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謙譲の補助動詞に関する一考察-平安鎌倉期の和文資料による-

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(1)

以上、﹁宇治拾遺﹂、﹁古本説話集﹂、﹁今昔﹂、﹁雑 談集﹂、昔話の﹁わらしベ長者﹂

K

ついて考察しおわった。 本論を要約すると、次のよう

K

な る 。 ①,四書の説話集のなかで、本文が密接なのは﹁宇治拾 遺﹂と﹁古本説話﹂である。そしてもっとも古い形を伝え ているのは﹁古本説話集﹂であろう。 ②昔話の原話は、小動物の援助叫婚姻

K

よる長者への 成央この二条件が必要不可欠なものであったと考えられる。 ③説話集諸本は観音霊験聾であり、昔話は成年式語と 考えられる。これは民聞に流布していた成年式語の﹁わら しベ長者﹂を素材

K

、観音霊験謹

K

改作した話を説話集の 編者が記録したと考えられる。 これまでみてきたように、﹁宇治大納言物語﹂が存在す れば、﹁宇治拾遺﹂、﹁古本説話集﹂、﹁今昔﹂などの成 立とそれぞれの相互関係が明らかになるし、口承か否かも 判明するのではないだろうか。平安末期から鎌倉時代

K

か けての説話文学

K

おいて、宇治大納言隆菌と彼の作である ﹁宇治大納言物語﹂は大きな意義をもっていると言えよう。 注 − 注 2 注 3 注 4 注 5 ﹁ 民 俗 学 ﹂ 折 口 信 夫 全 集 十 五 巻 ﹁昔話採集者の為

K

﹂ 定 本 柳 田 国 男 全 集 ﹁昔話採集者の為

K

﹂ 日本民俗学辞典 ﹁ 昔 話 と 文 学 ﹂ 巻 5

謙譲の補助動詞に関する

||平安鎌倉期の和文資料による

1 1 目 次 序 一、研究の動機と目的 二、取り扱う語四作品

K

つ い て 三、使用状況を見る

K

あたって

考察

四、考察方法 本論 第一章各々の語の時代的変遷 第二章各作品の謙譲の補助動詞 − 落 窪 物 語

(2)

浜松中納言物語 大鏡

W

とはずがたり 結び .DI D 序 一、研究の動機と目的 平安期の作品

K

は﹁きこゆ﹂﹁たてまつる﹂が、謙譲の 補助動詞として各々勢力を持って使われ、鎌倉期にはまた 違った勢力を形成している ζ とは、国語史上興味ある事実 であるが、この事実は未だ各作品

K

ついての調査が報告な されているわけではない。そこで本稿ではその調査の一分 野として、平安・鎌倉期の作品四つにおける﹁きこゆ﹂ ﹁たてまつる﹂﹁まゐらす﹂等の補助動詞の性格を、その 頻度数・待遇関係・上接語の三つの方面から考察しようと す る も の で あ る 。 二、取り扱う語四作品について、 取扱う語は、﹁きこゆ﹂系の﹁きこゆ﹂﹁きこえさす﹂ と﹁たてまつる﹂そして後﹁きこゆ﹂に変わり伸長してく る﹁まゐらす﹂の四語とする。但し﹁きこえきせ給ふ﹂は、 考察の対象から省いた。 作品

K

ついては、宮地幸一、宮腰賢の両氏が、平安末期 から鎌倉期

K

かけての女流日記八作品

K

ついて、吉田洋子 氏が平安物語

K

ついて考察なさっているので、これ以外か ら用例の多く見られそうな作品を選んだ。その作品とテキ ストは次のとおりである。 ﹁ 落 窪 物 語 ﹂ 日 本 古 典 文 学 全 集 ﹁演松中納一百物語﹂日本古典文学大系 ﹁ 大 鏡 ﹂ 臼 本 古 典 全 書 ﹁ と は ず が た り ﹂ 日 本 古 典 全 書 三、使用状況を見る

K

あたって 使用状況を見る

K

あたって、まず文章を、地文・会話文 の 二 つ

K

分けた。この区分については、テキストに従った。 上接語は、動作表現語と感覚動詞

K

、森野宗明氏の定義 に基づき私なりに区別した。またその各使用度数は述べ語 数

K

よ る 。 各語

K

おける地文・会話文の傾向は、各作品ごとの﹁き こゆ・きこえさす・きこえさせ給ふ・たてまつる・まゐら す﹂での地文・会話文ごとの割合を。また各語の動作表現 語・感覚語への下接の傾向

