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安全保障輸出管理調査報告書

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(1)

平 成 2 0 年 度

安全保障輸出管理調査報告書

制 度 ・ 手 続 編

平 成 2 1 年 3 月

財団法人 安全保障貿易情報センター

C ISTEC

この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。

http://ringring-keirin.jp/

(2)

はじめに

北朝鮮をめぐる六カ国協議の混迷、イランの核開発の問題、更に、各地で頻発して いるテロ活動など、世界の安全保障への脅威は依然として減少していない。国内では、

産業構造審議会 貿易経済協力分科会 安全保障貿易管理小委員会において今年度国 連 安保理決議 1540 などに対応した技術移転、仲介貿易などに関する規制強化、更に 罰則の強化、法令のよりきめ細かい遵守などが答申され、これに基づき 22 年ぶりの 外為法の改正が行われようとしている。輸出管理に対する対応の強化が要求され、平 和を阻害する動きに対しこれを抑止するための活動がより一層求められている。

こうした情勢の下、我々産業界としても、適切な安全保障輸出管理遂行の責任をあ らためて認識しているところである。従来にもまして、政府と輸出者が適切な役割分 担の下でより一層協力していく必要があろう。企業は自らの輸出管理を向上させると

ともに、

CISTEC

の場を通し、制度、手続、運用等について調査、検討を行い政府

に対し適切な提言を行う等、今後もこうした活動に積極的に取り組むことが重要であ ると思われる。

このような観点から、今年度の総合部会では、産業構造審議会 制度改正ワーキン ググループの審議に合わせ産業界として実効性があり、かつ合理的な規制のあり方を 提言してきた。また、これまでの法令の解釈・手続・運用面の問題点を検討し政府へ 改善提言を行うとともに、企業の自主管理を支援し、より充実させるためのガイダン ス、マニュアル等の作成に力を注いだ。国際面では、欧州の政府機関、主要産業団体、

代表的企業と意見交換を行うとともに、欧米・アジア主要国の輸出管理法制度の調 査・分析を行い、これ等の成果はガイダンスの更新版として発行される予定である。

また、懸案の規制番号の国際化に関しては貨物部会の協力を得て進めたが、来年度以 降も貨物部会の協力を得ながら、官民一体となって実現のために強力に推進する予定 である。

本報告書は1年間にわたるこれらの活動内容をまとめたものであり、各企業の輸出 管理の参考となれば幸いである。今後も輸出管理を取り巻く国内外の環境の変化を踏 まえ、我が国産業界のニーズを反映した部会活動を積極的に推進していく所存である。

最後に部会活動にご尽力頂いた総合部会及び専門委員会、分科会の委員並びに我々 の活動にご指導とご協力を頂いた経済産業省の皆様に対して厚く御礼申し上げる。

平成21年 3月 9日 安全保障輸出管理委員会

総合部会

部会長 作野 周平

(3)

第 1 章 総括

(4)

1.総合部会の活動方針

総合部会の今年度活動方針および主要課題は、平成

20

年6月9日に開催された 第1回会合において、以下のように合意された。

1)活動方針

産業構造審議会 安全保障貿易管理小委員会 制度改正ワーキンググループ で検討された技術移転規制強化、通常兵器キャッチオールの新たな実施など多 くの制度の見直しが実施されようとしているなか、企業における安全保障輸出 管理が重要性を増している。ますますグローバル化が進む企業活動を踏まえ、

全体として実効的かつ効果的な安全保障輸出管理を図るため、昨年度の当部会 の成果等に基づき、以下の主要課題に積極的に取り組む。

2)主要課題

1

)我が国の輸出管理制度・手続

産業界が的確かつ効率的に対応できる輸出管理の構築

・ 輸出規制品区分番号の国際表示方法の採用などの検討

・ 技術移転規制に関する検討

・ その他、通常兵器キャッチオールの検討など

2

)企業における輸出管理の適正化・効率化

自主管理強化の必要性が高まる中、わかりやすい自主管理のあり方の検討

・ 分科会参加企業の実務を基にした自主管理事例集の作成の継続

・ 「海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンス2006(英語版)」の更 新

・ 法令、通達、お知らせ等の合理化・明確化・簡素化等の検討・要望

① 返却貨物・技術の規制緩和(許可不要化)

② 内蔵プログラムの規制緩和(許可不要化) など

・ 産業構造審議会安全保障貿易小委員会制度改正WGの審議結果に基づく制 度改正対応

・ 輸出管理効率化を目的としたガイダンス、マニュアルの改訂、整備

①「輸出貿易管理令別表第1輸出許可申請手続マニュアル」、「キャッチオ ール規制に関する解説・事例集」「実務者のためのわかりやすい安全保 障輸出管理~Q&A及びガイダンス~」の見直し

②「役務取引許可申請手続マニュアル」の改訂検討

3

)国際交流の推進、および海外法制度の調査・分析

・ 昨年度に引き続き米欧産業界、政府との意見交換・交流を継続

(5)

・ 米欧、アジア主要国の輸出管理法制度の新規制定・改正状況を引続き調査

・ 米国再輸出規制の緩和に向けた活動を継続

・ 経済産業省の各国への働きかけ(アウトリーチ)に連携、協力した活動

4

CISTEC

情報提供サービスのあり方の検討

・ 総合データベース、出版物等の改善策の提言

・ チェイサー情報の改善策の提言

5

)その他

・ 税関による説明会の継続実施

・ 電気通信ネットワークを介する技術情報管理に関する情報交換

平成

20

年度 第

1

回 総合部会 小柳総合部会長挨拶 平成

20

年6月9日

平成

20

年度 第

1

回 総合部会

経済産業省 安全保障貿 易管理課 小林課長補佐 挨拶

平成

20

年6月9日

(6)

平成

20

年度 第

1

回 総合部会 平成

20

年6月9日

(7)

2.総合部会の活動成果

以下は、平成

20

年度の輸出管理のあり方専門委員会、制度専門委員会、国際関 係専門委員会の活動成果を総括したものである。

2.1

提言及びその成果

本年度も各専門委員会において、我が国の規制・手続に関してそれぞれの立場か ら、各種の合理化・簡素化提言活動を行った。以下に概略を示す。

1)我が国の輸出管理のあり方の検討および提言(輸出管理のあり方専門委員会)

(1)

通常兵器キャッチオールの検討

昨年度精力的に検討を行ってきたが、政省令案に対するパブリックコメント が募集されたのを受け、意見を提出した。この結果、ほぼ

CISTEC

の意見を 反映いただいた。

(2)

国際的に通用し、分りやすい法体系に向けた活動

輸出管理の裾野を広げる活動の一環として、数年来輸出規制品区分番号の国 際表示方法の検討を行ってきた。輸出管理を厳格に実施している国・地域の 中では独自の規制番号を採用しているのは日本のみであり、海外子会社を含 む国際的な運用で不都合を生じてきている。また、法体系の違いから生じる 規制内容の齟齬などの情報を貨物部会の協力を得て収集た。これらを踏まえ、

