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講演資料 日経

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Academic year: 2021

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[住みたい街・活力ある街]

∼『

近自然学

』からの提案∼

豊かに生き延びるための新パラダイム:New Paradigm

世界中のすべてのものが上手くいかない‥‥ 時代が変って、価値観が転換したから

政治、経済、環境、教育、文化、日常生活など、社会のあらゆる分野で問題が噴出し、常識、慣習、前例、権威など 今までのやり方が通用しなくなった。また、今まで活躍していた優秀な人材が力を発揮できない。そしてそ れは、国や分野や産学官民を問わない。つまり、世界中のすべてのものが上手くいかないのだ。いったい世界 で何が起こったのか、起こっているのか? それは今、時代が大きく変わっているからだ。時代が変るとは、我々の『価値観』が転換すること。つま り、『人生で何が大事か』が大きく変わりつつあるのだ。

新たな価値観:量から質へ、集中から分散へ、所有から利用へ

・量から質へ:量さえ十分にあれば良い時代は終わった。これからはクォリティーが重要。しかし量がどう でも良くなったわけではなく、量は質の一要素となった。つまり『量か質か』の問題ではない。 ・集中から分散へ:中央集権から地方分権へ、依存&支配から自立&ネットワークへ、一様&画一から多様& 個性へ、大衆から個人へ、モラルから自律へなど。財産や権力が集中してるのが良い時代は終わった。今は、 皆がほどほどの豊かさとささやかな幸せを求める時代。 ・所有から利用へ:家やクルマや情報など所有する欲求は薄れ、利用できれば良い。

時代に合わせてシステムが変わらなければならないのだが‥‥

時代が変わって価値観が転換すると、ライフスタイル→ニーズ(求めるもの)→マーケットが変わる。本来、 それに合わせて様々なシステムが変わらなければならない。しかし行政・企業・学校/大学など世界中のほ とんどのシステムは旧態依然。これでは世界中のすべてのものが上手くいかないのは当然だろう。日本で 『タテ割り行政』が批判されるのはその一例。多様になった住民のニーズに応えることができないからだ。

『近自然学』は新しいシステムをつくるための新パラダイム

時代に合わせてシステムを作り変えるためには、考え方を変えなければならない。つまり『パラダイム・ シフト』。パラダイムとは『考え方の元になるもの』。『近自然学』はそんな新しい時代に求められる新し いパラダイムのひとつ。つまり、『近自然学』によって新しい思考・発想ができるのだ。 『近自然学』の目的は『豊かに幸せに生き延びる』ことだが、どうすれば良いのか?

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『近自然学』の原則(抜粋):Principles

1)環境配慮はリスク・マネージメント

リスク・マネージメント(リスク管理・危機管理)とは、喩えていえば、不沈船と言われたタイタニック号 に質量共に十分な救命ボートを用意するようなもの。救命ボートは、平時には不要。だから余計な出費だと 思われがちだ。しかしその準備を怠ることが大惨事を招く伏線になる。 環境配慮は時代の要求により仕方なくすることではない。国家や企業や個人などが豊かに生き延びるため のリスク・マネージメントその物なのだ。つまり、環境を汚染・破壊しては人類が末長く生き延びることは できないという認識。リスク・マネージメントの目的は『なんとしても生き延びること』であり『1度でも 失敗してはならない』。失敗とは最悪の場合、個人では死を、企業では倒産を、国家では消滅を意味する。 死に対して美意識がある日本ではリスク・マネージメントの意識は希薄で誤解も多い。想定されるリスク に対する対策をマニュアル化する『テクニカル・マネージメント』が一般的だが、それはリスク・マネージ メントのほんの一部でしかない。『想定外』が生じるのはそのため。本当に大事なのは『システム・マネー ジメント』であり『プロセス・マネージメント』。いかにリスクと向かい合うか、付き合うか、折り合いを付 けるか、そして(たとえ想定外が生じたとしても)『いかに生き延びるか』だ。どうせ生き延びるなら、豊か に幸せに生き延びたいではないか。『近自然学』はそれを可能にする。

2)システム思考を:全体を見る(脱・パーツ思考)

