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安全保障輸出管理とは?  河合孝尚

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Academic year: 2021

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静 岡 大 学 安 全 保 障 輸 出 等 管 理 室 学 術 研 究 員 河 合 孝 尚 K A W A I T a k a h i s a キ ー ワ ー ド : 留 学 生 受 入 れ 、 安 全 保 障 輸 出 管 理 1 . は じ め に 現 在 、日 本 の 大 学 の 国 際 化 を 推 進 す る た め に 、文 部 科 学 省 に よ る 留 学 生 3 0 万 人 計 画 [ 1 ] や 、法 務 省 入 国 管 理 局 に よ る 高 度 人 材 に 対 す る ポ イ ン ト 制 [ 2 ] 等 の 政 策 が 行 わ れ 、 多 く の 外 国 人 留 学 生 の 獲 得 を 目 指 し て い る 。 そ の よ う な 中 で 、 今 後 増 え て い く と 予 想 さ れ る 外 国 人 留 学 生 や 外 国 人 研 究 者 に 対 し 、 日 本 の 大 学 や 研 究 機 関 で 行 わ れ て い る 最 先 端 の 研 究 技 術 を 安 全 保 障 上 ど う 適 確 に 管 理 し て い く べ き か は 早 急 に 対 応 す べ き 重 要 な 課 題 で あ る 。 今 回 の 特 集 は 「 留 学 生 の 獲 得 戦 略 」 と い う こ と で 、 一 見 、 安 全 保 障 輸 出 管 理 業 務 は 獲 得 戦 略 の ブ レ ー キ 要 素 だ と 感 じ ら れ る 大 学 関 係 者 が 多 い の か も し れ な い が 決 し て そ う で は な い 。 例 え ば 北 朝 鮮 や イ ラ ン 等 の 大 量 破 壊 兵 器 の 開 発 等 の 懸 念 が あ る 国 か ら 外 国 人 留 学 生 を 受 入 れ 、 学 問 の 教 授 と い う 理 由 で 、 何 の 管 理 も せ ず に 核 融 合 や 化 学 兵 器 開 発 等 に 応 用 で き る よ う な 機 微 な 研 究 技 術 を 教 え る こ と は 本 当 に 正 し い の だ ろ う か 。 ま た 、世 界 で も ト ッ プ レ ベ ル を 誇 る 我 が 国 の 研 究 技 術 が 海 外 に 流 出・拡 散 す る こ と で 、 テ ロ リ ス ト 等 に よ り 生 物 ・ 化 学 兵 器 等 の 大 量 破 壊 兵 器 の 開 発 等 に 悪 用 さ れ る 可 能 性 も あ る 。 つ ま り 、 今 日 本 の 大 学 に は 外 国 人 留 学 生 を 増 や す こ と で 大 学 の 国 際 化 を 推 進 し つ つ 、 そ れ を 適 確 に 管 理 す る 体 制 構 築 が 求 め ら れ て い る の で あ る 。 今 回 、本 稿 を 読 ん だ 大 学 関 係 者 及 び 研 究 者 に 、学 問 の 探 求 だ け で な く‘ 地 球 の 平 和 ’ と ‘ 安 全 の 維 持 ’ の た め に 個 人 で 何 を す る べ き な の か 、 ま た 、 大 学 ・ 研 究 機 関 に 所 属 す る 組 織 人 と し て 国 際 平 和 に 協 力 で き る こ と は 何 な の か を 改 め て 考 え て も ら う た め の 一 助 と な れ ば 幸 い で あ る 。 2 . 輸 出 管 理 と は ? 我 が 国 の 安 全 保 障 貿 易 に 関 す る 制 度 は「 外 国 為 替 及 び 外 国 貿 易 法 」( 以 下 、「 外 為 法 」 と 記 載 ) に よ っ て 規 定 さ れ て い る 。 そ の 法 体 系 を 図 1 に 示 す 。 本 稿 で は 外 為 法 に よ る 安 全 保 障 輸 出 管 理 に お い て 、留 学 生 の 受 入 れ 時( 入 口 管 理 )、 又 は 在 学 時 ( 中 間 管 理 ) に 関 係 し て く る 用 語 に つ い て 説 明 す る 。