K

ついては﹁きこゆ・きこえさ す・たてまつる・まゐらす﹂四語の動作表現語・感覚語ご との合計の比を一応の目安として、これらと比べるごとで 出 す 。 四、考察方法 ﹁きこゆ﹂﹁きこえさす﹂﹁たてまつる﹂﹁まゐらす﹂ の四語をそれぞれの作品毎

K

比較することで、その共存理 由をみ、各語の性格を考察する。 6ー 本論 第一章各々の語の時代的変遷

(3)

はじめに、補助動詞﹁きこゆ﹂﹁きこえさす﹂﹁たてま つる﹂﹁まゐらす﹂がどのよう

K

先の四作品に現われてい るかを概感する意味から用例数を表示する。︵表一︶ この表から、﹁落窪﹂﹁浜松﹂﹁大鏡﹂では﹁きこゆ﹂ 系が﹁まゐらす﹂の使用を上回っている。また﹁たてまつ 表 一 る 」 は 三 作 品 と も 六 十 パ ー セ ン ト 以 上 と 多 く の 使 用 例 が 認 め ら れ る が 、 「はず」では、「まと六パ五十ゐが」すらー セ ン ト と、「たて

K

まつる」以上 使 用され、「きこゆ」系 の分

K

野 ま で 、 勢 力 を伸ばしていることが伺われる。 こ の 点 か ら 「鏡」を境とし大」浜「落窪「て松」と「と 大 鏡 浜 松 中 納 言 物 語 落 窪 物 語 作 品 給 き き き ま た 給 き き き ま fこ給き き ~こ 、予−

c

.

ゐ て ふ‘こ 」Fー

c

.

ゐ てA,こ 、〉ー目 、Fー 日 え‘・え> ゆ ら ま え 〉 え> え 〉 え3・ ゆ さ さ す Jコ さ さ す ずつ さ さ せ す る せ す る せ 寸 22~ 圭ロ五口

。。。。

4 14 102

56

。。

] 1 数 地 」 ー ノ、。 72 67 47 73 33 21 セ ン 文 ト 15 4 15

87 2 16 37 2 112

5 41 語 数 会 l

-一

ノ、。 話 100 100 100 28 33 53 27 100 67 100 79 セ ン ト 15 4 15

316 6 30 139 2 168

5 52 語 数 メ口、泊 」ーーー

ノ、− 5 1 5 65 1 6 28 1 74 2 23 セ ン 計 ト 地 文 合 計 地 文 合 計 会各 349(71%) 67(30%) 話語 文 全 すべて会話文 会 話 文 合 計 会 話 文 合 計 の体 比の 142(29%) 160(70%) 文 7 3 3 7

語各 動 作 表 現 語 動 作 表 現 語 動 作 表 現 語 ・語 297(96%) 419(86%) 181(80%) 感 全覚 体 語の 感 党 語 感 覚 語 感 覚 圭日五日 の動 1 3 ( 4 5ぢ) 66(14%) 46(20%) 合各作 計現 7

(4)

と は ず が た り 大 鏡 作 品 ま fこ給き き き ま fこ ゐ て ふ首こ 、子-

c

.

ゐ て ら ま ズ、ーー 文〉.一 ゆ す てコ さ さ す てコ る せ す る 語 98 51

。。

1

。。

数 地 ノ\c 84 74 100 セ ン 文 ト 語 18 18

。。。

7 284 数ぷコ云入 」 一 ノ、。 話 16 26 100 100 セ ン 文 ト 116 69

。。

1 7 284 圭ロ五口 数i口'>.. ιー ーー ノ、。 62 37 1 2 87 セ ン 計 ト 地 文 合 計

150(81%)

圭ロ五口 会 話 文 合 計 す べ て 36(19%) 会 話 文 の 4 1 比 の 動 作 語 各 動 作 表 現 語 表 現 語 語 157(84%) 2 9 7