システム思考の反対はパーツ思考。パーツ思考とはシステムを構成する個々のパーツに注目し、そのパー ツを研究し改善しようとするもの。それに対してシステム思考はシステム全体を丸ごととらえて理解しよう とする。この世の中は全てシステムなので、とても現実的な思考法なのだ。 素晴らしいパーツを集めたら素晴らしいシステムになるのか? 残念ながらそうはならない。またシステ ム全体のクォリティーはそれを構成する最も低いクォリティーのパーツで制限されてしまう。つまり、それ を放置しながら他のパーツのクォリティーをいくら上げても無意味なのだ。 近代科学はパーツ思考(解析、分析、実験、データ化、テーゼや理論構築など)により大きく進歩発展し、人 類に貢献した。しかし、今や人類は世界中で多くの問題を解決できずに途方に暮れている。環境問題などは その典型的な一例に過ぎない。地球環境という複雑なシステムの問題をパーツ思考では解決できないから

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近代科学は多くのスペシャリスト(専門家)を生んだ。スペシャリストはパーツの専門家であり、システム思 考が不得手だ。またスペシャリストをいくら集めてもシステム思考はできない。そこで必要なのが広い視野 と様々な要素の連関を見通すことができる『ユニバーサリスト(万能家)』だ。

3)両立思考を:共存・共栄をはかる(脱・対立思考)

普通、我々は対立思考しがち。対立思考とは、「世の中の全てのものは対立する要素で成り立っており、そ れらが競争淘汰することによって新しい秩序が生まれ、進歩する」と考えるもの。ダーウィンの進化論など はその典型だろう。しかしながら、地球上の生き物は、むしろ競争の少ない時に大きく進化したことが分かっ ている。つまり競争淘汰による進歩は意外に小さいのだ。 対立は競争を生み、競争は勝敗を分ける。勝者にとってこの世は素晴らしく、豊かで幸せな人生となるだろ う。しかし敗者にとっては悲惨だ。つまり、対立思考する限り、ほんの一握りの豊かで幸せな勝者と大多数の 貧しくて不幸せな敗者を生む結果となる。多くの人たちがほどほどの豊かさとささやかな幸せを得たいとい うのが新しい時代の新しい価値観だが、それを実現するためには対立思考を止めて両立思考するしかない。 『豊かさか環境か』と考えるのは対立思考。我々が豊かになればなるほど環境が壊れ、環境に配慮すると 我々は貧しくなる。それに対して『豊かさも環境も』得ようというのが両立思考。つまり、我々が豊かにな ればなるほど環境も改善され、環境に配慮すると我々はさらに豊かになる。経済のことを考えると環境も良 くなり、環境を考えると経済のためにも良い。‥‥少なくとも、そう考えてソリューション(解決策)を探す のが両立思考だ。

4)脱・石油依存:なにをするにも石油依存からの脱却は重要

新しい80万年前からの種々の環境データを統合して見ると、CO2と温暖化の因果関係はとても微妙だ。 CO2濃度と気温は、約10万年の周期で急激に上がりゆっくりと下がることを繰り返す。今は急激に上がる 時期。両者の上下には密接な相関関係があるが、場合によっては数万年もズレる。例えば約35万年前、CO2濃 度が急激に上昇を始めてから気温は約3万年間(多少の上下はあるが)下がり続けた。今回の波では、気温の 上昇がCO2濃度の上昇に約1万年ほど先んじ、約53万年前は約2万も先んじたようだ。気温の上下にはCO2以 外にも、水蒸気、太陽活動、地磁気、マグマ対流、火山活動、氷山崩壊など多くの要因が複雑に連関しており、 CO2だけが気温の上下を決定しているわけではない。 たとえCO2濃度の上昇が温暖化の唯一の原因だと仮定しても、CO2削減努力の効果が現れるのは数千年か ら数万年先のこともあり得る。もしかしたら、全くの的外れ(多くの要因の一つに過ぎないという意味)で ある可能性も大きい。少なくとも、CO2濃度の上昇のみによって気温が上がると結論付けるのは科学的/合理 的ではない。今、次第に多くの環境関係の専門家たちがこの事実に気付き始めた。しかし、一旦加速された 『CO2削減』のヒステックとも言えるアクションには惰性が付いてしまい、政府や省庁をはじめ、マスコミや 経済界、さらには環境団体でさえも、その見直しに目が向くのは一体いつになることやら‥‥。

