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論文内容要旨
論文題名
Scoring Model to Predict a Low Disease Activity in Elderly Rheumatoid Arthritis Patients Initially Treated with Biological Disease-modifying Antirheumatic Drugs
高齢関節リウマチ患者における生物学的製剤の効果予測スコアモデルの 構築
掲載雑誌
Internal Medicine (2021
年掲載予定)薬物治療学専攻 岡田 貴裕
【背景・目的】
関節リウマチ (RA) は、持続性な多発関節炎を特徴とし、関節の変形を きたす自己免疫疾患である。近年、高齢
RA
患者が増加している。高齢RA
患者の治療は、非高齢RA
患者と同様にメトトレキサートを含む一次治療 が効果無効であった場合、生物学的製剤 (bDMARDs) が選択肢となる。高 齢RA
患者のbDMARDs
の使用割合は非高齢RA
患者の約50%以下である。
高齢
RA
患者の中には、本来使用可能な患者や効果が得られる患者が現状 より多く存在する可能性がある。しかしながら、高齢RA
患者におけるbDMARDs
の効果予測因子に関する報告は少なく、bDMARDs 導入時の判断指標は明らかとなっていない。そこで、本研究では、高齢
RA
患者におけるbDMARDs
の導入時の判断を支援するため、初回bDMARDs
の効果に寄与する因子および効果予測スコアモデルを検討した。
【方法】
初回
bDMARDs
を開始した65
歳以上の高齢RA
患者82
名を対象とし、後 ろ向きコホート研究を行った。アウトカムは、bDMARDs開始1
年後の低疾 患活動性 (LDA) 達成 (DAS28-ESR≤3.2) とした。多変量解析によりbDMARDs
開始1
年後のLDA
に独立して有意に寄与する因子を抽出した。また、それらの因子に共変量を加え
LDA
達成に関する予測式を作成した。そ の精度はROC
曲線を用いてarea under the curve (AUC)
により評価し た。さらに、予測式の各因子のオッズ比を用いてスコア化し、スコア別に3
分位 (低スコア、中スコア、高スコア) に層別化し、効果予測スコアモ2
デルを作成した。その精度は特異度、陽性的中率により評価した。
【結果】
対象患者の年齢の平均値は
73.5±6.0
歳、疾患活動性の指標であるDAS28-ESR
の平均値は5.3±1.3
であった。bDMARDs 開始1
年後にLDA
に 達成した患者は43
名 (52.4%) であった。多変量解析の結果、LDA達成 に独立して有意に寄与する因子として好中球/リンパ球数比 (NLR) およ び貧血が抽出された。さらに、共変量を加え、NLR、貧血、DAS28-ESR、血 清マトリックスメタロプロテアーゼ-3、リウマトイド因子、糖尿病の6
因 子より予測式を作成した (AUC: 0.83)。患者を3
群に層別化した際の高ス コア群の特異度は89%、陽性的中率は 83%であった。
【結語】
本研究において構築した効果予測スコアモデルは、高齢
RA
患者における初回
bDMARDs
開始1
年後のLDA
達成を精度高く予測できることが示された。従って、本モデルは、高齢
RA
患者のbDMARDs
導入時の判断指標に なる可能性がある。特に本モデルの高スコア群の高齢RA
患者においては、積極的に
bDMARDs
を導入することで良好な疾患活動性のコントロールが期待できる。