4.3% 1 4.0% 135 6.2% 群馬県 50 5.7% 2 3.2% 3 3.9% 7 5.6% 0 0.0% 39 4.5% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 101 4.7% 新潟県 47 5.3% 5 8.1% 6 7.8% 3 2.4% 1 5.3% 31 3.5% 0 0.0% 2 2.1% 0 0.0% 95 4.4% 岐阜県 34 3.9% 2 3.2% 4 5.2% 6 4.8% 0 0.0% 38 4.3% 1 7.1% 2 2.1% 4 16.0% 91 4.2% 長野県 28 3.2% 0 0.0% 4 5.2% 4 3.2% 0 0.0% 36 4.1% 1 7.1% 0 0.0% 1 4.0% 74 3.4% 栃木県 30 3.4% 2 3.2% 0 0.0% 2 1.6% 0 0.0% 25 2.9% 0 0.0% 1 1.1% 0 0.0% 60 2.8% 広島県 29 3.3% 2 3.2% 2 2.6% 4 3.2% 0 0.0% 12 1.4% 0 0.0% 3 3.2% 0 0.0% 52 2.4% 富山県 11 1.3% 0 0.0% 3 3.9% 10 8.0% 0 0.0% 28 3.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 52 2.4% 兵庫県 18 2.0% 0 0.0% 2 2.6% 2 1.6% 0 0.0% 14 1.6% 1 7.1% 9 9.6% 1 4.0% 47 2.2% 千葉県 8 0.9% 1 1.6% 0 0.0% 1 0.8% 0 0.0% 23 2.6% 0 0.0% 4 4.3% 1 4.0% 38 1.8% 三重県 11 1.3% 0 0.0% 6 7.8% 6 4.8% 1 5.3% 8 0.9% 0 0.0% 2 2.1% 0 0.0% 34 1.6% 京都府 9 1.0% 0 0.0% 1 1.3% 1 0.8% 4 21.1% 18 2.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 33 1.5% 茨城県 14 1.6% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.8% 0 0.0% 14 1.6% 0 0.0% 3 3.2% 0 0.0% 32 1.5% 福岡県 11 1.3% 0 0.0% 2 2.6% 2 1.6% 1 5.3% 11 1.3% 0 0.0% 1 1.1% 0 0.0% 28 1.3% 岡山県 11 1.3% 1 1.6% 4 5.2% 0 0.0% 1 5.3% 4 0.5% 0 0.0% 3 3.2% 2 8.0% 26 1.2% 福島県 8 0.9% 0 0.0% 5 6.5% 1 0.8% 0 0.0% 8 0.9% 0 0.0% 2 2.1% 0 0.0% 24 1.1% 滋賀県 9 1.0% 0 0.0% 1 1.3% 1 0.8% 0 0.0% 9 1.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 20 0.9% 宮城県 7 0.8% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 10 1.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 17 0.8% 山梨県 8 0.9% 0 0.0% 0 0.0% 2 1.6% 0 0.0% 6 0.7% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 16 0.7% 石川県 1 0.1% 2 3.2% 1 1.3% 1 0.8% 0 0.0% 9 1.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 14 0.6% 山形県 7 0.8% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.8% 0 0.0% 3 0.3% 0 0.0% 1 1.1% 0 0.0% 12 0.6% 福井県 4 0.5% 1 1.6% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 6 0.7% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 11 0.5% 岩手県 7 0.8% 1 1.6% 0 0.0% 1 0.8% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 9 0.4% 熊本県 6 0.7% 0 0.0% 1 1.3% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 8 0.4% 大分県 4 0.5% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.2% 0 0.0% 1 1.1% 0 0.0% 7 0.3% 北海道 3 0.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 3 0.