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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 理 学 ) 清 水 将 英

    

学位論文題名

Open mirror symmetry for compact Calabi

Yau manifolds     

(コンパクトなカラビ・ヤウ多様体に対する開ミラー対称性)

学位論文内容の要旨

  超弦理論は無矛盾な量子重力理論であり、更に様々なカ・物質の統一という観点から究 極の統一理論の筆頭候補である。しかし未解明の部分は多く、そもそもの理論の基礎付け や、理論の枠内で現実的な素粒子理論を構築することなどーの問題点は未だ多い。超弦理 論は理 論の整 合性のた め時空次元が10次元であることを要請するので、6次元を小さな 内部空間としてコンパクト化する必要がある。4次元時空の理論を現実的なものとするた めには、6次元の内部空間をカラビ・ヤウ空間にとり、更にDブレーンと呼ぱれる複素部 分空間を指定しなぃといけない。4次元の理論の内容はこの内部空間の幾何学の情報によ って記述されるため、それを有効に扱う方法を発展させる必要がある。より具体的には4 次元の理論に現れるスカラー場のポテンシャルが、内部空間の幾何学の周期積分あるいは 相対周期積分という量に関連していることがわかっており、これを様々な内部空間の例に 対して計算できるような手法を発展させていく必要がある。既存の方法としては、この周 期積分が満たしている非斉次型のピカール・フックス方程式と呼ばれる微分方程式を導出 して、その解として周期を得るという方法があるが、その適用範囲、計算できる例の数は それほど多くはない。

  本研究では、この問題に対してアプローチする新たぬ手法を開発・発展させた。博士論 文では主に次のニつの手法について論じている。

  1.非斉次型ピカール・フックス方程式の非斉次項をシステマティックに導出するアル ゴリズムの開発

  これは既存の手法と関連しているが、複雑な内部空間の例に対して、より効果的に計算 が行えるという期待がある。

  2.周期積分を直接実行する手法の開発

  こちらは既存の手法とは根本的に異なるアプローチである。考え方は非常にシンプルな もので、周期積分という内部空間の中で定義される定義される複雑な多重積分を、巧い局 所座標を取ることによって、直接積分を実行してしまうというものであり、微分方程式を 経由する方法とはことなって非常に直感的・直接的である。

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(2)

  具体的な内部空間、っまルカラビ・ヤウ空間の例としては、超曲面、完全交差、など定 義方程式の数で数学的に分類されており、さらに変形自由度(これが4次元のスカラー場 に相当している)の数にっいても色々な例が知られている。Dブレーンの例としては、複 素部分空間として、カラビ・ヤウ空間と二枚の超平面の交差として得られる正則曲線をと った例にっいての計算がある。しかし最近、これらの分類を拡張したカラビ・ヤウの例が 数学者によって構成された。これはある反対称行列のパフアアンによって記述されるよう なクラスのカラビ・ヤウ空間であり、これまでの例よりも複雑だが、色々と興味深い性質 を持っていることが示唆されている。これらの新しい例は、超弦理論の真空の構造に対す る新しい例であり、その空間でコンパクト化した4次元理論の様子を調べてみることが重 要である。

  本研究では、上記の新たに開発した手法を、まずは既に知られている超曲面・完全交差 などの例に対して適用して、既存の結果の再導出を試み、実際にそれを確かめた。更に、

新しく構成された、パフィアンで定義される新しいクラスのカラビ・ヤウ空間に対しても 本手法を適用するこ とで、それを内部空間として持つ4次元理論のスカラー場のポテンシ ヤルを導出すること に成功した。

  更にこの結果の応用として、開ミラー対称性という双対性を利用することで、このポテ ンシャルを別の理論のポテンシャルとして再解釈し、非摂動的な効果を含むポテンシャル を得た。これは、パフィアンで定義されるカラビ・ヤウ空間に対する開ミラー対称性の、

最初の適用例であり、幾何学的な見地からしても意義深い結果だといえる。この非摂動的 効果を含むポテンシャルは、内部空間のある種の幾何学的不変量の母関数の形をとること が知られており、直感的にはカラビ・ヤウ多様体の中の正則なディスクの数を数えている こ とに 相当 する 。我 々の結果によってそれが 実際に整数になることが確かめられた。

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(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨

    

学位論文題名

Open rmrror symmetry for compact Calabi

Yau manifolds     

(コンパクトなカラビ・ヤウ多様体に対する開ミラー対称性)

  超弦 理論は、重カを含む統一理論としての有カな候補である。この理論では、10次 元で ある理論が6次元内部空間にコンバクト化し、4次元時空での素粒子理論となる。

この内部空間の形状は、カラピ・ヤオ多様体とすると現実的な理論となることが知られ ている。このカラピ・ヤオ多様体には、ミラー対称性と言われる対称性があり、この対 称性 を用いるとカラピ・ヤオ多様体への巻き付き数の数え上げが容易に行うことがで き、これが数学的に非自明な結果を与えることが知られている。ここ数年この対称性は 開いた弦に対して拡張されてきた。しかし、これまではトーリック多様体内の超曲面と するような限られたものでしか計算ができなかった。著者は、この計算に関して新しい 手法を開発し、パフィアンカラピ・ヤオ多様体という今まで計算できなかったクラスの 多 様 体 に お い て も 開 い た 弦 の ミ ラ ー 対 称 性 が 存 在 す る こ と を 示 し た 。

  これを要するに、著者は、素粒子論と数学について同時に存在する問題に関して新知 見を 得たもの であり 、素粒子 論と数 学につい て貢献す るとこ ろ大なるものがある。

  よって著者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格あるものと認める。

‑ 1249

三 昇

久 健

  

木 川

本 部

鈴 石

河 羽

授 授

授 授

     

教 教

教 准

査 査

査 査

主 副

副 副

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