• 検索結果がありません。

ファッションと建築について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ファッションと建築について"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

The Relation of the between Fashion and the Construction Yoshika SHIGEMATSU, Yoko SONE

ファッションと建築について

日大生産工

(

)

○重松 良佳 日大生産工 曽根 陽子

1 はじめに

建築とファッションには様々な共通点がある。人 を保護するという基本的役割、共にアイデンティ ティーを表す手段であるということ、さらに手作 りから工業大量生産に変化する歴史的発展段階 や共に同じ芸術思潮をもっていることなどが挙 げられるだろう。近年の建築は、人間がファッシ ョンを身にまとうかのような感覚で、より表層的 表現意識が高まりつつあるように感じる。本研究 では、ファッションに関する表現技法で建築と共 通するものに着目し、建築のファッション化とデ ザインの変容について検証し報告する。

2 調査概要 2-1 調査対象

1980年から2009年までに発行された新建築に 記載されている全作品を対象とし、5年おきに調 査した。ただし、囲み記事などの作品は除いた。

表1 対象作品一覧

2-2 調査方法

本研究では、2007年開催の展覧会「スキン+ボ ーンズ-1980年以降の建築とファッション」でリ ストアップされていた、建築とファッションの10 の共通技法を元に分類項目は選定した。直接ファ ッションの表現方法と関わりが薄く、抽象概念と 思われる5つの項目は排除し、残りの5つに「飾る」

という項目を加え共通の表現技法の分類項目を 設定した。

また、その分類項目がファサードなどの表面的 表現を重視しているのか、内部空間などの内面的 表現を重視しているかを判断し表層的意識がど

の程度反映されているかも読み取ることとした。

さらに、表面的か内面的かに加えてその表現が形 態で主張しているのか、素材で主張しているのか も判断しデザインの傾向を読み取る手段として 活用することとした。

分類の判断方法は、記載されている設計者の意 図や写真表現により判断した。図1に示したダイ アグラムに沿って分類していき、表2に示した分 類項目の表現技法の有無を様々な角度から検討 した。そして、該当した表現技法が機能性をもっ ているかいないのかも、機能性についての記載の 有無で判断し記録していった。

有れば1点、無ければ0点とする加算方式で点数 化し、あらゆる分野の傾向の可能性を探った。

図1 分類過程のダイアグラム

表2 ダイアグラムの詳細

雑誌名 発行年 発行月 作品数

新建築 1980年 1~6月 87

新建築 1985年 1~6月 86

新建築 1990年 1~6月 72

新建築 1995年 1~6月 93

新建築 2000年 1~6月 87

新建築 2005年 1~6月 93

新建築 2009年 1~6月 73

A.表面的 B.内面的 a.形状的 b.素材的

①ドレープ

②包む

③飾る

④プリント

⑤スキンの構造化

⑥プリーツ

A.表面的 表現技法がファサードなど表面に見られる場合。

B.内面的 表現技法が内部に見られる場合。

a.形態 表現技法が形態で主張している場合。

b.素材 表現技法が素材で主張している場合。

①ドレープ 緩やかなカーブ、円形、ひだなどの特徴がある場合。

②包む 構造体を覆うなど何らかのものを包む特徴がある場合。

③飾る 機能とは別にデザインとしての特徴がある場合。

④プリント 着色、柄などの特徴がある場合。

⑤スキンの構造化 デザイン性をもったスキンが構造体となっている場合。

⑥プリーツ 扇状、折りひだのような特徴をもっている場合。

−日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)−

― 137 ― 4-37

(2)

3 研究結果

3-1 共通する表現技法の有無と機能性の 有無、平均点について

発行年ごとに、共通の表現技法が見られる割合

(共通の表現技法のみられた作品数÷作品総数)

と機能的であるものの割合(機能性をもった共通 の表現技法のある作品数÷作品総数)を計算し図 2に示した。さらに、発行年ごとに平均点(得点 の総数÷共通の表現技法がみられた作品数)を計 算し図3にまとめた。

図2より、共通の表現技法が見られる作品の割 合の変容をみると割合が増加している。また、機 能性が見られる作品の割合をみると、減少してい る。このことから建築のファッション化を読み取 ることができ、同時に機能性を重視しなくなって いることが考えられる。

図3より、平均点が共通表現技法の割合と同じ く向上しているのが分かる。該当項目の増加とな り、デザインの多様化が読み取れる。

図2 共通表現有り、機能性有り作品の割合

図3 1作品あたりの平均点

3-2 共通表現技法にみるデザインの傾向 発行年ごとに①~⑥に示した共通の表現技法 の割合(①~⑥の各総数点÷総数点)を計算し、

図4にまとめた。図4をみると、ドレープの割合が 減少し、包む・スキンの構造化の割合が増加して いるのが特に目立っている。包む・スキンの構造 化の割合の増加から、カーテンウォールやダブル スキンなどの技術の発展と共にファサードデザ イン(表層的デザイン)への意識の高まりを読み 取ることができる。1980年に半数以上を占めてい たドレープの割合の減少はデザインの多様化に よるものであると予測できる。

図4 各種共通表現技法の割合の変容

3-3 表面的・内面的表現

発行年ごとに、共通表現技法が表面的・内面 的・表面と内面共に見られる三種それぞれの割合

(各三種の総数÷共通の表現技法がみられる作 品数)を計算し図5にまとめた。表面的の割合が 増加することを予想していたが、それに反して表 面的・内面的の割合に変化はなかった。表面+内 面が増加しているのが分かり、内部のデザイン意 識の高まりが予測できる。

図4 表面的・内面的表現の割合

4 まとめ

研究結果3-1より、近年の建築は機能性重視で はなく、デザイン重視のファッション化しつつあ るといえるだろう。調査結果3-2・3-3から、技術 の発展により可能になった様々なデザインによ るファサードデザインの高度化と、それだけでな く内面デザインも同時に意識されているという ことが考えられる。

予想に反し表層的デザイン意識は、いつの時代 も変わらない割合であり、技術と共にデザインの 高度化・多様化が進んでいることが予測できる。

このように、共通の表現技法からファッション と建築の関係性について以上のことが予測でき、

今後さらにファッションとの関係性が高まって いくことが考えられるのである。

【参考文献】

1)新建築1980・1985・1990・1995・2000・2005・2009 1~6月号

2)ファッションの20世紀:柏木博(日本放送出版協会)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2009年 共通の表現技法の有る作品の割合

機能性をもった表現技法の有る作品の割合

0 1 2 3 4 5 6 7

1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2009年 平均点数(点)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

1980年1985年1990年1995年2000年2005年2009年

ドレープ 包む 飾る プリント 構造化 プリーツ

0 20 40 60 80 100 120

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2009 表面 内面 表面+内面

― 138 ―

参照

関連したドキュメント

名      称 図 記 号 文字記号

(大防法第 18 条の 15、大防法施行規則第 16 条の 8、条例第 6 条の 2、条例規則第 6 条の

<RE100 ※1 に参加する建設・不動産業 ※2 の事業者>.

と判示している︒更に︑最後に︑﹁本件が同法の範囲内にないとすれば︑

遮音壁の色については工夫する余地 があると思うが、一般的な工業製品

第9条 区長は、建築計画書及び建築変更計画書(以下「建築計画書等」という。 )を閲覧に供するものと する。. 2

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から