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,̲1‑̲研究ノート!:
‑̲‑̲‑̲‑̲‑̲‑̲‑̲‑̲‑..: —:..-..: —:..-..: —=---=—=—:..-_, 』I高松市の新しい政治階層としてのニューシニア
神 江 伸 介
目 次
1. はじめに
2. 投票・棄権 投票理由
3. 投票とデモグラフィー (1) 性 別 と 投 票 率 (2) 教 育 と 投 票 (3) 職業と投票
4. 参加とその他の変数 (1) 10年間一貫票 (2) 党 か 人 か
(3) 機関紙購読・演説会参加・議員依頼 5. 党派行動
(1) 投 票 政 党 (2) 政 党 支 持 (3) イデオロギー (4) 政党支持の源泉 6. 争 点 意 識
(1) 学歴と年齢による分析
(2) 争点考慮に対する社会経済的地位の回帰分析 7. まとめ
九 八
九 七
1 . は じ め に
: I)
四国の玄関口高松市にもニューシニア階層(現在の市前期高齢者人口35,337名,「香 川の高齢者の姿」香川県総務部統計調査課2003/09/15)が生まれつつある。まだ目 立った声は上げていないが,あと数年して団塊世代が市の高齢者集団に仲間入りするに つれ,先立つニューシニアと合わせー大年齢集団を作るだろう。もはや彼らは従来型の シニアとは異なり,健康で,意識も活発で,独立志向を持ってボランティア等に積極的 に関わろうとしている。政治ではどうか,「明るい選挙推進協会』のデータを使って,
私の調査データと全国のニューシニア階層とくらべその発展度,意識の異同,を調べる。
データは, 2003年に高松市の65 (60代前半が数名混じる)歳以上の高齢者を対象に して面接調査を実施した。調査日は03年9月上旬,サンプルは 300名,回収は234名, 方法は老人大学での約 150名の面接調査と,市立のデイサービスセンターでの依頼調査
(150名)で構成する。
2 . 投票・棄権
まず投票率であるが, 2001年参院選挙投票・棄権と, 2003年衆院選投票予定を聞い た。調査表の構造上,全員が回答しているということで前者を取り上げ聞いた。全国で は,図表lのように,約20年前の 1983年と 2001年参院選を取り上げる。
一般的な,高齢者の投票率の型としては,若年層の40%強の投票率から 55‑65歳の 85%程の頂点期を経て 65%程まで下降して一生を終わる。この型は,次第に社会に組
図表1 参院選の投票と年齢
(%) 100
95 90 85 投 80 75 票 70
率
一
65 60 55 50 45• 卜
·~ ‑ ‑ ‑ ‑ ` 一 、双
‑‑ii ~ ~\
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、 ►\
---A-全国1983年参院~
ー◆ー全国01年参院
、
一 高 松01年参院
40 I I i
65 70
、
3 80 (歳)年 齢
24‑2 ‑215 (香法2004) ‑ 26 ‑
図表2 棄権理由(病気)と年齢 全国83・01年参院一高松市
(%)
20
5 0 5 1 1 有権者中回答率
゜
ー 病 気1983年参院 ー◆ー病気01年参院 一ー・一高松市
65 70 年
75
齢
80 (歳)
み込まれ,種々の社会的活動をし,引退を迎えるというライフサイクルを描いており,
それが投票率に反映し,また形としてはJの字を 135度前に倒した図になる。
この図形を基本として, 83年のデータでは 65歳 か ら 投 票 率 は83‑68%
へ
(15ポイ ント)と下がり始める。それに対し, 2001年では 88‑72(16ポイント)の低下である。グラフを見ると,落ち方が一定になっている。 83年の落ち方では 70歳以降が急落であ る。その意味で,形としては01年の高松市のデータは 1983年の参院選のデータ段階に とどまっているといえる。
また一方では高齢者になると,棄権の理由のうち「病気」とするものが圧倒的に多く なるのも避けられないことである。しかし,病気をできるだけ遅く短く軽くして,投票 を含む種々の社会活動を続けるよう努力するというのも人間の本性である。図表2で は,病気が高齢者の投票率を下げる最大の要因ではあるけれど, 83年と 01年の違いに 見られるようにすでに65歳から理由としてあげるものの率が少なくなり,同時に,激 増する時期が01年では 75歳代以降に押し下げられている(%は全有権者を対象として
(2)
いる)。高松市では,病気を棄権理由としてあげるものは多いけれども,それは 70代 か らである。その意味では,データは全国01年のほうに近いといえる。
九
六
投票理由
高齢者の投票した理由としては他の理由(「どれとはいえない」,「同じような職業の 利益」)を除外して見ると,若い時代に「国全体」が「地元の利益」に大きく差をつけ
(%) 60 55 50 45
回 40 答 35 率 30
図表3 地元か国全体かー全国第 I, II期,高松市
—士—国全体全国第 I 期
——△ー・地元全国第 I 期 ー◆一国全体全国第II期
‑‑<>ー・地元全国第II期 ー量一国全体高松市
‑‑ロー・地元高松市
‑ ‑ ‑ ‑ ‑
5 0 5 0 2 2 1 1
; ヽ
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‑ ︑ ヽ
レ
/ ヽヽヽ
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‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ・ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
9
ヽ ヽ ‑
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4 ヽl
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ヽ
65 70 75 80 (歳) 年 齢
ていたものが,高齢者になると地元利益に戻ってゆくという基本的傾向がある。
図表3に見るように高齢者の「地元」「国」間は挟み状に「地元」を選好するように 変わっていく。しかし, 89年まで (76‑01年のプールにしたデータを作り二つに分け たその第 I期)には 70歳までに地元が国を追い越すのに対してそれより後のデータ(第 II期)では, 80歳になってやっと両者が肩を並べるようになる。高齢者は,地元代表 観は一昔前のものとなってしまい国代表観を壮・若年層と変わらないレベルでもってき たといえるであろう。その全国の型に比べると高松市は既に現代の型を超えるほどに なっている。これは支店経済か,若年層の県外流出の傾向を支えている政治文化の反映 か,高松市の特異な特徴である。
