• 検索結果がありません。

抄       録

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "抄       録"

Copied!
173
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

抄       録

ワ ー ク シ ョ ッ プ

( 一 般 演 題 ) 口     演

( 一 般 演 題 ) ポ ス タ ー

注)

・[アンコール]… 海外の学会等で既に発表された内容につ いて、最新の結果を含めあらためて当集 会にて発表される演題です。

・下線………筆頭著者以外の発表者

(2)

WS1-1

HIV 関連カポジ肉腫に対する化学療法の適応と難治化の因子に関す る検討

矢嶋敬史郎(やじま けいしろう)1、福島一彰1、田中 勝1、関谷紀貴2、 関谷綾子1,3、柳澤如樹4、味澤 篤5、今村顕史1

1がん・感染症センター都立駒込病院感染症科、2がん・感染症センター都 立駒込病院臨床検査科、3東京医科大学臨床検査医学科、4Harvard T.H.Chan School of Public Health、5東京都保健医療公社豊島病院)

【背景と目的】抗HIV療法の進歩によりカポジ肉腫(KS)の発症率は低下したが、本邦では再 度増加傾向にある。しかし、化学療法の適応や難治化の因子に関する報告は少ない。今回、当 院で経験したKS症例のうち化学療法を要した症例を中心として、その発生部位や化学療法の 回数、他の合併症や治療薬との関連等について、診療録による後方視的な検討を行ったので報 告する。【方法と結果】2000 年 1 月から 2016 年 12 月までの 17 年間に 113 例がKSと診断され、

このうち除外症例 8 例を除いた 105 例を解析対象とした。全例が男性で、平均年齢は 46.3 歳

(中央値 45.5 歳)であった。リポソーマルドキソルビシン(PLD)による化学療法の適応となっ たのは 34 例(化学療法群、32%)であり、本研究においてはこの群を難治化症例と定義した。

PLDは平均で 8.8 コース(1-25 コース)投与されており、標準的治療回数とされる 6 コースを 超えた症例は 21 例あった。このうち、下腿病変を病変の首座とする症例が最多の 16 例あり、3 例で第二選択薬であるパクリタキセルによる化学療法を要した。化学療法群と非化学療法群に ついて、年齢、CD4 数、HIV-RNA量、日和見疾患・ステロイド使用・KS関連浮腫の有無につ いて解析を行ったところ、KS関連浮腫の存在が難治化の因子であることが示された。発症部位 別の検討においては、下腿病変、気道病変が難治化の因子として抽出された。【考察】今回の検 討において、KS関連浮腫、下腿病変、気道病変の存在が難治化の因子として抽出された。従 来、増悪因子として考えられてきたステロイドの使用については、明らかな関連はみられなかっ た。KSに対する化学療法の適応や難治化の因子については明らかにされていないことが多く、

各専門家の経験に頼るところが大きい。本研究は単施設研究としての限界があるため、今後は 多施設共同研究等を通じて、さらなる症例の蓄積と治療適応の明確化・標準化が望まれる。

WS1-2

AIDS 指標悪性腫瘍と非 AIDS 指標疾患の後方視的研究

古賀道子(こが みちこ)1,2、菊地 正1,2、佐藤秀憲1、安達英輔1、鯉渕智彦1、 四柳 宏1,2

1東京大学医科学研究所附属病院感染免疫内科、2東京大学医科学研究所先 端医療研究センター感染症分野)

【目的】HIV感染者において発癌は重要な問題である。AIDS指標悪性腫瘍(AIDS defining cancers: ADCs)と非AIDS指標悪性腫瘍(non-AIDS defining cancers: NADCs)に罹患したHIV 感染者の詳細を示し、HIV感染者の発癌管理に寄与することを目的とした。【方法】当院に 1996

年-2017 年 6 月に受診歴のある 865 人の診療録を用いて後方視的に解析した。【結果】ADCs、

NADCsを発症したのは述べ 81 人(重複を含む)であり、1996-2005 年通院者 533 人中ADCs: 21 人(3.9%)、NADCs:8 人(1.5%)、2006-2017 年通院者 744 人中同順に 20 人(2.6%)、32 人

(4.3%)であった。両期間での発生頻度はNADCsで近年有意に増加しており(p=0.005)、ADCs では有意差は見られなかった。癌種は、ADCs:カポジ肉腫 14 人、原発性脳リンパ腫2人、非 ホジキンリンパ腫 35 人、NASCs:血液腫瘍(白血病、非ホジキン除くリンパ腫等)9 人、頭頸 部腫瘍(咽頭癌、喉頭癌等)5人、泌尿器腫瘍(前立腺癌、膀胱癌等)6人、消化管腫瘍(食 道癌、胃癌、大腸癌等)12 人、肺癌 3 人であった。発癌時中央値年齢 46.0 歳、54.0 歳(ADCs、

NADCs順、p=0.005)、同CD4 数 37/μl、321/μl(同順、p< 0.001)、であった。5 年生存率は、

1996-2005 年発癌:45.0%、50.0%(同順)であり、2006-2012 年発癌:90%、75%(同順)であっ た。ADCsの5年生存率は近年有意に上昇している(p=0.024)が、NADCsでは有意差は見ら れなかった。【結論】NADCsは近年発生頻度が増加しているにもかかわらず、ADCsほど5年 生存率の上昇が見られなかった。禁煙等を含めた予防管理・早期発見が重要と思われた。

ワークショップ 

24日 TheJournalofAIDSResearchVol.19No.42017

(3)

WS1-3

当院における 2007 年から 2017 年の HIV 感染者死亡例について の検討

田中 勝(たなか まさる)1、福島一彰1、関谷綾子4、関谷紀貴2、矢嶋敬史郎1、 柳澤如樹5、味澤 篤1,3、今村顕史1

1がん・感染症センター都立駒込病院感染症科、2がん・感染症センター都 立駒込病院臨床微生物科、3東京都保険医療公社豊島病院、4東京医科大学臨 床検査医学科、5Harvard T.H. Chan School of Public Health)

【背景】HIV感染者における死亡者数は劇的に減少した。これは抗 HIV 療法(combination antiretroviral therapy、cART)の導入をきっかけとしている。しかし死因は、日和見感染症に 代表される AIDS 指標疾患から非 AIDS 指標疾患に変化してきている。当院におけるHIV 感染 者の死因の変化および今後の対策について検討した。

【方法】対象は当院において 2007 年 4 月 1 日から 2017 年 3 月 31 日の間に死亡したHIV感染者 とし、診療録を用いて後方視的に検討した。死亡例は院内で死亡した患者のみとし、自宅での 死亡や生死不明の例は除外した。

【結果】全 65 例のうち、男性は 62 例、女性は 3 例であった。死亡時の年齢の中央値は 57 歳(範 囲:30-87 歳)で、初診時CD4 陽性リンパ球数の中央値は 88/μL(範囲:3-1523/μL)であった。

死亡例の内訳は、AIDS 27 例、非AIDS指標悪性腫瘍((non-AIDS-defining malignancies: NADM)

18例、非AIDS指標感染症7例、心血管障害(Cardiovascular Disease : CVD)5例、脳血管 疾患3例、窒息2例、腎不全2例、肝不全1例だった。NADMの内訳は肺癌4例、胃癌3例、

肛門管癌2例、中咽頭癌2例、膵癌1例、食道癌1例、上咽頭癌1例、舌癌1例、直腸癌1例、

腎癌1例、下肢軟部組織腫瘍1例だった。NADM18 例中 15 例が 2012 年 4 月以降の死亡だっ た。NADM診断時のCD4 陽性リンパ球数は< 200 が 14 例、201-499 が 3 例、500 <が 1 例だっ た。CVD5 例は全例、cART中断歴、喫煙歴、糖尿病、高脂血症を認めた。

【考察】早期診断および早期治療開始により、 CD4 陽性リンパ球数を高く保つことが癌の予防に とって重要である。またcART中断歴がCVD発症に関与している可能性が示唆された。AIDS 関連の死亡は減少する一方、NADMおよび CVDの増加が、感染者の高齢化とともに、さらに 大きな問題となることが予想される。