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 6 0.3% 徳島県 3 0.3% 0 0.0% 1 1.3% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1% 0 0.0% 1 1.1% 0 0.0% 6 0.3% 愛媛県 2 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 3 0.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 5 0.2% 香川県 5 0.6% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 5 0.2% 佐賀県 3 0.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 2.1% 0 0.0% 5 0.2% 和歌山県 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 3 0.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 4 0.2% 宮崎県 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 3 0.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 4 0.2% 鳥取県 2 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 10.5% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 4 0.2% 奈良県 2 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 4 0.2% 鹿児島県 2 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 3 0.1% 島根県 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 3 0.1% 秋田県 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 5.3% 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.1% 山口県 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.8% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.1% 青森県 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.1% 長崎県 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.0% 高知県 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 沖縄県 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 総計 879 100.0% 62 100.0% 77 100.0% 125 100.0% 19 100.0% 876 100.0% 14 100.0% 94 100.0% 25 100.0% 2,171 100.0% 注:都道府県は立地する金型製造企業数の多いものから列挙している。 注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2より筆者作成。 都道府県 金属加工用金型(Die) 非金属加工用金型(Mold) その他 型種計 プレス 鍛造 鋳造 ダイカスト 粉末冶金 プラスチック ガラス ゴム また、図表20 では創業年を見ている。各型種における創業年の最も多い区分を示せば、「プ レス用金型」(592 社)が「1961~1970 年」(192 社)、「鍛造用金型」(38 社)が「1961~1970 年」(13 社)、「鋳造用金型」(56 社)が「1941~1950 年」(16 社)、「ダイカスト用金型」(78 社)が「1961~1970 年」(22 社)、「粉末冶金用金型」(12 社)が「1951~1960 年」(5 社)、 「プラスチック用金型」(585 社)が「1971~1980 年」(179 社)、「ガラス用金型」(6 社)が 「1951~1960 年」(3 社)、「ゴム用金型」(62 社)が「1961~1970 年」(17 社)、「1971~1980 年」(17 社)となった。このことから、創業年は型種によって大きな差異が生じていることが 理解できる。