誓 3 . 投票とデモグラフィー
(1) 性別と投票率
全体の基本から言うと男のほうが弱く低投票率から出発し, 30歳前に男が女を抜い て逆転し, 5 %程度の差で55歳まで行き,それから男のほうは65歳からゆっくりと,
24‑2 ‑213 (香法2004) ‑ 28 ‑
知 0 0 9 5 9 0 8 5 8 0 7 5 7 0 6 5 6 0 5 5 5 0 4 5 4 0 3 5 3 0
女性投票率
図 表4 女 性 と 投 票 率 全 国 と 高 松 市
I I
—-A—全国 1983 年参院_
ー◆ー全国01年参院 ー量一高松市01年参院一
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\\
ヽ
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一 ~-
65 70 75 80 (歳)
年 齢
女のほうは55歳 か ら 急 速 に 不 活 発 に な る と い う 傾 向 を 持 っ て い る 。 図 表4で見るよう に,現在になればなるほど,男は75歳 ま で の 低 下 は な く な り , 女 は 一 定 の 低 下 は あ る ものの改善され,その結果投票参加の面での平等化が達成されているといえる。高松市 の有権者はその意味ではまだ一昔前の投票傾向を示しているといえる。
(2) 教 育 と 投 票
対 象 期 間 で 大 き な 変 化 を 示 す 項 目 で あ る 。 全 国 第 I期 は , 図 表5に よ る と , 中 卒 が 一番低い投票率を示す。大卒は65・70歳 で3階 層 中 第 一 で あ っ た が , そ の 後 は 高 卒 が 70歳 以 上 に な っ て も 落 ち な く , 大 卒 は 降 下 し 始 め る と い う こ と が 見 て 取 れ る 。 高 齢 期 では,中卒・大卒が不活性化のパターンを示し,高卒がプラトーである,といっていい。
第II期 は , 図 表5によると,すべての階層で活発となっている中で数的割合も増えた 大卒層が新たな進出者である。第II期で高校等と変わらない投票率を挙げることで一つ の勢力になった。中卒が75歳までの下げ率を弱めているという点では典型的である。
高卒・大卒は80歳までの投票率は変わらない。
九 四
図表5 教 育 程 度 と 投 票 全 国 第I, II期
5 0 5
ヽ~
00 ッ
0 9 9 8
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投 l' \
票 80 率 75
70
65 60
ー 中 学 等I
・ 高 校 等I
——• ‑. 大学等 I ー◆ー中学等II 一◇一高校等II
‑‑<>ー・大学等II
65 70 75
年 齢
図表6 教 育 程 度 と 投 票 高 松 市
80 (歳)
゜
)% ー( 。
95 90 85 80 75 投 70 票 65
呟一 6 0 55 50
九
4540 35
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ヽ ヽ
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>‑‑‑‑‑‑中学等高松市
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—口_高校等高松市 ヽ V
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一・大学等高松市\ /
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65 70
、
3 80 (歳)年 齢
24‑2 ‑211 (香法2004) ‑ 30 ‑
高松市は,図表6によると,基本的には全国第II期と同じ型を示す。
(3) 職業と投票
ここでは,高齢者の職業を自前(農林漁,商業,管理職)一非自前(事務,生産工程,
年金生活者,主婦など)に分ける。一般に,高齢者のうち引退等が自分で決められる自 前層がかなり遅くまで投票率が保てるし,この階層は時代に関係なく常に高い投票率を 示す。それに対して非自前階層は,以前は全職業層にわたって寿命も 5年弱短かった(男 73. 57, 女79‑1980年, 77.71, 84. 62‑2000年)り,非自前層は退職時期も 5年早かっ たり,などの理由で投票率も低く,現在はそれもなくなって5年程度伸びた。それが図 表7にしめす全国の分である。さて,高松市は,自前層のデータが75歳以上はノイズ がある。非自前層はまだ現在のところ 80年レベルの投票率しか出しえていないという
ことである。
図表7 職業と投票率 全国第 I'1I期,高松市
(%) 100
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ヽ投 70~
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票 60
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率 50 一 非 自 前——△ー・自前 II I I. . ' ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
ー 非 自 前II
--<)-—自前 II
40 ‑‑‑‑非自前高松市
--口—•自前高松市
I I
30
20
九
65 70 75 齢
80 (歳)
年
九
4 . 参加とその他の変数
(1) 10年間一貫票
高齢者の「頑固さ」を示す変数であるご若年では,第I期で,一貫票は60%強でス タートし, 90%弱(第1I期は80%弱)で終わっている。老齢化=一貫票化=頑固さを 示している。図表8に示してある。この種の精神的変数は加齢にかかわらず伸び続ける ものと思われる。第1I期になると,依然頑固さは示すが,不安定であり, 65歳 の 高 齢 者進入時点で見ると 5%弱低く十分若いといえるのでまだまだ安定するまで落ち着か ない。第 I期では65歳以降は先行する期間と同じく緩やかな頑固さ化が続いているが 殆ど止まっている。第1I期では,頑固さ化が80歳でも真っ最中といえる。高松市では, 65 歳レベルの人は投票政党を容易に変えているが, 70歳以上の人は全国第1I期とほぼ同
