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電子実装部の信頼性設計に活躍する機械工学

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Academic year: 2021

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電子実装部の信頼性設計に活躍する機械工学

1. はじめに

 電子実装部には,半導体,セラミッ クス,金属,樹脂,複合材料など多種 多様な材料が接合されており,その信 頼性の確保には,それらの材料の性質 を考慮する必要がある.また,集積回 路やパワーデバイスの小型化などによ り,非常に小さな体積に大きな発熱部 を有するようになり,その放熱も大き な問題となっている.

2. 日本機械学会における電子実 装部の信頼性設計に関する研 究分科会活動

 日本機械学会では,1992 年に横浜 国立大学の白鳥正樹教授によりRC113

「電子デバイス/電子機器設計におけ る計算力学の適用研究分科会」が設立 されて,その後2年おきに 24 年間に わたり継続し,現在,2016 年 4 月よ り RC-271「高密度エレクトロニクス 実装における信頼性評価と熱設計に関 する研究分科会」主査:石塚勝(富山 県立大学学長)が運営されている.

3. 電子実装部の信頼性設計手法 の例

3.1 ナノ銀を用いた耐高温接合部 の有限要素法解析(1)

 パワーデバイスなどでは,はんだに 代わる高温耐熱接合材料の開発が望ま れている.その一つとして期待されて いるのが金属ナノ粒子であり,銀ナノ 粒子がその代表格である.図 1は,

銀ナノ粒子接合部を FIB でスライス し,三次元構造を求めて有限要素法で その微細構造内部の応力解析を行った 例である.

3.2 電子デバイス上細配線のエレ クトロマイグレーション損傷 解析(2)

 LSI 上の配線幅は,現在 20nm に達 し,物理上の限界に達しつつある.こ のような細配線では,電子の流れによ る原子の移動による断線が問題とな る.このエレクトロマイグレーション 損傷を定量的に解析し,その予測が可 能になってきている.図 2は,エレ クトロマイグレーションの実験による

断線状態とシミュレーション結果の 比較である.両者は定量的によく一 致している.

3.3 OpenFORM を 使 っ た,

ディップはんだ付け工程の熱 流動シミュレーション(3)

 図 3のようにはんだ槽に PCB をつ けた状態で右に動いた際のはんだ槽 内の温度分布を予測している.図 4 に示すように,PCB の周囲の温度が 下がり,温度が下がった塊が下部に 降下していく様子がわかる.

3.4 電子パッケージの反りの熱履 歴によるヒステリシス挙動の 解析(4)

 電子パッケージの反りはしばしば,

加熱時と冷却時で違う経路を示す,

ヒステリシスを示す.粘弾性物性の 変化を考慮に入れることで,図 5に 示すようにそのヒステリシス挙動を

シミュレーションで再現した.

4. おわりに

 そのほかにも RC-271 では,電子実 装に関する信頼性と熱制御に関する 多岐にわたった研究が行われており,

機械工学が電子製品の開発に寄与し ている.

(原稿受付 2016 年 7 月 7 日)

〔池田 徹 鹿児島大学〕

●文 献

( 1 )Shioda, R, Kariya, Y., Mizumura, N. and Sasaki, K., Effect of Sintering Temperature on Stress Relaxation Behavior of Sintered Nano-sized Ag Particles, スマートプロセ ス学会誌,5-4 (2016),259-265.

( 2 )Fujisaki, K.,Narita, H. and Sasagawa, K., Numerical Analysis of Allowable Current Density for Electromigration of Intercon- nect Tree Structure with Reservoir, ASME

(InterPACK),2(2015),V002T02A015.

( 3 )塩原裕規・ほか,ディップはんだ付け工程 の熱流動シミュレーション(水平移動する 基板による液面変形と温度変動),日本機械 学 会 2015 年 度 年 次 大 会,(2015-9),

J0610201.

( 4 )尾崎秋子・ほか,電子パッケージの反りが 示す熱履歴によるヒステリシス挙動の解析 手法の開発,エレクトロニクス実装学会誌,

18-7(2015),486-494.

(a)1µm

1µm

1µm

3µm 3µm

3µm

(b)

z y

x z

y x 図1 FIB でスライスして作成した銀ナ

ノ粒子焼結体の有限要素モデル

(芝浦工業大学 苅谷義治教授 提供)

0 sec 4 sec

図4 はんだ槽内の温度分布

(図 3,4 富山県立大学 中川慎二教授 提供)

図2 エレクトロマイグレーションの解 析結果(a)と実験結果(b)

(弘前大学 笹川和彦教授 提供)

(a) (b)

寿命 :3300s 寿命 :4002s

5.0 kv ×600 50.0μm

図3 はんだ槽のモデル図 移動範囲

基板

ヒーター

はんだ界面

はんだ槽

図5 PoP パッケージの反りヒステリ シスの実測と解析結果の比較

14 mm

8 mm 6 mm

アンダーフィル

20

-20

-40

-60

-80 0

0 100 温度(℃)

計測

シミュレーション 弾性(SR)

粘弾性(SR)

昇温降温

200 300 反り(µm)

基板

シリコンチップ

─ 48 ─

日本機械学会誌 2016. 10 Vol. 119 No.1175 586

責_p048_21_TOPICS_池田.indd 48 2016/09/28 10:52:37

参照

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