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(1)

雷・スプライトによる対流圏から電離圏までの結合

-

理論

[

講演: 平木康隆  (京都大学エネルギー科学研究科) ]

京都大学エネルギー科学研究科  平木康隆

1

雷・スプライトにおける結合とは?

本講演の依頼を受けたのは、筆者がちょうど ” 磁気圏電離圏結合 ”のモデルを構想し始めたこと もあり、”結合 ”とは何かというのを考えてみた くなったからだ。結合といったときに意図される のは、系と系の接触(contact)、あるいは、ものと もの(場でもよい)との相互作用(interaction)で あろう∗1。しかし、今日使われる ”結合 ”には単 にある領域から別な領域への一方的なエネルギー や物質の輸送を意味する場合があり、我々の雷と スプライトにおけるものもそれである∗2。我々が 興味ある対象を説明するレベルでは、この理解で 事足りてしまうのだ。この原因は、雷のいる対流 圏とスプライトのいる下部電離圏が独立に太陽光 という圧倒的な熱浴と接していることと、中性粒 子の圧倒的な気圧差のせいで磁力線や電磁場を介 したやりとりが互いの系においてマクロレベルま 平成19年度MTI研究会 サイエンスセッション c

° Mesosphere Thermosphere Ionosphere (MTI)

Research Group, Japan

∗1接触は、敷居をはずされた熱力学系をイメージしても、 磁力線を介して ”弱く ”接触している(場の量をやりとりし ている)磁気圏と電離圏でもよい。相互作用は、プラズマ と中性粒子の衝突や化学反応でよい。 ∗2こういう価値観が悪いと言っているわけでなく、世の中 がそれだけ安定だと言っているのである。例えば、電子が 多少オーロラを光らせたりイオンが多少流出したりしても、 電離圏の本質的状態は大きく変わらない。変わってしまう ほど強く接触しては、やがて磁気圏と区別がつかなくなる だろう(この可能性も否定できないが)。しかし、ミクロ過 程に起因した永年項のようにスケール間を ”つなげて ”しま うややこしい相互作用が存在することは補足しておきたい。 で浮上してこないことにある。 しかしながら、全く悲観することではなく、面 白くて未解決な問題は雷・スプライトの系にたく さん残っていると考えて頂きたい。その中でも、 筆者が興味をもち深く関わっている問題を、以下 の章でなるべく詳しく紹介したい。未解決な点を はじめに列挙しておくと、(1)発生条件の制御: 雷 からスプライトへ、発生条件を支配するパラメー タは何か(2章)、(2)構造形成の物理: カラム型 やキャロット型などの形の違いを支配しているも のは何か(3章)、(3)集団現象・発達限界: 密集し た放電路同士の相互作用はあるか、スプライトの 上下端の発達限界は何で決まるか(2, 3章)、(4) グローバルな価値: 雷-スプライトの鉛直結合と スプライトの水平結合の関連はあるか、相転移の 可能性(4章)、といったところである。

2

雷パラメータによるスプライトの

発生条件の規定

ここでは、なぜ雷放電に伴ってスプライトが発 生するのかを考えてみたい。これは電磁場の結合 というより、静電場の生成というシンプルな理屈 だけで説明できてしまうのだ。さらに重要なこと は、その理屈が測定可能なパラメータを含んで構 成されており、実際に観測事実と十分整合する点 である∗3。なるべく直感的な説明を心がけ、後半 ∗3余すところなく整合する必要はない。なぜなら、理論の 主目的は、本質だけをうまく抽出することにあるのだから。

(2)