WS1-4

2010 年以降の近年における HIV 陽性者の死因についての検討 笠松 悠(かさまつ ゆう)1、白野倫徳1、小西啓司1、森村 歩1、後藤哲司1、 市田裕之2、豊島裕子3

1大阪市立総合医療センター 感染症内科、2大阪市立総合医療センター薬 剤部、3大阪市立総合医療センター 看護部)

【背景】治療の進歩によりHIV感染者の寿命が延長し、非HIV感染者と大きくは変わらない時 代になっている。その上で、更なる予後改善のため、近年における死亡症例とその死因に関し ての質的な検討が必要と考えられた。【方法】2010 年以降で死亡が明らかな当院通院および入 院のHIV患者における主な死因と影響を与えた要素をカルテベースに後方視的に抽出した。

【結果】1993 年の当院開院以降、2017 年 7 月現在で 1000 例の累積HIV患者数があり、2010 年 以降に死亡した症例は 28 例で年齢中央値は 56.5(範囲 27-76)、男 / 女は 27/1 であった。21 例

(75%)がAIDS指標疾患の罹病歴があり、7 例が抗HIV療法は未導入であった。主な死因につ いて検討したところAIDS指標疾患による死亡が最も多い 10 例(35.7%)であり、内訳は悪性 リンパ腫が 2 例、結核性髄膜炎 1 例、粟粒結核 1 例、クリプトコッカス髄膜炎 1 例、ニューモ シスチス肺炎 1 例、反復性肺炎 1 例、CMV脳炎・神経根炎 1 例、PML1 例、HIV脳症 1 例と中 枢神経疾患関連のものが多かった(50%)。また、「症状がなかった」といった病識不足に起因 すると思われる通院中断後のAIDS発症を 4 例(40%)に認めた。AIDS指標疾患による死亡を 除いては、非AIDS関連悪性腫瘍死が 6 例(肺癌、胃癌、前立腺癌、肝細胞癌、中咽頭癌、副 鼻腔悪性腫瘍)、自殺が 5 例、呼吸器疾患が 2 例、不明 2 例、感染性心内膜炎1例、虚血性心疾 患 1 例、肝疾患 1 例と続いた。自殺した症例の多くにうつ病などの精神疾患を合併していたが、

明らかな指摘のない患者も存在した。【結語】治療の進歩による寿命延長に伴い非AIDS関連疾 患による死亡は増加しているが、AIDS指標疾患や自殺による死亡も依然として多い。前者は 早期受診に関する啓発や通院中断をさせない工夫をする、後者は精神疾患の悪化を早期に発見 する、などの新たなスキームを開発する事で、さらなる予後改善の余地があると考えられた。

ワークショップ 

24日

(   )146 348

(4)

WS1-3

当院における 2007 年から 2017 年の HIV 感染者死亡例について の検討

田中 勝(たなか まさる)1、福島一彰1、関谷綾子4、関谷紀貴2、矢嶋敬史郎1、 柳澤如樹5、味澤 篤1,3、今村顕史1

1がん・感染症センター都立駒込病院感染症科、2がん・感染症センター都 立駒込病院臨床微生物科、3東京都保険医療公社豊島病院、4東京医科大学臨 床検査医学科、5Harvard T.H. Chan School of Public Health)

【背景】HIV感染者における死亡者数は劇的に減少した。これは抗 HIV 療法(combination antiretroviral therapy、cART)の導入をきっかけとしている。しかし死因は、日和見感染症に 代表される AIDS 指標疾患から非 AIDS 指標疾患に変化してきている。当院におけるHIV 感染 者の死因の変化および今後の対策について検討した。

【方法】対象は当院において 2007 年 4 月 1 日から 2017 年 3 月 31 日の間に死亡したHIV感染者 とし、診療録を用いて後方視的に検討した。死亡例は院内で死亡した患者のみとし、自宅での 死亡や生死不明の例は除外した。

【結果】全 65 例のうち、男性は 62 例、女性は 3 例であった。死亡時の年齢の中央値は 57 歳(範 囲:30-87 歳)で、初診時CD4 陽性リンパ球数の中央値は 88/μL(範囲:3-1523/μL)であった。

死亡例の内訳は、AIDS 27 例、非AIDS指標悪性腫瘍((non-AIDS-defining malignancies: NADM)

18例、非AIDS指標感染症7例、心血管障害(Cardiovascular Disease : CVD)5例、脳血管 疾患3例、窒息2例、腎不全2例、肝不全1例だった。NADMの内訳は肺癌4例、胃癌3例、

肛門管癌2例、中咽頭癌2例、膵癌1例、食道癌1例、上咽頭癌1例、舌癌1例、直腸癌1例、

腎癌1例、下肢軟部組織腫瘍1例だった。NADM18 例中 15 例が 2012 年 4 月以降の死亡だっ た。NADM診断時のCD4 陽性リンパ球数は< 200 が 14 例、201-499 が 3 例、500 <が 1 例だっ た。CVD5 例は全例、cART中断歴、喫煙歴、糖尿病、高脂血症を認めた。

【考察】早期診断および早期治療開始により、 CD4 陽性リンパ球数を高く保つことが癌の予防に とって重要である。またcART中断歴がCVD発症に関与している可能性が示唆された。AIDS 関連の死亡は減少する一方、NADMおよび CVDの増加が、感染者の高齢化とともに、さらに 大きな問題となることが予想される。

WS1-4

2010 年以降の近年における HIV 陽性者の死因についての検討 笠松 悠(かさまつ ゆう)1、白野倫徳1、小西啓司1、森村 歩1、後藤哲司1、 市田裕之2、豊島裕子3

1大阪市立総合医療センター 感染症内科、2大阪市立総合医療センター薬 剤部、3大阪市立総合医療センター 看護部)

【背景】治療の進歩によりHIV感染者の寿命が延長し、非HIV感染者と大きくは変わらない時 代になっている。その上で、更なる予後改善のため、近年における死亡症例とその死因に関し ての質的な検討が必要と考えられた。【方法】2010 年以降で死亡が明らかな当院通院および入 院のHIV患者における主な死因と影響を与えた要素をカルテベースに後方視的に抽出した。

【結果】1993 年の当院開院以降、2017 年 7 月現在で 1000 例の累積HIV患者数があり、2010 年 以降に死亡した症例は 28 例で年齢中央値は 56.5(範囲 27-76)、男 / 女は 27/1 であった。21 例

(75%)がAIDS指標疾患の罹病歴があり、7 例が抗HIV療法は未導入であった。主な死因につ いて検討したところAIDS指標疾患による死亡が最も多い 10 例(35.7%)であり、内訳は悪性 リンパ腫が 2 例、結核性髄膜炎 1 例、粟粒結核 1 例、クリプトコッカス髄膜炎 1 例、ニューモ シスチス肺炎 1 例、反復性肺炎 1 例、CMV脳炎・神経根炎 1 例、PML1 例、HIV脳症 1 例と中 枢神経疾患関連のものが多かった(50%)。また、「症状がなかった」といった病識不足に起因 すると思われる通院中断後のAIDS発症を 4 例(40%)に認めた。AIDS指標疾患による死亡を 除いては、非AIDS関連悪性腫瘍死が 6 例(肺癌、胃癌、前立腺癌、肝細胞癌、中咽頭癌、副 鼻腔悪性腫瘍)、自殺が 5 例、呼吸器疾患が 2 例、不明 2 例、感染性心内膜炎1例、虚血性心疾 患 1 例、肝疾患 1 例と続いた。自殺した症例の多くにうつ病などの精神疾患を合併していたが、

明らかな指摘のない患者も存在した。【結語】治療の進歩による寿命延長に伴い非AIDS関連疾 患による死亡は増加しているが、AIDS指標疾患や自殺による死亡も依然として多い。前者は 早期受診に関する啓発や通院中断をさせない工夫をする、後者は精神疾患の悪化を早期に発見 する、などの新たなスキームを開発する事で、さらなる予後改善の余地があると考えられた。

