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冬期施工における土留工の変状とその対策について 北海道電力㈱

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月). Ⅵ‑792. 冬期施工における土留工の変状とその対策について 北海道電力㈱. 正会員. 小山. 俊. 北海道電力㈱. 正会員 ○土佐. 亮允. 前田建設工業㈱ はじめに. 十. 1.. 上田 健二郎. 岩松発電所 水圧管路. 放水路. 川. 導水路. 勝. 北海道上川郡新得町に北海道電力㈱が建設中の新岩松 3. 発電所は、最大使用水量 45.00m /s、最大出力 16,000kW の. 調圧水槽 既設変電設備. ダム水路式発電所であり、老朽化した既設岩松発電所(昭. 清水. 線. 和 17 年 1 月運転開始)を再開発し未使用エネルギーの活. 忠別. 水圧管路. 道道. 用を図るものである。新岩松発電所新設工事は、既設のダ. 800 433. ム、導水路、調圧水槽を流用し、水圧管路、発電所、放水. 5,900 4,300 800 433. 路を新設するものであり、平成 25 年 8 月に着手し、平成. 新岩松発電所. 28 年 1 月の運転開始に向け鋭意工事を進めている。図-1. 図-1. 放水路. 計画位置図. に新岩松発電所の計画位置図を示す。 本稿は、新設工事の冬期施工における発電所基礎土留工の変状とその対策について報告するものである。 2.. 施工概要と挙動観測について. グランドアンカー. 新岩松発電所は高さ 18.6m、幅 34.0m、延長 18.0m の鉄筋コンクリート. 変電所側. (図-2 参照) 。掘削時には、土留壁の挙動観測を行った。計測項目は、親. 4,500@5=22,500. 4,500@3=13,500 3,500 5,000. 施工が困難であったため、事前の地質調査結果を考慮のうえ、『親杭横矢 板土留壁およびグランドアンカー方式による土留支保工法』を採用した. 5,000. 造・半地下構造であり、既設変電設備および道路が近接し、開削工法での. 腹起し. 事務所側. 親杭. 杭の水平変位、グランドアンカーの荷重、外気温とし、既設変電所が近接 する位置(変電所側)と大型重機が配置される位置(事務所側)の 2 断面. 変電所側. 腹起し1段目. 計測結果は、掘削から概ね想定通りの挙動を示したが、腹起し 3 段目ま. 3段目 EL212.400. 推定岩盤線. 止した。この後、一時的に気温が上昇した日において、荷重と変位が減尐 したため、土留壁の変状は凍. 30.0. 800.0 700.0. 外気温. 20.0. 600.0. 荷重(腹起し3段目). 500.0 10.0 400.0 0.0. 300.0. 介在していた。また、横矢板 を一部撤去し、土留壁背面の 状況を確認したところ、シル. アンカー荷重(kN). 外気温(℃). 荷重(腹起し2段目). 土留変位(mm). ルト層が腹起し 2 段目付近に. 900.0 一時的に気温が上昇 変位・荷重が減尐. 変位 GL-10m(腹起し3段目). 土留壁背面の地質は、主に. 一般的に凍上が生じやすいシ. 土留概要図. 対策工施工期間 1/26~3/3. 変位 GL-5m(腹起し2段目). 上が原因と推察した。. 砂礫層から形成されており、. 図-2. 掘削停止期間 1/8~1/26. 変位 GL-1m(腹起し1段目). グランドアンカー. EL208.500. での掘削完了後も、変位と荷重は増加し続けたため、以降の掘削を一時停. 40.0. 5,000. 2段目. 1,000. で計測した。図-3 に変電所側の計測結果を示す。. 4,000. 事務所側 親杭. EL227.000. 200.0 -10.0 1段目 掘削完了 10/31. 2段目 掘削完了 12/4. 3段目 掘削開始 12/19. -20.0 10/25 11/4 11/14 11/24 12/4 12/14 12/24. ト層および砂礫層は凍結状態. 3段目 3段目 掘削完了 プレロード載荷 1/8 1/15. 1/3. 1/13. 1/23. 100.0 採暖養生期間 1/30~2/10. 2/2. 2/12. 0.0 2/22. 3/4. 3/14. 日付(日). であった。. 図-3. キーワード. 水力発電所,土留工,凍上対策. 連絡先. 〒081-0031 北海道上川郡新得町西 1 条南 1 丁目 51 番 2 号. ‑1583‑. 3/24. 4/3 ※グラフは日平均. 計測結果. 北海道電力㈱新岩松水力発電所建設所. TEL 0156-64-6673.