で数式を用いて記述する。観測との対応、個人的 な疑問点などは随所ではさむことにする。 筆者が今でもよく覚えているのは、あるアマ チュア天文家の方が述べた「雷雲の蓄えていたエ ネルギーが放出されて発生するのに、なぜ上から 下に伝播する ”ものもある ”のだろう」という言 葉である。この注目に値する疑問は、物質主義の 立場にたったものである。我々は ”場 ”の概念を 真剣に考えないといけない。つまり、雷雲に電荷 が生まれれば(そして地面が導体であることを認 めれば)、ほぼ瞬時に(遠方で)距離の三乗で減 衰する電場が存在する。そして、スプライトは ” 余すところなく上から下にしか ”発達しない。確 かに、”ほぼ瞬時に存在する ”というのは言い過ぎ であり、静電場ができるには電磁波が少なくとも 一回そこを通過する必要がある;電磁波が下部電 離圏に到達するにも200 µs程度かかる。しかし、 これはトリガとなる雷放電の継続時間が極めて0 に近いときである。実際は、大量の電荷が消費さ れるためには、1 ms程度必要とされる∗4。従っ て、我々が注目する場は、雷の時間スケールと比 べるなら、瞬間的に存在するとみなしてもよさそ うだ。上から開始することを説明する上で、もう 一つ重要な事実がある。それは、中性大気が成層 し、その密度がほぼあるスケールでexponential に減衰している点である。自明なことだが、この ため、太陽紫外線による光イオン化は上空でしか 起こらないし、80 km以下では電子は分子に付着 してしまう。さらに、そのような状況下では、電 子が加速を受けて、分子をイオン化させるエネル ギーを得るのに必要な電場は上空ほど小さくてよ い。雷雲中に電荷ができれば、その瞬間に(上空 ほどたくさんある)自由電子が大気を電離させ、 雷雲から大きく隔たった高度に突然スプライトの 種を作るだろう。しかしこれだけでは、”なぜ下に 発達するか ”という点をまだ説明できていない。 これは、”なぜ雷放電が起こった直後にしか観測 されないのか∗5”という疑問とも関連している。 ∗4例として、雷のステップリーダの速度は≈ 107 m/sで、 10 km進むのにも1 msかかる。 ∗5起こらない、とほぼ同義だと捉えて頂きたい。 この辺から数式を持ち出した方がわかりやす い。まず、上で述べたまどろっこしい文章を数式 で表す。大気の電離により電子が増幅する基準と なる絶縁破壊電場はEk ∼ N = e−z/Hn とかけ る∗6; N , Hn: 中性大気密度とスケールハイト, z: 高度。この電場が高度の指数関数で急激に減少す るのに対し、雷雲中の点電荷が作る電場は高度の 三乗で緩やかに減少するので、ある高度(ちょう ど中間圏界面付近)で必ず交わり、そこで放電が 生じる(図1参照)。ここで必要なのは、大気が わずかながら電離しているという点である。つま り、電場が外からかかったときに、ある程度の時 間でそれを打ち消すような分極が生じ、ほぼ0に まで遮蔽してしまう∗7。定常状態で鉛直一次元を 考えると、電場は ∂tρ +∇ · (σE) = 0 → E ∼ σ−1 となる。このσは電気伝導度を表し、十分上空で はσ ≈ σe ∼ e(1/He+1/Hn)zとかける(詳しくは4 章(5)式参照)。つまり、電場は高度と伴に強烈 に減衰した分布になる。このため幸いなことに、 雷雲があるだけではスプライトが発生するという 不安定な状況にはならないのだ。なぜなら、雷雲 が電荷を作る時間は上空で ”ふたをする ”時間に 比べれば十分大きいからである。では、なぜ雷放 電の直後になるか。ここで、上の式を別な表記で かくと、 E H z3(1− 1) + O(ε) (1) とみることができる; Hは電気双極子モーメント。 つまり、完全な真空中なら雷雲電荷による第一項 だけだが、上の遮蔽効果により第二項ができて、 ∼ σ−1∼ O(ε)程度の弱い場(第三項)だけが残 る; 第二、三項が大気中の電荷が作る場を表す。 ∗6は比例関係を表す。ここで、比例定数は地上での値 Ek0/N0である。中性大気の構成成分が何であるかにより、 この値は数倍程度異なる;例えば、希ガスは電離しにくいな ど。偶然にも100 km以下では、N2:O2= 8 : 2というのは 覆らないので、定数としてよい。ちなみに、この電場が気 体密度に比例するのは、電子の平均自由行程(N σ)−1に由 来する。 ∗7感覚的にはデバイ遮蔽に近いが、プラズマの温度がス ケールを支配するわけでない点が違う。

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E

E

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 101 102 103 104 105 106 altitude, km electric field, V/m