じ一貫票率である。香川 1区の,最近の新進候補者の自民党への鞍替えも関係している と思われるが,それに容易に応じる階層と応じない階層と,つまりニューシニアとシニ アの二極化が顕著だといえよう。
(%) 80 70 60
‑ 50
差
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交 40
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璽
3020
10
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図表8 10年間一貫票と年齢ー全国第 I, II期,高松市
65
‑ ‑ ‑ ‑ ‑
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―‑‑‑‑‑1‑‑‑70 75
年 齢
ー 変 え たI
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ー◆ー変えたII
‑ ‑ < > ‑
‑同じII‑‑‑変えた高松市
——□ -—同じ高松市
80
24‑2 ‑209 (香法2004) ‑ 32 ‑
(歳)
(2) 党か人か
1992年, 1998年の選挙を除いてすべての選挙で聞かれている。その意図するところ は,人より党になると日本の選挙の近代化が達成されるという近代化論にある。それが いつの間にか,中選挙区制は個人をベースにして選ばねばならない,小選挙区制は党が 中心となるといった議論に形を変えた。図表9の第II期では,党のほうは75歳まで上 昇を続けそれから降下に転じる,それに対して人を選ぶものは衰退もゆっくりだし, 80 歳では逆に上昇に転じたりする活発な次元の変数に変わった。人のほうは,確かに降下
しているがまた上昇したりする不規則な動きをする。第 I期のようにどちらでもないと
図表9 党か人かと年齢ー全国第 I, II期,高松市
(%) 60
0 0
0 0
5 4 3 2
市 市 松 松 党・人回答率
II II II 高 高 党 人 党 人 党 人
+ ー エ [
ヽ
ーヽーヽ
ヽヽ ヽヽヽ
ク—---
‑‑‑:ヽ:l ミ—'‑`
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65 70 年
75 齢
80 (歳)
図表10
高松市 ,'14 兄 人 n
強非自民 67% 33% 6
非自民 44% 56% 18
九
゜
政党支持なし 25% 75% 4 自民 35% 65% 51 強自民 36% 64% 24
いう判断領域に入って思考停止するというより,党と人との間で活発な判断が実施され ているといえる。
高松市は,全国の傾向とまったく逆である。それは言うまでもなく高松市の複雑な候 補者達の動きにある。平井卓也は, 1996年新進党から出馬し落選したが5万5千 票 取 る有力候補者で, 00年は無所属ながら 8万5千と圧勝,そして03年には自民候補者と
して当選するという結果になっているこ新進票,公明票,自民票を除く票が個人票など である。
平井の変遷の過程で, 96年の自民当選者藤本孝雄の 00年での落選一比例区四国当 選, 03年での小選挙区から撤退し比例区から出て落選した。自民票をのぞく票が個人 票などである。
真鍋ー小川淳也と連なる勢力は民主党勢力といえるが, 96年には3万強, 03年には 6万強とるというように,いわば96年の十 3万票が初出の小川に与えられた票である。
非常に大きな流動票といっていい。
図表 10に見るように,前期高齢者の中にこのような,流動票や個人票等が相当規模 混入しておりこれが高松市を全国と異ならせた最大の原因であろう。政党支持ごとに「党 か人か」を見てみると上表のようになる。圧倒的多数で自民が強くかつ「強自民」も弱
「自民」も等しく「人」で投票している様子が圧倒的である。例えば自民であった真鍋 が民主に鞍替えしても,あるいは新進であった平井が自民に鞍替えしても,許せる政治 文化を持っているといえよう。
八 九
(3) 機関紙購読・演説会参加・議員依頼
図表11, 12, 13によると,全国では第 I期間においては「機関紙購読」,「議員依頼」,
「演説会参加」は 65歳から一直線に落ちていっているので,これらの参加変数は投票 と同じく不活発化を示している。ただ,第 I1期になると前期高齢者の活発化が投票と等 しく現れる。
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
図表11は,政党の接触方法として自派活字メディアが大きく一般紙・放送等に代わ ら五 (50歳までの世代で大きくなった),それが世代の影響として明確に取り上げられ る。(それによると,新世代は機関紙購読という情報摂取行動を,機関紙は一般的でな くなったということで,やめてきつつあるc その点では60代以降の不活発化は以前の 自派印刷メデイアの不活発化と折り重なっているので.大きく購読率が変わる 55歳代 以降がこの表に入るようになったら注意すべきだろう:ただ,購読層が圧倒的多数の人 口部分で占められているので当分表面化はしないのであるが,とりあえず65歳から 74 歳までの部分の第 I1期における変化は 10→ 5°oへのより小さくなった変化として現れ
24‑2 ‑207 (香法2004) ‑ 34 ‑
ている。)
図表 12の議員依頼は,前期高齢期半ばまで跳ね上がって活発さを示しているが, 70 歳まででその後急速に落ち込む。
図 表11 機 関 紙 購 読 全 国 第 I, II期 , 高 松 市
(%) 50 45 40
3 5 3 0
購 読 率
25
0 5 0 5
2 1 1(%) 20
15 依 頼 10 率
5
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‑....̲̲... —·機関紙購読第 I 期
‑+‑‑機関紙購読第II期 計26%
‑‑‑機関紙購読一高松市計39%
I I I
65 70 75
齢
80 (歳)
年
図 表12 議 員 依 頼 全 国 第I, Il期 , 高 松 市
ー 議 員 依 頼 第I期
‑‑‑+‑‑‑議員依頼第II期 計6%
‑‑‑議員依頼一高松市 計13%
ノ
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゜
65 70 年 75 80 (歳) 齢
図 表13 演説会参加 全国第 I, II期,高松市
(%) 70 65 60 55 参 50 45 加 40 率 35 30 25 20 15 10 5
.;.