ワークショップ 

24日

WS1-5

終末期を迎える HIV 陽性者の支援のあり方 下司有加(しもじ ゆか)

国立病院機構大阪医療センター

抗HIV療法の進歩に伴い、HIV陽性者の生命予後は大きく改善された。しかし、非エイズ関 連悪性腫瘍の発症者は増加傾向で、発見の時期や病態によっては悪性腫瘍で終末期を迎える ケースもある。そのような中で私たち看護師は、終末期を迎える患者に対し、療養生活をどう 支援できるのかという新たな課題を検討しなければならない。

そこで、今回、私たちが経験した終末期を迎えたHIV陽性者の療養支援の中から、患者の考 える(希望する)最期を迎えるにはどのタイミングでどのような支援が必要だったのか、支援 のポイントを考察したい。

WS2-6

地域医療としての「エイズ治療拠点病院」の取り組み 土谷良樹(つちや よしき)1、松永伸一1、角南直美2、松本葉子2

1東葛病院総合診療科、2わかば薬局中央店)

エイズ治療については、厚労省による健医発第 825 号(平成5年7月 28 日)において、「エ イズ診療の基本的な考え方は、どこの医療機関でもその機能に応じてエイズ患者等を受け入れ ることである。すなわち、住民に身近な医療機関において一般的な診療を行い、地域の拠点病 院において重症患者に対する総合的、専門的医療を提供する等、その機能に応じて診療を行う ことができるようにすることが必要である」と規定されている。しかし実際には、多くの医療 機関ではHIV陽性患者の診療を行わず、拠点病院へ紹介しているのが実態であり、他科診療連 携が必要な手術や血液透析といった場面で対応に苦慮しているケースが散見される。

本来、エイズ診療は国の責任で整備されるものであるが、県にその責任が与えられる構造と なっている。このため、エイズ診療の主要な役割は各県の公立病院が担っている場合が多い。

しかし、エイズ治療拠点病院は全国に 382 病院(平成 29 年3月 31 日現在)しか存在せず、し かもほとんどの病院が急性期病院であるため、十分な医療を提供できる体制とは言えないのが 実情である。

当院は民間の 366 床の中規模病院であるが、地域医療の一貫としてのHIV診療を行っている。

検診の結果返しから、「いきなりエイズ」の診療、急性期医療機関からの紹介先として等、当院 の行っているエイズ治療拠点病院としての多彩な取り組みを紹介する。

ワークショップ 

24日 TheJournalofAIDSResearchVol.19No.42017

(5)

WS2-7

クリニック診療における需要と他科連携の課題

河村祐貴子(かわむら ゆきこ)1、根岸昌功1、河野小夜子1、西岡春菜1、 里 英子2

1ねぎし内科診療所、2家政大学)

【目的】当院は 2007 年 2 月に開院し 2016 年に 10 年目の節目を迎えた。この 10 年での受診者の 変遷や 2016 年に受診したHIV感染者の属性、受診時間などからクリニックにおける需要、ま た他院紹介や併診の内容から、他科との連携について検討したい。

【方法】カルテから抽出し分析。

【結果】2007 年 2 月~ 2016 年末までの受診者は延べ 3349 名であり、この内HIV感染者の受診 は 473 名となっている。初年 2007 年のHIV感染者の受診は 138 名で、20 代 8 名(5.8%)、30 代 38 名(27.5%)、40 代 45 名(32.6%)、50 代 27 名(19.6%)、60 代 20 名(14.5%)、70 代 0 名であった。2016 年のHIV感染者の新規受診は 22 名。定期受診は 309 名であり、20 代 31 名

(10.1%)、30 代 101 名(32.7%)、40 代 99 名(32.0%)、50 代 46 名(14.9%)、60 代 22 名(7.1%)、

70 代 10 名(3.2%)であった。2016 年の定期受診者の総受診件数は 2044 回であり、受診回数 の多い曜日/時間帯は土曜前半、続いて月曜後半、金曜後半となっている。年代別平均受診回 数あ 20 代 4.7 回、30 代 6.3 回、40 代 7 回、50 代 7.4 回、60 代 6.5 回、70 代 8 回であった。2016 年の新たな他院紹介は歯科、消化器内科、肛門科が多く、総合病院よりもクリニックへの紹介 を希望される方が多かった。

【考察】当院の受診者は 30 代から 40 代の働き盛りの世代が 2 / 3 を占め、そのため受診は土曜 前半や平日後半の時間帯という、仕事に影響が少ないと思われる時間帯の件数が多かった。他 院への紹介もクリニック希望が多く「受診しやすい」需要が高いと推測された。一方、恒例の 受診yさも確実に増えており、受診回数は他年代よりも多い。併存疾患の治療のために専門家 の診療を要する場面もあり、他科との連携の重要性が示唆された。

WS2-8

保険薬局における HIV 陽性患者及び非 HIV 陽性患者の意識調査 中村美紀(なかむら みき)、鶴田逸朗、堅田陽介

(一般社団法人 日本薬業育成会 きらめき薬局)

【目的】当薬局では個室の「お薬相談室」を活用して、個室希望者を対象とした服薬指導を行い 3 年経過した。今後の服薬指導に役立てるためHIV陽性患者(以下HIV+)及び非HIV陽性患 者(以下HIV-)へアンケート調査を実施し、比較検討を行った。【方法】アンケート回収期 間は平成 28 年 4 月より 9 月までの 6 か月間。HIV+とHIV-の両グループの対象患者をほぼ 同数となるように無作為に選出した。選出患者は、HIV+ 73 名、HIV- 76 名となった。アン ケート内容は「今まで保険薬局に対して不満はあったか?」「保険薬局の薬剤師に薬のことや、

病気のことなど相談したいと思うか?」「保険薬局でお薬をもらうにあたって、どんなことに気 をつけて欲しいか?」「担当薬剤師を希望するか?」「薬局内に個室の相談スペースがあれば、

利用したいか?」の 5 項目で行った。【結果】保険薬局に関する不満は両グループとも 10%以 下であった。保険薬局薬剤師に相談したい患者はHIV+では 60%以上が相談したいと回答し た。投薬時の希望はHIV+ではプライバシー保護が最も多く、HIV-では待ち時間の短縮や薬 の説明を聞きたいが多かった。担当薬剤師についてはHIV+の方が多く、高齢者になるほど担 当薬剤師の希望は増加していた。個室の利用に関してはHIV+では 50% 以上が利用を希望し ていた。一方HIV-では 20%以下であった。更にHIV+について投薬時の希望と担当薬剤師 の希望を年代別に比べて見た。投薬時の希望は若年層では待ち時間の短縮との回答が多かった が高齢者になるほど薬剤師との相談できる環境を求める回答が多くなっていた。担当薬剤師希 望では若年層は希望しないという回答が多かったが、高齢者になるほど担当薬剤師を希望する 回答が多くなっていた。【考察】以上の結果をうけ、HIV+では高齢化が進む中、保険薬局でも プライバシーを保護した上でHIV陽性患者1人ずつの「かかりつけ薬剤師」が必要となってく る。

ワークショップ 

24日

(   )148 350

(6)

WS2-7

クリニック診療における需要と他科連携の課題

河村祐貴子(かわむら ゆきこ)1、根岸昌功1、河野小夜子1、西岡春菜1、 里 英子2

1ねぎし内科診療所、2家政大学)

【目的】当院は 2007 年 2 月に開院し 2016 年に 10 年目の節目を迎えた。この 10 年での受診者の 変遷や 2016 年に受診したHIV感染者の属性、受診時間などからクリニックにおける需要、ま た他院紹介や併診の内容から、他科との連携について検討したい。

【方法】カルテから抽出し分析。

【結果】2007 年 2 月~ 2016 年末までの受診者は延べ 3349 名であり、この内HIV感染者の受診 は 473 名となっている。初年 2007 年のHIV感染者の受診は 138 名で、20 代 8 名(5.8%)、30 代 38 名(27.5%)、40 代 45 名(32.6%)、50 代 27 名(19.6%)、60 代 20 名(14.5%)、70 代 0 名であった。2016 年のHIV感染者の新規受診は 22 名。定期受診は 309 名であり、20 代 31 名