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温暖化対策のためにCO2排出量を削減するのは、(ほぼ確実に)意味がないだろう。しかし、CO2削減その ものが無意味なわけではない。それは、ほぼ100%海外に依存している石油への極端な依存から脱却するため だ。そしてそれは個人、企業、国のレベルを問わない。つまり、本当に重要なのは『CO2削減』ではなく 『脱・石油依存』なのだ。 石油は有限だが枯渇しない。有限なのに枯渇しないのは、残量が減ると価格が高騰して消費量が減るた め。つまり石油の本当の問題は、CO2でも枯渇でもなく『価格の高騰』なのだ。それは2006∼7年にピーク オイル(生産量が頭打ちになる現象)を迎えた石油は今後も高騰が続くことは明白だからだ。石油消費をゼ

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5)バックキャストを:『手段』と『目標(目的)』を混同しない

バックキャストとは『後へ投げる』という意味で、未来の着地点を決め、そこから今へ戻って道筋を考える もの。『何年後に何を実現(ゴール/到達目標)するためには、今、何をすべきか(ルート/手法)』と考え る。進む方向と登る山を決めてから登山道を探すようなもの。 その反対はフォアキャスト(前へ投げる)。フォアキャストは、『今、何をしたら良いのか』考えて行動する こと。手っ取り早く行動できるが、最終的にどこへ行くのか分からないのが致命的。登る山を決めずに登山 道を考えるに等しい。そのため手段であるはずの登山道(ルート/手法)が目的化しがちだ。

8)気持良い(良いランドシャフト)ことは生き延びやすい

人類を含めた動物の五感は危険センサーとして発達したことが分かっている。聴覚など、測定器とは似て も似つかない仕組みと働きを持っている。かすかな囁き声が気になるのはそのせい。その危険センサーであ る五感に違和感のない状態が『気持良い』こと。心地よい、居心地良い、快い、美しい、良い音、美味しい、香し い、肌触りが良い、楽しい、安心するなどだ。これは我々が本能的に危険がないと察知してることを意味す る。気持良いかどうかの判定基準は、我々の遺伝子の中に組み込まれている可能性が大きい。つまり人類共 通の基準といえ、文化、職業、年齢、教育、生い立ちなどにほとんど左右されない。気持良い状態は、安全で、健 康に良く、食べ物が沢山あり、生き延びやすく、子孫が繁栄する。

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そこで、気持良いかどうかを判定基準にして、我々の周辺の環境を見直してみよう。特に、五感全体(視・ 聴・嗅・味・触覚)でのノイズを減らしたい。ノイズとは騒音はもちろん、見苦しい(騒観)、不味い、悪臭、肌 触りが悪いなども含む。気持良い国、気持良い街、気持良いお店、気持良いオフィスなどは、生き延びやすく、 気持良く生活でき、仕事の能率も上がり、売上げも増えるなど、良い結果が出やすいに違いない。