breakdown

図 1: スプライトの要因となる電場が生成するメカニズム。雷雲中に(正)電荷があるだけでは、分極(負電荷) が生じるため、上空に大きな電場は存在できない。しかし、雷放電により正電荷が取り除かれると、その近傍に 集まっていた大気電荷により、上空に大きな電場 E ができる(左図)。この電場はほぼ高度の3乗で減衰するが、 放電の指標となる絶縁破壊電場に比べると緩やかなため、ある高度から放電が開始する(右図)。 雷放電とは、基本的に雷雲内部の電荷が除去され る過程なので、第一項はある時間スケールT で なくなる。すると、過渡的にではあるが、強烈な −1の場(第二項)が残る。これは上空の電子に とってみれば(第一項と同程度に)強い場となる ため、スプライトの源になると言える∗8。 しかし、まだおしまいではなくて、先ほど ”過 渡的 ”と述べた点を考察する必要がある。雷放 電時間も有限であるため、その最中にも高高度 から徐々に電場の遮蔽が起きてしまう。上の電荷 保存式の消滅項から、この遮蔽の時間スケール はε0である。雷放電時間T が大き過ぎると 新しい電場も遮蔽され、スプライトは発生でき なくなる(本も子もなくなる)だろう。つまり、 T ≈ ε0の関係を満たす高度より上空では、強 い電場がなくなるはずだ。一方で、上記の第二項 がHに比例するため、Hを適度に(現実的な範囲 で)大きくすると、現実的な高度で必ずE > Ek となり放電を起こせそうだ(図2参照)。この放 電を起こせるか起こせないかの臨界点において、 T ∼ ε0/σ∼ e−(1/He+1/Hn)z, H ∼ Ek∼ e−z/Hn、 ∗8あまりうまい例えではないが、ぐつぐつ煮えた鍋にふた がしてあって、その中身を瞬時に食い尽くしてやると、 そ の上側の水蒸気がぐつぐつ煮え始めた、といった感じだろ う。 すなわち、 T ∼ H(He+Hn)/He (2) の関係が成り立つ。この関係式は、雷パラメータ をどのように選べばスプライトが発生するかの目 安になっている。さらに重要なのは、それらのパ ラメータが測定可能であるということだ。He(夜 間), Hnはそれほど大きく変化しない((He+ Hn)/He≈ 2–3)ので、再現性もよいように思え る。ともかく、大気中のプラズマの遮蔽効果は、 スプライトの発生が雷の直後に限定され、かつ、 電場がすでに存在しない上方に発達できない要因 と言える;この事実が逆に上の理屈を支えている。 また、以下の時間スケールの安定性に支えられて いると言える。 Tem, Tel¿ T ∼ ε0/σ(zcr)¿ Tth Temは電磁波の伝播するスケール、Telは局所的 な電子の応答する(エネルギー分布の緩和や電子 なだれの成長∗9)スケール、Tthは雷雲内部での 電荷生成のスケール、zcrはスプライトが開始す ∗9微妙な指摘を以前に受けたことがある。我々はここで 終始、絶縁破壊電場より大きい電場がかかれば必ずスプラ イトが発生するという前提で議論を行った。しかし、そう いう電場がかかったとしても、電子増幅が成長する前に電 場が遮蔽されれば、大きな放電に至れないのではないかと。 幸運なことに、高度90 km以下ではTel¿ ε0の仮定は

(4)

Electric field E

E

k z

i. field relaxation

ii iii Electric field E

E

k z

i. field relaxation

ii iii

t

r

(z) < T

図 2: スプライト発生の臨界レベル。適当に雷放電の電 荷モーメント H と放電時間 T を選んだときの電場(水 色の実線と点線)と絶縁破壊電場(緑)の高度分布を表 す。前者は、大気電荷による遮蔽を受け、ε0/σ(z) < T の高度で強烈に減衰する (i)。実線の例に比べ、T を 大きくすれば ii のように変位するが、同時に H を大 きくしてやれば (iii) 少し低い高度で絶縁破壊を起こ せる。 る常識的高度(70–90 km)である。このような神 秘的な偶然を地球大気は許容したのだ。他の惑星 でも同様な環境が実現可能かどうかを検討するの は、未来への課題にしたい。

観測事実との対応

最後に、以上の考察で得られた関係式がどのよ うな観測を説明し、同時にそれらに支えられてい るかを述べて、この章を終わりにしたい。 まずは、スプライトが主に対地性かつ正極性雷 に伴って発生する事例が大変多い点である。これ は雷雲内部の電荷分布によるもので、正電荷は (氷の物性のため)高高度に多く存在すると言わ れている。また、詳しくはわからないが、正電荷 の方が一回の放電で大量に消費されるようだ。こ の場合スプライトが発生しやすいのは、電荷モー メントHが大きい(大きな電場が作られる)から である。上でも述べたように、雷放電の際に発生 する電波を観測することによってHが測定でき 十分妥当である。本音では、このような ”ぎりぎりの世界 ” を測定する分解能を我々がもち得ないことに助けられてい るとも言えるが。 10-5 10-4 10-3 10-2 100 1000 discharge time T , s charge moment H, C km

electrostatic limit

No sprite Halo Streamer 図 3: 雷パラメータである電荷モーメント H と放電時 間 T に対するスプライトの発生条件。二つの赤い直線 は (2) 式を表す; 適当に比例係数を選んでいる(一方 がヘイローの、他方がストリーマ構造の発生基準値)。 T ' 100 µs は静電近似のリミットを表し、それと赤 線の交点付近の H が測定最小値とよく対応している。 この図が 4 章の研究のベースにもなっている。 る。精度のよい解析で測定されたこの最小値(e.g.