経済産業省との協力の下タスクフォースを立ち上げ、この問題に取り組むこ とを骨子とする要望書を提出した。

( 3 )

大量破壊兵器等関連技術の技術移転の検討

産構審での議論に呼応して検討を行い、何度かの意見交換会を通じ、ボーダ ー規制のあり方、善良な企業への負担の少ない規制のあり方を検討し、経済 産業省へ伝えた。

( 4 )

輸出管理のあり方の検討

技術移転等の規制強化に対するリバランスの方策として海外子会社へのイン センティブが検討されているが、優良企業に対する海外子会社への包括制度 の創設に関し要望書を提出した。また、対米不公正貿易に関するパブリック コメントに対し意見を提出した。

2)企業の自主管理に関する検討 (輸出管理のあり方専門委員会)

(1)

輸出管理社内規程モデルの改訂とそれに対応したモデルCPガイダンスの改 訂版の発行

通常兵器キャッチオールの導入と包括許可取扱要領の改正に対応した輸出管 理社内規程モデルの改訂と、その解説書であるモデル

CP

ガイダンスの改訂

(8)

を行った。

(2)

自主管理事例集/教育編の作成

教育体系一覧、違反事例、ヒヤリハット事例などを盛り込んだ教育に関する事 例集を作成した。来期早々の出版を予定している。

(3)

海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンス

2009

年版の発行

法令改正、

WG

委員の実務経験の蓄積を受け、より実務に有効なガイダンスの 作成を行った。

3)総合データベース、出版物の改善策の提言 (輸出管理のあり方専門委員会)

使い易い総合データベース、チェイサー情報を目指して各種取り組みを行った。

総合データベースに関しては、

CISTEC

ホームページ、各種セミナーなどの 更なる改善に向け、各種提案を行った。チェイサー情報関連では

Web

検索を 提案し、

10

月1日よりあいまい検索機能を実装したサービスが開始され利便 性が大幅に向上した。なお、専門誌記事情報の

10

年超のデータの削除の継続 を要望書にまとめた。

4)輸出管理制度、手続の合理化、簡素化のための検討、要望 (制度専門委員会)

①法令、通達、お知らせ等の合理化・明確化・簡素化等の検討・要望

(1)特例(輸出令第4条、貿易外省令第9条第1項)の対象範囲の拡大等

・ 返却貨物の規制緩和(許可不要化)

平成

21

年1月

27

日に、輸入貨物の返却に係る特例化要望書を正式 に経済産業省に提出した。

・ 技術返却の規制緩和(許可不要化)

非居住者から提供された技術を、同一の非居住者にそのまま返却す ることは、「特定情報の提供を目的とする取引」には当たらないとの 考え方から、役務通達の1(1)“許可を受けなければならない取引 の範囲”から除外する要望書を経済産業省に平成

21

年2月

18

日に 提出した。

・ 内蔵プログラムの規制緩和(許可不要化)

内蔵プログラム特例を規定している貿易外省令の制約、特に「書換 えおよび取替え」の制約から本特例の適用対象が狭く、ファームウ ェアプログラムの逆コンパイルの困難性等を論証し、貿易外省令の 改正要望を平成

21

年2月

18

日に提出した。

② 産業構造審議会安全保障貿易小委員会制度改正WGの審議結果に基づく制 度改正対応-総合分科会との連携

(1)通常兵器キャッチオール規制の導入に伴う政令改正案に対する経済産 業省の意見公募に対し、制度専門委員会(輸出管理のあり方専門委員

(9)

会と連名)としてパブリックコメントを提出した。このパブリックコ メントを踏まえ、8月

27

日に公布された。

(2)通常兵器キャッチオール規制の導入に伴う関連通達の制定・改正に対 する経済産業省の意見募集に対し、制度専門委員会としてパブリック コメントを提出した。このパブリックコメントを踏まえ、

10

31

日 に公布された。

(3)大量破壊兵器等関連技術移転に係る法令等改正対応

産構審で検討が進められていた「技術取引規制の見直し」に関連して、

技術のボーダー規制が検討されていたが、「技術の持ち帰り前提の持ち 出しについては、許可例外とすることが適当」との意見を制度専門委 員会(輸出管理のあり方専門委員会と連名)として経済産業省に提出 した。

(4)その他

・「包括許可取扱要領の一部を改正する通達」に対する経済産業省の意 見募集に対し、制度専門委員会(輸出管理のあり方専門委員会と連名)

としてパブリックコメントを提出した。このパブリックコメントを踏 まえ、9月

19

日に公布された。

2.2

輸出管理の的確化・効率化のためのその他の活動

以下のマニュアル、ガイダンス、事例集等の作成・見直しを行った。

(制度専門委員会)

1)「実務者のためのわかりやすい安全保障輸出管理ガイダンス」

通常兵器キャッチオール規制の追加、包括許可取扱要領等の改正を反映した 改訂作業を行い、平成

21

年度上期の早期に発行予定である。

2)「キャッチオール規制に関する解説・事例集」

通常兵器キャッチオール規制の追加し、大量破壊兵器キャッチオール規制と 併せた解説・事例集として、平成

21

年度上期の早期に発行予定である。

3)「安全保障貿易管理ガイダンス」

平成

19

12

月発行以降の政省令等の改正内容を反映するべく見直し作業を 実施し、改訂版を平成

21

年度上期に発行予定である。

4)「輸出許可申請手続マニュアル」

見直し・改訂作業を実施しているが、

2009

年版の発行については改訂のボッ リューム等により、協議・検討する。

5)「役務取引許可申請手続マニュアル」

(10)

2007

年版以降の法令改正(包括取扱許可要領等の改正、通常兵器キャッチオ ール規制の施行等)に伴う許可申請手続の変更・追加を収録し、又、マニュア ルの使いやすさ・判りやすさのための修正も行い、改訂原稿の完成段階に至っ ている。

6)「役務取引」ガイダンス

平成

20

年5月に発刊した。また、同じく5月

26

日に開催した「分野別研修 会<役務取引>」には、本ガイダンスを基に委員3名が講師を務めた。

2.3 国際交流

(国際関係専門委員会)

1)「

CISTEC

2008年欧州政府・産業団体との対話」の実施米国政府機関及び

産業界との対話実施

CISTEC

2008年欧州政府・産業団体との対話」として欧州政府機関、主

要産業団体との意見交換を実施した。英国、ドイツ、ベルギー、オーストリア に加え、初めてイタリアを訪問し、各組織における最新の活動状況を確認でき た。 また日本側の真摯な取り組み状況をアピールすることも出来、更に産業 界との対話においては共通の課題について忌憚のない意見交換が実施できた。

2)訪欧報告書の作成及び英文版の欧州産業団体への送付

訪欧ミッション報告会を開催した。また、報告書の取りまとめを集中的に行い、

CISTEC

ジャーナル増刊号(1月号)で公表することができた。

更に今回は、委員の協力により英文版報告書を作成することができた為、はじ めて報告書を各欧州産業団体に送付すると共に、

CISTEC

のホームページ(英 語サイト)への掲載が実現した。

2.4

調査・研究活動の成果等

(国際関係専門委員会)