(10.1%)、30 代 101 名(32.7%)、40 代 99 名(32.0%)、50 代 46 名(14.9%)、60 代 22 名(7.1%)、

70 代 10 名(3.2%)であった。2016 年の定期受診者の総受診件数は 2044 回であり、受診回数 の多い曜日/時間帯は土曜前半、続いて月曜後半、金曜後半となっている。年代別平均受診回 数あ 20 代 4.7 回、30 代 6.3 回、40 代 7 回、50 代 7.4 回、60 代 6.5 回、70 代 8 回であった。2016 年の新たな他院紹介は歯科、消化器内科、肛門科が多く、総合病院よりもクリニックへの紹介 を希望される方が多かった。

【考察】当院の受診者は 30 代から 40 代の働き盛りの世代が 2 / 3 を占め、そのため受診は土曜 前半や平日後半の時間帯という、仕事に影響が少ないと思われる時間帯の件数が多かった。他 院への紹介もクリニック希望が多く「受診しやすい」需要が高いと推測された。一方、恒例の 受診yさも確実に増えており、受診回数は他年代よりも多い。併存疾患の治療のために専門家 の診療を要する場面もあり、他科との連携の重要性が示唆された。

WS2-8

保険薬局における HIV 陽性患者及び非 HIV 陽性患者の意識調査 中村美紀(なかむら みき)、鶴田逸朗、堅田陽介

(一般社団法人 日本薬業育成会 きらめき薬局)

【目的】当薬局では個室の「お薬相談室」を活用して、個室希望者を対象とした服薬指導を行い 3 年経過した。今後の服薬指導に役立てるためHIV陽性患者(以下HIV+)及び非HIV陽性患 者(以下HIV-)へアンケート調査を実施し、比較検討を行った。【方法】アンケート回収期 間は平成 28 年 4 月より 9 月までの 6 か月間。HIV+とHIV-の両グループの対象患者をほぼ 同数となるように無作為に選出した。選出患者は、HIV+ 73 名、HIV- 76 名となった。アン ケート内容は「今まで保険薬局に対して不満はあったか?」「保険薬局の薬剤師に薬のことや、

病気のことなど相談したいと思うか?」「保険薬局でお薬をもらうにあたって、どんなことに気 をつけて欲しいか?」「担当薬剤師を希望するか?」「薬局内に個室の相談スペースがあれば、

利用したいか?」の 5 項目で行った。【結果】保険薬局に関する不満は両グループとも 10%以 下であった。保険薬局薬剤師に相談したい患者はHIV+では 60%以上が相談したいと回答し た。投薬時の希望はHIV+ではプライバシー保護が最も多く、HIV-では待ち時間の短縮や薬 の説明を聞きたいが多かった。担当薬剤師についてはHIV+の方が多く、高齢者になるほど担 当薬剤師の希望は増加していた。個室の利用に関してはHIV+では 50% 以上が利用を希望し ていた。一方HIV-では 20%以下であった。更にHIV+について投薬時の希望と担当薬剤師 の希望を年代別に比べて見た。投薬時の希望は若年層では待ち時間の短縮との回答が多かった が高齢者になるほど薬剤師との相談できる環境を求める回答が多くなっていた。担当薬剤師希 望では若年層は希望しないという回答が多かったが、高齢者になるほど担当薬剤師を希望する 回答が多くなっていた。【考察】以上の結果をうけ、HIV+では高齢化が進む中、保険薬局でも プライバシーを保護した上でHIV陽性患者1人ずつの「かかりつけ薬剤師」が必要となってく る。

ワークショップ 

24日

WS2-9

HIV/AIDS 診療における病診連携の課題

池田有里(いけだ ゆり)1、木下一枝1、宮原明美1、神田里恵子1、丸山栄子2、 村上英子2、杉本悠貴恵2、喜花伸子2、齊藤誠司3、山崎尚也4、藤井輝久4

1広島大学病院 看護部、2広島大学病院 エイズ医療対策室、3国立病院機 構福山医療センター 感染症内科 / 広島県東部地区エイズ治療センター、4広 島大学病院 輸血部)

【はじめに】

HIV感染者の長期生存に伴う高齢化によって合併症も増加しており、今後は地域の医療機関と も病診連携をとりながら、慢性疾患の管理を行っていく必要がある。今回本院通院中のHIV感 染者の病診連携の現状を調査し、病診連携を進める上での課題について考察した。

【対象と方法】

2016 年 1 月~ 2016 年 12 月末に、本院へ通院歴のあるHIV/AIDS患者 156 名のうち、他の医療 機関を利用している患者 44 名(36%)とし、通院先の医療機関と診療科、通院先へのHIV感 染症の告知の有無とその理由について診療録を用いて後方視的に調査した。

【結果】男性 40 名、女性 4 名、年齢中央値(範囲)は 52(29-77)歳、利用医療機関は、診療所 63%、

病院 19%、訪問看護 6%、他 8%、不明 4% であった。1 人で複数の診療所を受診しているケー スがあり、患者の判断でHIV感染症の告知状況が異なっていた。診療科別では、内科 52%、整 形外科 15%、眼科 9%、皮膚科と精神科 各 6%、耳鼻科と脳神経外科と肛門科 各 3% であった。

内科ではHIV診療経験のある機関を利用するケースが半数以上であった。HIV感染症の告知の 有無は、告知している 71%、告知していない 19%、不明 10% であった。告知した患者のうち、

紹介状で伝えたケースは 81%、自身で伝えたケースは 17% であった。告知をしない理由は、

「HIV感染症が判明する以前から受診しているので知られたくない」、「自分が医療職であり、勤 務先の医療施設に知られたくない」等であった。

【考察】HIV診療経験のある医療機関への受け入れは良好であった。また、病名告知に関しては紹介状 で伝える事により、受診と受け入れのハードルが下がり、患者の負担や不安軽減に繋がるので はないかと思われる。今後、病診連携を進めていく上ではHIV診療経験のない医療機関にも積 極的に紹介していく事が重要である。その方策として、ブロックで開催している医療者向けHIV 研修会へ参加経験のある医療施設への紹介も検討し、受け入れ施設拡大に繋げていきたい。

WS2-10

北海道 HIV 透析ネットワークの構築とその有効性の検討 遠藤知之(えんどう ともゆき)1,2、センテノ田村恵子2,3、渡部恵子2,4、 宮下直洋1,3、荒 隆英1,3、後藤秀樹1,2、橋野 聡2,5、豊嶋崇徳1,2

1北海道大学病院 血液内科、2北海道大学病院 HIV診療支援センター、

3エイズ予防財団、4北海道大学病院 看護部、5北海道大学 保健センター)

【背景】 生命予後の改善によるHIV感染者の高齢化に伴い、慢性腎臓病(CKD)が問題となっ

てきている。今後、維持透析を必要とするHIV感染者の増加が予想されるが、透析施設の確保 は必ずしも容易ではなく、遠方への通院を余儀なくされる患者もみられる。HIV感染者が居住 地域で速やかに維持透析施設を確保できる体制が必要と考え、我々は 2013 年 4 月に北海道透析 療法学会と連携し、HIV感染者の受け入れが可能な透析施設をあらかじめ登録する「北海道HIV 透析ネットワーク」を構築した。【目的】「北海道HIV透析ネットワーク」の構築 / 拡大に向け た取り組みの効果および本ネットワークの有効性を評価する。【対象と方法】 北海道透析療法学 会の所属している北海道内の 161 の透析施設にネットワークへの参加を呼びかけた。さらに、