( 96労) 語 会 感 覚 語 感覚語 ) の各動

2 9 ( 1 6係) [13 ( 4労 合 表 計 現 はず﹂とでは、﹁きこゆ﹂系と﹁たてまつる﹂﹁まゐらす﹂ の使用数

K

変化が認められる。これらを踏まえて、次章で 作品別に考察を加えた。尚、﹁きこゆ﹂﹁きこえさす﹂の 敬意の程度については、紙面関係上省略した。 第二章各作品の謙譲の補助動詞

I

落窪物語 一 、 使 用 法 表一より、﹁きこえさす﹂﹁まゐらす﹂は用例は少ない がすべて会話文にみられ、﹁きこゆ﹂は、やや多く会話文 に、また﹁たてまつる﹂は、反対にいくらか地文に多く使 わ れ て い る 。 二、待遇関係 ﹁きこえさす﹂と﹁まゐらす﹂は、次の①②と③の比較 で み て み る 。 ①﹁こと子どもより:::述べ聞えさすべき言も侍らず。 ・ : : ﹂ ︵

P

O

一 ・ L 四 ︶ ②四の君の御返り、﹁:::たづね叫引引剖すべきかたなく なむ:::﹂︵

P

三 一

0

・ L 十 一 ︶ ③おとどの御返り、﹁:::返し割引剖けむと思ひたまふ れど:::﹂︵

P

三 一

0

・ L 八 ︶ ①と③は、同じ頃の場合で、話手の忠頼と受手の道頼の聞 もさほどの違いはないと思うが、①は会話文で、@は消息 文に使われている。また、②と③では、話手が、②は忠頼 の四の君、@は忠頼、受手は、②が女君、③が道頼にそ れぞれ親子、夫婦と同階層であり、両者とも消息文ではあ るが、②は女性間−③は男性間で交わされたことで使い分 けられている。これらから﹁まゐらす﹂が﹁きこえさす﹂ - 8ー

(5)

表 必要待遇一覧表 とはず 大

3

克 落 窪 物 語 作 品

fこり まゐ ゆき , たるまつて 手さ たて まゐ きこえさす 圭ロ五口 らす

まゐらす るまつ らす ⑬

@ @

⑦ ⑥ ⑤ ④ ③ ② ① 地 地 会 Aコ話ミλ 3"'

I

I

背 l=入コζ 話 話 息, 息, 話 文 文 文 文 文 文 文 文 文 文 文 移 か お お 出 見 返 返 た 述 上

請 し しど ろ 見 し 見 知 し し ず x 、 ろ し り ね 作 作 世 世 世 世 頼忠 忠 の 忠 忠 話 者 者 継 継 継 継 頼 君 頼 県頁 の 四 読 読 人 人 人 人 人 人 道 女 道 聞 者 者

々 々 々 々 々

頼 君 頼 手 後 後 道 ぬ目 道 人 人 忠 申,tよa、の 忠申,、tふ 為 深 草 院 深昨草 兼 者に 兼 頼 頼 君 頼 頼 見 の え〉 四 !段後 亀 花 花 花院山 義 道 道 女 道 受 時山 山 院山 障保 懐 頼 頼 君 車買 境睡 院 手 より、改まった場合

K

使われていると思う。 ﹁まゐらす﹂と﹁きこゆ﹂は﹁まゐらす﹂のほうが敬意 が高いことは、先のことからも明らかである。 ﹁たてまつる﹂と﹁まゐらす﹂の関係は④と③を比べる ことで考察した。 ④贈物見たまひて、 三

O

八 ・ L 十 一 ︶ ﹁::・返したてまつらむ﹂と p ④と③の待遇関係は、聞手以外、両者各々同一人物である が‘聞手が、④は入、③は受手と同じく道頼であることの 違いで使い分けられている。つまり、話し相手

K

対する敬 意か第三者に対する敬意の違いによると思われる。このこ とから、﹁まゐらす﹂が﹁たてまつる﹂より謙譲意識が強 か っ た と 思 う 。 次に﹁きこゆ﹂と﹁たてまつる﹂については、条件を同 一とするため