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図 1 . 外 為 法 の 体 系 2 . 1 .「 リ ス ト 規 制 」 と 「 キ ャ ッ チ オ ー ル 規 制 」 「 リ ス ト 規 制 」と は 、輸 出 貿 易 管 理 令 別 表 第 一 の 1 ~ 15 の 項 及 び 外 国 為 替 令 別 表 の 1 ~ 15 の 項 ま で に 記 載 さ れ て い る 貨 物・技 術 に つ い て 規 制 す る こ と を い う 。こ の リ ス ト に は 武 器 や 大 量 破 壊 兵 器 の 開 発 等 に 用 い ら れ る 可 能 性 の 高 い 高 性 能 な 貨 物 及 び 技 術 が 規 制 さ れ て お り 、 用 途 ・ 需 要 者 に 関 係 な く 、 全 世 界 向 け へ の 輸 出 が 規 制 対 象 と な っ て い る 。 例 え ば 、 貨 物 の 輸 出 で 言 え ば 大 型 の 真 空 ポ ン プ の 輸 出 や 、 人 体 に 有 害 な 化 学 物 質 の 輸 出 等 が あ り 、 技 術 の 提 供 で は 、 来 日 し て 間 も な い 外 国 人 留 学 生 へ の ス ー パ ー コ ン ピ ュ ー タ の マ ニ ュ ア ル の 提 供 や 、 ま だ ど こ に も 発 表 さ れ て い な い 兵 器 に も 転 用 可 能 な 研 究 に 関 す る 技 術 指 導 等 が 規 制 対 象 と な る 。 規 制 さ れ て い る 貨 物 や 技 術 の 仕 様 に つ い て は 、 各 項 番 ご と に 設 定 さ れ て い る の で 、 経 済 産 業 省 の 安 全 保 障 貿 易 管 理 ホ ー ム ペ ー ジ に あ る 貨 物 ・ 技 術 の マ ト リ ク ス 表 [3 ]を 参 照 し て い た だ き た い 。 な お 、 各 規 制 品 目 や 仕 様 に 関 し て は 、 ① WA( ワ ッ セ ナ ー ・ ア レ ン ジ メ ン ト )、② NSG( 原 子 力 供 給 国 連 合 )、③ AG( オ ー ス ト ラ リ ア・グ ル ー プ )、④ MTCR ( ミ サ イ ル 関 連 貨 物 ・ 技 術 輸 出 規 制 ) の 4 つ の 国 際 レ ジ ー ム [注 1 ]に よ っ て 決 め ら れ て い る 。 次 に「 キ ャ ッ チ オ ー ル 規 制 」と は 、輸 出 貿 易 管 理 令 第 一 の 16 の 項 及 び 外 国 為 替 令 別 表 の 16 の 項 に 基 づ き 、リ ス ト 規 制 で 挙 げ ら れ て い る も の 以 外 と 食 料 品 や 木 材 な ど を 除 く す べ て の も の を 規 制 す る こ と を い う 。 キ ャ ッ チ オ ー ル 規 制 は リ ス ト 規 制 と は 違 い 、 そ の 貨 物 ・ 技 輸 出 貿 易 管 理 令 別表第1及び外国 為 替 令 別 表 の 規 定に基づき貨物又 は技術を定める省 令 ・貿易関係貿易外取引等に関 する省令 ・技術が核兵器等のために使用 されるおそれがある場合を定め る告示 : ・外国為替及び外国貿易法第25条第1項及び外国 為替令第17条第2項の規定に基づき許可を要する 技術を提供する取引又は行為について ・外国為替及び外国貿易法第25条第4項の規定に 基づき許可を要する外国相互間の貨物の移動を伴う 取引について ・通常兵器関連貨物・技術の輸出管理について ・大量破壊兵器関連貨物・技術の輸出管理について : ・輸出許可・役務取引許可・特定記録媒体等輸出等許可申請書に 伴う添付書類等について : 省 令 告 示 通 達 お知らせ 法 律 政 令 外 国 為 替 及 び外 国 貿 易 法 輸 出 貿 易 管 理 令 外 国 為 替 令 ※外為法には20を超える省令・告示、50を超える輸出注意事項やお知らせ等の通知文書がある。 ・輸出貿易管理規則 ・仮陸揚貨物が核兵 器等の開発等のために 用いられるおそれがある 場合を定める省令 : 輸出貿易管理令の 運用について

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術 そ の も の が 規 制 対 象 と は な る の で は な く 、 貨 物 お よ び 技 術 の 用 途 ・ 需 要 者 に つ い て 問 題 が な い か を 審 査 す る も の で あ る 。 な お 、 キ ャ ッ チ オ ー ル 規 制 で は 「 ホ ワ イ ト 国 」 と 呼 ば れ る 経 済 産 業 省 が 指 定 す る 27 カ 国 [注 2 ]を 除 く 地 域 へ の 輸 出 が 規 制 対 象 と さ れ て い る 。 輸 出 管 理 業 務 で は 、 ま ず リ ス ト 規 制 に 該 当 す る 物 品 ・ 技 術 な の か を 判 定 し ( 該 非 判 定 )、 非 該 当 で あ れ ば 次 に キ ャ ッ チ オ ー ル 規 制 の 確 認 ( 取 引 審 査 ) と し て 、 こ の 貨 物 ・ 技 術 の 用 途 ・ 需 要 者 に 問 題 が な い か を 審 査 す る 。 こ の 2 つ の 規 制 に 該 当 す る か 否 か に よ っ て 経 済 産 業 省 へ の 輸 出 手 続 き ( 該 非 審 査 ) が 必 要 な の か を 判 断 す る 。 静 岡 大 学 で 行 っ て い る 安 全 保 障 輸 出 管 理 の 判 定 及 び 審 査 の 流 れ を 図 2 に 示 す 。 こ こ で 注 意 し て ほ し い こ と は 、 決 し て 輸 出 す る 行 為 が 禁 止 さ れ て い る の で は な く 、 学 内 又 は 経 済 産 業 省 へ の 輸 出 手 続 き が 必 要 な の か ど う か を 審 査 す る こ と で あ っ て 、 当 然 の こ と な が ら 経 済 産 業 省 の 許 可 が お り れ ば 、 た と え 規 制 さ れ て い る 貨 物 ・ 技 術 で あ っ て も 輸 出 す る こ と は 可 能 で あ る 。 こ の よ う に 、 機 微 な 貨 物 ・ 技 術 に つ い て は 政 府 に 届 け 出 る こ と で 適 正 な 輸 出 が 行 わ れ る こ と を 理 解 す る こ と が 重 要 で あ る 。 図 2 . 安 全 保 障 輸 出 管 理 フ ロ ー チ ャ ー ト 【貨 物 の輸 出 】,【技 術 の提 供 】が具 体 化 該非判定に 関わる書類を作成 該 非 判 定 取引審査に 関わる書類を作成 取 引 審 査 経産大臣の認可を 受けるための書類を作成 該 非 審 査 非該当 例外許可 適用可 承認 規 制 対 象 外 許可 不許可 輸 出 管 理 チェックフロー 申請必要 申請不要 該当 【輸 出 管 理 室 】 貨 物 の輸 出 ,技 術 の提 供 を管 理 「輸出許可証」を受け 取るまでに要する時間 約 2 週 間 程 度 ( 最 大 9 0 日 ) 平 均 2 週 間 学 内 審 査 経 産 省 の 審 査 ① 輸出者自身 ② 学内審査 ③ 学内審査 ④ 経済産業省 非 該 当 証 明 書 を 発 行 【貨 物 の輸 出 】,【技 術 の提 供 】を実 行 「輸 出 許 可 証 」の発 行 郵送 輸出者に送付 不承認 輸 出 の 停 止