Cummer and Lyons, 2005)は400-600 C km程 度であり、本章の理屈で説明できるものであった (Hiraki and Fukunishi, 2006,図3参照)。大気中

の電荷による遮蔽効果がない場合でもH ≈ 100 C km程度であるので、これより小さい値にはな らないはずだ∗10。 次に、(2)式T ∼ H2が意味するのは、放電時 間T が大きくなるほど、より大きな電荷を消費 しないとスプライトは発生しないということであ る。「T が大きいほど、より多くの電荷を消費で きる」と誤解しないで頂きたい;あくまで電気伝 導性という電離圏の応答で物事が決まっているの だ。この関係は、過去の観測でスプライトの発生 (detect)確率がHによい相関を示す事実により、 裏付けられている。 補足: 大きいHのとき、より 広範なTに対して発生できる。上の「」の点は、 他の重要な仮説を導く。これまでの観測で、スプ ライトは主にreturn strokeと呼ばれる時定数の 短い(1 ms程度)過程に伴うものと、それに後続 ∗10しかし、「在りうる、理論がおかしい」と言う物好きな 人が世の中にいるのも事実だ。

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するcontinuing current (up to 100 ms)に伴うも のが見つかっている。後者の解釈として、弱いな がらも電流が流れ続けるため、そのうち電荷モー メントが臨界レベルに達して発生するという人も いる。しかしこれまで見たように、上空からかな りの強さで ”ふた ”をされているので、如何に長 時間弱い電流を流しても、無理なものは無理であ る。実際はそうではなく、弱い電流の中にパルス 的な強い成分(古くからM-componentとして知 られる)が存在し、それをトリガとして発生して いると考えるべきである。この予想は、Ohkubo et al. (2005)によって実証されている。理論の勝 利といえないだろうか。

3

現象論的に理解するスプライトの

構造形成

前章の研究は、スプライトが発生するかしない かを雷パラメータにより判断するものであった。 しかしそれだけでは、開始した放電がどのような 形を作りどこまで発達できるかを見る上で、完全 だと言えない(確かに、絶縁破壊と分子励起・光 放射の臨界点は異なるので、上の理屈でも構造が できるかできないかを判断することはできる)。 ここでは、この現象における最大の未解決問題で ある「カラムやキャロットなどの形がどのように 作られるか、何がそれらを隔てるのか」を解明す る糸口を探ってみたい。では、上で求めた雷電場 の議論がこの問題と全く関係ないかというと、そ うでもない。放電とは一般に外から与えられた電 場の中を走っていくものだから、その空間分布が 形に影響を与えるのは明らかであろう∗11。スプラ イトは、下方に伝播するにつれてどんどん枝分れ した微細構造を形成するが、これはある程度自身 の非線型性によるもので、確率論的な扱いが必要 かもしれない(e.g. Pasko et al., 2000; Hayakawa ∗11構造とは一般に、強烈なエネルギー入力(それによる非 線型効果の表面化)と広義な意味での散逸との釣合いによ り形成される。今の場合、その入力に対応するものが、雷 電場である。 et al., 2007)。しかし、もう少し ”荒い ”スケー ルのダイナミクスを見る上では、決定論・現象論 的なアプローチが可能だと思われる∗12。筆者は これまでの研究で、以上の二点–現象論と雷電場 依存論– に基づいて考察を進める中で、カラム-キャロットモデルの仮説を打ち立てることができ た。ここでは、この内容を詳しく紹介したい。 筆者が最も刺激を受けた観測結果は、アラスカ 大等による1ms分解能のCCD高速撮像である

(Moudry et al., 2003; Cummer et al., 2006, 図4 参照)。この結果の最大の貢献は、カラム型とキャ ロット型のスプライトが依存関係にあることを明 らかにした点である。まず、捕えられたダイナミ クスの特徴について、(当然モデル化のために)縮 約して大まかな点だけを述べたい。彼らの画像か ら、まず太い枝状の放電(main branchと呼ぼう) が下方に発達し、次いで、その下部に多数に分岐 した細い枝(tendrilと呼ばれる)が発達すること がわかる。その後、main branchはその体積を拡 大させるとともに、発光も大きくなる。tendrilも さらに下へ発達し、ある程度のところで停止する; その過程でくっついたり離れたりしたところで、 ビーズ(bead)状の強い発光が長時間みられるこ ともわかっている。一方で、両者の遷移領域付近 から、新たに生成した枝(second branch)が上 向きに発達しているのもわかる。これは高度90 km(ちょうど電場が緩和される高度)付近まで 発達し、形状が散漫になり停止する(leafと呼ば れる)。以上の一連の過程の時間スケールは、お よそ5 ms程度である。ダイナミクスの要点は、

main branch→ (i) main branchの拡張& second branchの生成, (ii) tendrilの生成、と言うことが できる。 (i), (ii)の過程を端的に述べるならば、 波の反 射と透過であろう。この着想が現象論的モデルの 構想の始まりとなり、同時に ”ソリトンだろう ” という直感が生まれた。これは筆者の経験による ところが大きいが、放電のベースとなるストリー ∗12これは確信があるというより、単に ”世の中シンプルに 理解できるはずだ ”という直感に基づく。