(1)各国法制度の調査

・ 米国輸出管理法制度解説の改訂

EAR

違反制裁事例の分析及び概要資料の作成。社内及び国内・海外のグループ 会社への

EAR

指導・教育方法・実例の紹介

・ 欧州輸出管理制度の5地域の動向調査を行うとともに、新規対象国としてオラ ンダとイタリアを取り上げ、調査を行った。

・ アジア輸出管理法制度に関しては昨年度調査した

14

カ国・地域に関し、輸出 管理動向の継続調査を行った。

・ ブラジル輸出管理法制度を新たに調査した。

(2)国際交流分科会・海外法制度分科会合同の活動成果(米国商務省のパブリ ックコメント募集への対応)

米国商務省が再輸出規制に係るパブリックコメントを募集したことを受け、

(11)

賛助会員企業に対しアンケートを実施し、情報を集約してこれに対応した。

従来からの「米国の同盟国の輸出者」の立場で負担や不公平さの指摘に加え、

「米国製品のユーザー」の立場で、米国の再輸出規制が米国製品の調達の大 きな障害であることを強く主張できる内容となった。

(3)その他

・経済産業省のパブリック・コメント募集への回答についての協力

・商務省

BIS

のパブリックコメント募集への回答についての協力

CISTEC

米国再輸出規制研修会

(

基礎編

)

開催についての協力

2.5 その他

1)税関による説明会の継続実施

(制度専門委員会)

東京税関から3名の統括審査官に講師をお願いし、説明会を

10

23

日に開催 した。

3.総合部会の今後の課題

1)我が国の輸出管理制度・手続の適正化、合理化のための調査、検討及び提言

① 輸出管理の裾野を広げる活動についての検討

a)より明確で適切な輸出管理を行うための調査・提言等 b)貨物部会と連携した、輸出規制品区分番号の国際化推進

② 技術移転と輸出規制に関する具体的な法制度構築に関する対応

③ 各種制度見直しに関する検討及び経済産業省に対する窓口としての活動

(以上①~③ 輸出管理のあり方専門委員会)

④ 外為法および関連政省令・通達等改正への対応 特に関連政省令・通達等への要望、提言等の活動

⑤ 要望事項のフォロー

(以上④~⑤ 制度専門委員会)

2)企業の輸出管理の適正化・効率化のための調査、検討並びに支援

①外為法改正などに対応した輸出管理社内規程モデルの改定及びそれに対応し たモデル

CP

ガイダンス改訂版の発行

② 海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンスの英語版の見直し、あるいは 補足教材の検討

(以上①~② 輸出管理のあり方専門委員会)

③ ガイダンス、マニュアル等の充実

外為法改正による制度改正対応版の検討

④ 税関による説明会の継続実施

(以上③~④ 制度専門委員会)

(12)

3)海外法制度・運用の調査、比較分析、および国際交流の推進

(国際関係専門委員会)

① 米欧及びアジアの産業団体、企業との交流・意見交換の継続

② 海外主要輸出管理関連機関との交流

③ 米欧及びアジア主要国の輸出管理法制度の動向調査及び運用実態の調査継 続

④ 輸出管理制度の国際ハーモナイゼーションの調査・分析

⑤ 国際交流分科会、海外法制度分科会活動の連携をより深めて効果的で有効な 活動を実現する。

⑥ 欧米アジア主要国の輸出管理法制度及び運用実態の動向調査の継続

(必要に応じ、現地に出向いて調査)

⑦ 特定テーマについて輸出管理制度の国際ハーモナイゼーションの調査

4)

CISTEC

の輸出管理情報提供サービスについての検討

(輸出管理のあり方専門委員会)

平成

20

年度 第2回 総合部会 作野部会長挨拶 平成

21

年3月9日

(13)

平成

20

年度 第2回総合部会 経済産業省 安全保障貿易検査官室 牧野室長挨拶 平成

21

年3月9日

平成

20

年度 第2回 総合部会

平成

21

年3月9日

(14)

第2章 専門委員会活動報告

(15)

1

.輸出管理のあり方専門委員会

1.1

活動方針

1.1.1

輸出管理のあり方専門委員会 活動方針

当専門委員会の本年度基本方針および活動課題は、平成

20

年6月3日に 開催された第1回会合において、以下のとおり合意された。

(1)基本方針

国連安保理事会決議1540号の要請もあり一昨年と昨年度、産業構造 審議会 安全保障貿易管理小委員会 制度改正ワーキンググループで我が国 関連法制の見直しが議論された。この中でホワイト国向けや海外子会社へ の手続き簡素化等の緩和策が検討されたものの、技術移転規制強化、通常 兵器キャッチオールの制定、更に罰則規定の見直しの問題など一連の強化 策が審議され、答申された。これを受け今後正式に法制化されることとな る。このように継続的な規制強化を受けての企業における輸出管理の徹底 が更に要請される環境のなか、輸出管理あり方が改めて問われている。

産業界においては国内外拠点や関係会社も含めたベースでの安全保障貿 易管理の徹底と多様化・複雑化が進むグローバルな企業活動との一層の合 理的バランスを取ることが重要な課題となっており、また輸出管理の普及 啓蒙活動の重要性も増してきている。然しながら、これは人的・財政的な 資源に乏しい企業は勿論のこと、大企業にとっても大きな負担となり国際 競争力の阻害要因ともなりかねない。

このような状況下、本来あるべき輸出管理のあり方を考察し、産業界が的確か つ効率的に対応しうるようなわかりやすさに重点を置いた輸出管理の構築 に向けての調査、検討および提言が必要である。

また、法令遵守を大前提としつつ、我が国の企業が国際競争力を損ねる ことなく適切かつ効率的な輸出管理を遂行できるような方策・手段を検討 するとともに、そのような企業自主管理に真に役立つ安全保障貿易情報の ありかたを検討し、それがタイムリーに提供されるよう各種インフラを整 備していくことも不可欠である。

かかる背景のもと、本年度は下記課題に重点を置いて活動を進める。

(2)主要課題

1)我が国の輸出管理のあり方の検討および提言

(16)

輸出管理のあり方を見直し、産業界が的確かつ効率的に対応できる制 度等の構築に向けての調査、検討及び提言

① 輸出規制品区分番号の国際表示方法の採用などの検討

② 技術移転に関する検討

③ その他、通常兵器キャッチオール規制に関する検討など

2)企業の適切かつ効率的な自主輸出管理の方策・手段等についての検討 自主管理のあるべき姿、すなわち高度の輸出管理レベルと管理工数の 低減を両立させ、かつ国際競争力も十分に維持することが可能となるよ うな自主管理の方法の明確化

