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一般口演 4 歯科 座長:有田 憲司 大阪歯科大学歯学部 小児歯科学講座

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Academic year: 2021

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一般口演 4 歯科

座長:

有田 憲司 

大阪歯科大学歯学部 小児歯科学講座

渡部 茂 

明海大学歯学部形態機能成育学講座 口腔小児科学分野

小児がん患者の口腔内細菌叢に対する造血 幹細胞移植の影響について

平野 慶子、吉田 衣里、森川 優子、

高島 由紀子、仲野 道代

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 小児歯科学分野

O1-023

【緒言】

血液がんの治療のため造血幹細胞移植を受ける患者では移 植に際し、免疫抑制剤投与により好中球が減少するため、

全身の抵抗力が減弱する。その際口腔内では、重度の歯肉 炎が頻繁に発症する。歯肉炎は小児の歯周組織疾患のうち 最も多く、その原因は主としてプラーク中の細菌が関連し ていると考えられているが、齲蝕と比較して発症頻度は低 い。これより、造血幹細胞移植を受ける患者では、口腔内 の細菌叢の変化が起こり、歯肉炎の発症頻度が高くなって いる可能性が高い。本研究では、移植前後での口腔内細菌 叢の継時的変化について調べ、歯肉炎発症との関連につい て検討したのでこれを報告する。

【対象と方法】

本研究は、岡山大学生命倫理審査委員会の承認を得て行っ た。保護者の同意が得られた12名の患児(男児7名、女児 5名:6.5歳から17.0歳)の口腔内診査を行った後、移植前、

移植1か月後、および移植3か月後に唾液を採取した。採取 した唾液より通法を用いて染色体DNAを抽出し、口腔レン サ球菌および歯周病菌の各菌に特異的なプライマーを用い てPolymerase-Chain Reaction(PCR)法を行った。また、唾 液を各菌の選択培地に播種し、得られたコロニー数を算定 した。

【結果】

疾患は、急性リンパ性白血病が最も多く、続いて急性骨髄 性白血病であった。PCR法による細菌種同定を行った結果、

口腔レンサ球菌において、Streptococcus oralisが最も高頻 度に検出された。歯周病菌においては、Capnocytophaga ocharaceaが最も多く、続いてPrevotella nigrescensだった。

すべてのサンプルにおいて口腔レンサ球菌は検出されたが、

検出される菌数は、移植前と比較して移植後は減少してい る傾向が認められた。また、乳酸菌が検出された患児の数 は、移植3か月後が最も多く、移植前および移植1か月後で は検出されなかった患児からの検出も認められた。

【考察】

健常な小児では歯周病原細菌が検出されることは稀である。

また、口腔レンサ球菌数が減少し乳酸菌の検出頻度が増加 したことは、口腔内細菌叢の変化が生じていることは示唆 される。乳酸菌は通常、歯面への付着能を持たないことか ら口腔内に停滞することが少ないが、移植を受けた患児で は口腔乾燥の症状を訴えることが多く、粘膜が乾燥するこ とにより乳酸菌が口腔内に停滞している可能性が考えられ る。以上のことから、口腔内細菌叢の変化に伴い歯肉炎の 発症につながっている可能性が示された。

造血幹細胞移植患者の口腔粘膜障害に対す る歯科的対応

吉田 衣里

1

、森川 優子

2

、高島 由紀子

1

、 平野 慶子

2

、仲野 道代

1

1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 小児歯科学分野、

2岡山大学病院 小児歯科

O1-024

【緒言】

がんの治療のため造血幹細胞移植を行う患者においては、

通常の化学療法に加えて移植直前に前処置として大量化学 療法と放射線治療を行う。それにより口腔内の状態も変化 し、重度の粘膜傷害が発生することが多くみられる。今回 我々は、造血幹細胞移植を行った小児患者に対して、移植 前後で歯科的管理を行ったので、これを報告する。

【症例】

症例1:初診時12歳4か月の女児

診断名:再生不良性貧血/骨髄異形成症候群 移植後4日目 から粘膜障害が出現し始め、移植後11日から15日頃が口腔 粘膜障害のピークであり、その後粘膜障害は徐々に消失し ていった。

症例2:初診時11歳8か月の男児

診断名:骨髄異形成症候群 移植後5日目から粘膜障害が 出現し始め、移植後16日頃が口腔粘膜障害のピークであり、

その後粘膜障害は徐々に消失していった。

症例3:初診時4歳1か月の男児

診断名:生後2か月 急性リンパ性白血病 2歳7か月時  急性骨髄性白血病 移植後4日目から粘膜障害が出現し始 め、移植後13日頃が口腔粘膜障害のピークであり、その後 粘膜障害は徐々に消失していった。

症例4:初診時11歳4か月の女児

診断名:急性リンパ性白血病 移植後1日目より舌や頬粘 膜に圧痕を認めたが、炎症所見はほぼ認められなかった。

移植後7日からアズノール・グリセリン含嗽剤を使用し始 め、移植後10日から13日に粘膜の圧痕が強く認められたが、

17日頃から症状は軽減した。

いずれの症例においても、骨髄移植前に当科を紹介され、

口腔清掃、ブラッシング指導、アズノール含嗽での含嗽指 導とワセリンでの口唇保湿指導を行った。また、症例1と 症例4については晩期残存乳歯の抜歯を移植前に行った。

【考察】

造血幹細胞移植後すぐに粘膜障害が出現し、1から2週間後 にピークを向かえていた。造血幹細胞移植前の前処置の頃 から口腔内の乾燥傾向が認められるため、その頃より口腔 内および口唇保湿指導と口腔清掃指導をしっかりと行い、

粘膜障害の出現を防ぎ、疼痛を和らげる必要がある。また、

粘膜障害のピークが終わり、口腔内が落ち着いたとしても、

その後移植片対宿主病(graft-versus-host disease)の出現に より口腔内の状態が悪化する可能性があるため、移植前か らの継続的な長期的口腔管理が必要であると考えられる。

The 64th Annual Meeting of the Japanese Society of Child Health

125

一般演題・口   6

30 日㊎

Presented by Medical*Online

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