司会
阿古 潤哉
先生北里大学医学部 循環器内科学 教授
Prof.
Stavros V. Konstantinides
Center for Thrombosis and Hemostasis, University Medical Center of the Johannes Gutenberg University, Germany Department of Cardiology, Democritus University of Thrace, Greece
新家 俊郎
先生 神戸大学大学院医学研究科 内科学講座・循環器内科学分野 准教授田邉 康宏
先生 聖マリアンナ医科大学 循環器内科 講師横井 宏佳
先生 医療法人社団高邦会 福岡山王病院 循環器センター センター長肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症治療におけるNOAC登場の影響
―リバーロキサバンのエビデンスを中心に―
初期治療から維持療法までを単剤で行うシングルドラッグアプローチ * の有用性が国内外の
臨床試験で確認された第 Xa 因子阻害剤リバーロキサバン(商品名:イグザレルト
®錠)は、
2015年9月に「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制」の適応を取得し、現在
もさまざまな研究が進行中である。今回、肺血栓塞栓症(PE)治療の第一人者であるStavros V.
Konstantinides 氏をドイツよりお招きし、リバーロキサバンの臨床試験とリアルワールド(実
臨床)双方のエビデンスをご紹介いただくとともに、PE/ 深部静脈血栓症(DVT)治療における
現在の課題やリバーロキサバンの位置づけ、リバーロキサバンへの今後の期待についてご討議
いただいた。
* 初期治療から維持療法までリバーロキサバン単剤投与を可能とした治療コンセプト
提供 バイエル薬品株式会社 Medical Tribune 2016年12月8日号より転載基調講演
PE/DVT治療における抗凝固療法の進歩
―リバーロキサバンの知見を通じて
◆ リアルワールド(実臨床)エビデンスでも示されたリバーロキサバンの有用性
従来、PE/DVTの標準的な治療は、ヘ
パリンなどの注射剤とワルファリンを併
用し、ワルファリンのコントロール安定後
にワルファリン単独投与に移行するとい
うものでした。この治療法は良好な治療効
果をもたらしますが、簡便性や出血リスク
の面で課題を抱えていました。こうした背
景のなか、PE/DVTに対する抗凝固療法
の新たな選択肢として登場したのが非ビ
タミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)です。
なかでもリバーロキサバンは、ヘパリ
ンなどの注射剤による初期治療を必要と
せず、治療開始時から経口薬単剤による
シングルドラッグアプローチが可能で
あり、その優れた有効性、安全性は海外
大規模第Ⅲ相臨床試験EINSTEIN-PE
1)、
EINSTEIN-DVT
2)で検証されました(詳
細:EINSTEIN-PE/DVT結果)。特に、
重大な出血事象の発現率は、リバーロキ
サバン群で1.0%、従来療法群で1.7%
と、リバーロキサバン群で低値でした
3)。
大規模臨床試験で得られたこの優れ
た有用性は、リアルワールド(実臨床)エ
ビデンスでも示されています。本領域と
して初のNOACを用いた国際共同前向
き観察研究 XALIA
4)では、急性 DVT 患
者(PE 合併例を含む)
※を対象とし、リ
バーロキサバンと従来療法の有効性お
よび安全性が比較検討されました。リ
アルワールド(実臨床)で5,000例以上
もの患者が登録された本研究の結果は、
EINSTEIN-DVTの試験成績と一貫して
おり、大規模臨床試験で確認された有用
性がリアルワールド(実臨床)でも再確
認されました(表)。
シングルドラッグアプローチを活用す
れば、これまで入院治療が当然とされて
きたPE患者でも、病態によっては早期
退院、外来治療も期待できます。この可
能性に、より明確な指針をもたらすべく
現在実施されているのがHoT-PE
5)です。
HoT-PEは右室拡大、右室機能不全およ
び右房右室に浮遊血栓のない急性PE患
者を対象とし、リバーロキサバンの初回
投与は入院中に行い、48時間以内に退
院させて、3ヵ月間にわたり追跡する、目
標症例数1,050例の大規模前向き観察
研究です
6)。ESC急性PEガイドライン
では外来治療が推奨されている低(Low)
リスクの患者から入院加療が推奨されて