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」II 、
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一―ム—演説会参加第 I 期
ー◆ー演説会参加第II期 計25%
←―•—演説会参加一高松市 計61%
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65 70 75
齢
80 (歳)
年
図表13の「演説会参加」は, 65‑75歳代の傾斜が,それはむしろ向老期より若い世 代に「演説」好きな世代が入っていて,そこが出した高い値の修正として鋭い傾斜が出 たものであろう(向老期の図略)。それは言うまでもなく,図表
...
13で見るように,団塊 の 世 代 前 後 の 演 説 を 聞 く こ と が 好 き な グ ル ー プ に あ た る 。 全 体 と し て こ の 様 式 の 運 動.... ...
は,まだ若者も高齢者も活発に関与している。
ところで高松市であるが,どの項目においても全国と比べて顕著に大きい結果を示し て い る 。 機 関 紙 購 読 で は , 高 齢 期 平 均 の 差13%(全国は第II期), 65‑80歳 代 で5%
の上昇である。議員依頼では,高齢期平均の差7°o, 65‑80歳代で3%の上昇である。
演説会参加では,高齢期平均の差はなんと 36%, 65‑80歳代で一 4%の下降である。
県都高松市の政争の激しさと市民の政治演説好きの性格を現している。これが,これら の参加様式に関わることは結局は政治におけるアンチェイジングをもたらす特効薬であ ることを示す。
心 5 . 党 派 行 動
(1) 投票政党
全国プールデータとの違い
全国では,すでに 65歳で自民化ははじまっているが, 6%の 違 い で し か な い ほ ど 緩
24‑2 ‑205 (香法2004) ‑ 36 ‑
(%) 80 70 60 投 50 票 40 率 30 20 10
゜
知 80706050403020100
予定投票率
図表14 投票政党と年齢ー全国第I'
‑ ‑ ‑ 、 ‑ ‑ ‑
‑ ‑ ‑ = 噂
一一‑‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
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一 非 自 民I
——• ‑. 自民I ー◆ー非自民 JI‑
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自民III
65
図表15
I I期
70 年
75 齢
80 (歳)
投票予定政党と年齢一高松市
J■
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了
65 70 75
齢
80 (歳)
年
やかに自民化が進む。全国データでは,超高齢型政治意識(保守化とほぼ同じ)が現れ るのは80歳になってからだろう。 65歳以上の前後期高齢期は明瞭な対照を描いている
八 六
(図表14)
。 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ... .
高松市では, 70‑75歳期間に約10%自民支持を増やしている。更に同じ角度で70%
. . . . . . . . . . . . . . . . . . .
のシーリングに達するまで自民化をまっしぐらに進む。なお,投票予定であるので高松
市のデータでは「決めていない• 他」項目が入ったため,これがなかったなら,自民・
非自民のほうに更に少しかさ上げがあると同時に, 65歳 で 保 守 化 が 緩 む と い う 点 で は,全国第I1期と同じ結果を持っていただろう(図表15)。
(2) 政党支持
全国プールデータとの違い
政党支持については,すでに高松市では 65歳になるとともに自民支持が64%(強十 弱自民支持)になるというように,全国に比べて高い進入値を示している。非自民のほ うは増減し 80歳代まで26%と33%と落ち着かない。そして,支持なしをくつて保守が 伸びているのが全国の傾向だが,高松市の場合65歳になる時点で支持なしは 10%を
図表16 政党支持(平均値)と年齢ー全国第I, II期,高松市 0.70
6 5 6 0 5 5 5 0 4 5 4 0 3 5 3 0 2 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0
↑ 自 民平均値非自民↓
I
~~___,._全国 I
/ \
‑‑‑+‑全国II ,̲̲ ̲̲̲ 一高松市
/
ヽ\
‑‑‑‑‑‑‑、
V ~~
~ → ●
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\ 1'./ \
65 70 年 75 80 (歳) 齢
図表17
強非自民l弱す酋民I支持倍し1弱自民I強且民I強非胤民lI弱す酋民l叉Iそ王': 吾旦民: 差自民Il
八
8% 15% 20% 37% 20% 11 % 17% 22°0 33°0 17%五
5% 14% 24% 38% 19% 10% 13% 22°0 3‑!0o 21 % 5% 10% 24% 39% 23% 11 % 11 % 22°0 3‑1°0 22%
9% 8% 25% 41 % 18% 7% 12% 2‑! 0o 37°6 19%
24‑2 ‑203 (香法2004) ‑ 38 ‑
図表18 女 性 支 持 強 度 平 均 値 ー 全 国 第 I, II期,高松市 1.3
2 1
.
. 1 1
強度平均値
ー
‑‑‑+‑第 I期 ー 第II期 ー量_高松市
65 70 80 (歳)
年 75
齢
切っており,その後は殆ど0 %に近づいていた。即ち,全国の結果では 80歳を過ぎた ら非自民が少なくなり,支持なしと自民が増え超高齢型政治意識が現れているが,嵩松
...