① 分科会参加企業の実務を基にした自主管理事例集の作成の継続。

②「海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンス2006(英語 版)」の更新。

3)CISTEC輸出管理情報提供サービスのあり方の検討

CISTEC

が行っている情報提供サービスについて様々な角度から検

討を加え、広範な利用者に一層役立つものとなるよう改善案を提言して いく。

① 総合データベース、出版物等の改善策の提言

② チェイサー情報の改善策の提言

1.2

活動成果

1.2.1

輸出管理のあり方専門委員会総括

今年度は、検討課題として以下の項目を取り上げ、それぞれの活動を行った。

(1) 通常兵器キャッチオールの検討 (総合分科会)

昨年度大枠の検討を行ってきたが、政省令案に対するパブリックコメン トが募集されたのを受け総合分科会にて検討を進め、意見を提出した。こ の結果、ほぼ

CISTEC

の意見を反映していただいた通常兵器キャッチオ ールの政省令が8月に公布された。

(2) 国際的に通用し、分かりやすい法令体系に向けた活動

(総合分科会)

昨年度に引き続き規制番号の国際化に関し検討を行った。日本が独自 の規制番号を採用していることに対し、欧米及び厳格な輸出管理を実施

(17)

しているアジア各国が、ほぼ共通なかつ国際的に通用する規制番号を採 用していること、また、そのために海外子会社・顧客等との間の該非情 報の受け渡しに等に二重手間がかかっていること、更に規制振りの相違 から規制内容に齟齬が生じている例などの調査を行った。これらを基に 迅速に規制番号の国際化を推進すべく経済産業省との協力の下、タスク フォースを立ち上げてこれにあたる事を骨子とした要望書を作成した。

(3)大量破壊兵器等関連技術の技術移転の検討

(総合分科会)

産業構造審議会 安全保障貿易管理小委員会(以下 産構審と略す)で は今年度の大きなテーマとして技術移転に関する検討が行われたが、こ れに呼応して役務分科会とも協調し、検討を行った。数度の経済産業省 との意見交換会を通じ実効のある規制のあり方として外為法の他のツー ル(不正競争防止法など)と有機的に組み合わせていただきたいこと、

また、技術に関するボーダー規制のあり方、自己使用での技術持ち出し の問題などについて産業界としての意見を伝えた。

(4)各種制度見直し検討及び経済産業省に対する窓口としての活動

(総合分科会)

産構審で技術移転等の規制に対するリバランスの方策として緩和策が 模索されているが、そのひとつに優良企業の海外子会社に対するインセ ンティブが挙げられ、産業界として意見をまとめ海外子会社への包括制 度の創設に関し、要望書を提出した。また、産構審にて仲介貿易に関す る規制も検討されているが、経済産業省との意見交換を行った。さらに、

対米不公正貿易に対するパブリックコメントに対し意見を提出した。

(5)輸出管理社内規程モデルの改訂と

CP

ガイダンス改訂版の発行

(自主管理分科会)

通常兵器キャッチオールの導入と包括許可取扱要領の改正に対応した 輸出管理社内規程モデルの改訂と、その解説書であるモデル

CP

ガイダン スの改訂を行った。本改訂には経済産業省 安全保障貿易検査官室にも参 加頂き、企業概要・自己管理チェックリストの記載例等の資料も頂き、

掲載することができた。

(6)自主管理事例集/教育編の作成

(自主管理分科会)

昨年度「監査編」を作成したが、今年度はより多くの企業に参加頂き 教育に関する事例集の作成を行うこととした。各社提供の資料に加え

WG

(18)

独自の教育体系一覧と違反事例、ヒヤリハット事例も作成した。現在資 料の最終精査を実施中であり、3月末までにガイダンス原稿を完成の予 定である。

(7)海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンス

2009

年版の発行

(自主管理分科会)

2005

年に上記ガイダンスを発行したが、その後の法令改正、

WG

委員 の実務経験の蓄積を受け、より実務に有効なガイダンスの作成を行った。

改訂版では電子データを

CD-ROM

に格納して提供する。

(8)総合データベース、出版物の改善策の提言

(安全保障貿易情報分科会)

昨年度は

CISTEC

ホームページ、各種セミナーなどの要望に対し、積

極的に対応していただいた。今年度は更なる改善に向け、賛助会員、当 分科会委員からの要望を分析し、総合データベース

WG

にて検討を行い、

昨年度の課題のフォローとともに大きく分けて4分野の要望書に纏めた。

CISTEC

ホームページを通じた情報提供について

② 出版部物についての改善要望

③ 研修・セミナーについての改善要望

④ 安全保障輸出管理規定(コンプライアンスプログラム:

CP

)の視

点からの

CISETC

情報サービスの要望

(9)チェイサー情報の改善策の提言

(安全保障貿易情報分科会)

昨年度チェイサー情報の

Web

検索を提案し、

10

月1日よりあいまい検 索機能を実装したサービスが開始され利便性が大幅に向上した。これを 踏まえ更に使い易いシステムにすべく検討を行った。期中に実現してい ただいた項目もあるため、1件の要望書を作成した。

① 国名指定のみの検索機能を国名指定無しでも検索可能となるよう に改修。(平成

21

年2月に改修完了)

② あいまい検索のみの機能を部分一致・完全一致検索も可能となるよ う改修(平成

21

年2月に改修完了)

③ 検索した2次情報は「入手した文書」になるため、検索前後の画面 に注意文の表示を追加。(平成

21

年2月に改修完了)

④ 専門誌記事情報の

10

年超のデータの削除の継続を要望書にまとめ た。

(19)

1.2.2

総合分科会

(1)活動方針

1)活動方針

我が国の輸出管理のあり方を見直し、産業界が的確かつ効率的に対応で きる制度等の構築に向けて調査、検討及び提言を行い、より良い制度等の 実現を目指す。そして、本年度は以下の課題に重点を置いて活動を進める。

2)検討課題

① 輸出管理の裾野を広げる活動についての検討

(

)

より明確で適切な輸出管理を行うための調査・提言等

(

)

輸出規制品区分番号の国際表示方法の採用などの検討

・ 規制番号の国際化を推進させるべく、当局への働きかけを行う。

・ 昨年度検討した政省令-レジーム対比表をブラシュアップする。

② 技術移転と輸出規制との問題の検討

産構審での検討結果を受け、実効性がありかつ効率的な仕組みの検討を行 い、産業界としての提言を行う。

③ その他

・ 通常兵器キャッチオール規制に関する検討

具体的な改正内容に関し、当局と意見交換を行いつつ検討を行う。

・ その他

活動方針・検討課題に関する補足説明

(

)

より明確で適切な輸出管理を行うための調査・提言等

・ 昨年度

WA

提案として提言を行った基礎科学分野に関する緩和・定義明 確化に対して、

WA

での推移を注視すると共にフォローを行う。

・ 上記の他、必要な制度改正に関し検討し、提言を行う。

(

)

輸出規制品区分番号の国際表示方法の採用などの検討

・ 政省令の規制番号を国際的に通用する番号体系にすべく、その必要性、

産業界/当局としてのメリット、アジア各国等の調査などを行い、提言 としてまとめていく。

・ 政省令-レジーム(

ECCN

)対比表の、より使いやすい方式の検討、ブラッシュ アップを行い、貨物部会への採用推進を行う。

(20)