いる中〜低(Intermediate-Low)リスク
の患者までをも含むこの新たなリアル
ワールド(実臨床)データ
6)は、興味深い
結果をもたらすことが期待されます。
※: 当初DVTのみの患者を対象としていたが、 PEに対する欧州連合(EU)での認可後、PE を合併したDVT患者も組み入れ可能とした。Prof. Stavros V. Konstantinides
Center for Thrombosis and Hemostasis, University Medical Center of the Johannes Gutenberg University, Germany Department of Cardiology, Democritus University of Thrace, Greece
◆ 長期投与における有効性、安全性を確認したEINSTEIN-Extension
それでは、PE/DVTに対する抗凝固療
法はいつまで継続するべきでしょうか。
それは非常に難しい質問であり、議論が
続いています。ACCPガイドラインでは、
危険因子が一過性の場合や危険因子が特
定されない特発性の患者で出血リスクが
高い場合には3ヵ月、特発性患者で出血
リスクが中〜低の場合やがん患者では、
それ以上の継続が提案・推奨されていま
す
7)。また、6ヵ月間の抗凝固療法を受け
た特発性PE患者を対象にワルファリン
の延長治療を検討した無作為化プラセボ
対照比較試験PADIS-PEでは、無作為化
後18ヵ月時点でワルファリンによる抗
凝固療法を中断した直後からVTEの再
発率が上昇し始めたことが報告されてい
ます
8)。これは、特発性PEに対する抗凝
固療法は2年以上の継続が必要であるこ
とを示唆しています。
NOACの長期投与に関するデータは
まだ少ないのですが、リバーロキサバ
ンでは、長期投与の有効性および安全
性を検討するEINSTEIN-Extension
2)、
EINSTEIN-CHOICE
9)といった試験が実
施されています。EINSTEIN-Extension
は、6〜14ヵ月間の抗凝固薬投与を受け
た症候性PE/DVT患者を対象とし、6ま
たは12ヵ月間にわたりリバーロキサバ
#1 承認時評価資料、#2 承認時評価資料、#3 Ageno W, et al. Lancet Haematol 2016; 3: e12-e21.COI:バイエルから支援あり #4 イグザレルト特定使用成績調査(PE/DVT)実施要綱
臨床試験
リアルワールド
(実臨床)
限られた 患者集団 幅広い 患者集団海外のエビデンス
日本のエビデンス
PMS
国際共同前向き観察研究5,142例 (リバーロキサバン服用例:2,619例) 国内前向き登録観察研究 登録予定症例数1,250例 (日本人/リバーロキサバン服用例) 国内第Ⅲ相臨床試験 100例(日本人) 国外第Ⅲ相臨床試験 9,479例(長期投与含む) 初期治療:15mg 1日2回 維持療法:15mg 1日1回 (リバーロキサバン国内承認用量) 初期治療:15mg 1日2回 維持療法:20mg 1日1回 (リバーロキサバン海外承認用量) #3 #4 #1 #2表 リバーロキサバンの臨床試験とリアルワールド(実臨床)データ
症例数: リバーロキサバン プラセボ 602 81 594 590 582 583 570 573 555 552 522 503 468 482 444 85 0無作為割付からの日数
360 30 60 90 120 150 180 171 164 210 138 138 240 132 133 270 114 110 300 92 93 330 リバーロキサバン プラセボ累
積
事
象
発
症
率
(%) 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 13 0 n=1,196 ハザード比:0.18[95%信頼区間:0.09‒0.39]、 p<0.001 相対リスク減少率:82%図1 有効性主要評価項目(症候性VTEの再発)
(EINSTEIN-Extension)
ITT解析対象集団 解析方法:Cox比例ハザードモデル(p値:両側検定)承認時評価資料 The EINSTEIN Investigators. N Engl J Med 2010; 363: 2499-2510. COI:バイエルから支援あり
国内外の臨床試験成績を用いた薬物動態シミュレーションの結果、日本人にイグザレルト®(リバーロキサバン)15mg1 日 1 回および外国人に 20mg1 日 1 回を投与した際の
ン20mg 1日1回(海外用量)を投与し
た無作為化プラセボ対照試験です。約半