9)新しいビジネスの原則

経済は我々の幸せに貢献するひとつの手段のはず。にもかかわらず、現状は必ずしもそうとは限らない。 経済のためという理由で、人々の生活を圧迫し苦しめていることすらあるのではないか? これでは本末転 倒。本来の人間本位の経済を実現したい。貨幣は金本位制を止めた時点で、実体のないイリュージョン(幻想) となってしまった。そんな貨幣経済のもとで、我々はいかに豊かに幸せに生き延びたら良いのか? ・コストカット(経費削減)は『資源とエネルギーの節減』で:人件費削減(リストラ)は最後の手段 コストカットはビジネスでは当然の努力目標だが、安易に人件費の削減(いわゆるリストラ)でなされる ことが多いのではないか。これでは多くの失業者を生み、本人の不幸はもちろん、社会全体が貧しくなる。 『近自然ビジネス』では、リストラは最後の手段だ。まず、地下資源と石油エネルギーの削減を考えたい。そ うすれば有限資源を温存し、環境負荷を減らしながらコストカットができる。 ・バリューアップ(付加価値向上)は『マンパワーの投入』で:資源+エネルギーの投入はダメ 今までは地下資源や石油エネルギーの投入で付加価値を上げるのが一般的だった。地下資源と石油エネル ギーの投入は環境負荷が大きいだけではなく、それらの乏しい日本では大きな支出の増大を招く。つまり努 力の割に利益が上がらないのだ。資源+エネルギーの代わりにマンパワー(手作業、アイデア、肉体労働な ど)の投入で付加価値アップを図ると環境負荷が小さく、利益や所得に結びつきやすい。 ・適度な投資(支出)と『体質改善』を:収入(売上)優先から利益(所得)重視への発想転換 我々が欲しいのは手元に残る利益だ。利益を上げるために収入を増やす。収入のために売り上げを伸ば す。売り上げを伸ばすために生産量を増やす。生産量を増やすために大量生産する。これが薄利多売だ。 大量生産と薄利多売は、安価で大量の資源とエネルギー、そして低賃金を前提とし、環境負荷が大きいばか りか、支出増大により利益率が落ちる。なにより賃金が上がると破綻するのは致命的欠陥だ。 これからは支出を減らして、たとえ収入が減っても所得を減らさない努力をしたい。それにより環境負荷 を抑えるとともに、余計な仕事が減り、余暇が増えて、ゆとりある生活に貢献する。 投資(支出)と収入の関係は比例せず、いわゆるS字カーブ(成長曲線)となる。投資をしなければ利益は上が らないが、逆に闇雲に増やせば良いというわけでもない。適度な投資が高利益をもたらせるのだ。 いったん収入が飽和して赤字に転じると、その先はいくら投資しても利益を生まない。今、日本中の多くの 街や店舗が直面しているのはこの状況だろう。ここでは適切な『体質改善』が必須で、それによりまた新た なS字カーブを描くことができる。つまり再び『利益』を期待できるのだ。 ・持続的成功を優先:一発当てるのではなく、ほどほどの成功を長く続けることが重要 ビジネスを考える時、我々(特にオトコは)一発当てることを夢見がち。当たれば大成功だが、外れれば破 滅だ。流行も長続きしない。大事なのは持続性であり、ほどほどの成功が末長く続くこと。これはリスク・

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『近自然学』の応用(抜粋):Applications

1)新しいまちづくり

・集中高密度化して都市の機能性を高め、同時に環境負荷を低減する                  従来の地区割りゾーニング      ユニット(小単位)分割し諸要素を近接配置した新しいゾーニング 都市は食料、資源、エネルギー、水などの全てを外部に依存し消費するだけだ。確かに環境負荷が大きいが、 同じインフラを多くの市民が共有でき、しかも負荷が集中しているので、環境にとって有利とも言える(負荷 集中の原則)。やり方によっては、同じ豊かさ・利便性・快適性を住民1人当たりでは少ない環境負荷で実 現できる可能性もあるのだ。 『近自然学』による新しいまちづくりは、都市の機能性を高めて住民の豊かさ・利便性・快適性を上げ、同 時に環境負荷を下げることを目指す。都市機能の向上と環境負荷低減を両立させるために、7本の柱があ る。  1. 市街地の集中と高密度化:コンパクト・シティを  2. 大都市は内部をユニット(小単位・小規模集落)に分割  3. 職・住・商・学・育・医・緑・遊などの要素をユニット内に近在させる  4. 太陽エネルギーの有効利用:自然光の採光などによる脱・石油依存  5. 緑地の確保とエコネットワークの実現:それにより不動産価値も上がり経済の活性化につながる  6. 五感へのノイズを低減:気持良く住みやすいまちづくり  7. バウビオロギー(建築生物学)&バウエコロギー(建築生態学)の導入 (建築におけるバウビオロギー/バウエコロギーなどの新しい考え方は、住民の健康や住み心地の良さを高 め、環境負荷を減らし、地域経済を活性化し、同時にゴミを減らして社会全体での経済負担も抑える)

2)新しい道づくり

・安全、低エミッション、スムーズな流れ、そして気持良く走りやすい道路設計法   広くて真っ直ぐで見通しが良く夜は明るい従来の道づくり   大事故・排ガスを減らし多くのクルマを流せる新しい道づくり