K

、話手別

K

受手を、その階層で分類した表 111K より、﹁たてまつる﹂の万が広く使われている以 外は大きな違いはない。これは、﹁きこゆ﹂が、待遇関係 1 話 手 作 者 道 頼 忠頼の 阿 漕 北の方 き た き fこ き fこ き fこ 」 ,,- て 〉ー

c

」〉回ー 語 ゆ ま ゆ ま ゆ ま ゆ ま イ コ 「コ ぞコ イコ る る る る 帝 1 后 1 1 一 位 1 1 二 位 7 三 位 5 32 5 17 2 10 3 12 五 位 5 14 6 6 1 5 六 位 3 以 下 女 房 1 2 -9-表

(6)

で身分差

K

より、﹁きこえさす﹂とその勢力を二分してい るのに対して、﹁たてまつる﹂は、これ一語で表現されて いたためだと思われる。 三、上接語 四語ごと

K

、動作表現語、感覚語を上接語とする割合を 表

I12K

挙げ、これを参考

K

、 そ の 傾 向

K

ついては、ま とめの部分

K

表 示 し た 。 まとめ 四語は、それぞれいくらかの交渉をみせながら、差異点 も持ち合わせて使われている。﹁落窪﹂における敬意の及 - 2 全 き き fこ ま 体 、、p-

て ゐ ゆ え〉与 ま さ ぞコ す す る 動三ロ五口 181 18 4 157 2 作 数 表 ノ、。 現 語 セン 80 35 80 94 100 ト 感 語 46 34 1 11

数 覚 ,,、。、 語 セ 20 65 20 6 ト 表 i ぶ範囲と特質をまとめておく ま fこ き き ゐ て

c

.

ら ま え3齢

c

.

てコ さ す る す ゆ 敬 : 蛍 の 及 ぶ 範 囲 会 地 コメ3入'

'

λ

4

言香 文 話

3

苦 会 文 ~ 文 文 話 の 多 の V亡 文 み L、 み 多

L、 地 文 の 傾 向 動 動 片 感 作 作 寄 党 表 表 り 語 現 現 は: ~ 上 王日五日 語 な 多 の ~亡 L、 く 2歩 多 付 ~ く 〈 接 付 付 く く 主ロ五口

H

浜松物語 ﹁落窪﹂﹁浜松﹂は、 ほぼ同傾向がみられるので、 ﹂ − r ﹂ ハ U l で は 、 「 浜 松にみられる三語」とるめ特まを性のだけにと ど め て お く 。 fこ き き て

c

.

ま え〉 に〉ーー 圭日五口 ー コ さ る す ゆ 敬 意 の 及 ぶ 範 囲 地 会 地 文 言者 文 会話 t亡 文 ~ 多 Uて 多 文 L、多 L、

し 、 地 文 の 傾 向 動 感 感 作 覚 覚 表 語 主日五口 現 tて 十亡 語 多 多 tて く く 多 付 付 く く く 接 付 く 語

(7)

大鏡 この作品は、ほとんどが世継の語り形式

K

なっているた め、表一のよう

K

四語すべてが会話文

K

だけ現われている。 二、待遇関係 ﹁きこえさす﹂と﹁まゐらす﹂

K

ついて、実際

K

⑤と⑥の比較でみてみる。 ⑤ 見 知 り き こ え き す る 人 も あ り け れ ば こ そ は ︵

P

一 八 五 ・ L 十 ︶ @ い と あ は れ

K

かなしく、人々見引制叫せけるとぞうけ た ま は り し 。 ︵

P

八 六 ・ L 十 三 ︶ は、⑤が義懐︵三位︶、@が三篠院と、受手の違いから使 い分けられている。また話手が世継の時の受手を、その身 分で分けた表

E

ーーからも、﹁まゐらす﹂が敬意が高かっ た と 思 わ れ る 。 Ill

后 1 帝

1-2

fこ ま て ゐ ま ら Jコ す る 神 体 17 帝 49 4 東 宮 2 后 24 1 皇 族 22 一 位 44 1 二 位 36 1 三 位 9 四 位 3 五 位 13 六 位 3 以 下 その他 5 また﹁たてまつる﹂と﹁まゐらす﹂

