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キーワード:かぶりコンクリート バイブレータ 周波数 洗い分析

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キーワード:かぶりコンクリート バイブレータ 周波数 洗い分析

連絡先 〒135-8548 東京都江東区豊洲 3-7-5 芝浦工業大学 Tel03-5859-8356 E-mail:ah11067@shibaura_it.ac.jp 図-2 バイブレータの挿入位置

低周波バイブレータによるかぶりコンクリート品質向上の検証

芝浦工業大学 学生会員 ○八木 勝之 芝浦工業大学 正会員 伊代田 岳史 エクセン 正会員 小野寺 三男

1. はじめに

良質なコンクリート構造物の建設には、バイブレー タによる締固めが良く用いられる。バイブレータの振 動によって、コンクリートは型枠の隅々まで充填さ れ、かつ、コンクリート内部のエントラップドエアを 除去することでコンクリートが緻密となり耐久性が向 上するとされている。しかし、阪神淡路大震災による 耐震基準の強化に伴い、構造物が過密配筋されるよう になったことで、バイブレータを挿入してコンクリー トを十分に締固めることが難しくなっている。特に、

耐久性に大きな影響を与えるかぶりコンクリートの締 固めでは、狭い間隔に多くの鉄筋が配筋されることに よって振動が伝達しにくいことから、締固め不足によ る耐久性の低下や表面気泡が問題となっている。本研 究では、かぶりにバイブレータを挿入することで上記 の問題を改善して品質が向上するか、また、そのとき に使用に適するバイブレータの周波数を検証した。

2. 実験概要 2.1 型枠及び配合

本研究では、図-1 に示す型枠で、内側に発泡スチロ ールを使用することでバイブレータによる振動の跳ね 返りを防ぎ、規模の大きいコンクリートを打ち込んだ 時の振動を再現した。使用した鉄筋は D13 で、過密配筋 を再現し鉄筋の間隔を 30 ㎜、 かぶり厚を 60 ㎜とした。

配合は表-1 に示すように単位水量を変動させて、一 般的なスランプのコンクリートと、スランプが大きく 材料分離しやすいコンクリートの 2 配合で行った。

バイブレータはかぶりへの挿入が可能な小径のもの を使用し、性能を表-2 に示す。どちらの周波数も JIS A 8061「内部振動機」 1) で高周波と定義されているが、本

研究では、170Hz を低周波、210Hz を高周波と定義した。

2.2 打設方法

コンクリートを躯体内部に流し込み、図-2 のように バイブレータを挿入してコンクリートを鉄筋間通過さ

せた。その後、鉄筋間通過したかぶりコンクリートにも バイブレータを挿入して締固めを行った。バイブレー タの挿入時間は躯体内部には 15 秒間、かぶり部位には 10 秒間とした。

2.3 評価方法

評価方法として、材料構成比を洗い分析試験、表面品 質を画像解析、かぶりコンクリートの物質移動抵抗性 を促進中性化試験で測定して評価を行なった。

3. 実験結果

3.1 洗い分析試験による材料構成比の比較

かぶり部からコンクリート(0.85L)を図-3 のように上 下に分けて採取した。このコンクリートを水洗い し、骨

材を 105℃の乾燥炉で 24 時間乾燥させた。その骨材

10 ㎝ 10 ㎝

図-3 洗い分析のコンクリート採取位置 表-1 コンクリートの計画配合とフレッシュ性状

表-2 バイブレータの性能

W OPC S G スランプ

(cm)

空気量 (%)

165 330 884 932 12.0 5.9

200 400 811 855 20.0 3.0

セメント 種類

W/C (%)

s/a (%)

単位量(kg/m

3

) フレッシュ性状

OPC 50 50

直径 (㎝)

長さ (㎜)

質量 (g)

偏心量 (kg)

低周波 163.5 3.08 1.32 170

高周波 114.6 2.9 1.04 210

遠心力

(kg)

28 360 1.24 59

振動機の 種類

振動体 偏心錘

振動体質 量(kg)

先端振幅

(㎜)

振動数

(Hz)

図-1 型枠

V-37 第42回土木学会関東支部技術研究発表会

(2)

図-5 かぶり表面の空隙の割合 かぶり表面の空隙の割合

図-4 材料構成比

低周波 高周波

0.82% 0.44%

0.28% 1.02%

0.72% 0.39%

0.08% 1.46%

ス ラ ン プ 2 0 ㎝ スランプ12㎝

低周波 高周波

スランプ12㎝

スランプ20cm

37%

34%

36%

29%

7%

9%

20%

28%

上部

下部

35%

29%

35%

33%

9%

10%

21%

28%

上部

下部

34%

32%

34%

32%

9%

10%

23%

26%

上部

下部

32%

33%

34%

31%

9%

10%

25%

27%

上部

下部

37%

36%

32%

33%

10%

9%

22%

22%

上部

下部

35%

37%

31%

29%

10%

9%

24%

25%

上部

下部

38%

38%

33%

30%

11%

9%

18%

22%

上部

下部

45%

33%

36%

28%

9%

8%

10%

31%

上部

下部

表-3 まとめ を細骨材(0.15~5 ㎜)と粗骨材(5~10 ㎜、10~20 ㎜)

にふるい分けを行い、それぞれの絶乾重量を測定した。

本研究では、JIS A 1112-2012「フレッシュコンクリー トの洗い分析試験方法」に規定されているコンクリー トの採取量よりも少ないことから、材料構成比のバラ

ツキを 4%とした 2) 。以上の方法から材料構成比を求め

た結果を図-4 に示す。かぶりへのバイブレータ挿入の 有無に関わらず、低周波では上下での変化がなかった が、高周波では材料分離が生じた。この結果から、かぶ りの締固めに使用するバイブレータは、低周波バイブ レータの使用が好ましいと言える。

3.2 画像解析による表面品質評価

コンクリートの表面は、締固め不足や材料分離によ って豆板や空隙ができやすい。厚さの小さいかぶりに 挿入するバイブレータの周波数の違いで、表面の品質 に差があるのかをかぶりコンクリート表面の画像を二 値化処理することで検証した。図-5 に二値化した画像 を示す。どちらのスランプでも、かぶりに挿入しない場 合は高周波、挿入する場合は低周波で空隙が少ない表 面になった。全体で比較すると、低周波バイブレータを かぶりに挿入するときの表面で最も空隙が少なくなっ た。通常のバイブレータを用いた打込みでは、厚さの小 さいかぶりでは、かぶりにバイブレータを挿入するこ とは難しい。よって、高周波を使用することが適切であ った。しかし、小径バイブレータを使用してかぶりに挿 入する場合は、低周波の使用が適切であると言える。

3.3 促進中性化試験

かぶりコンクリートから試験体コアを湿式にて採取 した。この試験体のかぶり表面となる面のみを開放し、

CO 2 濃度 5%の環境で 4 週間中性化させて深さを測定し た。しかし、有効な差は見られなかった。

4. まとめ

以上の研究の成果を表-3 にまとめる。

(1)かぶりにバイブレータを挿入するときは、低周波バ イブレータの使用が有効である。

(2)バイブレータの周波数は、かぶりへの挿入時では低 周波、未挿入時では高周波が有効である。

参考文献

1) 公益社会法人 土木学会:コンクリート標準示方書 [基準編]JIS 規格集

2) 尾上幸造、亀澤靖、松下博通:鉄筋間通過によるコ ンクリートの配合変化、コンクリート工学年次論文集、

Vol.62、No.1、2006、pp.119-128

V-37 第42回土木学会関東支部技術研究発表会

参照

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