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従来の道づくりでは、1台のクルマが目的地へ迅速に移動できることを重視した。その結果道路は、 - 広く、真直ぐ、平ら - 障害物がなく見通しが良い - 夜も明るい - 交差点は信号で制御 - すべての危険要素を排除 となった。しかし急速なモータリゼーションの発展により、クルマは群れや流れとして捉える必要性が生じ た。また、交通工学・環境工学・交通心理学の進歩やデータ処理の高率化により、種々の問題点が浮上してき た。その最大のものが交通犠牲者。安全性向上の努力が続けられているにも関わらず、全世界で年間50万以 上の人命が失われ、1,500万人以上が身体障害を受けていると言われ、その数はさらに増え続けている。 クルマに起因する問題の多くが、そのスピードが上がる(または増減する)ための弊害だ。現在のガソリ ン車は60km/hほどでコンスタントに走ると最も燃費が良く、同じ距離を走っても排ガスが少ない。また、沢 山のクルマが同時に走る場合、1台の時の振舞いとは全く異なり、そのスピードにより流せるクルマの量(交 通容量)が異なる。これは、物理法則と心理効果によりクルマのスピードと車間距離とが比例しないから だ。この効率の最も良いのがやはり約60km/h(高速道路では約80km/h)なのだ。 それならば60km/hの速度規制をすれば問題解決のように思えるが、実際にはうまくいかない。それは、速 く走るように設計された道路で速く走ってはいけないという、人間の心理を無視しているからだ。そこで速 度規制なしでも60km/hでコンスタントに走れるように道路を設計すれば良いではないか。そうすると、 - 狭く、左右にワインディング(蛇行)し、地形なりにアップダウン(上下) - 並木や木立などで見通しが悪く、軽い蛇行を余儀なくされる:心理的に障害物がある - 夜は暗い(合流点、横断歩道などは照明する) - 交差点はロータリー(心理的な障害物として作用)などで制御 - 軽い緊張感を与える(軽い緊張感はドライブの楽しさにもつながり居眠り運転を防ぐ) などと従来とは全く逆のものとなる。 スイスでは20年以上の実績を積み、死亡事故の激減という成功を収めている。1971年には1年間の交通 事故死者数が史上最多の1,773名だったが、2010年は328名に減った。しかも、クルマの保有台数が1960年 から現在まで10倍に増えているにもかかわらずだ。

3)新しい川づくり

・水害に対する安全性と同時に、自然環境、ランドシャフト、親水性、自浄力なども同時に改善する ・川の持つ自然なダイナミクス(元気さ)をうまく利用するため、失敗がなくコストや環境負荷が少ない

水害が頻発した再改修前のドイツ・バイエルン州ロイサッハ川     1994年に『近自然』で再改修を受けて11年目の写真

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『近自然学』からの提案:Proposal

1)行きたい所は? 買いたい物は?

我々が行きたい所は‥日本中どこにでもあり、いつでも、誰でも、手軽に行ける所‥ではない。 秘境 我々が買いたい物は‥日本中どこにでもあり、いつでも、誰でも、手軽に買える物‥ではない。 秘物

2)全体を見る『システム思考』を(パーツだけにこだわらない)

普通、『街づくり』というと‥‥ 『花を植えて、ゴミ掃除して、街路灯をつけて、バリアフリーにして、防犯パトロールして‥‥』 などをイメージするかもしれない。確かにこれらは街づくりにおける諸々のパーツには違いない。しかしパ ーツを集めたらシステムになるわけではない。良いパーツを集めたら良いシステムになると考えるのは『パ ーツ思考』の思い込みだが、残念ながら幻想に過ぎない。それは、システムのクォリティーはそれを構成する 最も低いクォリティーのパーツで制限されてしまうからだ。沢山ある精巧な歯車のたったひとつが低クォリ ティーなだけで、時計というシステムの精度は落ちてしまう。逆に、ひとつのパーツだけのクォリティーをい くら上げても、時計のクォリティーは全く上がらない。つまり、ここでは全体を見る『システム思考』が重要 なのだ。街づくりでも同様。

3)『豊かで幸せ』な人々が住む『気持良い』街を

我々は観光客や売上げ増大のことを最初から考えがちだが、それらは良い街づくりが実現された結果でし かない。良い街とはどんな街なのか? 時代と価値観が大きく転換した今、我々はどんな街へ行きたいのか、 そこでどんな体験を求め、どんな物を手に入れたいのか? 原点に戻って再考しよう。 まず、『気持良い』街を目指したい。そのためには五感へのノイズを低減すること。(前述&後述) そして、住人が『豊かで幸せ』なこと。我々は、ハッピーな人々が住む気持良い街へ行きたいのだ。