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2 . 2 .「 居 住 者 」「 非 居 住 者 」 の 区 分 基 準 技 術 提 供 の 審 査 で は 、 提 供 す る 相 手 に つ い て 国 籍 で 判 断 す る の で は な く 、「 居 住 者 」 「 非 居 住 者 」 と い う 区 分 に よ っ て 提 供 し て よ い か 否 か を 判 断 す る 。「 居 住 者 」「 非 居 住 者 」の 区 分 基 準 に つ い て は 、「 外 国 為 替 法 令 の 解 釈 及 び 運 用 に つ い て 」の 通 知 に 定 め ら れ て い る 。 居 住 性 の 区 分 基 準 に つ い て 図 3 に 示 す 。 図 3 . 居 住 者 と 非 居 住 者 今 、 大 学 の 輸 出 管 理 に お け る 留 学 生 管 理 で 最 も 問 題 視 さ れ て い る こ と が 、 こ の 「 居 住 者 」と「 非 居 住 者 」と い う 区 分 基 準 で あ る 。大 学 と 雇 用 契 約 の な い 外 国 人 留 学 生 は 、 来 日 し て 6 カ 月 未 満 は 「 非 居 住 者 」 扱 い と な り 、 規 制 さ れ て い る 技 術 を 「 非 居 住 者 」 に 提 供 す る 際 に は 経 済 産 業 省 の 許 可 を 取 ら な け れ ば な ら な い こ と が あ る 。 そ し て 来 日 し て 6 カ 月 を 越 え る と 「 居 住 者 」 扱 い に 変 わ り 日 本 人 と 同 等 に 扱 わ れ 、 た と え 規 制 技 術 で あ っ て も 提 供 す る こ と に は 法 律 上 は 問 題 な い と さ れ て い る 。 し か し 一 般 常 識 的 に 考 え て 、 6 カ 月 を 1 日 で も 過 ぎ る と 「 居 住 者 」 扱 い と な り 機 微 な 技 術 で あ っ て も 提 供 す る ( 教 え る ) こ と に 問 題 が な い と い う の は 明 ら か に 不 自 然 で あ る し 、 個 々 の 留 学 生 に つ い て 6 カ 月 を 過 ぎ た か ど う か を 大 学 担 当 者 が 時 限 管 理 す る こ と は 負 担 が 大 き す ぎ る し 実 運 用 上 無 理 が あ る 。 そ れ に 「 非 居 住 者 」 扱 い の 外 国 人 留 学 生 に 対 し て 特 別 な 講

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義 カ リ キ ュ ラ ム を 設 定 し た り 、 研 究 室 等 で 得 ら れ る 研 究 情 報 に 制 限 を 設 け た り す る こ と は 、 外 国 人 留 学 生 の 研 究 活 動 に 多 大 な 負 担 を 与 え る こ と に な り か ね な い 。 こ の よ う な こ と か ら 外 国 人 留 学 生 に 対 す る「 居 住 者 」「 非 居 住 者 」の 区 分 基 準 は 、大 学 に お け る 輸 出 管 理 業 務 を 複 雑 に し て い る 大 き な 要 因 の 1 つ と な っ て い る 。 2 . 3 . 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト 「 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト 」 と は 、 経 済 産 業 省 が 大 量 破 壊 兵 器 の 開 発 等 へ の 関 与 が 懸 念 さ れ る 企 業 ・ 組 織 を 毎 年 更 新 し て 掲 載 し 公 表 し て い る リ ス ト [ 4 ] の こ と で あ り 、 経 済 産 業 省 告 示 第 1 8 8 号 ( 文 章 等 告 示 第 二 号 ) で 定 め ら れ て い る 。 こ の 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト は キ ャ ッ チ オ ー ル 規 制 で の 提 供 相 手 ( 需 要 者 ) に つ い て 審 査 す る 際 の 参 考 資 料 と し て 用 い ら れ る 。 2 0 1 3 年 3 月 現 在 、 4 5 0 の 企 業 ・ 組 織 が 掲 載 さ れ て お り 、 そ の 中 に は 大 学 や 研 究 機 関 も 掲 載 さ れ て い る 。 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト に 掲 載 さ れ て い る か 否 か を チ ェ ッ ク す る だ け な の で 、 い ま 多 く の 大 学 の 留 学 生 管 理 担 当 者 は 、 こ の 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト を 参 照 し て 外 国 人 の 受 入 れ に 問 題 が な い か を 判 断 し て い る の で は な い か と 推 測 さ れ る 。 こ こ で 注 意 し て ほ し い こ と は 、 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト に 掲 載 さ れ て い る 組 織 で あ っ て も 、 輸 出 す る 貨 物 ・ 技 術 の 用 途 が リ ス ト 中 に 記 載 さ れ て い る 「 懸 念 区 分 」 と 関 連 が な け れ ば 、 需 要 者 に つ い て は 問 題 が な い と 判 断 で き る こ と で あ る 。 例 え ば 、 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト に 掲 載 さ れ て い る 組 織 の 懸 念 区 分 が 「 ミ サ イ ル 」 と 記 載 さ れ て お り 、 こ ち ら か ら 提 供 す る 技 術 内 容 が 農 業 用 の 化 学 物 質 に 関 す る 研 究 だ っ た 場 合 、 懸 念 区 分 は 一 致 し な い の で “ 需 要 者 要 件 ” に は 問 題 な し と 判 断 で き る ( 但 し 、 キ ャ ッ チ オ ー ル 規 制 は 同 時 に “ 用 途 ” に つ い て も 確 認 し な け れ ば な ら な い の で 慎 重 に 判 断 し な け れ ば な ら な い )。外 国 人 留 学 生 が 過 去 に 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト に 掲 載 さ れ て い る 組 織 に 所 属 し て い た こ と が あ っ た と し て も 、 今 後 そ の 組 織 に 戻 る こ と は な い 、 又 は 懸 念 区 分 に 関 係 す る 研 究 活 動 等 を 過 去 に 行 っ て い な い 等 の 情 報 が 確 認 で き れ ば 特 に 問 題 視 す る 必 要 は な い 。 し か し 大 学 組 織 と し て の リ ス ク を 考 え た 場 合 、 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト 掲 載 組 織 出 身 者 を 受 入 れ る こ と は 、 法 律 違 反 で は な い と し て も 、 そ れ な り の リ ス ク ( 道 義 的 責 任 や 社 会 的 責 任 ) を 負 う こ と と な る の で 、 大 学 ・ 研 究 機 関 に よ っ て 対 応 や 考 え 方 は 様 々 で あ る の が 現 状 で あ る 。 3 . 静 岡 大 学 で の 取 り 組 み 大 学 に お い て 「 教 育 ・ 研 究 活 動 を 行 う 上 で は 、 貨 物 の 輸 出 及 び 非 居 住 者 に 対 す る 技 術 の 提 供 等 に つ き 規 制 し て い る 外 為 法 の 趣 旨 を 十 分 に 踏 ま え る 必 要 が あ る 」 [ 5 ] こ と か ら 、特 に 教 育・研 究 活 動 の 国 際 化 の 背 景 と し て 、近 年 一 層 の 配 慮 が 求 め ら れ て い る 。 静 岡 大 学 は「 自 由 啓 発 ・未 来 創 成 」の 理 念 の も と 、知 の 創 成・ 継 承 ・活 用 を 推 進 し 、 人 類 の 平 和 ・ 幸 福 と 地 球 の 未 来 の た め 地 域 社 会 と 連 携 し 、 と も に 発 展 し て い く こ と を 目 指 し て い る 。 2 0 1 1 年 4 月 に は 「 安 全 保 障 輸 出 等 管 理 室 」 を 学 内 に 設 置 し 、「 貨 物 の 輸 出 」「 技 術 の 提 供 」「 留 学 生 の 受 入 れ 」 等 に つ い て 統 括 的 に 管 理 を 行 っ て い る 。 静 岡 大 学 に お い て も 、 原 子 力 ・ 化 学 ・ 生 物 ・ 先 端 材 料 ・ エ レ ク ト ロ ニ ク ス ・ 情 報 通 信 な ど 多 く の 機 微 技 術 ・ 情 報 や 、 高 ス ペ ッ ク の 機 器 等 が 存 在 す る 。 そ し て 海 外 の 大 学 と の 学 術 交 流 の 高 ま り に 伴 い 、 研 究 者 同 士 の 国 際 的 な 情 報 交 換 や 研 究 に か か る 資 料 の 提 供 、 留 学 生 に 対 す る 技 術 指 導 等 に よ り 、 大 量 破 壊 兵 器 の 開 発 等 に つ な が る 可 能 性 の あ る 「 貨 物 の 輸 出 」 も し く は 「 技 術 の 提 供 」 と み な さ れ る 行 為 が 、 大 学 か ら 流 出 ・ 拡