透析学会でのセミナー、透析施設への出張研修、行政からの通知等によりネットワーク拡大を 図った。登録施設数の推移からそれらの取り組みの効果を評価した。さらに、HIV診療施設へ のアンケート調査を行い、2000 年以降北海道において維持透析が必要となったHIV感染者にお いて、透析施設確保までに要した期間、自宅から透析施設までの所要時間等につき、透析ネッ トワーク構築前後で比較した。【結果】 2017 年 6 月末までに 37 の透析施設の登録が得られてい るが、登録施設の増加に最も影響を及ぼしていたのは、行政からの通知であった。維持透析患 者はネットワーク構築前後でそれぞれ 4 名いたが、透析施設決定までに要した期間や自宅から 透析施設までの所要時間は、いずれもネットワーク構築後に短縮していた。【考察】 透析ネット ワークの構築 / 拡大には、関連学会や行政との連携がきわめて有効であると考えられた。また、

HIV感染症の基礎知識の周知、針刺し時の予防薬の配置、問題発生時の相談先を伝えることな ども、透析施設でのHIV感染者の受け入れ促進に重要であると考えられた。

ワークショップ 

24日 TheJournalofAIDSResearchVol.19No.42017

(7)

WS2-11

北海道ブロック「HIV/AIDS 出張研修」5 年間の実践報告

渡部恵子(わたべ けいこ)1,2、センテノ田村恵子2,4、遠藤知之2,3、富田健一2、 石田陽子2、藤田和華子2,4、後藤秀樹2,3、宮下直洋3,4、大野稔子1,2、豊嶋崇徳2,3、 本田秀子1,2

1北海道大学病院看護部、2北海道大学病院HIV診療支援センター、3北海道 大学病院血液内科、4エイズ予防財団)

【背景】AIDS発症しHIV感染が判明する割合が北海道では 4 割である。また、HIV感染患者が 在宅療養生活の際に利用できる受け入れ施設は少ない。そこでHIV感染の早期発見と患者受け 入れ施設の拡大を図る目的で、研修を希望する施設に出向くHIV/AIDS出張研修(以下出張研 修とする)を平成 23 年度より開始した。5 年間の実践を振り返り報告する。【目的】出張研修 5 年間の実践を振り返り、研修効果を検証する。【方法】平成 23 年 11 月~平成 29 年 3 月まで に実施した出張研修の研修実施地域、実施機関の区分、参加職種等を単純集計した。また出張 研修実施後に当院へ新規患者紹介され受診した件数、出張研修終了後に当院通院患者を受け入 れた件数、出張研修終了後の施設と当院の連携状況を調査した。【結果】総実施件数 153 件、研 修参加人数は 8139 人であった。研修参加職種は看護師が最も多く 2879 人 42.2%、次いで事務 職 671 人 9.8%、医師 292 人 4.3% であった。研修実施地域別でみると、札幌市内 88 件 57.5%、

札幌市以外 65 件 42.5% であった。研修実施機関の区分では、一般病院 88 件 57.5%、福祉サー ビス事業所 38 件 24.8%、拠点病院 13 件 8.4% であった。出張研修実施後に当院への新規患者の 紹介受診件数は、16 施設から 31 件であった。また、出張研修終了後に当院通院患者を受け入 れた件数は、11 施設 14 件であった。出張研修終了後の施設間の連携では、感染対策マニュア ルの整備に関する相談、針刺し損傷時の予防内服の相談、感染判明ケースへの対応相談などで あった。【考察】出張研修は北海道全域にわたり実施され、多数の施設がHIV感染症について 学習する機会を提供できている。医療機関と福祉サービス事業所の双方からHIV研修ニーズが あり、少しずつ新規感染者の発見や地域での患者受け入れにもつながってきていると考える。

WS3-12

保健福祉センターにおける HIV 抗原抗体検査受検者アンケートから 見た MSM 対策の評価

櫻井理恵(さくらい りえ)1、真木景子1、浦林純江1、青木理恵1、浅井千絵1、 松本健二1、小向 潤1、植田英也1、半羽宏之1、松村直樹1、久保徹朗1、 安井典子2、塩野徳史3,4、市川誠一5

1大阪市保健所、2大阪市北区保健福祉センター、3大阪青山大学、4 MASH 大阪、5人間環境大学)

【目的】保健福祉センター(以下「センター」)でのHIV抗原抗体検査の受検者数は横ばいで推 移している。MSMとそれ以外の受検者の背景を知り、MSMの受検行動に影響を及ぼす要因を 検討する。

【研究方法】平成 25 年 10 月~平成 28 年 9 月にセンター受検者へ自記式アンケートを実施し、回 答の得られた 7,644 人を対象とした。性別・性的指向をもとにMSM ・MSM以外の男性・女性・

不明の 4 群に分類し、受検者特性の動向を把握するために、知識項目、受検経験、啓発媒体の 認知について四半期別に分析した。分析方法はχ2検定を用い、有意水準を 5%未満とした。

【結果】性的指向の割合はMSM 15.7%・MSM以外の男性 49.0%・女性 27.7%・不明 7.6%で あった。「性別・性的指向」の 4 群と「四半期別」に有意差がみられ、MSM割合の平成 26 年 第 2 期(4 ~ 6 月)では 18.2%と増加後減少に転じ、平成 28 年第 2 期(4 ~ 6 月)には 17.1%

と増加し有意な差があった(p< 0.05)。MSMの動向は、いずれの時期も初回受検者より再受 検者の割合が高く、平成 28 年第 1 期(1 ~ 3 月)~第 3 期(7 ~ 9 月)に「再受検者」が増加 した。MSMのHIVに関する理解について、10 問中 6 問以上正答した人はいずれの時期も 80%

以上で他の群より高かった。啓発媒体の認知について、MSMはCBOの認知割合がいずれの時 期も他の群より高かった。

【考察】平成 28 年にMSM割合が約 17%まで増加したのは、再受検割合が他の群より高く、再 受検者を中心に周知啓発が届いていると考えられ、また、定期的に利用する検査場としてセン ターの認知が確立されてきたと考えられる。知識が高い事は、他の群よりHIVへの関心が高く、

MSM向けに発信された情報を得やすい可能性がある。CBOの認知割合が高い事からも、今後 はCBOの発信力と協働しながら初回受検者につながるための啓発、及び予防意識の向上にむ けた取り組みの必要性があると考える。今後は「意識」を明らかにする調査を、おこなってい く必要性がある。

ワークショップ 

24日

ワークショップ 

25日

(   )150 352

(8)

WS2-11

北海道ブロック「HIV/AIDS 出張研修」5 年間の実践報告

渡部恵子(わたべ けいこ)1,2、センテノ田村恵子2,4、遠藤知之2,3、富田健一2、 石田陽子2、藤田和華子2,4、後藤秀樹2,3、宮下直洋3,4、大野稔子1,2、豊嶋崇徳2,3、 本田秀子1,2

1北海道大学病院看護部、2北海道大学病院HIV診療支援センター、3北海道 大学病院血液内科、4エイズ予防財団)

【背景】AIDS発症しHIV感染が判明する割合が北海道では 4 割である。また、HIV感染患者が 在宅療養生活の際に利用できる受け入れ施設は少ない。そこでHIV感染の早期発見と患者受け 入れ施設の拡大を図る目的で、研修を希望する施設に出向くHIV/AIDS出張研修(以下出張研 修とする)を平成 23 年度より開始した。5 年間の実践を振り返り報告する。【目的】出張研修 5 年間の実践を振り返り、研修効果を検証する。【方法】平成 23 年 11 月~平成 29 年 3 月まで に実施した出張研修の研修実施地域、実施機関の区分、参加職種等を単純集計した。また出張 研修実施後に当院へ新規患者紹介され受診した件数、出張研修終了後に当院通院患者を受け入 れた件数、出張研修終了後の施設と当院の連携状況を調査した。【結果】総実施件数 153 件、研 修参加人数は 8139 人であった。研修参加職種は看護師が最も多く 2879 人 42.2%、次いで事務 職 671 人 9.8%、医師 292 人 4.3% であった。研修実施地域別でみると、札幌市内 88 件 57.5%、