K

ついては、受手を 分類した表 E 1 2 ︵話手世継︶や具体的

K

@と⑦③の比較 で 考 え て み る 。 ⑦ き て 土 御 門 よ り 、 東 ざ ま

K

ゐて出だし引制削剖たまふ

K

P

八 二 ・

L

十 五 ︶ @ 目

K

は 見 え ぬ も の の 戸 を お し あ け て 御 後 を や 見 判 ゐ ら せ け む ︵

P

八 三 ・

L

五 ︶ ⑨ あ る べ き 事

K

てある

K

栗田賦花山院すかしおろし 奉 り ︵

P

二 四 九 ・ L 十 ︶ ⑦⑨は、共に道兼が花山院を退位させる所だが、⑦は花山 院伝−@は道兼伝の違い

K

より④@

K

ついては、為手受 手の関係が、⑨より⑥の身分差が大きいことで使い分けら れている。これらから﹁たてまつる﹂は広範囲に使われて いるが、﹁まゐらす﹂では、話手が受手

K

対して好意的な 場合に使われていることから、謙譲意識も﹁たてまつる﹂ より強い。このよう

K

﹁まゐらす﹂が、﹁落窪﹂ではよそ -11-語 子 世 継 待 き た き た

、,

Fーー て

Pー て ゆ ま ゆ ま ’ コ っー る る 神 仏 17 帝 49 8 東 宮 2 后 24 6 皇 族 1 22 1 一 位 44 2 3 」 位 2 36 t三 位 4 9 1 1 四 位 3 | 干fイ守 1 13 以ハ 位下 3 その他 1 5 1 表

I

I- 3

(8)

よそしい時に使われていたのを考えあわせると、 の性格に少し近づいてきていると思われる。 次に﹁きこゆ﹂と﹁たてまつる﹂の待遇関係上の違いを み る

K

ついて、同一の話手ごとに、受手を位別

K

分けた表

E

1 3 を参照すると、﹁きこゆ﹂より﹁たてまつる﹂の万 が、上位者、下位者と広範囲の人々を対象として用いられ ていることがわかる。 三、上接語 四語が、それぞれ動作表現語、 上表置 1 4 の よ う に な る 。 ﹁ き こ ゆ ﹂ 感覚語

K

下接する割合は、 まとめ ﹁大鏡﹂での四語の特性をまとめておく。 Jn - 4 全 き き た ま 体 に〉ーー 」ーー て ゐ ゆ え> ま さ てコ す す る 動 主ロ五口 297 12 4 274 7 作 数 表ノ 、。 現 主ロ五口 セ 96 80 100 95 100 卜 感 語 13 3

10

数 覚 ノ 、

語 セン 4 20 5 ト

12 ま fこ き き ゐ て ( 句 戸 ら 3・

Fー 語 す る す ゆ 敬 意 の 及 ぶ 範 囲 』 会 会 会 会 話 話 話 言語 会話 文 文 文 文 の の の の 文 ;;ly,

み み み

地 文 の 傾 向 動 感 動 感 作 覚 作 覚 表 主ロ五口 表 語 現 Vて 現 V亡 圭ロ五口 語 多 の く の く み み 付 V亡 く ttL く 接 付 イ寸 く く = 苦

w

とはずがたり 一、使用法 表一より、﹁きこゆ﹂は地文

K

一例だけ、﹁たてまつる﹂ は会話文

K

多く、﹁まゐらす﹂は、いくらか地文

K

多 い 。 二、待遇関係 ﹁きこゆ﹂と﹁まゐらす﹂については、﹁きこゆ﹂の用 例が一例と少ないため、﹁まゐらす﹂の方が広範囲の人々

K

使われているが、実際に表二の⑬と⑪を比較してみると、 ⑮明方ちかくなれば、:::おどろかし剖寸刻給ふにぞ、 ︵

P

三 三 六 ・ L 四 ︶

(9)

⑪ 角 の 御 所

K

は御影御わたりありしを、 参 ら せ ら れ て ︵

P

ニ四四・ L 十三︶ ⑮⑪とも、為手・受手は帝である。しかし⑬は兄弟の仲で ⑪は親子ではあるが受手が後嵯峨院の御影でかけ離れた存 在

K

対してというよう

K

、為手・受手の身分的隔りの違い で使い分けられている。このよう

K

﹁きこゆ﹂の方が、親 密度の深い場合

K

使われているように思う。 正親町殿へ移し 表N -1 ' ..tこ ま て ゐ ま ら Jコ す る 神 仏 12 11 朝 廷 1 1 帝 21 51 后 2 5 皇 族 11 26 一 位 1 1 二 位 1 三 位 1 その他 2 2 「 た て まつる」と「まゐす較比を」すらるために、地文