図表20 型種別創業年 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 1861~1870年 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1% 1871~1880年 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 1.6% 0 0.0% 1 0.1% 1881~1890年 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1891~1900年 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1901~1910年 2 0.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.1% 1911~1920年 4 0.7% 0 0.0% 2 3.6% 0 0.0% 0 0.0% 4 0.7% 0 0.0% 2 3.2% 0 0.0% 12 0.8% 1921~1930年 9 1.5% 2 5.3% 2 3.6% 1 1.3% 0 0.0% 4 0.7% 0 0.0% 3 4.8% 0 0.0% 21 1.5% 1931~1940年 10 1.7% 1 2.6% 5 8.9% 0 0.0% 2 16.7% 6 1.0% 1 16.7% 3 4.8% 0 0.0% 28 1.9% 1941~1950年 34 5.7% 5 13.2% 16 28.6% 13 16.7% 1 8.3% 48 8.2% 0 0.0% 7 11.3% 4 23.5% 128 8.9% 1951~1960年 70 11.8% 7 18.4% 9 16.1% 8 10.3% 5 41.7% 73 12.5% 3 50.0% 11 17.7% 3 17.6% 189 13.1% 1961~1970年 192 32.4% 13 34.2% 9 16.1% 22 28.2% 2 16.7% 156 26.7% 1 16.7% 17 27.4% 6 35.3% 418 28.9% 1971~1980年 185 31.3% 7 18.4% 9 16.1% 20 25.6% 2 16.7% 179 30.6% 0 0.0% 17 27.4% 4 23.5% 423 29.3% 1981~1990年 69 11.7% 2 5.3% 3 5.4% 9 11.5% 0 0.0% 101 17.3% 1 16.7% 1 1.6% 0 0.0% 186 12.9% 1991~2000年 16 2.7% 1 2.6% 1 1.8% 4 5.1% 0 0.0% 11 1.9% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 33 2.3% 2001~2010年 1 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 1 1.3% 0 0.0% 2 0.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 4 0.3% 回答企業計 592 100.0% 38 100.0% 56 100.0% 78 100.0% 12 100.0% 585 100.0% 6 100.0% 62 100.0% 17 100.0% 1,446 100.0% 無回答企業計 287 - 24 - 21 - 47 - 7 - 291 - 8 - 32 - 8 - 725 -総計 879 - 62 - 77 - 125 - 19 - 876 - 14 - 94 - 25 - 2,171 -注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2より筆者作成。 創業年 金属加工用金型(Die) 非金属加工用金型(Mold) その他 型種計 プレス 鍛造 鋳造 ダイカスト 粉末冶金 プラスチック ガラス ゴム 上記の型種別の創業年の相違は、平均値や中央値などを検討した図表21 から詳細になる。中 央値で比較すれば、創業年が古い「鋳造用金型」(1953 年)や「粉末冶金用金型」(1954 年) と、新しい「プラスチック用金型」(1971 年)や「プレス用金型」(1969 年)の間には 15 年以 上のタイムラグが存在している。ただし、創業年が新しい「プレス用金型」や「プラスチック 用金型」においても、最小値は他の型種と比較して古いことが明らかになった。そのようなこ とから、「プレス用金型」と「プラスチック用金型」は型種内における創業年の開きが著しい型 種と言えよう。 企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 プレス 592 1968 1969 2002 1902 14.0 鍛造 38 1962 1965 1993 1930 14.1 鋳造 56 1956 1953 1996 1913 17.7 ダイカスト 78 1968 1969 2002 1930 14.1 粉末冶金 12 1955 1954 1973 1936 10.9 プラスチック 585 1969 1971 2005 1867 14.1 ガラス 6 1960 1960 1987 1931 17.0 ゴム 62 1958 1964 1987 1880 18.6 17 1962 1965 1978 1946 10.5 1,446 1967 1969 2005 1867 14.8 725 - - - - -2,171 - - - - -出所:COSMOS2より筆者作成。 無回答企業計 総計 図表21 型種別創業年の平均値・中央値・最大値・最小値・標準偏差 型種 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) その他 回答企業計 以上を踏まえ、それぞれの型種では大きく異なる地理的な特性を持つことがわかった。具体 的に述べれば、立地に関しては、「鍛造用金型」が「愛知県」、「粉末冶金用金型」が「京都府」、 「ガラス用金型」が「大阪府」、「ゴム用金型」が「東京都」に集積していると言える。また、 創業年を比較すれば、「鋳造用金型」や「粉末冶金用金型」を製造している金型製造企業は比較 的創業が古い。それに対し、「プレス用金型」や「プラスチック用金型」は創業年の新しい金型
