• 検索結果がありません。

地方公共団体における景観形成の手法に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "地方公共団体における景観形成の手法に関する研究"

Copied!
60
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

地方公共団体における景観形成の手法に関する研究

日高, 圭一郎

九州大学工学研究科建築学専攻

https://doi.org/10.11501/3134857

出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

v

d

地方公共団体における 景観形成の手法に関する研究

平成10年

日高圭一郎

(4)

目 次

第1章 序論一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 1 1. 1 研究の背景と意義一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 1 1.2 研究の目的一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 2 1. 3 論文の構成一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 2 1.4 関連する既往の研究一一一一一一一一一一一一ー一一一一一一一一一一一一一一一 3 1. 4. 1 景観条例又は景観行政に関する既往の研究一一一一一一一一一一一一一一一一一 3 1.4.2 環境影響評価及び景観影響評価に関する既往の研究一一一一一一一一一一一一一 5 1.4.3 条例制度に関する既往の研究一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一6 1.4.4 観光計画に関する既往の研究一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一6 1.4.5 画像情報に関する既往の研究一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一6 1.4.6 地区レベルの安全性に関する既往の研究一一一一一一一一一一一一一一一一一一 7

第2章 地方公共団体の景観条例の枠組みとその技術基準に関する研究一一一一一一一一14 2. 1 はじめに一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一14 2. 2 景観条例の地方公共団体の事務上の分類一一一一一一一一一一一一一一一一一一一17 2. 3 景観条例規定の基本構造一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一18 2.4 景観条例における規定の効果と課題の分析一一一一一一一一一一一一一一一一一一21 2.4. 1 分析の手順一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一21 2.4.2 規定の効果と課題一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一21 2.4.3 まとめ一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一23 2. 5 太規模事前届出制度と景観影響評価制度の比較分析一一一一一一一一一一一一一-23 2.5. 1 景観条例と環境影響評価条例又は要綱の制度的位置づけの比較一一一一一一一一24 2. 5. 2 大規模事前届出制度と景観影響評価制度の枠組みと技術基準の比較一一一一一一24 2. 6 総括一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一28

第3章 観光画像情報からみた景観資源に関する研究一一一一一一一一一一一一一一一一53 3. 1 はじめに一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一53 3. 2 収集した観光情報媒体の特徴と調査項目一一一一一一一一一一一一一一一一一一一55 3.2. 1 収集した観光情報媒体一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一55 3. 2. 2 調査項目一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一55 3. 3 観光写真の特徴一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一55

(5)

3.3. 1 被写体の特徴一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一56 3. 3. 2 撮影のされ方の特徴一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一56 3. 3. 3 まとめ一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一56 3. 4 観光写真の基本特性と分類一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一57 3.4. 1 観光写真の基本特性一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一57 3.4.2 観光写真の分類一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一58 3.4.3 まとめ一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一59 3. 5 主要観光資源の視点場環境の特徴一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一60 3.5. 1 �水辺の景観』の視点場一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一60 3. 5. 2 �建築の景観』の視点場一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一60 3. 5. 3 �自然系の景観』の視点場一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一61 3. 5.4 �アミューズ、メント系の景観』の視点場一一一一一一一一一一一一一一一一一一61 3. 5. 5 まとめ一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一61 3. 6 総括一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一62

第4章 街区と街路の震災時における安全性評価に関する研究一一一一一一一一一一一一79 4. 1 はじめに一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一79 4. 2 市街地形成過程の分析一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一81 4. 3 街区と街路の安全性に関する指標の作成一一一一一一一一一一一一一一一一一一一81 4.3. 1 データの収集と分析一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一81 4. 3. 2 街区と街路の安全性に関する指標の作成一一一一一一一一一一一一一一一一一一82 4.4 街区と街路の安全性評価のケーススタディ一一一一一一一一一一一一一一一一一一83 4.4. 1 安全性評価の考え方一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一83 4.4.2 街区指標を用いた分析一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一83 4.4.3 街路指標を用いた分析一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一85 4.4.4 街区と街路の関係一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一86 4. 5 街区と街路の安全性向上策に関する考察一一一一一一一一一一一一一一一一一一一87 4.5. 1 街区と街路の安全性向上策一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一87 4. 5. 2 街区と街路の安全性に関する指標の有効性一一一一一一一一一一一一一一一一一88 4. 5. 3 景観形成と安全性向上策の関係についての考察一一一一一一一一一一一一一一一88 4. 6 総括一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一89