(

)

技術移転に関して枠組みは決まったものの、具体的な方向性は今後の 課題となっている。企業活動に支障の少ない技術移転規制はどうあるべき かを検討し、提言していく。

(

)

通常兵器キャッチオールに関しては産構審での検討にて方向性は決まった が、具体的な政省令改正の段階で当局と意見交換をしながら産業界として の提言をしていく。

(

)

その他

産構審にて技術移転、通常兵器

CA

の他に罰則規定等、多くの制度改正 が検討された。これ等につき、必要があればそのつど検討を行っていく。

(2)総合分科会 活動成果 1)総合分科会をとりまく環境

① 本年度は、産業構造審議会の安全保障貿易管理小委員会に設置された制 度改正ワーキンググループ(以下 産構審 と略す)にて技術移転、仲介 貿易などの問題が審議された。この他にも海外子会社に対する手続合理 化、貨物等リストの記述のあり方の見直し等の議論がなされた。

通常兵器キャッチオール(以下 通常兵器

CA

と略す)に関しては産構 新での検討は前年度にほぼ終了し、具体的な政省令作成の段階に入って おり、これに対する検討が必要であった。技術移転や仲介貿易の問題は 近年の国際的な要求事項であり、産業界としても協力を惜しむものでは ないが、規制強化につながる項目であり、ほとんどの輸出企業等に輸出 管理が関係するものとなる可能性があるため、慎重な対応が必要であっ た。

② 昨年度「輸出規制品区分番号の国際表示方法の採用などの検討」を行い、

一定の成果が得られた。今後はこれを具体的なアクションにつなげるべ く活動を行わねばならない。規制番号を国際的にも通用する番号体系に することは企業のグローバル化が進むなか、その重要性は増している。

③ 経済産業省から「時代の変化に対応した制度システムのアップグレー ド」などの基本的な考え方が示され、これに呼応すべく活動を行った。

2)活動項目

① 本年度の期初に輸出管理のあり方専門委員会委員に対して行ったアン

(21)

ケートで種々の提案がなされたが、会員企業の関心も通常兵器

CA

、技術 移転の問題及び規制番号国際化の問題に集中していたため第一回分科会 での討議で重点項目として昨年度同様、引き続き通常兵器

CA WG

、規制 番号国際化

WG

、技術移転検討

WG

で活動していくことになった。

具体的な活動は以下のとおり。

a

)通常兵器キャッチオールに対する検討

(1)

昨年度までの検討結果を受け、産構審での審議経過を注視しつつ、産業 界としての通常兵器

CA

規制の具体的な規定振りに関し引き続き検討を 行うべく通常兵器

CA WG

にて検討を行った。

(2)

通常兵器

CA

に関する政省令案に対するパブリックコメント募集が平 成

20

年6月

14

日に出されたのを受け、これに対するアンケート募集を 輸出管理のあり方専門委員全員に対し実施した。

WG

ではこの募集要領 とアンケート結果を基に制度専門委員会と協調して討議を行った。

資料1-1-1

・ これ等検討の成果として平成

20

年7月

14

日に通常兵器

CA

のパブリ ックコメントに対する意見を提出した。

資料1-1-2 パブリックコメントの意見の主な内容を以下に示す。

① 通常兵器

CA

の規制項番を 15 の2項としていることに対し、混乱を招 く恐れがあることから別途告示で規定するか、16 の項の枠組みを維持 しつつその中で 32 品目とそれ以外を分けた形で規定すべき。

② 税関申告時に特例申告をする必要があるため、現行の 16 項と同じ申告 方法で済むよう、税関当局と十分協議いただきたい。

③ 32 品目に関しては該非判定が不要である旨を広く周知させるようにし て欲しい。

④ 法令の構造が分かりにくくなっているため、比較的分かりやすいと思 われる試案を提示した。

⑤ 通常兵器 CA の規制品目である 32 品目に関しては、産業界の企業内輸 出管理やコンプライアンス、また、企業内での動機付けの観点から、

通常兵器の中でどのような使われ方をされるか支障の無い範囲で一定 の解説をお願いする。

この結果、ほぼ

CISTEC

の意見を反映していただいた通常兵器

CA

に関

(22)

する政省令が8月

27

日に公布された。

b

)輸出規制品区分番号の国際表示方法の採用などの検討

昨年度主に国際的な番号体系と本邦政省令との対比を行うべく新対比 表の検討を行ったが、規制番号の国際化を推進すべく具体的な方策等に 付き検討を行った。なお、本検討を進めるにあたり、

CISTEC

貨物部会、

国際関係専門委員会の各委員に協力を頂き、各種調査に協力を頂いた。

(1)

具体的な進め方について

① 企業においてわが国独自規制番号と国際的な番号の二重管理を余儀 なくされているが、この場合の社内管理煩雑さの例を調査する。

② 新対比表に基づき、新たに各貨物部会に対比表の作成を依頼する。

③ 政省令が独自番号体系を採用しているために、レジーム等と規制内 容の齟齬がある例の収集

④ 国際的な番号体系としてほぼ同様な番号体系ながら米国の採用する

ECCN

方式と欧州連合(

EU

)が採用する

EU

方式があり、どちらを 採用するべきなのかの検討

⑤ 欧米、および厳格な輸出管理体制を整備しつつあるアジア各国での 規制番号の採用状況を調査

⑥ 政省令の規制番号国際化に向けての具体的な政省令の規制振りの検 討

(2)

検討結果

① 企業においてわが国政省令と国際的な規制番号の二重管理になって いることへの社内管理煩雑さの例

海外子会社との協調運用、海外顧客など対応にて困っている例が 寄せられた。

② レジーム等と規制内容の齟齬がある例

貨物部会傘下の各分科会に対比表を作成頂き、この結果等により レジーム等と規制内容の齟齬がある例を抽出した。

③ 欧米、およびアジア各国での規制番号の採用状況を調査

国際関係専門委員会 海外法制度分科会の協力を得て欧米、および 厳格な輸出管理体制を整備しつつあるアジア各国での規制番号の採 用状況を調査した。この結果、厳格な輸出管理を行っている国・地 域では例外なく

ECCN

方式若しくは

EU

方式の国際的な番号体系を 採用しており、独自番号を採用しているのは日本だけであった。

(23)

④ その他、

ECCN

方式/

EU

方式の番号体系の差異、政省令の番号国 際化採用時の具体的な規制振りなどの検討を行った。詳細は今後詰 めていく。

なお、対比表の例を資料に示す(

Cat5

のみ抜粋)。

1. EAR

-政省令の対比表

資料1-1-3

2.