製造企業が多いと言える。しかしながら、「プレス用金型」や「プラスチック用金型」でも、老 舗の金型製造企業は一定の割合で存在していると指摘できる。 3.型種別金型製造企業の経営成果 さらに、型種別に金型製造企業の経営成果を検討する。2010 年の売上額を列挙したものが図 表22 である。全ての型種で最も多い売上区分は、「1 億円以上 5 億円未満」であった。このよ うに、2010 年は多くの型種で売上額 5 億円未満に留まる企業が 8 割を超過しているのが実態で ある。ところが、「粉末冶金用金型」(19 社)と「ガラス用金型」(14 社)では、5 億円以上の 売上を誇るものが、それぞれ31.6%(6 社)と 21.4%(3 社)存在している。ただし、「プレス 用金型」(2 社)が最も多い売上区分「100 億円以上」を占めていることには注意が必要である。 図表22 型種別2010年の売上額 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 5,000万円未満 213 24.2% 10 16.1% 12 15.6% 14 11.2% 1 5.3% 198 22.6% 4 28.6% 21 22.3% 6 24.0% 479 22.1% 5,000万円以上1億円未満 213 24.2% 12 19.4% 12 15.6% 23 18.4% 1 5.3% 221 25.2% 1 7.1% 23 24.5% 3 12.0% 509 23.4% 1億円以上5億円未満 372 42.3% 30 48.4% 42 54.5% 69 55.2% 11 57.9% 365 41.7% 6 42.9% 45 47.9% 13 52.0% 953 43.9% 5億円以上10億円未満 43 4.9% 5 8.1% 6 7.8% 11 8.8% 2 10.5% 58 6.6% 1 7.1% 4 4.3% 2 8.0% 132 6.1% 10億円以上50億円未満 31 3.5% 5 8.1% 5 6.5% 8 6.4% 4 21.1% 33 3.8% 2 14.3% 1 1.1% 1 4.0% 90 4.1% 50億円以上100億円未満 5 0.6% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 6 0.3% 100億円以上 2 0.2% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.1% 回答企業計 879 100.0% 62 100.0% 77 100.0% 125 100.0% 19 100.0% 876 100.0% 14 100.0% 94 100.0% 25 100.0% 2,171 100.0% 無回答企業計 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 - 0 -総計 879 - 62 - 77 - 125 - 19 - 876 - 14 - 94 - 25 - 2,171 -注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2より筆者作成。 売上額 金属加工用金型(Die) 非金属加工用金型(Mold) その他 型種計 プレス 鍛造 鋳造 ダイカスト 粉末冶金 プラスチック ガラス ゴム また、図表23 は 2010 年の税引後利益額を確認したものである。そこでは、「プレス用金型」 (283 社)が「0 円以上 1,000 万円未満」(101 社)、「鍛造用金型」(26 社)が「-5,000 万円以 上-1,000 万円未満」(9 社)、「鋳造用金型」(26 社)が「0 円以上 1,000 万円未満」(12 社)、 「ダイカスト用金型」(48 社)が「0 円以上 1,000 万円未満」(18 社)、「粉末冶金用金型」(10 社)が「-5 億円以上-1 億円未満」(3 社)、「プラスチック用金型」(272 社)が「0 円以上 1,000 万円未満」(108 社)、「ガラス用金型」(2 社)が「0 円以上 1,000 万円未満」(1 社)、「1,000 万 円以上5,000 万円未満」(1 社)、「ゴム用金型」(21 社)が「0 円以上 1,000 万円未満」(7 社) が最も高い割合となった。売上額と異なり、利益額では型種間で明確な差が見られる。また、 回答企業総数(696 社)の少なさから断言はできないが、「粉末冶金用金型」と「鍛造用金型」 を製造している金型製造企業は、他の型種と比較して利益額の低さが表れていると言えよう。 さらに、各々の黒字比率を計算すれば、「プレス用金型」が54.8%(155 社)、「鍛造用金型」が 50.0%(13 社)、「鋳造用金型」が65.4%(17 社)、「ダイカスト用金型」が60.4%(29 社)、「粉 末冶金用金型」が40.0%(4 社)、「プラスチック用金型」が 54.8%(149 社)、「ガラス用金型」 が100.0%(2 社)、「ゴム用金型」が 52.4%(11 社)であった。したがって、「ガラス用金型」、 「鋳造用金型」、「ダイカスト用金型」では、黒字の割合が6 割を上回る好結果となった。なお、