K

お ける受手を身分別に分けた上表

w

ー ー からは、w両語 作 違 い は み ら れ な い 。 しかし、話手を性

K

別 分 け て みると、「たてまつる」は 男 性十一、女性五十八」すらゐま「、は男性十一、女性百 五 と 、まゐらす」の万「使が数用、の体全が

K

多い も か か わ ら ず 男 性 のかるつまてた「、らと使こるあでじ同は数用」 は 男 性 語 的 、 「 ま ゐい。う思とるえとら的語性女は」すこ の 点 に お い て 違 い が み ら れ る 。 次 の 「 き こ ゆと「たてまつ」る」ついて地文わ

K

使

K

れ て いる両語の受手を、分りよ分に身のそ類した表でW12 は 、 「 き こ」が一例ゆこともういとあって、「たてまつる」 き fこ 、,ー- ゆ ま てコ る

神 仏

12 朝 廷 1 帝 1 21 后 2 皇 族 11 一 位 1 正 位 1 その他 2 表 N - 2 全 き fこ ま 体

v一 て ゐ ゆ ま ら ー コ す る 動 圭阿五口 157

62 95 作数 表ノ、

現 主ロ五口 セ 84 88 82 ン ト 感 語 29 1 7 21 数 覚 ノ、。 語 セ 16 100 12 18 ン B、 表

N -

3 -13ー の方が上層から下層の人々まで広範囲の人々

K

対して使わ れ て い る 。 三、上接語 ﹁とはず﹂での三語が、動作表現語、感覚語を上接語と する傾向について表

K

したのが表 W 1 3 である。この表よ り、﹁きこゆ﹂は感覚語のみ、﹁たてまつる﹂は動作表現 語、﹁まゐらす﹂は感覚語

K

多くつく。 まとめ ﹁ ま ゐ ら す ﹂ まとめておく。 の伸長が大きいこの作品

K

つ い て 、 語を

(10)

ま た き ゐ て ら ま

晶 語 てコ す る ゆ

I

の 及 ふ ; 範 囲 地

4

弐"- 地 文 言苦 文 会話 V i亡 文 の 多 V亡 み 文 L

L

地 文 の 和 買 向 感 動 感 覚 作 覚 語 表 呈ロ日五 V亡 現 の 上 多 語 み く V亡 ~ 付 多 付 く く く 接 付 く 語 女 男 性 性 語 語 的 的 これより、﹁まゐらす﹂が﹁きこゆ﹂の分野

K

伸長して いることがわかる。 結 び 四語別

K

、作品毎にみられる性格を表

K

し て み た 。 「 き と ゆ」 と 大 浜 落 Ii. 松 ず 中 窪 七、 納 ちE三司" 物 た り 鏡 圭日五口 圭口口五 品 地

g

,

;

地 lコzh

文 話 文 話 地 の 文

t

て 文 文 み の 多 ~

ろ え L

L

文 の 傾 向 感 感 感 感 覚 覚 覚 覚 圭ロ五口 三ロ五口 圭日五口 室ロ五口 上 の ~ V亡 V<亡 み 多 多 多

t

亡 く く く て〉 dつ てコ てコ く く く く 語 a a τ 「 き こ え さ す 」 大 浜 落 松 中 窪 納 = Eコ 物 物 鏡 圭日口五 語 口仁1口 メ""'λ'

g

,

;

会 言百 話 話 地 文 文 文 文 の ~ の

み 多 み L

文 の 作貢 向 動 感 片 作 覚 寄 表 語 り 上 現 十て vi. 語 多 な の く L

弓ぇ ザコ ~ く てコ く 語

(11)