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図 4: スプライトの構造形成。左図は、CCD カメラで撮られた時間発展を示す (Cummer et al., 2006)。まず、main branchが下方に発達し、ある高度で分岐した構造をもつ tendril に遷移する。次に、main branch, tendril の拡大 と second branch, bead の形成が起こる。

マの先端部分を「強い分極電場の孤立波」とみな せそうだ、という考察による。これらの点に基づ いて他分野を調査すると、類似した現象が水理工 学や交通流の研究に見つかった;一例として、浅 瀬をかけ上がる津波がある。現状では、これらを ヒントに定式化を図っている段階であるが、まだ 成功していない∗13。以下では、これらの現象と上 記のスプライトのダイナミクスがどのように対応 するか、またなぜ非線型波動を持ち出す必要があ るかについて考えてみたい。 浅瀬に向う浅水波ソリトンの反射・透過の問題 との類似性をみる。波がどんどん浅瀬に向かって 伝播し、自身の波高に対して水の深さが”深くな い”と感じ始めると、波の一部はさらに透過して いくものの一部は反射するということが起る。あ る種の屈折率の変化を波が感じた結果と捉えられ る。今、これを放電の伝播とみると、波高は先端 部分の分極電場(あるいは電子密度勾配)、水の深 さは背景に印加される雷電場に対応するとみなせ そうである。これで透過反射モデルのお膳立ては ほぼ完成した。まず、main branchを(初期条件 の違いにより)ある程度位相のずれたストリーマ の集団からなる(個々の波に比べて)スケールの ∗13アナロジーはつかめても、そこから数理のレベルに一 歩踏み込むのは難しい。しかし、このフェーズの思索は楽 しい。 大きい包絡波と捉える。個々の波の波高を増大さ せる過程は、電離に伴う局所的な電子の供給であ る。前にみたように、雷電場(∼ H/z3)はもとも と絶縁破壊電場(∼ exp(−z/Hn))に対して勾配を もっており、これを ”水深変化 ”と考えよう。従っ て、main branchは勾配を感じながら発達し、あ るところでその一部の波を反射してしまう、と考 えてよさそうである。しかし、まだ二つ問題があ る。一つは、何がその勾配を大きく変化させるか; あるイベントではカラムで止まり、別な場合キャ ロットになるという事実から、それは外的な条件 で決まっているはずだ。もう一つは、”反射する 一部の波 ”とは具体的に何なのかであるが、これ は後ほど議論する。ここで、もう一つ飛躍的仮説 が必要である。それは、雷放電の際に消費される 電荷の水平スケールが大きな ”水深変化 ”をもた らすかもしれない、というものである。なぜ水平 かというと、雷雲のスケールは鉛直方向に高々10 km程度であるのに対して、水平方向には数百km に及ぶものもあるからである。また、生成する電 場分布はほぼ消費電荷を真空中においた分布と等 しい((1)式参照)ことから、水平方向に広範な領 域で電荷消費がなされた場合、それはz3より緩 やかに減衰するはずだ∗14。従って、カラム、キャ ∗14静電力学の基礎参照。上空に伝導性があるので、こんな

(7)