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散 す る 可 能 性 が 高 ま っ て き て い る 。 こ こ で は 静 岡 大 学 安 全 保 障 輸 出 等 管 理 室 で 行 っ て い る 輸 出 管 理 業 務 の 留 学 生 の 受 入 れ に 関 す る 管 理 体 制 と 注 意 事 項 に つ い て 紹 介 す る 。 3 . 1 . 静 岡 大 学 で の 留 学 生 の 受 入 れ 体 制 の 紹 介 静 岡 大 学 に お け る 外 国 人 留 学 生 の 受 入 れ 体 制 を 図 4 に 示 す [ 6 ] 。 静 岡 大 学 で は 最 初 に 輸 出 ・ 提 供 を 行 う 教 員 ( 輸 出 者 ) 自 身 が 確 認 ・ 判 断 す る 方 法 を と っ て い る 。 そ の 時 に 教 員 自 身 が 確 認 す る 事 項 は 以 下 の 2 項 目 で あ る 。 ( 1 ) 外 国 人 留 学 生 の 所 属 組 織 等 が 「 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト 」 に 掲 載 さ れ て い る か ( 2 ) 輸 出 管 理 チ ェ ッ ク フ ロ ー を 利 用 し た 輸 出 手 続 き の 要 否 ( 図 5 を 参 照 ) 図 4 . 静 岡 大 学 に お け る 「 外 国 人 留 学 生 の 受 入 れ 」 に つ い て

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図 5 .「 人 」 に 関 す る 輸 出 管 理 チ ェ ッ ク フ ロ ー ( 1 )外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト は 、「 2 .3 .外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト 」で も 説 明 し た よ う に 経 済 産 業 省 が 大 量 破 壊 兵 器 等 の 開 発 等 へ の 関 与 が 懸 念 さ れ る 企 業 ・ 組 織 を リ ス ト 化 し た も の で あ り 、 も し 外 国 人 留 学 生 の 出 身 組 織 等 が リ ス ト に 掲 載 さ れ て い た 場 合 、 安 全 保 障 輸 出 等 管 理 室 へ 連 絡 す る こ と に な っ て い る 。 ( 2 ) 輸 出 管 理 チ ェ ッ ク フ ロ ー に つ い て は 、 外 国 人 留 学 生 が 来 日 後 6 カ 月 以 上 経 過 し て い た 場 合 、 外 国 人 で あ っ て も 輸 出 管 理 上 は 「 居 住 者 」 扱 い と な る の で 、 特 に 輸 出 管 理 す る 必 要 は な い と 法 律 上 は 解 釈 さ れ る 。 よ っ て 、 ま ず は 教 員 自 身 で 受 入 れ る 外 国 人 留 学 生 が 「 居 住 者 」 扱 い に な る の か 「 非 居 住 者 」 扱 い に な る の か を 調 べ て も ら っ て い る 。 3 . 2 . 外 国 人 留 学 生 の 受 入 れ 時 に 注 意 し て い る こ と 外 国 人 留 学 生 の 受 入 れ か ら 卒 業 ま で の 間 に 、 輸 出 管 理 上 で 注 意 し て い る 事 項 を 以 下 に 列 挙 す る 。 ( 3 )「 非 居 住 者 」扱 い に な る 外 国 人 留 学 生( 来 日 し て 6 カ 月 未 満 )に 対 す る 研 究 情 報 の 提 供 ( 4 ) 規 制 技 術 関 連 の 研 究 に 携 わ る 際 の 審 査 ( 5 ) 外 国 人 留 学 生 等 が 、 在 学 及 び 卒 業 ( 休 学 中 の 一 時 帰 国 も 含 む ) 後 、 技 術 を 再 提 供 す る こ と が あ ら か じ め 分 か っ て い る 場 合 ( 6 ) 受 入 れ て い る 外 国 人 留 学 生 等 が 、 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト の 改 訂 等 に よ っ て 当 該 リ ス ト に 掲 載 さ れ た 組 織 の 出 身 者 と な っ た 場 合