数がEINSTEIN-PE/DVTからの参加症
例であり、有効性主要評価項目である症
候性VTEの再発はリバーロキサバン群
で82%の有意なリスク低下を示しまし
た〔ハザード比(HR)
:0.18、95%信頼区
間(CI)
:0.09-0.39、p<0.001、Cox比
例ハザードモデル〕
(図1)。安全性主要評
価項目である重大な出血事象はリバーロ
キサバン群で0.7%(4例)、プラセボ群
では認められませんでした。なお、リバー
ロキサバン群で発現した重大な出血はい
ずれも臨床的に管理可能な出血でした。
EINSTEIN-CHOICEは、6〜12ヵ月間の
抗凝固薬投与を受けた症候性PE/DVT
患者を対象とし、1年間にわたりリバー
ロキサバン10mg 1日1回(PE/DVTの
治療および再発抑制では未承認用量)、
20mg 1日1回(海外用量)またはアスピ
リンを投与する無作為化試験です。2016
年8月時点で3,000例以上が登録されて
おり、現在も進行中です。PE/DVTに対
する抗凝固療法を最初の数ヵ月で中断し
た後、アスピリンに切り替えるという治
療は今も行われていますが、本試験の結
果が報告されれば、アスピリンへの切り
替えとNOACの継続のどちらが有用性が
高いかの指針となるデータが示されるの
ではないでしょうか。
ディスカッション
NOAC登場により変化し続ける抗凝固療法
◆ シングルドラッグアプローチにより早期退院、外来治療が可能に
阿古
現在実施中のHoT-PE、EINSTEIN-CHOICEも含め、リバーロキサバンの興
味深い試験をご紹介いただきました。
横井
アスピリンによる VTE 再発予
防効果については限定的なデータしか
ないのが実情だと思います。そのため、
EINSTEIN-CHOICEの結果はとても楽
しみですね。
新家
リバーロキサバンは日本でも海外
と同様のプロトコールで国内第Ⅲ相試験
J-EINSTEIN PE/DVT
10)が実施され、シ
ングルドラッグアプローチの有効性、安全
性が日本人でも確認されていますね。本
試験では画像検査による血栓消失率(血
栓消失が認められた患者の割合)が評価
されており、初期強化療法後(治験薬投与
開始22日目)の血栓消失率はリバーロキ
サバン群で31%と、従来療法群16%の約
2倍でした(図2)。評価例数は少ないです
が、これは注目すべき結果だと思います。
阿古
シングルドラッグアプローチは従
来療法に比べて管理も簡便であり、医師
と患者双方にとって負担の少ない治療
だと思いますが、より重篤な病態である
PEに対しては、もう少し詳細な検討が
必要ではないかと考えています。先生方
は、どのようにリバーロキサバンを投与
していますか。
横井
われわれの施設では、PE 患者に
は最初に未分画ヘパリンを短期間投与
し、その後リバーロキサバンの初期強化
療法に切り替えています。血栓の画像評
価やD-dimerの顕著な低下をみても、リ
バーロキサバンの15mg 1日2回投与に
よる初期強化療法は非常に効果的である
という実感をもっています。
田邉
当施設ではCTスキャンにより無
症候性のPEを偶然発見することがよく
あります。状態が安定していれば、こう
した患者は最初から外来治療によるシン
グルドラッグアプローチを考慮します。
比較的若い患者や、低リスク患者を中心
にシングルドラッグアプローチを実施し
ており、これまでのところ大きな問題は
ありません。
新家
シングルドラッグアプローチを適
切に活用することにより、PE患者でも
入院期間の短縮や外来治療が可能という
ことですね。
Konstantinides
PE患者の入院期間は
国によって大きく異なりますね。
新家
日本では入院期間が長い傾向があ
ります。
Konstantinides
欧州のなかでも、スペ
インでは約10日間と長く、ドイツでは
約4日間、オランダでは1日間です。PE
患者の入院治療をどれぐらいの期間続け
るべきかという問題に対しては、各国の
医師たちの間で考え方に大きな相違があ
るようです。
◆ 個々の患者における適切な初期強化療法の期間はさらに検討が必要
阿古
リバーロキサバンでは臨床試験で
の投与法に基づき、初期強化療法が発症
後の初期3週間とされていますが、この
継続期間についてはどうお考えですか。
新家
NOAC を用いた抗凝固療法にお
ける初期治療は薬剤によって大きく異な
り、初期強化療法の期間がもっと短い薬
剤もあります。実臨床での個々の患者に
おける適切な初期強化療法の期間につ
いては、さらなる検討が必要ではないで
しょうか。われわれの施設では、シング
ルドラッグアプローチを実施する際、初