札幌市以外 65 件 42.5% であった。研修実施機関の区分では、一般病院 88 件 57.5%、福祉サー ビス事業所 38 件 24.8%、拠点病院 13 件 8.4% であった。出張研修実施後に当院への新規患者の 紹介受診件数は、16 施設から 31 件であった。また、出張研修終了後に当院通院患者を受け入 れた件数は、11 施設 14 件であった。出張研修終了後の施設間の連携では、感染対策マニュア ルの整備に関する相談、針刺し損傷時の予防内服の相談、感染判明ケースへの対応相談などで あった。【考察】出張研修は北海道全域にわたり実施され、多数の施設がHIV感染症について 学習する機会を提供できている。医療機関と福祉サービス事業所の双方からHIV研修ニーズが あり、少しずつ新規感染者の発見や地域での患者受け入れにもつながってきていると考える。

WS3-12

保健福祉センターにおける HIV 抗原抗体検査受検者アンケートから 見た MSM 対策の評価

櫻井理恵(さくらい りえ)1、真木景子1、浦林純江1、青木理恵1、浅井千絵1、 松本健二1、小向 潤1、植田英也1、半羽宏之1、松村直樹1、久保徹朗1、 安井典子2、塩野徳史3,4、市川誠一5

1大阪市保健所、2大阪市北区保健福祉センター、3大阪青山大学、4 MASH 大阪、5人間環境大学)

【目的】保健福祉センター(以下「センター」)でのHIV抗原抗体検査の受検者数は横ばいで推 移している。MSMとそれ以外の受検者の背景を知り、MSMの受検行動に影響を及ぼす要因を 検討する。

【研究方法】平成 25 年 10 月~平成 28 年 9 月にセンター受検者へ自記式アンケートを実施し、回 答の得られた 7,644 人を対象とした。性別・性的指向をもとにMSM ・MSM以外の男性・女性・

不明の 4 群に分類し、受検者特性の動向を把握するために、知識項目、受検経験、啓発媒体の 認知について四半期別に分析した。分析方法はχ2検定を用い、有意水準を 5%未満とした。

【結果】性的指向の割合はMSM 15.7%・MSM以外の男性 49.0%・女性 27.7%・不明 7.6%で あった。「性別・性的指向」の 4 群と「四半期別」に有意差がみられ、MSM割合の平成 26 年 第 2 期(4 ~ 6 月)では 18.2%と増加後減少に転じ、平成 28 年第 2 期(4 ~ 6 月)には 17.1%

と増加し有意な差があった(p< 0.05)。MSMの動向は、いずれの時期も初回受検者より再受 検者の割合が高く、平成 28 年第 1 期(1 ~ 3 月)~第 3 期(7 ~ 9 月)に「再受検者」が増加 した。MSMのHIVに関する理解について、10 問中 6 問以上正答した人はいずれの時期も 80%

以上で他の群より高かった。啓発媒体の認知について、MSMはCBOの認知割合がいずれの時 期も他の群より高かった。

【考察】平成 28 年にMSM割合が約 17%まで増加したのは、再受検割合が他の群より高く、再 受検者を中心に周知啓発が届いていると考えられ、また、定期的に利用する検査場としてセン ターの認知が確立されてきたと考えられる。知識が高い事は、他の群よりHIVへの関心が高く、

MSM向けに発信された情報を得やすい可能性がある。CBOの認知割合が高い事からも、今後 はCBOの発信力と協働しながら初回受検者につながるための啓発、及び予防意識の向上にむ けた取り組みの必要性があると考える。今後は「意識」を明らかにする調査を、おこなってい

ワークショップ 

24日

ワークショップ 

25日

WS3-13

東京東部地域における MSM 向け HIV 検査・相談会 「快速あんしん 検査上野駅」 の啓発の構成

岩橋恒太(いわはし こうた)1、本間隆之2、堅多敦子3、貞升健志4、長島真美4、 清古愛弓5、生島 嗣6、岳中美江9、市川誠一7、今村顕史8

1特定非営利活動法人akta、2山梨県立大学看護学部、3東京都福祉保健局、

4東京都健康安全研究センター、5台東区台東保健所、6特定非営利活動法人 ぷれいす東京、7人間環境大学看護学部、8東京都立駒込病院、9一般社団法 人BULBY)

【背景】首都圏では保健所等の公的検査施設とNGOとが連携して、MSMを対象にHIV検査の 普及啓発に取り組んできている。ただしHIV感染およびAIDS発症の報告数の増加は抑えてい るものの、減少傾向はみられていない。これを受け、東京都の東地域のMSM商業施設が集積 する上野においてMSMに向けた検査・相談会を実施し、検査相談の啓発を効果評価する。

【方法】本プログラムではコミュニティセンターの機能を用いながら、MSMを対象に検査・相 談会の啓発を実施し、検査会の紹介および検査情報ウェブサイトへの誘導を行う。啓発メッセー ジには、個人にとっての早期治療のメリットを伝え、生涯未受検の理由として挙げられる陽性 がわかった後の治療・生活についても説明する内容とした。さらに上野のMSM商業施設の利 用者は他地域に比して年齢層が高く、上野駅が鉄道の要衝であるため、中高年層を意識した広 報・検査会を企画しつつ、東北のコミュニティセンター等と連携し広域での広報を実施する。

【結果】2016 年 11 月より、上野・浅草をテーマとした検査広報誌 「ヤローページ」 を 10,000 部 発行・配布した。ゲイ向け出会い系アプリ上での広報を東日本地域対象に行い、2017 年1月末 日までに検査情報ウェブサイトへ 12,211 のセッション数(のべ人数)があった。検査会には 94 名が受検し、平均年齢は 35.9 歳、都内居住者が 67%(うち 24% が 23 区東部)だった。67% が 出会い系アプリ、15% が口コミで検査会を知っていた。

【考察】東京東部地域での検査会の広報を通じて区東部および広域の利用者に利用されたが、想 定より若い世代の利用者が多かった。MSMを対象とする従来の検査および普及啓発に加え、新 たな検査機会の提供を、継続性をもって地域で実施できるか更なる検討が必要である。

WS3-14

HIV 検査相談会 「快速あんしん検査上野駅」 の実施

本間隆之(ほんま たかゆき)1、岩橋恒太2、堅多敦子3、貞升健志4、長島真美4、 清古愛弓5、生島 嗣6、市川誠一7、今村顕史8

1山梨県立大学看護学部、2特定非営利活動法人akta、3東京都福祉保健局、

4東京都健康安全研究センター、5台東区台東保健所、6特定非営利活動法人 ぷれいす東京、7人間環境大学看護学部、8東京都立駒込病院)

【目的】東京都東地域のMSM商業施設が集積する上野においてMSMに向けた検査相談会を実 施することにより、検査相談のニーズを評価する。【方法】平成 29 年 1 月 21 日(土)に、台東 保健所の会議室フロアを借受け、研究協力医院の巡回診療所として、予約不要、即日結果返却 のHIV及び梅毒の検査相談会を定員 100 名で実施した。受付時間は 17 時から 20 時。ガイダン スにて研究と検査の説明を個別に行い、HIVはIC法、梅毒はRPR法とIC法の検査を行った。

結果返却は同日 18 時から 21 時。HIVが判定保留の場合の確認検査結果の返却は翌日夕方の予 約制とした。検査会の運営及び広報には関連するNPOの協力を得て実施した。【結果】受付開 始から約 15 分で定員に達し 94 名が受検し、うち 9 名が相談を利用した。HIV陽性は 4 名(4.3%, 95%CI: 1.2-10.5%)であり、うち 3 名は今回の検査が生涯初受検、他 1 名は1年以内に保健所で 受検経験があった。梅毒IC法陽性は 14 名(14.9%, 95%CI: 8.4-23.7%)、RPR法陽性が 5 名(5.3%, 95%CI: 1.7-12.0%)。4 名全員に確認検査結果を伝え、後日全員が医療機関を受診したことを確 認した。今回が生涯初受検の人は 23 名、そのうちこれまでに検査を受けたいと思ったことがあ る人は 14 名(61%)であった。初受検者の中には保健所での無料匿名検査の実施など基本的な 知識を知らない人も多かった(p=0.009)。【結論】これまで受検できなかった人また過去に検査 を受けたことがある人にとっても、利便性の高いHIV検査相談をニーズに則した情報とともに 提供することで受検行動につながることが明らかになった。今後は定員を超過した場合の対応 などの実施体制を検討するとともに、既存検査への知見の活用や継続可能性について検討して いく。本研究は平成 28 年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策政策研究事業(HIV検査受検 勧奨に関する研究)を受けて実施した研究の成果である。