(2) 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月). Ⅵ‑792. 緊急対策工として、押え盛土を行った後、盛土上に枠組足場. ・土圧、凍上荷重の仮定. を設置し、周囲をビニルシートで囲い、内部においてジェット ヒーターを設置、運転した(採暖養生)。養生期間中は、荷重・ 変位ともに減尐傾向を示した。 3.. No. Yes. 逆解析(現状解析) 側圧条件の設定. ① 凍上前の施工ステップ(3段目掘削完了時) ■土圧条件の設定 ② 凍上後の施工ステップ(3段目プレロード後) ■凍上荷重の設定. 増打グランドアンカーの設計と施工. 予測解析. 緊急対策工により、一時的に土留壁の変状は緩和されたが、. アンカー補強時の施工ステップ における予測解析を実施し、 補強アンカーの仕様を決定. 計測値(変位・アンカー荷重) と整合性があるか?. 以降の施工の安全を確保するため、長期的な対策としてグラン. 図-4. ドアンカーの増打(以下、増打アンカー)を実施した。図-4. 解析フロー 実測値(凍上後:1/25) 解析値(凍上後:1/25) 実測値(3段目掘削完了後:1/8) 解析値(3段目掘削完了後:1/8). に解析フローを示す。 逆解析. 逆解析. (1) 逆解析(現状解析). (EL) 228.0. 10 kN/㎡. 結果(図-5 参照)から、腹起し 2 段目以深は土圧が生じてい. 224.0 0 kN/㎡. った。凍上荷重は、 「凍結による影響期間(1/8~1/25 の 17 日間)」 の土留変位を凍上荷重によるものとみなし、三角形分布で作用 すると仮定のうえ、土圧設定時と同様、腹起し 2 段目アンカー. 2段目アンカー反力(kN) 実測/解析=166/166. 222.0. +. ないものと仮定し、腹起し 2 段目以浅の側圧のみを作用させ、 腹起し 2 段目のアンカー反力の計測結果と解析結果の整合を図. 1段目アンカー反力(kN) 実測/解析=256/305. 226.0. 土圧の設定は、腹起し 3 段目の掘削完了時(凍上前)の計測 25 kN/㎡. 220.0 218.0. 3段目アンカー反力(kN) 実測/解析=169/180. 216.0 60.0 kN/㎡ 凍上荷重. 岩盤ライン:EL215.2 214.0 212.0. 凍結により 三角形分布と仮定 自立していると想定. 図-5. 210.0 -60 -40 -20 0. 20 40. 60 (mm). 逆解析時の計測結果および解析結果. 反力の整合を図った。なお、以降の予測解析では、現状解析の 「凍結による影響期間」の日数(17 日間)および凍上荷重 (60kN/㎡)を基準値として検討を行った。 (2) 予測解析 解析は、採暖養生により凍上荷重が一度除荷されたもの. 表-1 凍上荷重 増分期間 2/1~2/7 ステップ1 7日間 2/8~3/1 ステップ2 21日間 3/2~3/30 ステップ3 28日間. 解析条件. 凍上基準日数・荷重. 0.4 60kN/㎡×0.4=24kN/㎡ (7日間/17日間) 1.25 60kN/㎡×1.25=75kN/㎡ (21日間/17日間) 1.65 60kN/㎡×1.65=99kN/㎡ (28日間/17日間) ※凍上基準荷重は、凍上基準期間の変位増分から設定. 1/8~1/25 17日間 60kN/㎡ ※. とし、以降の施工工程では、経過日数に比例して凍上荷重 が作用するものと仮定した。検討期間は平均気温がマイナスで推移する 2. テップ 3)における荷重増分比率(経過日数/基準期間(17 日間))と凍. 土圧. 変電所側. 月~3 月下旬とした。解析では、腹起し 2 段目増打アンカー施工時(ステ ップ 1) 、1 段目増打アンカー施工時(ステップ 2)および最終掘削時(ス. 凍上による増分荷重 (基準荷重×荷重増分比率). 荷重増分比率. EL227.000. アンカ. 1段 腹起し. 目増打. 腹起. ー. 増打 し2段目. 押え盛土. アンカ. ▽ EL221.5m. ー. 増分荷重 ▽ EL216.5m. 上基準荷重(60kN/㎡)の積により算出した荷重を各ステップ時の増分荷 重として作用させた。表-1 に解析条件、図-6 に最終掘削時の解析モデ ルのイメージ図を示す。. (kN/㎡). 99. 75. 24. EL212.400. ステップ 3 ステップ 2 ステップ 1. (3) 増打アンカーの施工と対策効果. 図-6. EL208.500. 解析モデルイメージ. 施工は、変電所側、事務所側の順で実施した。押え盛土を足場とし、 盛土範囲. 腹起し 2 段目の増打ちを行った後、盛土上に単管足場を設置のうえ、. 単管足場範囲 大型土のう設置箇所. 腹起し 1 段目を施工した(図-7 参照) 。増打アンカーの施工後、変. 増打グランドアンカー EL 216.2 m. 位および荷重は減尐傾向を示し、以降、掘削から躯体構築まで土留壁. 4.. 19,147. EL 221.5 m. EL 218.7 m. 13,000 3,360. 優先目的とし、荷重条件や解析モデルはある程度大胆に仮定した。. 21,900. 今回の凍上対策では、工事の早期再開と再開後の工事の安全確保を. 24,960. 13,500. の挙動に異常はなく、安全に施工を完了した。. おわりに. 3,785. 平成 27 年 3 月現在の総合進捗率は 52%であり、平成 28 年 1 月の. 変電所側. 事務所側. 運転開始を無事故・無災害で迎えることを目指して工事を進めていく 所存である。. 図-7. ‑1584‑. 増打グランドアンカーの施工概要.

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