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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名 強力集束超音波(HIFU)による胎児鏡下気管閉塞術のバルーン 解除の可能性

掲載雑誌名 昭和学士会雑誌 第 76 巻 第 2 号 2016 年 掲載予定 外科系 外科学 小児外科学分野専攻 大澤俊亮

内容要旨

【目的】近年,先天性横隔膜ヘルニアに対して,胎児鏡下気管閉塞術(Fetal

Endoscopic Tracheal Occlusion ; FETO)の有用性が報告されている.着

脱式バルーンによって気管を閉塞することで,胎児肺・気道に肺胞液が貯 留し,肺の成長を促進できるとされる.一方,バルーンによるこの閉塞の 解除方法に関してはこれまで様々な手技が試行されているが,閉塞を解除 するには侵襲の高い観血的治療が必要となり,母子への負担も多くなる.

そのため,より低侵襲的で簡便な手法の開発が望まれている.本研究では,

バ ル ー ン に よ る 気 管 閉 塞 解 除 の 手 段 と し て , 強 力 集 束 超 音 波

(High Intensity Focused Ultrasound ; HIFU)に着目した.HIFU

を照射してバ ルーン内容液を気化させて,バルーンを膨張・破裂させることにより,気 管閉塞を解除するという方法である.この

HIFU

による気管閉塞解除の 可能性につき検討を行った.

【方法】気管モデルとして半透明のシリコンチューブを使用した.脱気水 で満たした水槽内にシリコンチューブを固定し,着脱式バルーンにナノ液

0.5~1.0ml

を注入してシリコンチューブ内に留置し,チューブを閉塞し

た.次にバルーンの後壁を焦点として,超音波ガイド下に

HIFU

3kW/cm

2の音響強度で

2

秒間照射した.バルーンが破裂した時点で

HIFU

照射を終了し,バルーンおよびシリコンチューブを観察した.

【結果】シリコンチューブ内に留置したバルーンは

4

例全例で破裂した.

また,

4

例に照射部位と一致するシリコンチューブ前壁に熱変性を認めた.

【考察】胎児鏡下気管閉塞術の有用性が報告されてきているが,その閉塞 解除の手段とその時期についてはいまだ議論が乏しい.今回の研究で,超 音波ガイド下

HIFU

照射は,先天性横隔膜ヘルニアの胎児期治療(FETO)

(2)

において,子宮を穿刺することなくバルーン解除が出来る新しい低侵襲手 技としての可能性があることが示唆された.今後,水槽内での動物実験に より本治療手技の精度を高めて実証し,将来的にはヒト胎児への応用を検 討していく予定である.

参照

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