最も多い利益額は、「鋳造用金型」(1 社)の 5 億円以上であった。 図表23 型種別2010年の税引後利益額 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 企業数 構成比率 -10億円未満 1 0.4% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1% -10億円以上-5億円未満 1 0.4% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.4% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 0.3% -5億円以上-1億円未満 10 3.5% 1 3.8% 2 7.7% 2 4.2% 3 30.0% 6 2.2% 0 0.0% 1 4.8% 0 0.0% 25 3.6% -1億円以上-5,000万円未満 12 4.2% 0 0.0% 0 0.0% 2 4.2% 0 0.0% 11 4.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 25 3.6% -5,000万円以上-1,000万円未満 42 14.8% 9 34.6% 5 19.2% 7 14.6% 1 10.0% 44 16.2% 0 0.0% 3 14.3% 0 0.0% 111 15.9% -1,000万円以上0円未満 62 21.9% 3 11.5% 2 7.7% 8 16.7% 2 20.0% 61 22.4% 0 0.0% 6 28.6% 0 0.0% 144 20.7% 0円以上1,000万円未満 101 35.7% 8 30.8% 12 46.2% 18 37.5% 2 20.0% 108 39.7% 1 50.0% 7 33.3% 6 75.0% 263 37.8% 1,000万円以上5,000万円未満 41 14.5% 4 15.4% 4 15.4% 9 18.8% 2 20.0% 35 12.9% 1 50.0% 4 19.0% 1 12.5% 101 14.5% 5,000万円以上1億円未満 8 2.8% 0 0.0% 0 0.0% 1 2.1% 0 0.0% 4 1.5% 0 0.0% 0 0.0% 1 12.5% 14 2.0% 1億円以上5億円未満 5 1.8% 1 3.8% 0 0.0% 1 2.1% 0 0.0% 2 0.7% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 9 1.3% 5億円以上 0 0.0% 0 0.0% 1 3.8% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.1% 回答企業計 283 100.0% 26 100.0% 26 100.0% 48 100.0% 10 100.0% 272 100.0% 2 100.0% 21 100.0% 8 100.0% 696 100.0% 無回答企業計 596 - 36 - 51 - 77 - 9 - 604 - 12 - 73 - 17 - 1,475 -総計 879 - 62 - 77 - 125 - 19 - 876 - 14 - 94 - 25 - 2,171 -注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2より筆者作成。 税引後利益額 金属加工用金型(Die) 非金属加工用金型(Mold) その他 型種計 プレス 鍛造 鋳造 ダイカスト 粉末冶金 プラスチック ガラス ゴム これまで見てきた経営成果を平均値や中央値などから把握しておこう。図表24 では、売上額 の各数値を提示している。中央値を活用すれば、最も売上額が高いのは、「粉末冶金用金型」で あり、2 億 7,000 万円であった。それに対し、最も低いのは、「プレス用金型」、「プラスチック 用金型」、「ゴム用金型」の1 億円であった。したがって、型種間では売上額に 2.7 倍の開きが 生じていることがわかる。しかしながら、売上額の最大値で上位を占める型種は順に、「プレス 用金型」(186 億 6,500 万円)、「プラスチック用金型」(84 億 9,600 万円)、「ゴム用金型」(44 億 2,500 万円)であった。したがって、売上額が低位に留まる型種の中でも、売上額の多い金 型製造企業と少ない金型製造企業の落差が存在する。また、税引後利益額の値を確認したもの が図表25 である。図表 25 の中央値を見れば、「ガラス用金型」(1,017 万 6,000 円)の利益額 の高さと、「粉末冶金用金型」(-301 万 9,000 円)の低さが際立つ。ただし、「ガラス用金型」 のデータ数が2 社であるため、幾分割り引いて考えなければならない。そして、最大値と最小 値の差を分析すれば、「鋳造用金型」(33 億 8,162 万 8,000 円)と「プレス用金型」(29 億 7,649 万9,000 円)の値が大きくなっている。その理由として、一方の「鋳造用金型」では最大値(32 億162 万 8,000 円)の高さが原因であった。他方の「プレス用金型」では最小値(-26 億 100 万円)の低さが起因している。