ワークショップ 

25日

ワークショップ 

25日 TheJournalofAIDSResearchVol.19No.42017

(9)

WS3-15

MSM を対象とした自己穿刺血による HIV 検査 ― HIV Check 受 検者の有病率

高野 操(たかの みさお)1、岩橋恒太2、荒木順子2、木南拓也2、佐久間久弘2、 生島 嗣3、佐藤郁夫3、福原寿弥3、中山保世4、小日向弘雄4、友成喜代美5、 土屋亮人5、杉野祐子5、小形幹子5、上村 悠5、柳川泰昭5、水島大輔5、 青木孝弘5、市川誠一6、菊池 嘉5

1国立国際医療研究センター、2 NPO法人akta、3 NPO法人ぷれいす東京、

4東新宿こころのクリニック、5国立国際医療研究センター エイズ治療・研 究開発センター、6人間環境大学)

【背景】新規HIV感染者数は年間 1,500 件前後で推移しており、明らかな減少がみられない。一 方、保健所・特設検査所におけるHIV検査数は年々減少しており、更なる検査の促進と早期発 見、医療に繋がる道筋が必要である。

【目的】医療機関とNGOの連携による郵送検査の手法を用いたHIV検査の取り組みを昨年報告 した。この研究がHIV検査の拡大に寄与したか評価し、研究に参加したMSM受検者集団での HIV有病率を算出する。

【方法】検査キットは毎週木曜日 19 時~ 22 時、新宿 2 丁目のコミュニティーセンターaktaで、研 究同意取得後キットの使用方法を説明し配布した。相談を希望した場合は、ぷれいす東京の相談 員による面談を提供した。検査の流れは、受検者がキットを自宅に持ち帰り、ランセットを用い て指先を穿刺し、ろ紙に垂らした乾燥血液を返送用封筒にてACCへ送付した。受検者は研究ホー ムページにログイン後、キットに付与されたIDとパスワードを用いて検査結果を確認した。「要 確認検査」となった場合は、結果画面より所定の医療機関の予約が可能なシステムを構築した。

【結果】検査キット配布数は 1702 件、検査受付数は 1403 件、回収率は 82.4%であった。20 代 と 30 代の利用者が 74.9%を占めた。過去にHIVの検査経験がない者は 34.6%であった。陰性 1358 件、陽性 34 件、判定不能 11 件。複数回受検者を考慮した有病率は 3.03%(95%C.I: 2.03- 4.04)。結果画面へのログイン履歴があったのは 1403 件中 1392 件(99.2%)であった。陽性 34 件のうち、所定の医療機関で確認検査を受けた者は 22 人、それ以外の医療機関の受診を把握で きたのは 2 人であり、24 名の医療機関受診が確認された。

【まとめ】HIV陽性率は 3.03%であった。MSMを対象としたHIV検査の拡大に有効な方法と考 えられた。

WS3-16

乾燥濾紙血を用いた HIV-1 RNA および DNA 検査法

丸山理恵(まるやま りえ)1、須藤弘二1、藤原 宏2、長谷川直樹2、加藤真吾1

1慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室、2慶應義塾大学病院感染制御 センター)

【目的】我が国のHIV-1 郵送検査は主に乾燥濾紙血(DBS)を用いた抗体検査により行われてい るが、核酸検査はまだ実用化されていない。昨年の本学術集会において、DBSによるHIV-1 RNA検出法について発表したが、その後、抽出法を改善することによって、より感度の高い検 出系を確立したのでここに報告する。

【方法】HIV-1 のRNA標準株として 8E5 株、DNA標準株としてpNL43 を使用した。HIV-1 陽性 血液として、8E5 株あるいはpNL43 を健常人血液に加えたものを用いた。このHIV-1 陽性血液 を 3 種類の濾紙(Whatman社の 903 Protein Saver Card、FTA Elute Micro Card、東洋紡の採血 用濾紙)に染み込ませ、一晩乾燥させた。DBSから直径 5.5mmのディスクを切り出し、DTT 含有塩酸グアニジンで処理した後、QIAGEN MinElute Virus Spin Kitを用いて核酸抽出を行っ た。回収率はリアルタイムPCRによって求めた。

【結果と考察】2,000 コピーのHIV-1 RNAを用いた場合、903、FTA、採血用濾紙(東洋紡)の 平均回収率(n=3)はそれぞれ 15.7%、1.8%、21.4%であった。また、2,000 コピーのHIV-1 DNAを用いた場合はそれぞれ 22.9%、5.3%、20.4%であった。FTAの推奨抽出法(98℃、30 分処理)では、平均回収率はRNAが 0.8%、DNAが 34.4%であった。回収率の結果から、採血 用濾紙(東洋紡)を用いた場合の検出下限はHIV-1 RNAが血漿 1 mLあたりおよそ 1,200 コピー、

HIV-1 DNAが血液 1 mLあたりおよそ 280 コピーと推定された。郵送検査にDBSからの核酸検

査法を加えることにより、検査の精確度が高まるとともに、感染をより早い時期に判定するこ とが可能になると考えられる。

ワークショップ 

25日

(   )152 354

(10)

WS3-15

MSM を対象とした自己穿刺血による HIV 検査 ― HIV Check 受 検者の有病率

高野 操(たかの みさお)1、岩橋恒太2、荒木順子2、木南拓也2、佐久間久弘2、 生島 嗣3、佐藤郁夫3、福原寿弥3、中山保世4、小日向弘雄4、友成喜代美5、 土屋亮人5、杉野祐子5、小形幹子5、上村 悠5、柳川泰昭5、水島大輔5、 青木孝弘5、市川誠一6、菊池 嘉5

1国立国際医療研究センター、2 NPO法人akta、3 NPO法人ぷれいす東京、

4東新宿こころのクリニック、5国立国際医療研究センター エイズ治療・研 究開発センター、6人間環境大学)

【背景】新規HIV感染者数は年間 1,500 件前後で推移しており、明らかな減少がみられない。一 方、保健所・特設検査所におけるHIV検査数は年々減少しており、更なる検査の促進と早期発 見、医療に繋がる道筋が必要である。

【目的】医療機関とNGOの連携による郵送検査の手法を用いたHIV検査の取り組みを昨年報告 した。この研究がHIV検査の拡大に寄与したか評価し、研究に参加したMSM受検者集団での HIV有病率を算出する。

【方法】検査キットは毎週木曜日 19 時~ 22 時、新宿 2 丁目のコミュニティーセンターaktaで、研 究同意取得後キットの使用方法を説明し配布した。相談を希望した場合は、ぷれいす東京の相談 員による面談を提供した。検査の流れは、受検者がキットを自宅に持ち帰り、ランセットを用い て指先を穿刺し、ろ紙に垂らした乾燥血液を返送用封筒にてACCへ送付した。受検者は研究ホー ムページにログイン後、キットに付与されたIDとパスワードを用いて検査結果を確認した。「要 確認検査」となった場合は、結果画面より所定の医療機関の予約が可能なシステムを構築した。

【結果】検査キット配布数は 1702 件、検査受付数は 1403 件、回収率は 82.4%であった。20 代 と 30 代の利用者が 74.9%を占めた。過去にHIVの検査経験がない者は 34.6%であった。陰性 1358 件、陽性 34 件、判定不能 11 件。複数回受検者を考慮した有病率は 3.03%(95%C.I: 2.03- 4.04)。結果画面へのログイン履歴があったのは 1403 件中 1392 件(99.2%)であった。陽性 34 件のうち、所定の医療機関で確認検査を受けた者は 22 人、それ以外の医療機関の受診を把握で きたのは 2 人であり、24 名の医療機関受診が確認された。

