マルチエージェント説得における集団意識構築に関 する研究
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(2) 2009 年度 修士論文要旨. マルチエージェント説得における集団意識構築に関する研究 関西学院大学大学院理工学研究科 情報科学専攻 北村研究室 藤原 規行 コンピュータを説得のためのテクノロジとして利用するカプトロジにおいて,擬人化エージェントは 自律的で人間らしい振る舞いや社会的インタラクションが可能なユーザインタフェースとして,ユーザ に対して説得を行うために有効な手段であると期待されている.人間の社会において,複数人による説 得で多数派の意見へと態度を変える同調行動が見られる.この同調行動は人間だけではなく,2 体のエー ジェントに対しても確認されている.しかし,3 体のエージェントにおける同調行動は確認されていない. 本研究では,マルチエージェント説得におけるエージェント数の効果と集団意識構築の効果を評価す る.評価実験においてユーザは砂漠遭難問題に取り組む.砂漠遭難問題は,手元にあるアイテムの中か ら生き残るために必要なものを選択する問題である.また,エージェントがユーザの説得を行う説得フ ェーズでは,エージェントはアイテムを推薦し,ユーザがそれを選ぶように説得を試みる.エージェン トが薦めたアイテムをユーザが選択した場合,説得されたと判断する. 1 体から 3 体のエージェント数で行った評価実験では,エージェント数が増えると説得効果は低くなり, 人間の場合と異なる結果が得られた.このような結果になった原因として,ユーザのエージェントに対 する集団意識の低さが考えられた.特に,3 体では 1 体よりもユーザの意見に反対の立場を取るエージェ ント数が増えるため,ユーザのエージェントに対する集団としての印象評価は低くなった.そのため, エージェントの説得前に集団意識構築を目的としたフェーズを設定する.集団意識構築フェーズでは, ユーザの意見に対してエージェントが賛成の立場を取り,ユーザと同じ考えを持つように設定する.評 価実験の結果,エージェント数が 3 体の場合において説得効果が高くなることが示された.一方,1 体の 場合では集団意識構築フェーズを設定することにより,逆に説得成功回数が低くなった.原因として, ユーザがエージェントに対して裏切りを感じ,説得に応じにくくなったのではないかと考えられた.マ ルチエージェントによる説得において,ユーザとエージェントの間に集団としての意識を持たせる段階 を設計することが効果的であると考えられる..
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