企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 プレス 879 272 100 18,665 1 930.6 鍛造 62 325 122 3,551 10 570.2 鋳造 77 352 150 4,000 8 674.9 ダイカスト 125 334 200 3,843 4 510.7 粉末冶金 19 651 270 4,103 8 945.9 プラスチック 876 250 100 8,496 1 547.5 ガラス 14 372 175 1,450 10 447.9 ゴム 94 217 100 4,425 3 464.1 25 270 150 1,650 18 340.5 2,171 273 110 18,665 1 730.8 0 - - - - -2,171 - - - - -出所:COSMOS2より筆者作成。 無回答企業計 総計 図表24 型種別売上額(百万円)の平均値・中央値・最大値・最小値・標準偏差 型種 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) その他 回答企業計 企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 プレス 283 -14,448 500 375,499 -2,601,000 169733.5 鍛造 26 -2,650 -735 234,000 -146,453 57466.4 鋳造 26 108,743 2,764 3,201,628 -180,000 620215.5 ダイカスト 48 -5,183 950 163,000 -199,667 45276.3 粉末冶金 10 -75,179 -3,019 40,000 -359,218 131667.1 プラスチック 272 -8,680 146 156,694 -813,094 62188.0 ガラス 2 10,176 10,176 11,352 9,000 1176.0 ゴム 21 -6,714 150 46,422 -166,000 39976.2 8 9,533 3,500 50,000 1,000 15578.9 696 -6,805 452 3,201,628 -2,601,000 169575.7 1,475 - - - - -2,171 - - - - -出所:COSMOS2より筆者作成。 無回答企業計 総計 図表25 型種別税引後利益額(千円)の平均値・中央値・最大値・最小値・標準偏差 型種 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) その他 回答企業計 以上のことから、型種別の経営成果は大きく異なる様相を呈することが明らかになった。大 規模な売上額を誇る金型製造企業は、「粉末冶金用金型」、「ダイカスト用金型」、「ガラス用金型」 を製造しているものであった。また、「ガラス用金型」、「鋳造用金型」、「ダイカスト用金型」の 型種を製造している金型製造企業は、比較的多い利益額を計上していた。これらのことから、 多い売上額が高い利益額として結実している型種とそうでない型種が存在していることがわか る。 4.中央値から見た型種別金型製造企業の企業像 一連の型種別金型製造企業への考察を踏まえ、経営成果を中心とした各々の企業像を精査し てみよう。型種別の企業規模、立地条件、経営成果に関する中央値だけを抜き出したものが図 表26 である。このように並べれば、「回答企業計」の数値と最も近い特徴を持つ型種は、「プレ ス用金型」であった。このことは、型種特定企業の総数(100.0%)に占める「プレス用金型」 の割合(40.5%)が高いことと密接に関係しているように思われる。ところが、「プレス用金型」 とほぼ同数を占めていた「プラスチック用金型」(40.4%)は、「回答企業計」の利益額を大幅
に下回っていた。したがって、「プレス用金型」と「プラスチック用金型」は企業規模において あまり大差が見受けられない。それにもかかわらず、「プラスチック用金型」の方がより厳しい 経営実態であることが明示された。このように、企業数の上で大きく二分する「プレス用金型」 と「プラスチック用金型」の間では明暗を分ける結果となった。そのことは、図表14 で述べた 「プラスチック用金型」の競合企業数の多さから、当該型種に過当競争が生じている恐れがあ ることを示唆している。 図表26 中央値から見た型種別企業像 立地状況 従業員数 資本金額 創業年 売上額 (百万円) 利益額 (千円) プレス 8 10,000 1969 100 500 鍛造 12 10,000 1965 122 -735 鋳造 13 10,000 1952.5 150 2,764 ダイカスト 14 10,000 1969 200 950 粉末冶金 28 10,000 1954 270 -3,019 プラスチック 8 10,000 1971 100 146 ガラス 12 10,000 1960 175 10,176 ゴム 8.5 10,000 1963.5 100 150 10 10,000 1965 150 3,500 8 10,000 1969 110 452 出所:COSMOS2より筆者作成。 その他 回答企業計 型種 企業規模 経営成果 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) また、企業数の上では少数に留まる「プレス用金型」と「プラスチック用金型」以外の型種 でも大きな相違が見られる。それらの型種は収益力が高い型種と低い型種に二分することが可 能である。具体的に述べれば、回答した個別企業の税引後利益額を売上額で除した売上高当期 純利益率の中央値(0.3%)から類推すれば、一方の収益力が高いグループは、「ガラス用金型」 (2.2%)、「鋳造用金型」(0.6%)、「ダイカスト用金型」(0.5%)の 3 種であった。他方の収益 力が低いグループは、「粉末冶金用金型」(-1.3%)、「鍛造用金型」(-0.5%)、「ゴム用金型」 (0.1%)の 3 種であった。なお、「プレス用金型」(0.3%)は収益力が平均のグループ、「プラ スチック用金型」(0.1%)が低いグループにそれぞれ該当する6。上記の各型種における収益力 グループを整理したものが図表27 である。これらのことからも、型種間における収益力の格差 が顕在化していることが理解できる。