政省令-

EAR

の対比表

資料1-1-4

3. EAR

-政省令の対比表を元に

EAR

の番号を採番したイメージ

資料1-1-5

(3)

要望書の作成・提出

上記検討結果を基に経済産業省に対し規制番号国際化に対する要望書 を作成、提出する。

資料1-1-6 要望書の要旨は下記。

① 欧米はもとより、厳格な輸出管理を実施しているアジア各国も規 制番号は国際的な番号体系を採用しており、いまや独自番号体系 を採用しているのは本邦のみと言う状況にある。

② 海外子会社への指導等では規制番号は本邦政省令のほかに

ECCN

等の番号も判定しなければならず二重手間であり、かつ多くの海 外企業が採用している輸出管理プログラムにも本邦政省令の番号 体系を入れることができず、子会社等との連携ができない。

③ 上記に鑑み以下の要望を行う。

・ 本邦政省令の規制番号国際化の早期実現をお願いする。

・ そのための方策として経済産業省と

CISTEC

と協調して検討す るタスクフォースを立ち上げ、早期実現に向け協力を行う。

c

)技術移転に関する検討

産構審で今年度の大きなテーマとして技術移転の問題が検討されたが、

昨年に引き続き総合分科会で検討することとし、技術移転検討

WG

で検 討を行った。

技術移転検討

WG

としては4回の

WG

を開催し、検討を行った。

産構審での議論は技術の「輸出」として新たにボーダー規制の概念が導 入され、さらに規制の穴を埋めるべく、国内/国外での技術の移転のあり 方について討議が行われたが、技術移転検討

WG

でこれに呼応して検討

(24)

を行った。

技術移転検討

WG

の検討結果に関しては輸出管理のあり方専門委員会、

総合分科会および制度専門委員会の委員長、主査団による経済産業省との 意見交換会を通じ経済産業省に伝えるとともに、産構審委員である

CISTEC

専務理事を通じ産構審の場でも発言いただいた。

(1)

主な検討点

昨年までの検討で海外子会社への技術移転についての緩和措置、雇用 関係にある者の扱いについての提言を行った。今年度は詳細な規定振り は不明なものの、方向性・どうあるべきかの議論がなされた。概念的な モデルが提示された事でこれを基に検討を行った。

① 技術に関するボーダー規制に関する検討

② 国内/国外での技術移転に関する討議

・ 居住者/非居住者の区分に関する検討

③ 企業内の技術移転に関する検討

④ 技術持ち出しに関する検討

技術移転に関しては総合分科会と役務分科会と協調して討議を行い、

技術移転に関する総合的な意見を頂き、それを経済産業省と協議する形 で実施してきた。この意見および経済産業省との協議の結果を添付資料 に示す。 資料1-1-7

(2)

主な要望点

① 技術移転の問題は輸出規制の問題だけで解決できる問題ではなく、

はなく、インテリジェンス機能の強化による監視に加え、外為法以 外の他のツール(不正競争防止法など)と有機的に組合わせ、実効 のあるものにしていただきたい。

② 従来の技術の提供に関する規制に加え、ボーダー規制の概念が導入 されることにより新たな管理が必要になるが、正常な企業活動の妨 げにならないよう具体的な政省令改正では配慮をお願いする。

③ 国内での取引とボーダー規制との関係を明確にしていただきたい。

国内での移転後海外に持ち出す場合など、法文上同一取引に関して 二重の許可取得などにならないよう十分な配慮をお願いする。

④ 自己使用の技術持ち出しに関し、産業界の負担にならない措置をお 願いする。

(25)

参考として産構審 第9回小委員会での技術移転に関する資料を添付 する。

資料1-1-8

3)その他

総合分科会は産構審の

CISTEC

委員に対するサポート、各種制度見直し 検討及び経済産業省に対する窓口としての役割を担っており、以下の活動 を行った。

(1)

特定優良企業子会社包括制度(仮称)他についての要望

産構審での技術移転などの規制強化に対するリバランスの方策として各 種緩和策が模索されているが、そのなかで優良子会社に対する緩和策を制 度専門委員会と協調して検討した。同一企業内やグループ内での適切な内 部管理を行っている海外子会社への包括制度の創設に関し要望書を作成、

提出した。

資料1-1-9

要望の概要は以下の通りである。

① 特定優良企業子会社包括制度(仮称)の創設

・ 優良海外子会社と認められる場合は国・地域を問わず一定の品目(貨 物/技術包括マトリックスでの一般・特定の品目等)の包括を適用 できるようにする。

・ ホワイト国の子会社に関しては上記の品目に加え、品目の大幅な緩 和を行う。

② 日本版

CGEA

制度の導入

欧州連合(

EU

)では従来から

CGEA

Community General Export

Authorisation

:共同体一般輸出許可)というゼネラルライセンス制度

が導入されている。CGEA は特定の地域に対し一部の品目を除き包括的 に許可を与える制度である。わが国においても、国の(安全保障貿易 管理上の)懸念度に応じた抜本的な緩和策を検討いただきたい。

③ 日本版

VEU

制度の導入

海外の日系企業や、我が国の企業がメインコントラクタとなる海外 プラントなど、その業態、用途に問題が無い特定ユーザー、特定用途 に関しては広く我が国の企業が輸出する際に手続を緩和できる措置を 要望。

④ 技術の持ち帰り前提の持ち出しに関する緩和要望

(2)

仲介貿易に関する検討

(26)

国連決議

1540

を受けた仲介貿易に関しては平成

19

年6月に施行され ているが、外為法の改正を期に正式に

1540

対応をすべく産構審にて検討 が行われた。これを受け、仲介貿易に大きく影響されると思われる総合 分科会の商社のメンバーを中心に検討を行い、経済産業省と意見交換を 行った。

経済産業省からの提案要旨は以下の通り。

① 貨物の売買契約の有無によらず規制(斡旋なども規制)

② 売買に加え、貸借(A から買って、B に貸す等)、贈与なども規制

③ 片方に売買の要素が入った場合も規制

④ 技術も規制の対象にする

⑤ 片方がホワイト国の場合、規制の対象外(従来と変わらず)

これに対し、各種ケースごとに仲介のパターンを分析し用途を知るこ とができるかなど、規制の内容に関し意見交換を行った。

必要なケースは適用除外等で抜いていただくことが肝要。悪意のある 人は用途を知っていてやるのであろうから、用途を知り得る立場にある かどうかがキーポイント、などの意見を述べた。

具体的な規制内容については規制の妥当性も含め今後十分な検討を行 っていく。

(3)

対米不公正貿易に関する意見提出

経済産業省通商政策局より「

2009

年版不公正貿易報告書「掲載検討案 件リスト」に対する意見」のパブリックコメントの募集があったため、

国際関係専門委員会と協調し、意見を提出した。

意見の要旨は以下の通り。

① 米国からの輸出時に

ECCN

番号を付加することの徹底

② イラン・北朝鮮・シリア不拡散法等の透明化

資料1-1-10

(3)今後の課題

1)輸出管理の裾野を広げる活動についての検討

① より明確で適切な輸出管理を行うための調査・提言等

② 貨物部会と連携した、輸出規制品区分番号の国際化推進 2)技術移転と輸出規制に関する具体的な法制度構築に関する対応

3)各種制度見直しに関する検討及び経済産業省に対する窓口としての活動

(27)

平成

20

年度 第2回総合分科会 平成

21

年2月

16

(28)