ロットの違いは親玉である雷放電の水平スケール に基づく、という仮説が立てられた。我々の考察 の重要な点は、(原理的に観測不可能な)電場分布 がどうなっているかを知ることなく、理論を構成 した点である。今日においてVHF帯の電波放射 測定により、雷放電の水平スケールを推測するこ とができる。実際、雲内活動が活発なときにカラ ムに比べキャロットが発生しやすいという結果も 得られている(van der Velde et al., 2006)。また、 東北大や(注目すべきことに)高校生らの観測に よる「日本海側でカラム型が多く、太平洋側では キャロット型が多い」という標語的な結果も重要 なヒントになると思われる。 最後に、なぜ非線型波動を持ち出す必要がある かを述べたい。一言で言えば、波のスケール間相 互作用により反射が起こると考えられるからであ る。大域的な電場の勾配が緩やかなとき、main branchを構成する個々のストリーマは、それを を感じずにただ下方に透過するだけである。しか し、この勾配がある程度急になったとき、全体を 構成する包絡波がこの勾配を感じ、その影響が非 線型相互作用を通して個々のストリーマに伝わり その一部を反射させる、と考えることができる。 最終的にできあがるカラムの長さは、この相互作 用の成長率にとってちょうどよい位相をもつ包絡 波が形成されるまでのスケールを表すとみなせ そうだ。あとは以上の仮説を定式化すれば、スプ ライト最大の問題に迫れるのでないかと考えてい る。発展的課題として、main branch方向に伝播 する反射波とsecond branch方向の波の割合が何 で決まるか、また、透過するtendrilの発達限界 は従来の放電の知見で説明できるものか∗15、の 二点が挙げられる。以上のように、一見ここでも 理論の勝利と思われるが、批判的な立場からする と「単にmain branch-tendril遷移より上空に電 場が存在し、逆極性のストリーマが発達しただけ 理想的な電場分布になるはずがない、という反論があるか もしれない。しかし、現実の系はある程度大雑把な電場解 析でも理解できる安定した構造をもっていると思いたい。 ∗15筆者の見積もりによると、背景電場で予測される限界 より10 km近く下方まで発達しており、ストリーマ同士の 相互作用が関係してくれば興味深い問題であろう。 ではないか」という主張が可能であるのを補足し ておきたい∗16。 従来の研究との対応でもう一点だけ考察してお きたい。それは、雷放射電波がカラムの発生・発達 に本質的な影響を果たしてるか、という問題であ る。時間スケールから考えて電波が重要なのは、 main branchが観測されるレベルに成長するまで であろう。筆者は、このフェーズですらそれほど 主要な役割を果たしていないと考えている。なぜ なら、ストリーマが下方に発達するためにはどち らにしろ静電場が必須だからである。確かに観測 では、ヘイローの縁の部分からリング状に並んで カラムが発生する事例が見られ、電波起源のエル ブスを思わせる。しかし、ヘイローの縁の部分で は強いイオン化が進行し、いち早くストリーマが 成長しただけだと考えて何の不都合があろう。ち なみに、ここでいう電波とは、一つの雷放電で放 射される一波長程度のものを考えている。ある位 置を通過する時間スケールは数十マイクロ秒程度 で、放電が駆動されるまでの時間スケールに比べ て圧倒的に小さい点も補足したい。しかしながら、 局所的な電子密度ゆらぎが測定レベルの放電に至 るまでにどのような秩序があるかというのは、大 変興味深い問題である。

4

相転移でみるスプライトの構造遷

先にみたように、スプライトは局所的な電子な だれ状態によるヘイローとプラズマの分極電場に より駆動されるストリーマ(カラムやキャロット) に分けられる。また、雷起源の電場がかかったに も関わらず、電子を十分∗17加速できずに何もない 場合もある(図3と5参照)。これらを孤立した平 衡状態とみなすと、その状態間遷移は雷パラメー タを ”熱力学 ”変数とする相転移現象と捉えるこ ∗16実際のところ「上空に電場が存在すればよい」という説 を完全に否定することはできない。波の反射だったら面白 い、という筆者の固執した先入観によるところが大きい。 ∗17観測可能な光を出すのに十分な。

(8)

electron

field E

T

H

No sprite

Halo

Structured

critical point

T

c

H

c 図 5: 雷パラメータによるスプライトの形状の分類と相転移の可能性。緑線左側では、発光を起こす程度に電子が 加速されず、何も起こらない (No sprite)。緑と青の間では、電子なだれが十分進行しないまでも、観測される規 模の発光が生じる (Halo); その右側では、ストリーマ構造の形成に至る (Structured)。青線左側では電子の酸素分 子付着が進行し、大きな T ≥ Tcrに対して ne→ 0 となるため、Halo が発生できなくなる (critical point)。この