市 の 場 合 は 殆 ど 支 持 な し が な く な る ほ ど 活 発 な 「 党 派 間 」 競 争 が あ っ て い る ( 図 表 16, 17)
。
支持の強さを考慮に入れ自民一非自民間の動きをひとつにまとめた平均値で高松市が 全国でどこに位置するか見てみよう。図表16によると高松市は若干革新性が強いとい うことは言えるであろう。しかし,後期高齢期になって非自民の支持は弱くなる(図表 17)
。
しかし,支持強度と性・年齢(図表18)では全国と高松市とはまったく異なる(図表 18)
。
(3) イデオロギー
保守化は一見なさそうだが,強さを考慮に入れると高松市ー全国は著しく違うし,む しろ高齢になるほど超高齢型政治意識の一つたる保守化が全国より強く出てくる。図表 19に見るように,革新の減少は変わらないものの,全国に比べて中間と答えるものが 多い。それに対して,図表20に見るように,保ー革意識の平均値に直すとむしろ 75歳 以上は全国平均より非常に高い。前期高齢者は全国と同じく革新化されているものの,
後期はまだ全国よりもより保守化を進めているといえるだろう。革新から保守に変わる 時に,革新が弱くなり保守が強くなり,中間が増えるということなのか。
八四
図表19 イデオロギーと年齢ー全国第 I, Il期,高松市
(%) 70 65 60 イ 55
デ
ォ
50 ギロ
45 40ー 中 間 第I期 35
——△ー・保守第 I 期 30
ー◆ー中間第II期
‑‑<>ー・保守第Il期 25
--—中間高松市 ー一
□
一・保守高松市 20' 、,,~
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. .,ヽヽ , ,, ~ ' ',~, 一一一
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ヽ ~ ヽi ャ → ‑ ‑ ‑
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ー ロ
\
~
1 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
ヽ~~
65 70 年
75 齢
80 (歳)
図表20 イデオロギー(平均値)と年齢ー全国第 I' JI期,高松市 0.70
0.65
ノ\
6 0 5 5 5 0 4 5 4 0 3 5 3 0 0 0
o o o o o
イデオロギー平均値
ー 保 革 意 識 ー 全 国 第I期 ー 保 革 意 識 ー 全 国 第11期 ー・ー保革意識一高松市
65‑70 70‑75 75‑80 80‑85 (歳) 年 齢
24‑2 ‑201 (香法2004) ‑ 40 ‑
(4) 政党支持の源泉 変 数
(1) 政党支持ー自・非自・強度付
‑2.00強非自民
‑1.00非 自 民
.00政党支持なし
1.00自民
2.00強自民 (2) 保 革 意 識
1.00革新
2.00やや革新
3.00中間
4.00やや保守
5.00保 守
(3) 自前
1.00非自前
2.00自前 (4) 世帯状況
‑1.00本人と子(含孫無)
0.00夫婦二人
1.00単身 (5) 家 計
‑2.00非常に心配
‑1.00, 心配 1.00まあまあ豊か
2.00豊 か
従属変数は(1)政党支持で,明推協と同じく政党支持強度を入れてある。
独立変数は, (2)保革意識, (3)自前意識, (4)世帯状況, (5)家計が投入されている。 (2X4) は通常のものだが,在職時の主な職業を聞いた(3),核家族化を反映する(4), ほぼ年金の みの収入になってしまう(5), は独自の答えを期待できた。
図表21 結 果
高 松 調 壺 65‑75歳 75歳以上
R2乗 0.27 0.44
定 数 .22 1. 37
保 革 意 識 **0.52 **O. 46
世 帯 状 況 **0. 46
系
ヽ 計 **0.44
*
全年齢層を対象にすると余り有意な関係が出ないので,晩年型同居として注目される 前期・後期高齢期に分けて分析した。そうすると面白い関係がでてきた。
図表21によると,まず,前期後期高齢期とも,職業の要因はなんの働きもしないし,
それは(ほとんどの人が)引退後早いころに生じてくるということである(そこで投入 変数から削除)。前期高齢期では,その代わりに有効な説明要因となるのが保革意識で ある。まだ決定係数として0.27で大きいけれども,後期高齢者ほどは大きくない。
75歳 以 上 に な る と , 少 な い 要 因 の 中 で 決 定 係 数 も 高 ま り , 保 革 意 識 も し つ か り 残 存
J ¥
自・ 支・ 家・ 計. の
0・党︒・家・識 る・政・る︒・意
'‑ /
0•なく・治
・ 政 て・だ・くい れ・う・なて.の 現・よ・得れ・で て・る・を表・中 し・い・るに.<
と・て・ざ形・ゆ 因・れ・らう・て 要・現・頼い・れ な.が.にと・離
︶.ら高き・識・ど 大・意・な︵.か り・治・子化・ル
よ・政・は治・一
も・型・活政・ロ 計・齢・生非・ト 家
・ 高 ' ,
. ン
て・超.の・り・コ,‑.る.の・ならそ・れ•も.<・分
︐. さ・ く・ 弱・ 自 け
・ 響
・ づ
. が '
受・影・基・持・りを.に・に・支・な響・境・一・党・と影・環・ギ・政・安も.の・ロ.れ・不に・り・オ・つ・て況・周・デ・に・つ
状.が・イ・く・な︒
帯・識.の・い・とる 世・意・己・て・齢あ
,.治・自・え・高で
し
・ 政
・ 増
・ 々
・ 方
る.の・は・カ・益・れす・分・持・族•も・現
6 . 争 点 意 識
争点を,重要度の表明と,争点に対する
n
否の判断に分けるとすれば,明推協のもの は前者に属するといえる。方向性を聞く後者は当然にも党派性が関係してくる。重要度 については,合意争点かそうでないか,自分に関心が近い争点かそうでないか,などが 関係してくる。後者については,争点顕出性と呼んで,ここでは学歴と年齢で探ってみ よう。学歴が高いほど関心が身辺のことからはなれて行き,年齢についてはライフサイ クルに関係したことについては顕著な反応をするだろうと仮定される。また,農業との二つだけであったが,職業関連の顕出性も見られた。
ケースは
(1) 学歴と年齢による分析
以下,述べる順序は, (1)度数, (2)学歴(中卒,高卒,大卒), (3)年齢(前期高齢期,
(3)
後期高齢期), (4)学歴と年齢によった合成変数により年齢を通してみた学歴差を見るこ
. . .