「 た て ま つ る」 と 大 浜 落 t主 松 ず 中 窪 七 、 車内 百仁五"ー 物 た り 鏡 主口五口 語 口口口 会 ム::<'ミ

地 地 話 話 文 文 文地 文 文 ttL V亡 tて の 多 多

多 ろえ L、L、~ 話 L、 文 の 事 責 向 動 感 動 動 作 覚 作 作 表 圭ロ五口 表 表 上 現 ttL 現 現 語 多 語 宝ロロ五 ttL く ttL V亡 多 つ 多 多 く く く く て コ コ ぞイ コ く く く 三ロ口五 「 ま ゐ ら す 」 と 大 落 t主 ず 窪 カ ミ 物 た り 鏡 三ロ五口 口l=t口 地 会 会 文 話 言苦 地 ~亡 文 文 文 多 の の

L

み ろA 会 話 文 の 傾向 感 動 動 覚 作 作 語 表 表 上 Vて 現 現 多 語 語 く の の ー コ み み く V亡 Vて つ コて く く 圭日五口 これらの表より﹁きこゆ﹂は、その使用法では、 から地文へと変化しているが、上接話聞については、 とも感覚語

K

付きやすい傾向がみえ変化はない。 ﹁きこゆ﹂系の﹁きこえきす﹂は、﹁とはず﹂でその使 用例がみられないように衰退してきている。その性格は、 使用法では、三作品とも会話文

K

使われていて変わりはな いが上接語で﹁大鏡﹂では動作表現語だけ

K

付いているよ うに、作品毎

K

変化がみられる。また敬意は、すべての作 品で﹁きこゆ﹂より強い謙譲の意識を伴っている。この敬 会話文 四作品 F h I U 意の点

K

衰退しつつある﹁きこゆ﹂系でも﹁きこえきす﹂ の方が、謙譲の意識の強い語として使われ始めていた﹁ま ゐ ら す ﹂

K

、その地位を早く奪われた原因があると思われる U ﹁たてまつる﹂では、使用法が徐々

K

会話文

K

多く使わ れるよう

K

なる。これについて﹁大鏡﹂で二百八十四も会 話文に使われていることは、この作品から﹁たてまつる﹂ が会話文のほう

K

多く使われているということで注目され る。上接語

K

関しては、﹁大鏡﹂で感覚語

K

多くみられる が、これは一パーセント感覚語の割合が多いためで、他の

(12)

三作品ともほとんど変わりなく動作表現語に下接しやすい。 ﹁まゐらす﹂では、使用法

K

ついて﹁きこゆ﹂が会話文 から地文

K

、﹁たてまつる﹂がその逆へと変化しているこ とと、﹁まゐらす﹂が﹁きこゆ﹂系の分野で勢力を伸ばし てきたため地文

K

使われやすくなり、上接語は﹁きこゆ﹂ の 衰 退 に よ り 感 覚 語 陀 多 く 承 接 し や す く な っ て い る よ う で あ る 。 なお上接語については、資料の数の上からは、感覚語

K

は、﹁きこゆ﹂系が、動作表現語には、﹁たてまつる﹂が 下接しやすく、﹁まゐらす﹂は動作表現語、感覚語とも

K

上接語

K

し や す い 。 ﹁きこゆ﹂﹁たてまつる﹂の特質は、互い

K

反対の地位 を形作っている。このため、両語の特性を合わせ持ってい た﹁まゐらす﹂も﹁きこゆ﹂の衰退に伴って伸びてくるこ とから、後

K

は﹁たてまつる﹂とは違った性格を持った語

として、その地位を確立している。 四語の調査・考察を試みたが、諸説のよう

K

、 ﹁ 落 窪 ﹂ から﹁とはず﹂までの四作品

K

おいても、およそ三百年の 潤

K

、それぞれ変化していることが明らかになった。 参考文献 補助動詞﹁きこゆ﹂から﹁まゐらす﹂への漸移相 宮 地 幸 一

i

女流日記作品を中心

K

| 宮 腰 賢 東京学芸大学紀要二二人文 中世前期の八たてまつる

V

と八まゐらす

V

ー 乎 家 物 語 を 資 料 と し て | 古 田 親和国文四 古代の敬語

E

講座国語史五敬語史 森 野 大修館書店

カフカ

i || 次 目 序 第一章日カアカの﹁変身﹄について 第二章 υ 安部公房の作品と時代認識 ︵ 省 く ︶

(注)あ第第 に と 四 三 つ が 章 章 い き て い カ メ 公 フ タ 房 カ モ : の と ノ レ f「 百T五L フ

宵語房オ

ム性

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