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商 法 問題

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Academic year: 2022

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(1)

2018年度

関西学院大学ロースクール B日程

一般入試(法学既修者)

特別入試(夜間社会人)

商 法 問題

《 9:30~ 11:30》

○開始の指示があるまで内容を見てはいけません。

(2)

1

【商 法 問題】

次の文章を読んで、〔設問1〕および〔設問2〕に答えなさい。

解答に際しては、根拠条文を必ず明示すること。

甲株式会社(以下「甲会社」という。)は、家電製品の販売を目的とする公開会社であり、

資本金は2億円、総資産額は15億円である。甲会社の取締役は、A(代表取締役)、B、C およびDの4名である。甲会社の規模はそれほど大きくないが、創業者であるAの父親は堅 実な経営を行うことで知られ、業績も好調であった。しかしながら、Aの父親が他界しAが 代表取締役社長に就任してからは、Aによる独断専行が目に余るようになり、また近隣に大 型の家電量販店が進出したこともあり、甲会社の収益は徐々に悪化していった。さらに、A は、自らの趣味・嗜好のために甲会社の資金を使用したことから、甲会社の財務状況はさら に悪化し、平成28年11月末時点で債務超過に陥った。

乙会社は、Aが代表取締役社長に就任する前から甲会社に対して3000万円の債権を有 しているが、甲会社が債務超過の状況に陥ったことから、平成29年に入って本格的に債権 回収の手段を検討し始めた。

〔設問1〕 Aの乙会社に対する責任について論じなさい。

〔設問2〕 Bにつき以下の事情が存在する場合において、Bの乙会社に対する責任につい て論じなさい。

「Bは高齢であったことから、平成28年12月31日をもってAに対して取締役を退任 する旨の意思表示をした。しかしながら、AはBの業界内外における名声を利用したいと 考えて、Bの取締役退任登記を行わなかったことから、登記簿上は未だ取締役として登記 されている。Bはこの事実を全く知らない。」

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2

2018年度 B日程入試 採点基準等(商法)

1 論点

① 取締役の第三者に対する責任(会社429条1項)

② 退任登記未了の取締役の第三者に対する責任

2 採点基準

① 取締役の第三者に対する責任の要件を理解できていること

役員等、悪意または重過失による任務懈怠、第三者の損害、相当因果関係

→ 本件における当てはめができているかどうか。特に、任務懈怠の内容(本件では、甲 会社の債務超過状態を決定的に招いたAの行為=自らの趣味・嗜好のための会社資金 の利用)を指摘し、善管注意義務・忠実義務の違反であることが書かれているかどう か。

② 退任登記未了の取締役の第三者に対する責任について、判例・多数説の理論構成を理解できて いること

そもそも、取締役の退任は辞任の意思表示によってその効力が生じることを理解できているか。

退任登記未了の取締役の責任を肯定する前提としての会社法908条2項の類推適用の可否

→ 判例規範(昭和62年最判)を正確に理解できているかどうか。

→ 本件における当てはめができているかどうか(Bは取締役としての登記が残存してい ることについて全く知らない場合に、判例規範で述べられている「取締役の登記を残 存させることについて明示の承諾」があったと評価できるかどうか)。

3 配点 * 必要な条文が明示されていない場合には、1点減点とする。

[設問1] 25点 任務懈怠 20点 その他の要件 5点

[設問2] 25点

取締役の退任の要件 5点

会社法908条2項の類推適用に関する判例規範 10点 あてはめ 10点

4 採点講評

設問2は、基本論点なので、先ずは条文と判例の指摘がされているかがポイントになる。この点、

触れられている答案は設問1も比較的よくできており、触れられていない答案は設問1の評価もイ マイチで、できる答案とできない答案とが二分された。ただ、判例の理解の正確さ、429条1項 の解釈やあてはめの丁寧さは、不十分で、よりよい答案を作成するにはここらへんが更に重要にな る。

参照

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