とで高松に目立ったエリート主義的特性,を見てゆく。図表は,両時期の初等卒(中卒 と通称する),中等学歴(高卒)と高等学歴(大卒)の世代・年齢別度数%と,
(4)
ラフである。分類は,中卒を含まず非高齢者の分穎を行った前論文に基づいている。目 的は,前期高齢期は非高齢者と等しく,後期高齢者;よ衰退してくるかどうかを知るためで あるとともに,高松市を加え,地域別差を明らか:こしだいとする意図に出たものである。
そのグ
現実政治型一学歴強年齢強型 政治倫理系(図表22, 23) (1)
八
(2)....
全国では 7 34%まで24%の幅を持つ度款を取るこ高松市は, 0から 25%である
(3)
(行革と一緒である)。
学歴上の差は,依然として存在する。高松;記よ.第 I, II期に極めて近い。但し,
高松市後期大卒は総数で 6 名程度しかいな~ •.)て参考データである。
..................
年齢的に,高齢者は前期反応は衰えないが.後期:よ若干衰えてくる。高松市では,
後期高齢期にはなんの働きもしていないc
24‑2 ‑199 (香法2004) ‑ 42 ‑
全国 I n
図表22
全国1I n 高松市 n 後期ー中卒
前期ー中卒 後期一高卒 前期一高卒 後期ー大卒 前期ー大卒
10%
12%
16%
18%
42%
30%
29 109 11 52 11 25
9%
11%
14%
17%
27%
30%
40 119 26 131 21 82
2%
7%
0%
14%
0%
25%
1 2 0 9 0 4
図表23 政治倫理系
(%) 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5
゜
= = ‑ =
‑ g
卒 卒 卒 卒 卒 卒 中 中 高 高 大 大
︱ ‑
︳ ‑
︳ ‑
期 期 期 期 期 期 後 前 後 前 後 前
全国 I 全国II
左から,
p
=
n. s.合 成 変 数
p p = <.n.0 s1. p y == .3n.0 s .左から,
p
=
n. s.合 成 変 数
p p = <.n.0 s1. y p == .3n.3 s .高松市 左から,
p = n. s.
合 成 変 数
p p <<..0055 p=
n. s. y =.54(4) 合成変数では, 第1I期では全国でも y=. 33なのに高松市ではy=.54といっそう 高い値を出している。
(1) (2)
公害・環境系(図表
. . ........
24, 25)4
21%という大きな幅を持つ。高松市では. . . . . .
0 38%と,更に大きな幅を持つ。. . . .
第I期からあった学歴上の差はだいぶ柔らかくなっているが第Il期でも存在する。
八 〇
しかし, 高松市ではこの緩和が収まっておらず, 第I期のままである。
(3) 第I1期で高齢者はやや衰えるものの,依然として活発である。特に, 高卒高齢者を
全国 I
後期ー中卒 3%
前期ー中卒 6%
後期一高卒 4%
前期一高卒 6%
後期_大卒 12%
前期ー大卒 17%
n
図表24 全国1I
6%
13%
16%
20%
19%
21%
n 高松市 2%
3%
12%
17%
0%
38%
854316314 n
25 140 29 160 15 59
1 1 4 1 0 6
ー
図表25 公害・環境系
(%) 50 45 40 35 30 25 20 15 10
°
5 全国I 卒 卒 卒 卒 卒 卒 中 中 高 高 大 大‑ ︳
︳ ‑
︳ ‑
期 期 期 期 期 期 後 前 後 前 後 前
左から,
p < . 05 p = n. s. p = n. s. 合成変数 p<.01 y=.28
全国II
p 左から,<. 01 p = n. s. p = n. s. 合成変数 p <.01 y =.31
高松市 左から,
p = n. s. p = n. s. p = n. s.
合 成 変 数
p <.01 y =.57七 九
大卒高齢者に劣らず引き上げているので,この争点は民主型争点に近づける効果を 持っているのかも知れない。高松市でもこの片鱗は見える。
(4) 合成変数では,全国第II期でも y=.31なのに,高松市ではy=. 57と大きな値が 出ている。
加齢型一学歴弱年齢強型 福祉系(図表26, 27)
(1) 全国では, 47から 63%という, 16%も の そ れ ほ ど 大 き く な い 幅 を 持 つ 争 点 で あ
24‑2 ‑197 (香法2004) ‑ 44 ‑
図表26
全国
I
n 全国II n 高松市 n 後期ー中卒 49% 142 48% 229 57% 25 前期ー中卒 56% 448 47% 630 40% 12 後期一高卒 57% 39 63% 115 53% 18 前期一高卒 51% 146 60% 477 70% 46 後期ー大卒 58% 15 55% 45 80% 4 前期ー大卒 48% 40 56% 156 81% 13図表27 福 祉 系
(%) 90 80 70 60 50 40 30 20 10
゜
亡ニコ 後期ー中卒 巳三ヨ 前期一高卒 亡ニヨ前期ー中卒 一 後 期 ー 大 卒 一 後 期 一 高 卒 云エコ前期ー大卒
全国I 左から,
p = n. s. p = n. s. p = n. s.
合 成 変 数
p=
n. s. y= .
04全国II 左から,
p
< .
01 p = n. s. p = n. s. 合成変数 p <.01 y =.08高松市 左から,
p = n. s. p = n. s. p = n. s.
合 成 変 数
p<.05 y =.29る。高松市では, 40 81%と41%もの差を持つ争点である。
(2) 全国では学歴上の差があまりないのは,大卒でも高卒でも中卒でも関係なしに年を とるという自然的なことから出ているし,重要なことは選挙という政治の場で要求 されているということである。学歴に関係なく誰でも老いてゆき老後を心配する,
というしかも世代よりもライフサイクルに関係している争点である。しかし,高松 市では尚極めてはっきりと学歴差が認められる。
(3) 年齢の効果中唯一ともいえる高齢者の関心が高い現象があり,とりわけ後期高齢者
七 八
の関心が高い争点である。
. . . . . . . .