近傍では、反電場方向に運動する電子の総数が大きく変化し、相転移が起こることが期待される(右図)。大きい 球は電子の衝突相手である中性粒子を表す。 とができるかもしれない。この場合、相転移の指 標になる秩序パラメータとして発光強度mを選 ぶならば、(i)スプライトがない場合、m = 0、(ii) ヘイローと(iii)ストリーマ構造ではm6= 0とな る。また、これまでの理論的な考察により、mは 雷パラメータである電荷モーメントHと放電時 間T に依存するとしよう∗18。 このような前提で、以下では著者が現在まで に行った解析(めいたもの)について紹介した い。目標は、臨界点(Tcr, Hcr)近傍で何もない状 態(T > Tcr, H > Hcr)からヘイローの状態に向 けてT → Tcrとしたとき、発光強度mT の何 次のオーダで発散するかを示す ”臨界指数 ”を導 出し、それを相転移を示す他の物質の値と比較す ることである。さらに、ヘルムホルツの自由エネ ルギーの導出を試み、世界規模で発生するスプラ イトを特徴づける関数として活用することを目指 している。 では、主に静電力学だけの知識を仮定して、発 ∗18磁性体を意識して、表記をわざと磁化m、磁場H、温T に対応するようにとった。また、ストリーマ構造を議 論する場合、さらなる変数として、雷雲電荷の水平スケー ルなども持ち出さないといけない。 光強度mを直接導出してみよう。ヘイローの形 状は本来楕円形であるが、下端上端の高度をそれ ぞれz1,2とし、半径r1とする円柱状であるとみ なす;雷雲の消費点電荷のある高度と水平位置を 基準点にとり、これらを定義する(図6参照)。 z1は、この消費電荷により生成する電場と絶縁破 壊電場との交点と考えられる。z2は、さらに上空 において、放電時間T がその高度の電場の緩和 時間と等しくなる位置に対応するとみなせる∗19。 まず、雷電場はある位置(r, z)において E = H 2πε0 1 + 3 cos2θ (z2+ r2)3/2 = H 2πε0 4z2+ r2 (z2+ r2)2 (3) とかける。r = 0として、上の電場が絶縁破壊電 場Ek= E0e−z/Hnに等しいとすると、 H πε0z13 = E0e−z1/Hn z1 ≈ −Hnln ( H πε0z1,03 E0 ) z1 ≈ − ln HHn+ const (4) ∗19マクロな現象の主要な特性は、ミクロな詳細に影響され ないというある種の ”くりこみ ”の考え方に基づいている。

(9)

z

1

z

2

r

Halo

E

E

k

z

1

z

2 1 図 6: Halo-No sprite 間の相転移を扱う上でのヘイローの単純モデル。右図は、予想される電場分布 E を表し、絶 縁破壊電場 Ekとの交点を z1、強く緩和(減衰)するところを z2と定義する。それぞれがヘイローの下端、上端 に対応すると仮定する。 と求まる。ここで、ln z1の変化は緩やかであると して定数とみなした。次に、z2は ε0 σ = T → ene(z2e(z2) = ε0 T → z2= HeHn He+ Hn ln ( ε 0 σ0T ) → z2=− ln T HeHn He+Hn + const (5) と求まる。ここで、σ = eneµe は電気伝導度 で、対象高度では電子成分が支配的であるとし た; ne(z) = ne0ez/He, µe(z) = µe0ez/Hn∗20。これ らより、ヘイローの厚さZ = z2− z1は Z = Hnln HT− He He+Hn + const ≈ Hnln HT− 1 2 + const と表せる; He/(He+ Hn)≈ 1/2。ここで、Z ≥ 0 には注意しておく必要があるだろう。最後に、r1 を求めるわけだが、さらに二つ近似を行う。z2は ヘイローの上端高度であるとともに、発光強度の ピークにも対応している。よって一つ目として、 ほとんどの発光の寄与がこの付近からくるとみな して、E(z2, r) = Ekなる位置をr1とする。もう 一つとして、r21 ' z22 ¿ 4z22という近似を行う。 ∗202章では注意なく用いたが、易動度µ eは電子の平均 自由行程に関連するマクロ量である。今の場合、系が中性 密度N ∼ e−z/Hnに線型であるため、µ e∼ N−1と表され る。 しかし、後者はくりこみの立場からしてもあまり よくない近似であるのだが。これらの下で、 H 2πε0 √ 4z2(T )2+ r12 (z2(T )2+ r12)2 = b(T ) b(T ) = E0e−z2(T )/Hn → r2 1 = √ H πε0 z2(T ) b(T ) − z2(T ) 2 (6) と求まる。 このようにしてようやく、発光強度m(T, H)m(T, H) =z2(T ) z1(H) k(E/N )neN dz· πr21 = const· r1(T, H)2 ∫ z2(T ) z1(H) ecz−νattTdz c = 1 He 1 Hn = const· r1(T, H)2ecZ(T,H)−νattT (7) と求まる。ここで、k(E/N )は光放射(励起)係 数を表し、注目する電場の範囲でほぼ定数である とした。また、念のため、酸素分子への電子付着 による電子密度の減少分e−νattT を考慮した; かし、今の場合、十分小さいTの範囲を議論して いるので漸近的に0になる項o(ε)である∗21∗21(5)式でz 2を導くときは暗に無視した。これもミクロ・