1.2.3

自主管理分科会

(1) 自主管理分科会の活動方針

1)活動方針(第

1

回自主管理分科会で決定)

① 昨年度の自主管理分科会としては、自主管理のあるべき姿、すなわち高 度の輸出管理レベルと管理工数の低減を両立させ、かつ国際競争力も十 分に維持することが可能となるような自主管理の方法を明確化していく ことを、活動課題とした。

具体的な活動としては、以下の2点にテーマを絞り、それぞれ担当WG を編成し、活動を行った。

(

)

分科会参加企業の実務を基にした自主管理事例集の作成。

(

)

直近の法令改正(案)に基づく輸出管理社内規程モデルの見直し。

②テーマ

(

)

の活動成果としては、担当WGに参加した15社の監査実施状 況を図示した「監査図」と参考資料を自主管理事例集/監査編としてま とめ、現在出版に向けて最終の準備中である。(注:平成20年6月に 出版済み)

③ テーマ

(

)

の活動成果としては、仲介貿易取引対応版のモデル

CP

の追加 等改訂版の輸出管理社内規程モデルを平成19年10月にCISTE CのHPに掲載した。さらに現行の法規制に対応し且つ、初めて

CP

を 作成する会社も含め様々な業態や規模の会社に対応するモデル

CP

ガイ ダンスをこの平成20年

1

月に発行した。

④ 先般輸出管理のあり方専門委員会で実施したアンケートによれば、

今年度の自主管理分科会の活動に関するご意見で最も多いのは、上記② の事例集の続編の作成であるが、この他には「海外拠点のための安全保 障貿易管理ガイダンス2006(英語版)」の改訂版作成が挙げられる。

昨年度の当分科会の活動及び参加企業の要望を踏まえ、以下の2点を活 動テーマとし、それぞれ担当WGを編成し、活動を行うこととしたい。

(

)

分科会参加企業の実務を基にした自主管理事例集の作成の継続。

(

)

「海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンス2006(英語 版)」の更新。

尚、具体的な活動内容については早急にWGを立ち上げ、WGの中で検 討していくこととしたい。

WG

の活動に関しては、過去に担当WGに参加いただいた委員の皆様 に引続きご協力をお願いしたい。更に、今までWGに未参加の企業にも

(29)

積極的に参加いただくことにより、より広範な企業の委員の事例・意見 を反映させ、より実効のある成果物をとりまとめることを目指したい。

(2)自主管理分科会の活動成果

1)輸出管理社内規程モデルの改訂とそれに対応したモデルCPガイダンス の改訂版の発行(モデルCPWG)

・本WGについては、今年度の活動方針では予定されていなかったもので あるが、通常兵器キャッチオールの導入と包括許可取扱要領の改正に対 応して、輸出管理社内規程モデルの改訂と解説書であるモデルCPガイ ダンスの改訂を検討するために急遽編成したものである。

・活動に際しては、経済産業省の安全保障貿易検査官室にも改訂案の検討 に参加いただき、またガイダンスに掲載する企業概要・自己管理チェッ クリストの記載例等の資料もご提供いただいた。

・輸出管理社内規程モデルの改訂版を、施行日に先立って平成20年10 月にCISTECのHPに掲載し、モデルCPガイダンスの改訂版を平 成20年12月に発行した。

2)自主管理事例集/教育編の作成(事例検討WG)

・より多くの企業から参加いただき、幅広い意見の反映と幅広い企業の事 例を提供することを目指し、従来参加していない企業にも参加を呼びか け、7社(最終的には5社)に新たに参加いただいた。昨年度の監査編 に続く自主管理事例集の続編としては、教育の事例集を作成することに 決定した。

・活動の中では、委員から各種の教材等既存の資料を多数提供いただいた が、WGのオリジナルの資料として、各社の教育体系一覧と違反事例・

ヒヤリハット事例の作成を行った。各社からの提供資料、WGで作成し た資料ともに、CD-ROMに電子データを格納し、提供することとす る。

・既に9回の会合を開き精力的に活動を行っているが、提供いただいた資 料が多数あるため、その精査に時間を要している。そのため、委員の方 のご協力により、本年度の分科会活動終了後も活動を継続し、3月末ま でにガイダンス原稿を完成させる予定である。

自主管理事例集/教育編(抜粋) 資料1-2-1 3)海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンス

2009

年版の発行(海外拠点

WG)

(30)

・今年度の活動方針としては、海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダン ス(英語版)の見直しを行う予定であったが、活動に先立って実施したア ンケートとWGでの議論の結果、英語版ガイダンスは日本語版を英訳する 形で作成したものであり、まず日本語版の見直しをすることが必要との結 論に達した。

2005

年版ガイダンスの発行後の法令改正や、WG委員のさらなる実務経験 の蓄積を反映して見直しを行い、海外拠点での実務により有効なガイダン スを作成することができた。また、

2005

年版では添付資料の電子データの 提供を行っていなかったが、改訂版では電子データをCD-ROMに格納 したものを添付する。

・最終的な成果物は、既に印刷手配を行っており、3月中に印刷が完了し、

発行できる予定である。

海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンス

2009

年版(抜粋)

資料1-2-2

(3)自主管理分科会の今後の課題

自主管理の有るべき姿として高度な輸出管理レベルの実現と業務効率の 向上、国際競争力の維持強化は企業にとり常に大きな課題である。

政府担当部局とのコミュニケーションも更に図りながら、バランスの取れ た自主管理の実現を目指したい。

この様な認識の下、次年度は次のような具体的活動を検討したい。

・外為法などの改正による技術提供に関連する見直しや輸出等業務遵守事 項の法制化等への対応に関する議論及び、これら法改正に対応した輸出 管理社内規程モデルの改訂とモデルCPガイダンスの改訂版の発行。

・海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンスについては、今年度見直 しを行った日本語版を基に、英語版の見直しあるいは本ガイダンスを有 効に使用するための補足教材の検討を行う。

(31)

平成

20

年度 第

3

回自主管理分科会会合 平成

21

年2月

18

(32)

1.2.4

安全保障貿易情報分科会

(1)活動方針

1)基本方針

平成

19

年度は重大な不正輸出事件は発生しなかったものの、産業構造審 議会 制度改正ワーキンググループによる検討などで仲介貿易(関連政省 令平成

19

年6月1日施行)、通常兵器キャッチオール(関連政省令平成

20

11

月1日 施行)、技術移転の問題などが審議され、企業の輸出管理に 対する要求がますます高まってきている。

このような中、法令遵守を行いつつ、適正且つ効率的に輸出管理が遂行 できる方策・手段を検討することが益々重要となっている。そのためには、

企業の自主管理に役立つ安全保障貿易情報が輸出者に適切な方法で、タイ ムリーに提供されるよう各種のインフラを整備・充実していくことが不可 欠である。

このような環境のもと、本分科会は

CISTEC

が行っている情報提供サー ビスについて様々な角度から検討を加え、広範な利用者に一層役立つもの となるよう改善案を提言する。

2)主要課題

(1)総合データベース、出版物等の改善策の提言

・ 前年度に行った各種要望のフォローと、更なる改善 米国

EAR

に対する支援サービスの拡充

該非判定に質する

DB

の検討

CISTEC

ホームページの改善 セミナーの充実

・ 総合データベースの料金体系の見直し

・ 出版物の電子データ提供の検討

・ その他

(2)チェイサー情報の改善策の提言

・ 前年度に行った各種要望のフォローと更なる改善

・ 既存の顧客情報のアップデート、見直しの検討

・ 顧客情報の充実

(33)