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( 3 ) に つ い て 、 公 開 さ れ て い な い 論 文 ( 研 究 情 報 )、 自 主 開 発 ・ 改 良 し た プ ロ グ ラ ム ( ソ ー ス コ ー ド を 含 む )、 セ ミ ナ ー や 研 究 紹 介 等 に よ る 技 術 指 導 、 実 験 装 置 の 貸 与 、 技 能 訓 練 等 の 場 面 で 研 究 情 報 が 提 供 さ れ る 可 能 性 が 高 い の で 注 意 が 必 要 で あ る 。ま た 、 提 供 者 た る 教 員 や 研 究 者 自 身 が 外 国 人 留 学 生 に 具 体 的 に 説 明 し た 上 で 、 許 可 の 取 得 が 必 要 か ど う か を 判 断 す る こ と が 重 要 で あ る 。 ( 4 ) に つ い て 、 取 り 扱 う 輸 出 分 類 及 び 外 国 人 留 学 生 の 市 民 権 ・ 国 籍 に よ っ て は 、 規 制 技 術 資 料 又 は ソ フ ト ウ ェ ア の ア ク セ ス 等 を 制 限 し な け れ ば な ら な い 場 合 が あ る 。 こ こ で 注 意 す る べ き こ と に 「 ボ ー ダ ー 規 制 」 と い う も の が あ る [ 注 3 ] 。 ボ ー ダ ー 規 制 で は 提 供 す る 相 手 が 海 外 に 滞 在 す る 日 本 人 で あ っ て も 、 安 全 保 障 上 懸 念 の あ る 技 術 を 提 供 す る 場 合 は 許 可 の 取 得 が 必 要 と な る 。 こ の よ う な 場 合 に は 、 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト の 確 認 、 規 制 リ ス ト の 確 認 、 提 供 技 術 に 関 す る 記 録 を し っ か り 行 っ て お く こ と が 重 要 で あ る 。 ( 5 ) に つ い て 、 一 度 「 居 住 者 」 扱 い と な っ た 外 国 人 留 学 生 が 、 帰 国 ( 休 学 中 の 一 時 帰 国 も 含 む ) 後 、 U S B メ モ リ に 保 存 さ れ た 技 術 資 料 や サ ン プ ル 品 の 持 ち 出 し 、 自 作 の 研 究 資 機 材 の 携 行 、 技 能 訓 練 等 に よ る 技 術 提 供 等 の 方 法 に よ り 、 外 国 に お い て 技 術 が 再 提 供 さ れ る 場 合 が あ る 。 こ の 場 合 、 再 提 供 さ れ る こ と が 事 前 に わ か っ て い る な ら ば 、 提 供 者 た る 教 員 や 研 究 者 又 は 外 国 人 留 学 生 自 身 が 許 可 を 取 得 し な け れ ば な ら な い こ と を 認 識 し 手 続 き を し て お く こ と が 大 切 で あ る 。 ま た 輸 出 管 理 担 当 者 は 、 外 国 人 留 学 生 が 帰 国 後 に 軍 事 関 連 部 門 や 軍 需 産 業 に 就 職 す る 可 能 性 が あ る 場 合 、 受 入 れ 予 定 部 門 の 保 有 す る 技 術 と の 関 係 を 慎 重 に 検 討 し な け れ ば な ら な い 。 ( 6 ) に つ い て 、 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト は 、 そ の 時 の 国 際 情 勢 の 変 化 等 に よ り 、 少 な く と も 年 1 回 は 改 訂 さ れ る 。 そ の 際 、 大 量 破 壊 兵 器 等 の 開 発 等 を 行 っ て い る 疑 い が あ る 懸 念 国 出 身 の 留 学 生 や 、 改 訂 等 に よ っ て 当 該 リ ス ト に 掲 載 さ れ た 組 織 の 出 身 者 と な っ て し ま っ た 場 合 等 注 意 が 必 要 と な る 。 そ の 対 応 策 と し て は 、 随 時 最 新 情 報 を 取 得 し て お く こ と 、関 係 す る 技 術 を 取 り 扱 う 部 署 や 学 科 に 配 属・配 置 し な い 工 夫 を す る こ と 、 在 学 情 報 を 的 確 に 把 握 し て お く こ と が 有 効 で あ る 。 外 国 人 留 学 生 の 出 身 組 織 が 新 た に 当 該 リ ス ト に 掲 載 さ れ た だ け で は 法 令 違 反 に は な ら な い が 、 そ の 後 の 技 術 提 供 に つ い て は 慎 重 に 検 討 し 、 法 令 に 基 づ き 、 必 要 で あ れ ば 許 可 を 取 得 し て か ら 提 供 を 行 う よ う に し な け れ ば な ら な い 。 4 . 輸 出 管 理 で の 留 学 生 の 受 入 れ に 係 る 問 題 点 大 学 の 輸 出 管 理 担 当 者 や 留 学 生 管 理 担 当 者 か ら 、 外 国 人 留 学 生 の 入 口 管 理 か ら 出 口 管 理 ま で に つ い て 様 々 な 問 題 点 が 指 摘 さ れ て い る が 、 こ こ で は 外 国 人 留 学 生 に 関 す る 輸 出 管 理 上 の 課 題 で あ る 「 国 費 留 学 生 の 受 入 れ 」、「 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト 出 身 者 の 取 扱 い 」、「 非 居 住 者 」 扱 い の 外 国 人 留 学 生 へ の 教 育 」 に つ い て 説 明 す る 。 4 . 1 . 国 費 留 学 生 の 受 入 れ 日 本 で は 政 府 が 入 国 管 理 を 行 い 、 大 学 が 入 口 管 理 と し て 一 定 の 判 断 を 行 う 形 態 を と っ て い る 。 し か し 外 為 法 は 「 貨 物 の 輸 出 」、「 技 術 の 提 供 」 を 規 制 す る も の で あ っ て 、 「 人 」 の 受 入 れ 自 体 は 規 制 し て い な い 。 つ ま り 北 朝 鮮 人 で あ っ て も イ ラ ン 人 で あ っ て も 大 学 へ の 受 入 れ に つ い て は 外 為 法 上 問 題 な い の で あ る 。 つ ま り 、 外 為 法 で は 、 こ の 受 入 れ た 相 手 へ の 貨 物 の 輸 出 ・ 技 術 の 提 供 を 規 制 し て い る の で あ る 。 に も か か わ ら ず