6 平均値から同様の検証を行った場合、「回答企業計」の売上高当期純利益率は-4.4%であった。したがって、 収益力が高いグループは、「ガラス用金型」(2.2%)、「鋳造用金型」(-2.1%)、「ゴム用金型」(-2.2%)、 「ダイカスト用金型」(-3.2%)、「プラスチック用金型」(-3.8%)、「粉末冶金用金型」(-3.9%)であり、 低いグループが、「プレス用金型」(-5.6%)、「鍛造用金型」(-5.0%)となった。
図表27 型種別収益力グループ 売上高当期 純利益率 収益力 グループ プレス 0.3% 平均 鍛造 -0.5% 低い 鋳造 0.6% 高い ダイカスト 0.5% 高い 粉末冶金 -1.3% 低い プラスチック 0.1% 低い ガラス 2.2% 高い ゴム 0.1% 低い 0.3% -出所:COSMOS2より筆者作成。 注:売上高当期純利益率は各々の区分に所属する各 社から求めた数値の中央値によって算出している。 型種 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) 回答企業計
Ⅲ.型種別金型製造企業における規模毎の収益力
1.型種別の金型製造企業の層 今度は、型種内の如何なる企業規模で収益力の格差が生じているのかを金型製造企業の層か ら検討していくことにしよう。前回の専業・兼業別分析では、従業員数を中心に金型製造企業 を4 つの階層に類型化した。具体的に述べれば、第 1 階層とは、従業員数 9 人以下で売上額 10 億円未満の企業である。第2 階層とは、従業員数 10~99 人で売上額 50 億円未満の企業である。 第3 階層とは、従業員数 100~299 人で売上額 100 億円未満の企業である。第 4 階層とは、従 業員数300 人以上で売上額 100 億円以上の企業である。これらの分類に従い、金型専業企業と 金型兼業企業では、階層間や階層内で異なる経営成果を指示していたことを明らかにした。本 稿でも、金型製造企業の層を利用して型種別の経営成果を規模毎に考察していく。 型種別に階層の比率を計算したものが図表 28 である。それを見れば、「プレス用金型」 (57.2%)、「プラスチック用金型」(57.2%)、「ゴム用金型」(53.3%)では、第 1 階層が最も 多いことがわかる。それに対し、「鍛造用金型」(59.7%)、「鋳造用金型」(50.7%)、「ダイカス ト用金型」(60.3%)、「粉末冶金用金型」(61.1%)、「ガラス用金型」(53.8%)は、最も多い割 合を占める階層が第2 階層であった。また、型種別に最上位の階層を確認すれば、「鍛造用金型」、 「ガラス用金型」は第2 階層、「鋳造用金型」、「ダイカスト用金型」、「粉末冶金用金型」、「ゴム 用金型」は第3 階層、「プレス用金型」、「プラスチック用金型」は第4 階層であった。ここでも、 複数の型種が9 割以上を第 2 階層までで占めているのに対し、「粉末冶金用金型」だけはその割 合が77.8%に留まっていた。さらに、「プレス用金型」と「プラスチック用金型」は一部の突出 した企業規模を有する金型製造企業が存立していることが読み取れる。図表28 型種別金型製造企業の層 金型企業階層 企業数 構成比率 金型企業階層 企業数 構成比率 第1階層 475 57.2% 第1階層 479 57.2% 第2階層 338 40.7% 第2階層 338 40.4% 第3階層 15 1.8% 第3階層 19 2.3% 第4階層 3 0.4% 第4階層 1 0.1% 回答企業計 831 100.0% 回答企業計 837 100.0% 不 明 48 - 不 明 39 -プレス計 879 - プラスチック計 876 -第1階層 25 40.3% 第1階層 6 46.2% 第2階層 37 59.7% 第2階層 7 53.8% 第3階層 0 0.0% 第3階層 0 0.0% 第4階層 0 0.0% 第4階層 0 0.0% 回答企業計 62 100.0% 回答企業計 13 100.0% 不 明 0 - 不 明 1 -鍛造計 62 - ガラス計 14 -第1階層 32 42.7% 第1階層 49 53.3% 第2階層 38 50.7% 第2階層 42 45.7% 第3階層 5 6.7% 第3階層 1 1.1% 第4階層 0 0.0% 第4階層 0 0.0% 回答企業計 75 100.0% 回答企業計 92 100.0% 不 明 2 - 不 明 2 -鋳造計 77 - ゴム計 94 -第1階層 45 37.2% 第1階層 11 44.0% 第2階層 73 60.3% 第2階層 14 56.0% 第3階層 3 2.5% 第3階層 0 0.0% 第4階層 0 0.0% 第4階層 0 0.0% 回答企業計 121 100.0% 回答企業計 25 100.0% 不 明 4 - 不 明 0 -ダイカスト計 125 - その他計 25 -第1階層 3 16.7% 2,171 -第2階層 11 61.1% 第3階層 4 22.2% 第4階層 0 0.0% 回答企業計 18 100.0% 不 明 1 -粉末冶金計 19 -注:色付き箇所は当該区分における最も高い数値を指す。 