齢型政治意識現象である。
これは,考慮争点における,投票参加者の中での,詔嵩 これは高松市では後期高齢者に現れていることが見て取
(4) れる。
合成変数では,全国第 I期,第II期でも y
= .
1を超えないのに,高松市ではy= .
29 という値が出ている。農業系(図表28, 29)
(1) 6 19%の低い度数である。高松市では,
ある。
0 24%のそれほど代わりがない度数で
全国 I n
図表28
全国1I n 高松市 n 後期ー中卒
前期ー中卒 後期一高卒 前期一高卒 後期ー大卒 前期ー大卒
15%
19%
6%
11%
12%
7%
3 9 4 1 3 6 4 7 3
ー
15%
19%
9%
12%
13%
9%
67 204 271 17 94 111
5%
7%
24%
11%
0%
6%
2 2 8 7 0 1
図表29 農 業 系
七 七
(%) 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5
゜
= ‑ = ‑ O
後前後前後前 期期期期期期︳ ︳ ︳ ︳ ︳ 一
中中高高大大 卒卒卒卒卒卒全国 I
左から,
p = n. s. p = n. s. p = n. s.
合 成 変 数
p< . 0 1
y =.1524‑2 ‑195 (香法2004)
全国1I
左から,
p = n. s. p = n. s. p = n. s.
合 成 変 数
p<.01 ・r=.14高松市 左から,
p
=
n. s.合 成 変 数
p p= =
n.n s. s. . p y= = .
n. s08.‑ 46 ‑
(2) 低学歴ほど高関心であるという点では非高齢者を入れた分析と違う点だが,大学等 が低いという点では全国と高松市は違いがない。
(3) 第I期,第11期とも殆ど変わっていない。高松市は高卒後期高齢期が目立って高い。
(4) 合成変数では,全国第 I期,第11期でも Yにマイナスがつくのだが,高松市では殆 ど平板である。グラフを見ると高卒後期に大きな関心があるようだ。
エリート型
高齢者においては殆ど「現実政治型」と変わりがなくなるのだが,非高齢者分析では 学歴強年齢弱型であった。高齢者分析では,やはり学歴強年齢弱の関係は出ている。
安保・防衛系(図表30, 31)
. . . .
(1) 全国は5 23%の低い度数である。比べて高松市は最高63%と突出している。
....................
(2) 学歴間の差も,大卒等がもっぱら安保・防衛論争にかかわるというように,歴然と している。
(3) 年齢的には,第I期に前期高齢者が高く後期高齢者になると衰退するというパター
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ンは,第I1期にはなくなり両学歴の高齢者とも平等に安保論議にかかわるようになっ たが,度数としては低い。高松市は,安保・防衛論議はもっぱら大卒前期高齢者の 独壇場である。
(4) 合成変数では,全国第II期でも y=.22なのに,高松市ではy=.64と大きな値が 出ている。この場合,革新県政拠点としての高松市のエリート主義文化を見逃すこ
とはできない。
図表30
全国 I n 全国II n 高松市 n 後期ー中卒 5% 16 5% 23 7% 3 前期ー中卒 7% 68 6% 65 0%
゜
後期一高卒 7% 5 7% 13 3% 1 前期一高卒 12% 33 8% 62 11% 7 後期ー大卒 19% 5 13% 10 0%
゜
前期ー大卒 23% 19 11% 31 63% 10
七
ー 上
ノ
図表31 安保・防衛系
(%)
5 0 5 0 5 0 5 0 3 3 2 2 1 1
==———<
卒卒卒 卒 卒 卒 中 中 高 高 大 大
︱ ︱
︱ ︱
︱ ︱
期 期 期 期 期 期 後 前 後 前 後 前
全国I 左から,
p = n. s. p = n. s. p = n. s.
合 成 変 数
p <.01 y =.31左から,
p
=
n. s.合 成 変 数
全国II
p = n. s. p = n. s. p <.01 y =.22
高松市 左から,
p = n. s. p = n. s. p
< .
05合 成 変 数
p <.01 'Y =.54(1)
憲法系(図表
...
32, 33)全国
2
15%の低い度数である。高松市では, 0 44%と安保・防衛問題と同じく 大きな開きを持っている。(2) 高卒者・中卒者は,両時期とも一貫して低いこ高松市でも同じことが言える。
第 I
期大卒者の両高齢者のみ突出して高く,第I1期になると関心を他の階層と同一 下げてしまう。高松市では,第 I期のレベルにとどまっている。(3)
になるか,
全国 I n
図表32
全国II n 高松市 n
七 五
後期ー中卒 前期ー中卒 後期一高卒 前期一高卒 後期ー大卒 前期ー大卒
2%
3%
2%
3%
14%
15%
4 8 1 6 3 8
ー
4%
4%
3%
7%
6(1
。
10°0
4 7 5 6 4 4 1 3 4 2
5%
0%
9%
11%
0%
44%
2 0 3 7 0 7
24‑2 ‑193 (香法2004) ‑ 48 ‑
図 表33 憲 法 系
(%) 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5
゜
二 = ‑ =
‑ O
卒 卒 卒 卒 卒 卒 中 中 高 高 大 大
︱ ︱
︱ ︱
︱ ︱
期 期 期 期 期 期 後 前 後 前 後 前
全 国I 左から,
p
=
n. s.合 成 変 数
p p = <.n.0 s1. p y == .3n. s6 .全国II 左から,
p = n. s. p = n. s. p = n. s.
合 成 変 数
p <.01 y =.27高松市 左から,
p
=
n. s.合 成 変 数
p p=
<.n.0 s1. p y ==
.5n.7 s .(4) 合成変数では,全国第II期でも y
= .
27なのに,高松市ではy= .