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で は 、長々と 計 算 し て 求 まった 発 光 強 度 m(T, H)が、臨界点(Tcr, Hcr) 近傍で不連続に なる ”臨界現象 ”がみられるかどうかを考察し たい。Hを一定にしたまま、TT > Tcr(今 の場合、T > 0∗22)の領域から小さくしていく と、z2 ∝ Hnln T−1/2が発散することがわかる。 つまり、 T → 0 のときecZ → ∞ 同様に、ある程度大きいHのところでez2/Hn z22より増加率が大きくなるため、r12も大きくな り、このときm(T, H)m→ ∞となりそうだ。 しかし、Hがそれほど大きくないとき、r12が負に なる場合もありそうだ。この付近が臨界点と考え られそうである。このように面白い感じになって きたのだが、現在までの解析はここまでである。 今後の展開を期待して頂きたい。 最後に、相転移の統計力学で用いられる標準的 なアプローチを簡単に説明したい;今後の課題と 受け取って頂きたい。主要なものとして、平均場 近似と長距離相互作用モデルがある(詳しくは、 Tasaki, 2007)。前者では、個々の物質同士の相 互作用ポテンシャルをある注目したスピン変数 σ0だけを用いて表し、ハミルトニアンを0 = −(Jz=2d i=1 σi0H)σ0 =−(zJψ+µ0H)σ0と近 似できるところを出発点とする。d: 次元、µ0H: 外部磁場の強さで、Jは交換相互作用定数で強磁 性体の場合は正値をとる。これを基にカノニカル 分布を仮定して得られるσ0の平均値がψに等しい という条件から、ψ = tanh(βzJ ψ+βµ0H)なるセ ルフコンシステント方程式が得られる。この関係 式を臨界点β = βmf = 1/zJ(逆温度)近傍で解析 することにより、磁化m(β, H)の相転移が起こる ことが示される。長距離相互作用モデルでは、先 マクロの問題であるが、大域的な電場の緩和時間は大域的 な(背景の)電子密度で定義されるはずだという直感に基 づく。 ∗22本来ならT → T crでmが発散するべきであるが、この 手の単純な解析では(光学観測の測定限界から規定される) Tcrを理論に含めることは困難である。統計力学におけるイ ジング模型でも、臨界温度TcrでなくT → 0のとき相転移 に至るような定式化がまずなされた。 ほどと異なりすべてのスピンの相互作用をまじめ に考えるわけだが、総和Ψ =∑Ni=1σiにおけるN が十分大きいことを利用して分配関数を導出する。 分配関数が積分形で導出され、その核部の最大値 を用いて自由エネルギーを導出する;これは経路 積分における半古典近似的なものであり、ルジャ ンドル変換fLR(β, H) = min −1≤ψ≤1{ ˜f (β, H)− µ0Hψ} (ψ = Ψ/N)が自然に出てくる。この自由 エネルギーの{}部の最小値条件から平均場と全 く同じセルフコンシステント方程式が導かれ、相 転移の解析ができる。筆者の今後の目標は、上で 求めたヘイローに対するm(T, H)を導くような ハミルトニアン、あるいは自由エネルギーF の 表式を導出することである。平衡統計・熱力学に おいて最もパワフルな性質であるF(当然、発光 強度mにも反映されるべき)の示量性、示強性、 相加性などを意識しながら、解析を行っていきた いと考えている。

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最後に

長々と書いてきたが、スプライト一つとってみ てもどういう物理を用いて”切り出す”かによって その多彩な色合いが見えてくるということを強く 主張したい。今回紹介しなかった化学反応という 側面でも未解明な問題がある。この一見人が「何 じゃそりゃ」と言いそうなテーマを選んだのは、 偶然によるところが大きい。強いて言えば、僕が 研究室に入ったとき、オーロラや大気をやってい た方が多く「”かぶる”からやめよう」というのが きっかけだ。また、現在痛感していることとして (自然現象全般に言えることだが)、記述すべき道 具と知識が圧倒的に不足している点に気づかされ る。同時に、数理物理屋が黒板にかりかりやって 議論している様を見れば、圧倒的な劣等感を感じ るようになった。この言葉にならないギャップや 劣等感、あるいは、世の中何とかしないといけな いという感覚、それらの芽生えが研究の始まりで あり、駆動源になっているのかもしれない。少な くとも僕は昔以上に、ある程度の緊張感の基で楽

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しく研究できるようになった気がしている。理論 屋にとって、理論とは単なる現実(事実)の記録 のためでなく、本質の抽出のためにあり、逆に現 実とはそれを補うための脇役にしか過ぎないこと を主張して、本稿を終わりたい。

参考文献

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田崎晴明, 統計力学, http://www.gakushuin.ac. jp/881791/d/, 2007.

図 4: スプライトの構造形成。左図は、CCD カメラで撮られた時間発展を示す (Cummer et al., 2006)。まず、main branch が下方に発達し、ある高度で分岐した構造をもつ tendril に遷移する。次に、main branch, tendril の拡大 と second branch, bead の形成が起こる。

参照

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