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政 府 機 関 が 入 口 管 理 に 外 為 法 が 関 係 す る よ う に 示 唆 す る こ と で 大 学 担 当 者 の 困 惑 を 生 じ さ せ て い る [ 7 ] 。 例 え ば 、 文 部 科 学 省 の 国 費 外 国 人 留 学 生 の 申 請 に 当 た っ て の 留 意 事 項 で 、 外 為 法 に 関 す る 文 書 や 資 料 が 参 照 さ れ て い る に も か か わ ら ず 、 外 務 省 か ら 該 非 判 定 書 等 の 提 出 を 求 め ら れ る こ と が あ る 。“ 大 量 破 壊 兵 器 等 の 拡 散 防 止 ”を 目 的 と し て 要 請 し て い る も の か と 思 わ れ る が 、 こ れ に つ い て は 特 に 法 的 根 拠 は な い 。 多 く の 場 合 で は 大 学 が 留 学 生 の 受 入 れ を 文 部 科 学 省 に 回 答 し た 後 に 外 務 省 か ら 提 出 を 求 め ら れ る の だ が 、 大 学 に お い て は 留 学 生 の 履 修 や 研 究 内 容 等 に つ い て は 受 入 れ 後 に 本 人 の 希 望 や 教 員 の 指 導 に よ り 確 定 す る こ と が 多 く 、 受 入 れ 前 に 該 非 判 定 書 を 提 出 す る こ と は 極 め て 困 難 で あ る 。 4 . 2 . 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト 出 身 者 の 取 り 扱 い 「 3 . 2 ( 4 ). 受 入 れ て い る 外 国 人 留 学 生 等 が 、 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト の 改 訂 等 に よ っ て 当 該 リ ス ト に 掲 載 さ れ た 組 織 の 出 身 者 と な っ た 場 合 」 で も 説 明 し た が 、 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト に 掲 載 さ れ て い る 組 織 か ら の 出 身 者 を 受 入 れ る 場 合 は 、 需 要 者 に 関 す る 情 報 や 受 入 れ 内 容 等 に 特 に 問 題 が な い と し て も 、 道 義 的 責 任 や 社 会 的 責 任 を 問 わ れ る 可 能 性 が 高 い 。 実 際 に 、 東 北 大 学 で の イ ラ ン 人 留 学 生 へ の 使 用 済 み 核 燃 料 の 廃 液 処 理 に 関 す る 研 究 指 導 [ 8 ] や 、 東 京 工 業 大 学 で の イ ラ ン 人 留 学 生 の 入 学 拒 否 [ 9 ] の 案 件 は 多 く の マ ス コ ミ に 取 り 上 げ ら れ た 。 こ の 2 つ の 件 に つ い て は 特 に 外 為 法 に 違 反 し た わ け で は な く 、 社 会 的 責 任 の 観 点 か ら 問 題 視 さ れ て し ま っ た の で あ る 。 大 学 で は 、 法 の 下 の 平 等 を 保 障 す る 憲 法 と 教 育 の 機 会 均 等 を 定 め る 教 育 基 本 法 に よ っ て 、 誰 で も 学 問 を 教 授 で き る と さ れ て い る 。 し か し 近 年 の 世 界 情 勢 か ら 大 量 破 壊 兵 器 等 の 拡 散 防 止 や 大 学 組 織 に か か る リ ス ク 等 を 考 慮 す る と 、 懸 念 国 か ら の 外 国 人 留 学 生 の 受 入 れ を 断 ら ざ る を 得 な い 場 合 も 十 分 あ り え る の で あ る 。 こ の 相 反 し た 考 え 方 の バ ラ ン ス を ど う 取 れ ば い い の か 、 ま た 、 マ ス コ ミ 等 に よ る 社 会 的 責 任 の 追 及 、 裁 判 所 の 法 的 な 判 断 等 に よ り 大 学 の 輸 出 管 理 業 務 を 萎 縮 さ せ て し ま う 可 能 性 も あ る 。 安 全 保 障 輸 出 管 理 の た め に 大 学 の 輸 出 管 理 担 当 者 及 び 留 学 生 担 当 者 が 、 外 国 人 留 学 生 の 人 権 に 関 わ る 情 報 を ど こ ま で 把 握 す る べ き な の か は 今 後 重 要 な 課 題 に な っ て く る と 考 え ら れ る 。 4 . 3 .「 非 居 住 者 」 扱 い の 外 国 人 留 学 生 へ の 教 育 「 2 . 2 .「 居 住 者 」「 非 居 住 者 」 の 区 分 基 準 」 で も 触 れ た が 、 来 日 後 6 カ 月 未 満 の 外 国 人 留 学 生(「 非 居 住 者 」扱 い )に 規 制 該 当 技 術 等 を 提 供 す る 場 合 、経 済 産 業 省 へ 輸 出 許 可 の 申 請 を 行 う 必 要 が あ る 。 し か し 、 大 学 に お い て は 半 年 若 し く は 1 年 間 の 講 義 の カ リ キ ュ ラ ム 内 容 は 事 前 に 決 め ら れ て お り 、「 非 居 住 者 」扱 い の 外 国 人 留 学 生 に だ け 特 別 な 講 義 を 行 う こ と は 教 員 へ 多 大 な 負 担 を 与 え る こ と に な る 。 ま た 、 研 究 室 等 へ の 配 属 に つ い て も 、 規 制 該 当 技 術 を 避 け て 研 究 指 導 す る こ と は 学 生 の 研 究 活 動 に 支 障 を き た す 可 能 性 も あ る 。 一 部 の 大 学 で は 来 日 後 6 カ 月 間 は 日 本 語 教 育 や 日 本 の 文 化 を 学 ば せ て い る と こ ろ も あ る が 、 在 学 期 間 が 限 ら れ て い る 外 国 人 留 学 生 に と っ て は 、 こ の 6 カ 月 と い う 時 間 は 非 常 に 貴 重 な も の で あ る 。 そ の 貴 重 な 時 間 を 研 究 活 動 に 当 て ら れ な い こ と や 、 与 え ら れ る 研 究 情 報 に 制 限 が 設 け ら れ る こ と は 外 国 人 留 学 生 に と っ て は 不 利 益 で し か な い 。 そ う い っ た こ と か ら 外 国 人 留 学 生 に 対 し て は 、 我 が 国 の 輸 出 管 理 の 目 的 や 考 え 方 を 正 し く 理 解 し て も ら い 協 力 し て も ら う こ と が 必 要 不 可 欠 で あ る 。