第5章 総括一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一105

(6)

謝辞一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一108

発表論文一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一109

(7)

第1章 序 論

(8)

第1章 序 論

1. 1 研究の背景と意義

わが国の戦後の経済成長を支えた社会経済システムは、高齢化、国際化、国民意識の多 様化等の環境変化により、経済・生産優先のシステムから国民生活重視へと移行している。

また、1977年のOECDレポート"Environment Policies in ]apan"l)において、「日本は 数多くの公害防止の戦闘を勝ち取ったが、環境の質を高める戦闘は勝利をおさめていないj との指摘がなされ、高質な環境形成の必要性が提言された。

さらに、1986年のOECDレポート日Urban Policies in Japan"2)においては、「日本の都市 の多くで、地域の環境の快適さ、調和等が欠けており、OECD諸国の水準に達してい な い。」としづ指摘も受けている。

これらの背景から地方公共団体の基本計画は、従来の経済合理性優先の計画づくりから、

快適性を重視した、計画づくりへ移行してきており、各地の地方公共団体において、様々な 快適環境形成に関わる取り組みが試みられている。具体的には、視覚的環境要素である景 観の保全や創造のための計画、自然地形や文化財、 人材などの地域固有の資源を活用した 個性的な地域づくり、自然災害や犯罪に対して、安心して暮らせる安全環境の形成等の取り 組みがあげられる。

しかしながら、快適性としづ概念は、経済合理性に基づく価値観と の比較において、多様な 価値観により構成されている。従って、快適環境の形成を目指した計画には、日愛昧さや不確 実さが含まれており、実現性、実効性において、不十分な側面をもっている。つまり、現状に おいては、一般性をもっ計画の実現は、困難であり、地方公共団体をはじめとする計画主体 は、模索しながらの取り組みを行っているのが実状である。

一方、いくつかの地方公共団体では、先駆的な試みも行われてきた。都市問題が顕著にな った昭和40年代後半以降の環境条例等の実施、さらには景観形成に関わる条例の制定、

景観形成事業等の取り組みや快適環境の形成のための努力が、積み重ねられてきた。

一般性をもつことが困難な快適環境の形成にとって、このような努力の事例を定式化して、

他の地方公共団体へ普及していくことを検討することが、求められている。

そのためには、地方公共団体が蓄積してきた快適性を考慮した施策展開の経験を収集し て、その課題を明らかにする必要がある口具体的には、地方公共団体が施行している条例が もつべき骨格とその内容、くわえて、どのように運用していくことが適当であるか、を明らかに する必要がある。

さらに、経済合理性を第ーとした時代には、全国一律の発想、で快適環境を考えることが許 されたが、今日では、地域固有の特性を配慮、した快適環境の形成が必要となっている。その ため、地域が保有する快適環境のための資源の把握の手法や資源の特徴を明らかにする必 要がある。さらには、具体の地区レベルで保有する固有の快適環境形成のための資源の効

果的な活用や、その資源を取り巻く周辺地区のあり方を考えることが重要である。

(9)

1. 2 研究の目的

本研究は、地方公共団体における景観形成のための手法を明らかにするために、第1に、

景観条例の枠組みと、その規定の中で運用実績が多い大規模建築物等事前届出制度(以 下、大規模事前届出制度という)を、環境影響評価条例又は要綱における景観影響評価制 度と比較して、大規模事前届出制度の運用上の特徴と課題を明らかにし、第2に、観光振興 に関する画像情報を分析することにより、地域の景観資源の積極的な活用のための方策を 明らかにし、第3に、これら景観資源周辺の環境整備において、安全性としづ観点も必要で あることを指摘し、景観形成と安全性の向上策との関係を明らかにすること、を目的としてい る。