4)『クォリティー』を提供する

街のお店は、成功を求めるあまり、闇雲な競争へ走りがち。しかし、やってはいけないタブーがある。 - 大型店舗と闘わない - ネットショップと闘わない - 量や価格で競争しない では、なんで勝負するのか? それが『クォリティー』。クォリティーとは何か? - 素晴らしい品質:大量生産で実現できないクォリティーのこと - 十分で正確な情報:不正確な情報はもっての他だが、多過ぎも少な過ぎもダメ

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- 柔軟で行き届いたサービス:手間を厭わないことが大事 - 気持良い人間関係:表面的な愛想良さのことではない - 徹底した良いイメージ:CI(コーポレート・アイデンティティー)という - 魅力:こだわり、希少、限定、特注、熟成、手作り、オリジナル、秘伝、驚き、期待以上、不変、頑固‥‥ 『豊かで幸せ』な人々が住む『気持良い』街で、そこでしか得られない物、特に、『マンパワーを活かした クォリティー』が提供されるなら最強無敵だ。これらを『街づくり三種の神器』という。

5)結論:成功のために

1. 徒歩で動ける適度な規模(ユニット、コア、核)を設定する - ユニットの強烈な魅力を吸引力として周辺地区も利益を共有できる(クォリティーが伴えば‥) 2. ヒトとクルマを分離する:クルマの長所を活用し、欠点を抑える - ユニット内は基本的にクルマ乗り入れ禁止で、周辺に十分な駐車場を用意(心理的抵抗を減らす) 3. 五感へのノイズを減らし気持良さ(良いランドシャフト)を実現する - 騒観(見苦しさ)を減らす *電気電話ケーブルを地下埋設し、電柱などを視界から消す:大地震時の安全性も上がる *看板、点滅ネオンサイン、大型ディスプレイなどを禁止する - 騒音を出さない *不要なアナウンスや音楽を止める:自然な小鳥のさえずりなど快い音は良い - 悪臭を出さない *排ガス低減:ヒトとクルマの分離、アイドリング禁止など *トイレの悪臭対策:下水道、水洗トイレの完備など *ケミカル臭などに注意:自然な物を多用する - 不味い物は提供しない *日本中どこにでもある物、不味い食事やドリンクを出さないようお互いに切磋琢磨する - 不愉快な振動や熱を出さない *歩き心地、肌触りなどに注意する *夏に緑陰を提供することに留意(緑化とは外来種のプランターの花々のことではない) 4. オープン・カフェ&オープン・レストランを設置する:小さなものを沢山つくるのが良い - ゆったりしたゴージャス(豪華贅沢)な時を過す場を提供する(それは決して難しいことではない) - 大きな物をひとつより、小さな物を沢山つくる方が効果的:イスを2∼3脚置くだけでも良い 5. 多様で洗練されたお店を用意:『カッコイイ』がキーワード - お洒落・垢抜けた・優雅・瀟洒(しょうしゃ)・モダン・ラブリー:洋風の魅力 - 歴史・伝統・情緒・小粋・わびさび・いなせ・伊達(だて):和風の魅力 - 職人技やアイデアなど地域の『マンパワー』を活かす - ハイテクとローテクの調和:ハイテク機能は素晴らしいが、目や手に触れるのはローテクが気持良い - 本物のクォリティー(表面的、表層的で手を抜いたような物はダメ) - 革新的イノベーション:若者の新鮮なアイデアをベテランの豊富な経験で形にするのがベスト 6. 良いイメージを皆で創り上げ徹底させる:コーポレート・アイデンティティー(CI) - 街全体が一丸となって徹底してやる(一人や一軒でやってもダメ、バラバラもダメ) 7. システム思考できる『有能なコーディネーター/プロデューサー』の存在が成功の決め手

6)まとめとして:街づくり三種の神器

『気持良い』まちを実現する

『豊かで幸せ』な住民の暮らしが重要

『マンパワーを活かしたクォリティー』を提供する

参照

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