(10)

5 . お わ り に 近 年 の 世 界 情 勢 は 益 々 不 安 定 に な り 、テ ロ 活 動 も 年 間 1 0 , 0 0 0 ~ 1 4 , 0 0 0 件 程 度 起 こ っ て い る 。 そ う い っ た 状 況 下 で 日 本 の 大 学 が 外 国 人 留 学 生 の 受 入 れ を 増 や す こ と は 、 そ れ だ け 技 術 流 出 の 可 能 性 が 高 く な る と い う こ と を 忘 れ て は な ら な い 。 外 国 人 留 学 生 が 卒 業 後 帰 国 し 、 そ の 後 、 日 本 で 学 ん だ 技 術 を 使 っ て 何 を し て い る の か ま で 大 学 側 で 把 握 す る こ と は ほ ぼ 不 可 能 で あ る 。 確 か に 日 本 の 大 学 の 国 際 競 争 力 は 低 下 し て お り 、早 急 に 対 応 す る こ と も 必 要 で あ る 。 し か し 一 方 で 、 我 が 国 の 大 学 で 行 わ れ て い る 最 先 端 の 研 究 技 術 を 守 っ て い く こ と も 大 学 に と っ て の 重 要 な 責 務 で あ る 。 こ の 両 方 の バ ラ ン ス を う ま く 取 り つ つ 、 日 本 の 大 学 の 国 際 競 争 力 を 上 げ る こ と こ そ が 真 に 求 め ら れ て い る こ と で は な い の か 。 日 本 製 の 車 が 高 価 格 に も か か わ ら ず 海 外 か ら 高 い 支 持 を 得 て い る の は 、 単 に 性 能 が 良 い と い う こ と だ け で な く 、 安 全 性 ・ 信 頼 性 が 高 い か ら こ そ 世 界 の 人 達 に 選 ば れ て い る の で あ る 。 同 じ よ う に 、 日 本 の 大 学 に お い て も 外 国 人 留 学 生 か ら 見 て 世 界 の ト ッ プ レ ベ ル の 研 究 技 術 が 学 べ る だ け で な く 、 国 際 平 和 に 資 す る た め の 管 理 体 制 も 構 築 さ れ て い れ ば 、 外 国 人 留 学 生 も 安 心 し て 研 究 活 動 を 行 う こ と が で き 、 自 ず と 日 本 の 大 学 に 対 す る 評 価 も 上 が る の で は な い の か 。 安 全 保 障 輸 出 管 理 は 、 国 内 の 問 題 だ け で は な く 国 際 的 な 安 全 保 障 に 関 す る 重 要 な 業 務 で あ る 。 本 稿 を 読 ん だ 大 学 関 係 者 の 方 々 に は 、 こ の こ と を 再 認 識 し て い た だ き 、 大 学 に お い て 適 確 な 輸 出 管 理 業 務 が 運 用 さ れ る こ と で 、 日 本 の 大 学 が 社 会 貢 献 だ け で な く 、 世 界 平 和 に も 貢 献 し て い く 事 を 切 に 願 う ば か り で あ る 。 【 注 1 】 ① W A( ワ ッ セ ナ ー ・ ア レ ン ジ メ ン ト ) は 、 通 常 兵 器 お よ び 関 連 汎 用 品 ・ 技 術 の 拡 散 防 止 と い う 新 た な 課 題 に 対 応 す る べ く 1 9 9 6 年 に 発 足 さ れ た 。 現 在 、 日 本 を 含 め 4 1 カ 国 が 参 加 し て お り 、 通 常 兵 器 及 び 関 連 汎 用 品 ・ 技 術 に 関 し て W A で 合 意 さ れ た 輸 出 管 理 品 目 リ ス ト の 品 目 に つ い て 、 国 内 法 令 ( 日 本 に お い て は 外 為 法 ) に 基 づ き 輸 出 管 理 を 実 施 し て い る 。 ② N S G ( 原 子 力 供 給 国 連 合 ) は 、 イ ン ド に よ る 1 9 7 4 年 の 核 実 験 を 契 機 に 1 9 7 8 年 に 設 立 さ れ 、 現 在 、 日 本 を 含 め 4 6 カ 国 が 参 加 し て い る 。 N S G で は ,「 N S G ガ イ ド ラ イ ン 」 と 呼 ば れ る 原 子 力 関 連 資 機 材 ・ 技 術 の 輸 出 国 が 守 る べ き 指 針 ( 法 的 拘 束 力 の な い い わ ゆ る 「 紳 士 協 定 」: I A E A 公 開 文 書 ) に 基 づ い て 輸 出 管 理 が 実 施 さ れ る 。 ③ AG( オ ー ス ト ラ リ ア ・ グ ル ー プ )は 、化 学 兵 器 と 生 物 兵 器 に ま た が る 国 際 的 な 枠 組 み で あ り 、 1 9 8 0 年 の イ ラ ン ・ イ ラ ク 戦 争 を 発 端 に 1 9 8 5 年 に 発 足 さ れ た 。 現 在 、 日 本 を 含 め 4 0 カ 国 が 参 加 し て お り 、 化 学 及 び 生 物 兵 器 開 発 ・ 製 造 に 使 用 し う る 関 連 汎 用 品 及 び 技 術 の 輸 出 管 理 を 通 じ て 、 化 学 ・ 生 物 兵 器 の 拡 散 を 防 止 す る こ と を 目 的 と し て い る 。 ④ MTCR( ミ サ イ ル 関 連 貨 物 ・ 技 術 輸 出 規 制 ) は 、 1987 年 に 大 量 破 壊 兵 器 運 搬 用 ミ サ イ ル の 開 発 等 の 規 制 を 目 的 に 発 足 さ れ た 。 現 在 、 日 本 を 含 め 3 4 カ 国 が 参 加 し て お り 、 ミ サ イ ル お よ び 関 連 汎 用 品 ・ 技 術 に 関 す る リ ス ト 所 定 の 品 目 の 輸 出 を 国 内 法 に 基 づ き 規 制 す る こ と と さ れ て い る 。