57とこれも大き な値が出ている。ここでも,革新県政拠点としての高松市を見逃すことはできない。民主型
物価・景気系(図表34, 35) (1)
(2)
全国23%から 56%の34%の差があるという,非常にダイナミックな争点である。
高松市でも 27 75%の大きな差がある。
全国では学歴上の差はそれほど存在しない。むしろ,第II期に大卒者より高卒者が 図表34
全国 I n 全国II n 高松市 n 後期ー中卒
前期ー中卒 後期_高卒 前期一高卒 後期ー大卒 前期ー大卒
23%
36%
25%
36%
35%
45%
8 5 7 3 9 7 6 3 4 1 1 0 3
27%
45%
45%
55%
56%
51%
128 520 82 431 44 185
30%
20%
27%
50%
20%
75%
3 6 9 3 1 2 1 3 l
七四
図表35 物 価 ・ 景 気 系
ヽ ,/ ,
00 0 0 0 0 0 0 0 0
9 8 7 6 5 4 3 2 1
︵
==-=-<
卒卒 卒 卒 卒 卒 中 中 高 高 大 大
︳ ︳
︳ ︳
︳ 一
期 期 期 期 期 期 後 前 後 前 後 前
全 国I
左から,
p
< .
01 p=
n. s. p=
n. s . 合成変数 p <.01 y =.14全 国II
左から,
p
< .
01 p< .
05 p=
n. s. 合成変数 p <.01 y =.23高 松 市
左から,
p
=
n.s.合 成 変 数 v .
• 0 5 3 7︱ ︱ p Y 0 5 0 1
.
.く
p く
p
(3)
高 い と い う 逆 の 関 係 を 生 ん で い た 。 高 松 市 で は 前 期 高 齢 者 の 間 で は 学 歴 差 が 厳 然 と してある。後期高齢者では逆の関係を生む。
年 齢 層 に お け る 差 は , 第 I期 大 卒 者 層 の 前 期 高 齢 期 を 除 き 第 I期 は 押 し な べ て 関 心 を 減 退 さ せ て い た 。 し か し , 第1I期 に な る と , 中 卒 後 期 高 齢 期 を 除 き み な 元 気 に 他 の 成 人 一 緒 に 景 気 問 題 と 取 り 組 ん で い る と い え る 。 高 松 市 で は , 中 卒 を 除 き , 後 期 高齢者は静かである。
(4) 合 成 変 数 で は , 全 国 第1I期でも y=.23なのに,
よりは低いが無視できない値が出ている。
高 松 市 で はy=.37と 安 保 , 憲 法
七
(2) 争点考慮に対する社会経済的地位の回帰分析(高松市)
回 帰 分 析 に 投 じ た 変 数 は , そ れ ぞ れ の 争 点 が 従 属 変 数 と な り , 独 立 変 数 は 説 明 力 の な い 変 数 を 除 い た 上 で の , 性 , 学 歴 , 自 前 意 識 , 世 帯 状 況 , 家 計 の 状 態 , を 投 入 し た 。 そ し て 次 に そ の 結 果 に 基 づ い て ク ロ ス 表 を 出 し て 詳 し く 見 る 。 分 類 は , 全 国 の 分 類 に 基 づ い て お り 前 項 に 同 じ で あ る が , 高 松 市 が 何 に 属 す る か の 問 題 は 別 で あ る 。 な お , 回 帰 分 析 の 表 は 出 さ な い し , ク ロ ス 表 の う ち 学 歴 の 関 係 す る 表 は 省 略 し カ イ 自 乗 値 の み だ す 。
現 実 政 治 型 の う ち 政 治 倫 理 で は , 独 立 変 数 の 回 掃 分 析 で は , 前 期 高 齢 期 で は 何 の 関 係
24‑2 ‑191 (香法2004) ‑ 50 ‑
もないが,後期高齢期では家計と弱く逆に(苦しいものほど考慮する)相関が出ている。
しかし,あまり重要な関係にない。公害・環境では,前期高齢期に学歴にかなり強く関 心 を 向 け る 傾 向 が あ る 。 ク ロ ス 表 で は 学 歴 が 高 く な る ほ ど 言 及 す る 傾 向 ( カ イ 2乗 p
<
0. 05)があり,エリート型に属すだろうc加齢型で福祉では,回帰分析から前期高齢期において学歴と世帯状況が強い効果(カ イ2乗p
<
0.01, 図表なし)を持っていることがわかった。学歴は高卒以上が関心を図表36 前 期 高 齢 期 福 祉
n
世帯
カイ 2乗p
<
0.06本人と子 夫婦 単身
79%
53 62
33 51 19
示し,子と同居をしているか,単身が福祉に最も心配であり,夫婦で暮らすものが福祉 はそれほど心配していない(図表36)。
次に全体の中でも唯一有効な職業(自前意識)の反応を示すのは農業問題である。回 帰分析でも前期高齢期と後期高齢期両方において有効な値を示している。サンプルのな かに農業従事者を含んでいることを示しているのだが,後期高齢期にも多いということ は農業が高齢期まで働けることをも示している(図表37)。
エリート型で,防衛問題と憲法問題は,前期高齢期(いずれもカイ 2乗p
<
0. 01) においていずれも学歴しか反応せず, 0.41と0.35という高いベータ係数値を出してい る。ただし,性別変数が前期高齢期で一0.10(有意性はない)を出し,後期高齢期で一0.21(有意性あり)を出している。男性偏重のエリート主義と言っていいのではないか(図
図表37 農 業 問 題
言及% 合計実数
前期高齢期 自前 カイ 2乗 (p
=
0. 09) 後期高齢期自前
カイ 2乗p
<
0.05非自前 自前
5 15
62
33
七
非自前 自前
10 33
51 15