出所:COSMOS2より筆者作成。 その他 総計 型種 金属加工 用金型 (Die) プレス 鍛造 鋳造 ダイカスト 粉末冶金 型種 非金属加 工用金型 (Mold) プラスチック ガラス ゴム 2.型種別の各階層における売上額 それぞれの型種における階層毎の売上額の平均値、中央値、最大値、最小値、標準偏差を列 挙したものが図表29 である。中央値から第 1 階層を見れば、「プレス用金型」(475 社)が 6,000 万円、「鍛造用金型」(25 社)が 6,000 万円、「鋳造用金型」(32 社)が 7,900 万円、「ダイカス ト用金型」(45 社)が 7,800 万円、「粉末冶金用金型」(3 社)が 1 億 2,000 万円、「プラスチッ ク用金型」(479 社)が 6,000 万円、「ガラス用金型」(6 社)が 5,000 万円、「ゴム用金型」(49 社)が5,000 万円となっている。これらを「回答企業計」(1,125 社)の数値(6,000 万円)を 中心に分類すれば、第 1 階層で売上額が多いグループは、「粉末冶金用金型」、「鋳造用金型」、 「ダイカスト用金型」であった。それに対し、売上額が少ないグループは、「ガラス用金型」、「ゴ ム用金型」である。さらに、売上額が平均のグループは、「プレス用金型」、「鍛造用金型」、「プ ラスチック用金型」の3 つのグループに分類できる。
図表29 型種別階層毎の売上額(百万円) 金型製造 企業の層 企業数 平均値 中央値 最大値 最小値 標準偏差 プレス 475 73 60 429 4 51.0 鍛造 25 61 60 150 10 33.7 鋳造 32 81 79 220 8 52.3 ダイカスト 45 83 78 300 5 59.7 粉末冶金 3 112 120 165 50 47.3 プラスチック 479 75 60 430 1 56.6 ガラス 6 62 50 130 10 41.2 ゴム 49 68 50 470 3 69.1 11 74 48 230 18 63.6 1,125 74 60 470 1 54.6 プレス 338 355 260 3,883 38 350.7 鍛造 37 503 243 3,551 90 682 鋳造 38 309 237 996 75 209.4 ダイカスト 73 411 310 2,400 83 346.5 粉末冶金 11 354 270 1,000 182 223.5 プラスチック 338 369 250 4,206 47 378.0 ガラス 7 687 479 1,450 220 447.7 ゴム 42 300 295 700 80 143.2 14 424 320 1,650 70 387.6 898 370 260 4,206 38 372.2 プレス 15 3,026 2,300 6,500 1,021 1873.7 鍛造 0 - - - - -鋳造 5 2,545 2,910 4,000 1,030 1152.8 ダイカスト 3 2,633 3,019 3,843 1,038 1177.2 粉末冶金 4 2,035 1,701 4,103 636 1277.1 プラスチック 19 2,541 2,208 4,889 841 1101.9 ガラス 0 - - - - -ゴム 1 4,425 4,425 4,425 4,425 0 0 - - - - -47 2,699 2,254 6,500 636 1458.8 プレス 3 12,596 18,665 18,665 6,639 4910.2 鍛造 0 - - - - -鋳造 0 - - - - -ダイカスト 0 - - - - -粉末冶金 0 - - - - -プラスチック 1 8,496 8,496 8,496 8,496 -ガラス 0 - - - - -ゴム 0 - - - - -0 - - - - -4 11,571 10,490 18,665 6,639 4608.1 プレス 48 30 15 400 1 61.7 鍛造 0 - - - - -鋳造 2 30 30 35 25 5 ダイカスト 4 19 11 50 4 18.3 粉末冶金 1 8 8 8 8 -プラスチック 39 47 12 988 3 154.5 ガラス 1 20 20 20 20 -ゴム 2 33 33 48 18 15 0 - - - - -97 36 15 988 1 107.7 2,171 273 110 18,665 1 730.8 出所:COSMOS2より筆者作成。 第1階層 第2階層 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) その他 第3階層 第4階層 回答企業計 回答企業計 その他 非金属加 工用金型 (Mold) 金属加工 用金型 (Die) 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) その他 回答企業計 総計 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) 回答企業計 その他 階層不明 型種 金属加工 用金型 (Die) 非金属加 工用金型 (Mold) その他 回答企業計