(11)

【 注 2 】「 ホ ワ イ ト 国 」 と は 、 我 が 国 と 同 様 に 輸 出 管 理 が 適 正 に 行 わ れ て い る と 認 め ら れ る 国 を 指 す 。 2 0 1 3 年 3 月 現 在 2 7 カ 国 が 指 定 さ れ て お り 、 指 定 国 は 以 下 の と お り で あ る 。 ア イ ル ラ ン ド 、 ア メ リ カ 合 衆 国 、 ア ル ゼ ン チ ン 、 イ タ リ ア 、 英 国 、 オ ー ス ト ラ リ ア 、 オ ー ス ト リ ア 、 オ ラ ン ダ 、 カ ナ ダ 、 ギ リ シ ャ 、 ス イ ス 、 ス ウ ェ ー デ ン 、 ス ペ イ ン 、大 韓 民 国 、チ ェ コ 、デ ン マ ー ク 、ド イ ツ 、ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド 、ノ ル ウ ェ ー 、 ハ ン ガ リ ー 、 フ ィ ン ラ ン ド 、 フ ラ ン ス 、 ブ ル ガ リ ア 、 ベ ル ギ ー 、 ポ ー ラ ン ド 、 ポ ル ト ガ ル 、 ル ク セ ン ブ ル グ 【 注 3 】「 ボ ー ダ ー 規 制 」 に つ い て 平 成 2 1 年 1 1 月 の 外 為 法 改 正 に よ り 施 行 さ れ 、「 技 術 を 記 録 し た 媒 体 の 輸 出 及 び 技 術 情 報 の 国 外 へ の 電 子 的 移 転 の 一 部 を 新 た に 規 制 す る 。」 と さ れ た 。 国 境 を 越 え て 規 制 技 術 ・ 特 定 技 術 を 持 ち 出 す 場 合 の 、す べ て の 者 に 対 し て 規 制 が か か る と い う こ と で 、 こ の 規 制 は ボ ー ダ ー 規 制 と 呼 ば れ る 。 例 え ば 、 日 本 人 ( 居 住 者 ) が 自 ら 技 術 を 持 ち 出 す 場 合 や 、国 内 の 日 本 人 か ら 国 外 の 組 織 に 所 属 し て い る 日 本 人 へ の 提 供 な ど も 規 制 対 象 と な る 。 【 参 考 文 献 】 [ 1 ] 文 部 科 学 省 「 留 学 生 3 0 万 人 計 画 」 骨 子 の 策 定 に つ い て U R L : h t t p : / / w w w . m e x t . g o . j p / b _ m e n u / h o u d o u / 2 0 / 0 7 / 0 8 0 8 0 1 0 9 . h t m [ 2 ] 法 務 省 入 国 管 理 局 「 高 度 人 材 に 対 す る ポ イ ン ト 制 に よ る 優 遇 制 度 の 導 入 に つ い て 」 URL: h t t p : / / w w w . i m m i - m o j . g o . j p / i n f o / 1 2 0 4 1 6 _ 0 1 . h t m l [ 3 ] 経 済 産 業 省 安 全 保 障 貿 易 管 理 ホ ー ム ペ ー ジ よ り 「 貨 物 ・ 技 術 の マ ト リ ク ス 表 」 U R L : h t t p : / / w w w . m e t i . g o . j p / p o l i c y / a n p o / m a t r i x _ i n t r o . h t m l [ 4 ] 外 国 ユ ー ザ ー リ ス ト U R L : h t t p : / / w w w . m e t i . g o . j p / p o l i c y / a n p o / l a w _ d o c u m e n t / t u t a t u / t 1 0 k a i s e i / 1 3 0 2 0 6 k a i s e i _ u s e r l i s t _ k o h y o . p d f [ 5 ] 平 成 1 8 年 3 月 2 4 日 文 部 科 学 省 通 知 「 大 学 及 び 公 的 研 究 機 関 に お け る 輸 出 管 理 体 制 の 強 化 に つ い て 」 [ 6 ] 静 岡 大 学 「 安 全 保 障 貿 易 に 係 る 輸 出 管 理 ハ ン ド ブ ッ ク 」 P 3 8 [ 7 ] 中 田 修 二 ( 2 0 1 2 ) C I S T E C J o u r n a l 2 0 1 2 . 1 1 N o . 1 4 2 「 安 全 保 障 輸 出 管 理 規 制 の 合 理 化 に 向 け て 」 [ 8 ] 東 北 大 学 「 核 兵 器 開 発 目 的 で な い 」 イ ラ ン 人 男 性 留 学 生 に 指 導 : 共 同 通 信 U R L : h t t p : / / w w w . 4 7 n e w s . j p / C N / 2 0 0 9 0 7 / C N 2 0 0 9 0 7 3 1 0 1 0 0 1 1 3 8 . h t m l [ 9 ] イ ラ ン 人 入 学 拒 否 は 違 憲 東 工 大 に 東 京 地 裁 : 共 同 通 信 U R L : h t t p : / / w w w . 4 7 n e w s . j p / C N / 2 0 1 1 1 2 / C N 2 0 1 1 1 2 1 9 0 1 0 0 2 0 1 1 . h t m l

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