期強化療法開始後1〜2週間で血栓の画
像評価を行っており、その評価で血栓の
消失が確認できれば、維持療法に切り替
えています。
Konstantinides
規定されている用法・
用量で治療を行うことはもちろん重要で
すが、一方で、医師が熟慮のうえ、患者に
適した治療を試みることに私は同意しま
す。臨床試験でリバーロキサバンの初期
強化療法が3週間に設定されたのは、従
来療法で初期3週間のVTE再発率が特
に高いことが報告されていたこと
11)や
第Ⅱ相試験において1日2回の強化療法
が3週間後の画像評価で良好な血栓退縮
効果を示した
12)からですが、それより以
前に血栓の消失が認められれば、出血リ
スクを考慮して維持療法に移行するのは
実際的なアプローチだと思います。
田邉
日本では多くの医師が画像検査に
よる血栓の確認を行っているため、そうし
た医師たちは初期強化療法をより短い期
間で実施することを好むかもしれません。
Konstantinides
心房細動患者におけ
る抗凝固療法に比べると、本領域のリア
文 献 1)The EINSTEIN–PE Investigators. N Engl J Med 2012; 366: 1287-1297. 2)The EINSTEIN Investigators. N Engl J Med 2010; 363: 2499-2510. 3)Prins MH, et al. Thromb J 2013; 11: 21-30.
4)Ageno W, et al. Lancet Haematol 2016; 3: e12-e21.
5)EU Clinical Trials Register. EudraCT Number: 2013-001657-28 6)Barco S, et al. Thromb Haemost 2016; 116: 191-197. 7)Kearon C, et al. CHEST 2016; 149: 315-352. 8)Couturaud F, et al. JAMA 2015; 314: 31-40.
9)Weitz JI, et al. Thromb Haemost 2015; 114: 645-650.
10)Yamada N, et al. Thromb J 2015; 13: 2. Doi: 10.1186/s12959-015-0035-3. 11)Breddin HK, et al. N Engl J Med 2001; 344: 626-631.
12)Agnelli G, et al. Circulation 2007; 116: 180-187. COI:1~6)、8~10)、12)はバイエルからの支援あり
ルワールド(実臨床)エビデンスはまだ
少ないのが現状ですが、リバーロキサバ
ンにおける現在実施中の数々の調査が、
こうした疑問に回答をもたらしてくれる
のではないでしょうか。
阿古
欧州を中心としたリアルワールド
(実臨床)エビデンスであるXALIAの結
果や、J-EINSTEINの血栓消失データは
非常に示唆に富むものでした。日本のリ
アルワールド(実臨床)でも特定使用成
績調査(PMS)が進行中のリバーロキサ
バンは、今後のPE/DVT治療への大きな
貢献が期待されます。本日はありがとう
ございました。
目的:有効性における低分子量ヘパリン(エノキサパリン)/ ビタミン K 拮抗薬(従来療法)に対する非劣性の検証 対象:EINSTEIN-PE;急性症候性PE患者(症候性 DVTの有無を問わない)4,833 例、EINSTEIN-DVT;急性症候性DVT患者(症候性 PE を伴わない)3,449 例。 方法:・ リバーロキサバン群 * は、初期3 週間はリバーロキサバン 15mgを 1日 2 回、その後は 20mgを 1 日 1回食後経口投与とした。 ・ 従来療法群は、少なくとも初期5日間はエノキサパリンナトリウム1mg/kgを1日2回皮下投与し、ビタミンK拮抗薬経口投与との併用下でプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR) が 2 回連続で 2.0以上となった後、ビタミン K 拮抗薬単独投与(目標 PT-INR:2.0~3.0)とした。 結果(EINSTEIN-PE および DVT の統合解析): ■有効性:有効性主要評価項目(症候性VTE の再発)の発症率は、リバーロキサバン群2.1%、従来療法群2.3%であり、急性症候性VTE(症候性DVTあるいは症候性PE)患者における有効性 について、リバーロキサバンの従来療法に対する非劣性が検証された(ハザード比0.89[95%信頼区間:0.66~1.19]、非劣性マージン 1.75、p<0.001、Cox比例ハザードモデル)。 ■安全性:安全性主要評価項目(重大な出血事象または重大ではないが臨床的に問題となる出血事象)の発現率は、リバーロキサバン群 9.4%、従来療法群 10.0%で同程度であった(ハザード 比0.93[95%信頼区間:0.81~1.06]、p=0.27、Cox比例ハザードモデル)。また、重大な出血事象の発現率は、 リバーロキサバン群 1.0%、 従来療法群 1.7%であった。 副作用:主な副作用は、鼻出血(5.8%)、月経過多(2.4%)、挫傷(2.0%)等であった(詳細は DIページをご参照ください)。 目的:症候性PEまたは症候性DVT患者(6~14ヵ月の抗凝固薬投与歴がある)を対象に、リバーロキサバンを長期投与した際の有効性と安全性をプラセボと比較検討した。 対象:症候性PEまたは症候性DVT患者(6~14ヵ月の抗凝固薬投与歴がある)1,197 例 方法:リバーロキサバン 20mgあるいはプラセボ錠を 1日 1 回投与した。予定投与期間は無作為割付時に医師の判断により 6または 12ヵ月間とされた。 結果: ■有効性:有効性主要評価項目(症候性VTEの再発)の発症率は、リバーロキサバン群1.3%、プラセボ群7.1%であり、症候性VTE(症候性DVTまたは症候性PE)の再発抑制に対する有効性につ いて、リバーロキサバンのプラセボに対する優越性が検証された(ハザード比:0.18[95%信頼区間:0.09-0.39]、p<0.001、Cox比例ハザードモデル)。 ■安全性:安全性主要評価項目(重大な出血事象)の発現率は、リバーロキサバン群0.7%、プラセボ群0.0%であった。リバーロキサバン群で発現した重大な出血はいずれも臨床的に管理可能 な出血であった。 副作用:リバーロキサバンが投与された598例中98例(16.4%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、鼻出血17例(2.8%)、血尿10例(1.7%)、挫傷10例(1.7%) 等であった。 目的:リバーロキサバンの有効性および安全性を未分画ヘパリン/ ワルファリン(従来療法)と比較検討すること。対象:J-EINSTEIN PE;急性症候性 PE患者(症候性DVTの有無を問わない)40例、J-EINSTEIN DVT;急性症候性 DVT 患者(症候性PE を伴わない)60 例。
方法:・ リバーロキサバン群 * は、初期 3 週間はリバーロキサバン(J-EINSTEIN PE:15mg、J-EINSTEIN DVT:10** または 15mg)を 1 日 2 回、その後は 15mg を 1 日 1 回食後経口投 与とした。 ・ 従来療法群は、少なくとも初期5日間は未分画ヘパリン〔活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)が正常対照の1.5~2.5倍で用量調節〕を静脈内投与し、ワルファリンカリウム経口投与 との併用下でプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)が2回連続で1.5以上となった後、 ワルファリンカリウム単独投与(目標PT-INR:1.5~2.5)とした。 結果(J-EINSTEIN PE および DVTの統合解析)***: ■有効性:有効性主要評価項目である症候性 VTE の再発は、リバーロキサバン群が 55 例中 1例、従来療法群が 19 例中0 例で同様であった。 ■安全性:安全性主要評価項目である「重大な出血事象または重大ではないが臨床的に問題となる出血事象」は、リバーロキサバン群 5.5%(3/55 例)、従来療法群 5.3%(1/19 例)で同様 であった。また、「重大な出血事象」に関しては、両群ともに認められなかった。 副作用:主な副作用は皮下出血(10.4%)、鼻出血(7.8%)、血便排泄(5.2%)等であった(詳細はDIページをご参照ください)。 *確定診断を待たずに治療開始が推奨されている PE/DVT の疾患特性から、無作為割付前 48 時間以内の非経口抗凝固薬による治療は可能とした。 **10mg 1 日 2 回群は、15mg 1 日 2 回投与の安全性を確認する目的で設定された。 ***リバーロキサバン群は承認用法・用量の初期治療 15mg 1 日 2 回投与群 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 4 10 56 31 74 11 0 16 リバーロキサバン (n=52) 従来療法 * (n=19) 治験薬投与開始