・ その他

(2)活動成果

平成

20

年5月

22

日、開催の第1回安全保障貿易情報分科会で確認された 本年度の方針に基づき、「総合データベース

WG

」および「チェイサー

WG

」 を組織し、活動を行った。

主要課題の具体的活動の審議のため7月4日に第2回分科会、および

WG

活動の中間報告・審議のため

12

16

日に第3回分科会、期末報告書審議の ため平成

21

年2月

18

日に第4回分科会を開催した。

第4回分科会では

CISTEC

輸出管理アドバイザー 森本氏に「安全保障 貿易管理の情報分析」の題で講演をしていただき勉強会を行った。

なお、活動課題を検討するため、それぞれの

WG

は、平成

20

年8月、

10

月および平成

21

年1月の計3回の会合を開催した。

1)総合データベース

WG

本年度は 昨年度の課題のフォローとともに3つの課題を取り上げ、要望書 に纏めた。

総合データベース

WG

活動報告

資料1-3-1 主な内容は以下のとおり。

①昨年度の課題のフォロー

一.米国再輸出規則(

EAR)

に対する支援サービスの拡充に関する要望

EAR

対応相談窓口の設置等の

EAR

に関するサービス拡充がされ た。

二.総合データベースの利用料金体系の見直しに関する要望

CHASER

利用料金が値下げされた。

利用者拡大を通じた利用料金値下げは継続検討中

三.該非判定サービスの拡充に関する要望(該非判定支援システムに 関する提案)

該非判定支援システムは可否を含めて継続検討中。

四.総合データベースにおける書籍サービスに関する要望

「海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンス」が電子版で販 売された。

「自主管理事例集」を電子出版で販売予定

五.

CISTEC

ホームページの改善に関する要望

ホームページがリニューアルされた。

六.セミナーの充実に関する要望

(34)

研修会の拡充および開催地の多様化が実施された。

②活動課題及び成果

一.

CISTEC

ホームページを通じた情報提供について

情報検索の効率向上等11件の要望事項と具体的改善策案を要望 書に纏めた。

二.出版部物について

電子書籍の出版(アンケート調査)等4件の要望事項を要望書に 纏めた。

三.研修・セミナーについて

各研修でのアンケート結果の開示に関し1件の要望事項を要望書 に纏めた。

四.安全保障輸出管理規定(コンプライアンスプログラム:

CP

)の視

点からの

CISETC

情報サービスの考察について

主要な基本業務の解説は十分支援がされているが、

CP

の各業務 の運用方法に関する情報が乏しい。

CP

の視点からの業務の運用に関する情報サービスの充実を要 望書に纏めた。

上記の各要望は一括して「総合データベースに関する要望書」に取り 纏めた。

総合データベースに関する要望書

資料1-3-2

2)チェイサー

WG

本年度は 昨年度の課題のフォローとともに4つの課題を取り上げ、「顧 客情報掲載基準の充実」について要望書に纏めた。

チェイサー

WG

活動報告

資料1-3-3 主な内容は以下のとおり。

①昨年度の課題のフォロー

一.既存顧客のアップデートと見直し

一次情報と二次情報に差異がないいわゆる一行情報は削除された。

専門誌記事の

10

年超えの顧客情報は削除された。

二.顧客情報の充実

掲載基準確立は継続検討中。

三.顧客情報の

Web

検索

10

月1日よりサービスが開始された。同時に二次情報が電子デー

(35)

タで提供されることになった。

又、チェイサー利用者に対しては無料で利用可能となった。

②活動課題および成果

一.顧客情報の

WEB

検索システムの充実

検索対象を一つの国、地域に限定しなくても検索できる機能を設 けた。(平成

21

年2月末に改修完了)

《完全一致検索》《部分一致検索》《あいまい検索》の各結果を、

同一画面内で区別して表示するようにした。

さらに、検索条件との一致度が高い《完全一致検索》と《部分一 致検索》の両結果だけを表示して、《あいまい検索》の結果は非表 示にする機能を設けた。(平成

21

年2月末に改修完了)

二.

WEB

検索で抽出した、一次顧客情報と二次顧客情報の扱い

検索した外国ユーザーリスト及び

CISTEC

顧客情報の二次顧客情 報は「核兵器等開発等省令

/

告示」の入手した文書になるため、検 索前後画面に注意文の表示を追加。(平成

21

年2月末に追加完了)

三.一次顧客情報の顧客

URL

の掲載

情報の信頼性の保証・顧客の

URL

調査の困難性・メンテナンス の担保の観点から現在時点での導入は見合わせる。

四.顧客情報掲載基準の充実

専門誌記事情報の

10

年超のデータの削除の継続を要望書に纏めた。

チェイサー情報に関する要望書

資料1-3-4

(3)今後の課題

CISTEC

情報提供活動に関する検討・提言

(36)

「情報分析」勉強会

平成

20

年度 第4回安全保障貿易情報分科会会合 平成

21

年2月

18

(37)

1.3

輸出管理のあり方専門委員会 今後の課題

全世界レベルで安全保障貿易管理の重要性が高まり、これに伴い規制が強 化される中、わが国においても関連制度システムの一層のアップグレードが 図られている。一方、国際舞台で厳しい競争に晒されているわが国輸出企業 にとっても輸出管理は益々重要な経営課題となるとともに国際的にバランス の取れた明快で分かり易い関連制度システムの実現が国際競争力の維持、強 化に不可欠となっている。

この様な認識の下、当委員会においては以下に掲げる3分科会の活動と、

政府とのコミュニケーション、協力を通じて国際的にも最高水準のバランス の取れた安全保障貿易管理の実現を目指すものである。

(1)わが国の輸出管理制度・手続きの適正化、合理化のための調査、検討及 び提言

1)輸出管理の裾野を広げる活動についての検討

① より明確で適切な輸出管理を行うための調査・提言等

② 貨物部会と連携した、輸出規制品区分番号の国際化推進 2)技術移転と輸出規制に関する具体的な法制度構築に関する対応

3)各種制度見直しに関する検討及び経済産業省に対する窓口としての活動

(2)企業の輸出管理の適正化・効率化のための調査、検討ならびに支援 1)外為法改正などに対応した輸出管理社内規程モデルの改定及びそれに対

応したモデル

CP

ガイダンス改訂版の発行

2)海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンスの英語版の見直し、ある いは補足教材の検討

(3)

CISTEC

情報提供活動に関する検討・提言

(38)

平成

20

年度 第

2

回 輸出管理のあり方専門委員会 平成

21

年2月

25

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