【まとめ】HIV陽性率は 3.03%であった。MSMを対象としたHIV検査の拡大に有効な方法と考 えられた。

WS3-16

乾燥濾紙血を用いた HIV-1 RNA および DNA 検査法

丸山理恵(まるやま りえ)1、須藤弘二1、藤原 宏2、長谷川直樹2、加藤真吾1

1慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室、2慶應義塾大学病院感染制御 センター)

【目的】我が国のHIV-1 郵送検査は主に乾燥濾紙血(DBS)を用いた抗体検査により行われてい るが、核酸検査はまだ実用化されていない。昨年の本学術集会において、DBSによるHIV-1 RNA検出法について発表したが、その後、抽出法を改善することによって、より感度の高い検 出系を確立したのでここに報告する。

【方法】HIV-1 のRNA標準株として 8E5 株、DNA標準株としてpNL43 を使用した。HIV-1 陽性 血液として、8E5 株あるいはpNL43 を健常人血液に加えたものを用いた。このHIV-1 陽性血液 を 3 種類の濾紙(Whatman社の 903 Protein Saver Card、FTA Elute Micro Card、東洋紡の採血 用濾紙)に染み込ませ、一晩乾燥させた。DBSから直径 5.5mmのディスクを切り出し、DTT 含有塩酸グアニジンで処理した後、QIAGEN MinElute Virus Spin Kitを用いて核酸抽出を行っ た。回収率はリアルタイムPCRによって求めた。

【結果と考察】2,000 コピーのHIV-1 RNAを用いた場合、903、FTA、採血用濾紙(東洋紡)の 平均回収率(n=3)はそれぞれ 15.7%、1.8%、21.4%であった。また、2,000 コピーのHIV-1 DNAを用いた場合はそれぞれ 22.9%、5.3%、20.4%であった。FTAの推奨抽出法(98℃、30 分処理)では、平均回収率はRNAが 0.8%、DNAが 34.4%であった。回収率の結果から、採血 用濾紙(東洋紡)を用いた場合の検出下限はHIV-1 RNAが血漿 1 mLあたりおよそ 1,200 コピー、

HIV-1 DNAが血液 1 mLあたりおよそ 280 コピーと推定された。郵送検査にDBSからの核酸検

査法を加えることにより、検査の精確度が高まるとともに、感染をより早い時期に判定するこ とが可能になると考えられる。

ワークショップ 

25日

WS3-17

HIV 郵送検査に関する実態調査と検査精度調査(2016)

須藤弘二(すどう こうじ)1、佐野貴子2、近藤真規子2、今井光信3、木村 哲4、 加藤真吾1

1慶応義塾大学医学部 微生物学・免疫学教室、2神奈川県衛生研究所 微 生物部、3田園調布学園大学、4東京医療保健大学)

【目的】現在インターネット上では、HIV郵送検査を取り扱うサイトが存在し、検査希望者が検査機関 に行くことなしにHIV検査を受検することができ、その検査数は毎年増加している。この現状 を把握するため、郵送検査会社に対するアンケート調査を行った。また郵送検査の検査精度の 調査のため、感染者血漿を用いて調製したパネル血液を用いて感度と特異度に関する外部精度 管理を実施した。

【方法】検索サイトを用いてHIV郵送検査を取り扱うサイトを検索し、2016 年の調査で郵送検査を行っ ていると判明した郵送検査会社 13 社に対しアンケートを実施し 10 社から回答を得た。また感 染者血漿と健常人血液を用いて、陽性 51、陰性 49、計 100 検体のパネル血液を作成し、協力を 申し出た 5 施設を対象として、各施設の検体保管法・輸送方法に準じて郵送検査を実施した。

【結果】郵送検査会社全体の年間検査数は 91,587 件であり、昨年と比較して 5,965 件増加していた。団 体検査と推定される率は 53% であった。陽性数は 150 例であり、昨年と比較して 51 件増加し ていた。検査結果が陽性だった場合、すべての郵送検査会社で病院での検査を勧めていた。郵 送検査会社 5 施設の検査精度調査の結果、4 施設は陽性検体 51 検体すべて陽性、陰性検体 49 検体すべて陰性であり、1 施設は陽性 51 検体中陽性 44 例、判定保留 7 例(後に検体作成時の 凝集反応に起因することが判明)、陰性検体 49 検体すべて陰性であった。

【結論】2016 年の郵送検査の利用者数は 2015 年と比較して 7.0%増加しており、保健所等検査数の 78%

に相当する数に達していることがわかった。郵送検査の検査精度調査の結果、判定保留を陽性 に含めた場合の 5 施設の検査精度は感度、特異度とも 100% であった。今後、検査精度管理、受 検者に対する検査相談、フォローアップ等の改善のため、「HIV郵送検査のあり方について」等 を活用して、郵送検査をより安心して受けられ、信頼できる検査とする必要がある。

WS3-18

HIV 陽性者と周囲の人への相談事業における、判定保留者の背景に ついて

牧原信也(まきはら しんや)、生島 嗣、福原寿弥、佐藤郁夫、折茂 淳、

村崎美和

(特定非営利活動法人 ぷれいす東京)

【目的と方法】ぷれいす東京では、HIV陽性者を中心に匿名での相談を行っており、即日検査や 郵送検査における「判定保留」や「確認検査待ち」の者も以前から対象としている。2012 年 4 月~ 2017 年 3 月までの 5 年間の相談記録から、判定保留者の背景や検査の動機などを可能な範 囲でまとめ、今後の相談活動の一助とすることを目的とした。事業の性質上、確認検査後の結 果は把握できていない。

【結果】5 年間の相談は合計で 133 件(男 98: 女 35)、セクシュアリティは分かった範囲で、異 性愛:64 件(48.1%)、同性愛 44 件(33.1%)、両性愛:2 件(1.5%)、不明:23 件(17.3%)、異 性愛の男女比は 33:31。検査を受けた場所は、異性愛(男:女)は病院(外来)が 24 件:23 件、保健所 / 検査所が 3 件:4 件、郵送検査 / 自主検査が 3 件:4 件。同性愛 / 両性愛では、保 健所 / 検査場が 21 件、病院(外来)20 件、病院(入院)3 件、郵送検査 / 自主検査 2 件であっ た。きっかけは、異性愛では術前 /内視鏡前での検査が 9 件:6 件、自発的(症状なし)7 件:

3 件、健康診断のオプション 3 件:2 件、女性では不妊治療時や妊婦健診時の検査、性産業従事 者の職場での団体検査等もあった。同性愛 / 両性愛では自発的(症状あり)が保健所と病院(外 来)で計 16 件、自発的(症状なし)が 12 件、HIVの関連症状やその他の症状やありで医師の 勧めが 9 件等であった。

【まとめ】相談のあった判定保留者は、異性愛男女が半数を占め、病院での術前検査や、何ら症 状がない状態での検査が多く、HIV陽性の可能性を予想していなかったことが考えられた。同 性愛 / 両性愛では、何らかの症状があっての自主検査や、医師の勧めが多く、HIV陽性の可能 性をある程度想定していたことが考えられた。受検者の準備性は様々で、状況に応じた相談ニー ズの存在が確認された。

ワークショップ 

25日 TheJournalofAIDSResearchVol.19No.42017

参照

関連したドキュメント

戦略的パートナーシップは、 Cardano のブロックチェーンテクノロジーを DISH のテレコムサービスに 導入することを目的としています。これにより、

 処分の違法を主張したとしても、処分の効力あるいは法効果を争うことに

従って、こ こでは「嬉 しい」と「 楽しい」の 間にも差が あると考え られる。こ のような差 は語を区別 するために 決しておざ

 スルファミン剤や種々の抗生物質の治療界へ の出現は化学療法の分野に著しい発達を促して

或はBifidobacteriumとして3)1つのnew genus

テキストマイニング は,大量の構 造化されていないテキスト情報を様々な観点から

2021] .さらに対応するプログラミング言語も作

アナログ規制を横断的に見直すことは、結果として、規制の様々な分野にお