1. 3 論文の構成

第1章は序論として、本研究の背景と意義、目的、論文の構成、関連の既往の研究につい て述べている。

第2章では、地方公共団体で施 行している景観条例を研究対象として、快適環境形成のた めの制度のあり方と課題を提示した。

まず、地方公共団体の事務分類の観点から、収集した景観条例を「固有事務型」と「複合 事務型」の2つに分類し、それぞれの課題を示した。次に、それぞれの事例で設けられてい る規定項目の類型化を行い、各規定項目毎の出現頻度をみることによって、景観条例の基 本的な規定構成を明らかにした。

さらに、その規定構成を基に、地方公共団体へのアンケート調査を行い、景観条例の施策 としての効果と問題点を明らかにした。

次に、景観条例による大規模事前届出制度と環境影響評価条例又は要綱における景観影 響評価制度の事例を、県、政令指定都市レベノレの地方公共団体から収集し、それらの比較 分析を行い、大規模事前届出制度の運用上の特徴と課題を明らかした。

すなわち、景観条例と環境影響評価条例又は要綱の共通点、相違点を抽出し、快適環境 形成のための制度運用のあり方と課題を提示した。両制度の共通点として、 一定規模以上の 開発行為を対象とすること、手続きの過程で第三者機関等の意見聴取を行うことなど、を明 らかにした。相違点として、景観条例が「規範的アプローチJの景観基準を作成しているのに 対し、環境影響評価条例又は要綱では、「システムズアプローチJによる技術指針を作成し ていることを明らかにした。

第3章では、地方公共団体による快適環境形成のために、観光資源として活用されている 景観の特徴とその視点場の現況、さらに、景観資源活用の方策を明らかにした。

まず、地方公共団体が観光情報として採用している景観を撮影した観光写真を素材に、数 量化田類分析を適用することにより、観光写真の基本特性は、『水辺』、『祭り』、『山・丘陵 地』、『建築』の4つの要素によって、説明できることを明らかにした。

ついで、数量化E類分析により得られたカテゴリースコアより、算定され るサンプルスコアに、

円Jι

(10)

クラスター分析を適用し、観光写真の構図を、『水辺の景観』、『水辺と祭りの景観』、『祭りの 景観』、『自然系の景観』、『建築の景観』の6つの典型的な構図に分類した。

さらに、撮影数の多い同一の観光資源で、典型的な構図で、撮影されている観光写真に ついて、その視点場の周辺環境を調査し、地図上にプロットすることによって、視点場の特 徴を明らかにした。ついで、その周辺地区の整備を行うことによって、より効果的な景観資源 の活用が可能になることを明らかにした。

第4章では、第3章で抽出した観光資源の周辺環境を取り上げ、景観要素として重要な河 川の周辺環境の整備が、実は、地区の安全性の観点からの整備としても重要であることを示 した。

ここでは、第3章で景観資源として抽出された河川の周辺地区を、研究対象として、再度、

取り上げ、その地区の安全性について詳細に検討した。

まず、街区と街路の安全性に関係する指標を、街区、街路単位で数量化し、それに数量化 田類分析を適用することにより、安全性からみた、街区の基本特性が、『建築特性による危険 性』、『土地利用による危険性』の2つの因子により、説明できることを、明らかにした。また、

街路については、安全性からみた、基本特性が、『震災時の消防空間確保の信頼性』、『消 防水利確保の信頼性』の2つの因子により、説明できることを、明らかにした。

さらに、数量化E類分析により得られたカテゴリースコアより、算定されるサンプルスコアに、

クラスター分析を適用し、街区、街路の分類を行った。

街区については、震災時の建物倒壊の可能性が低く、それに起因する火災の発生の可能 性も低い街区タイプ1、住商の混在による出火危険性と、建物倒壊の可能性と、それに起因 する出火危険性が高い街区タイプ2、震災時の建物倒壊の可能性が高く、それに起因する 火災の発生の可能性も高い街区タイプ3、の3タイプに分類することができた。

街路については、震災時の消防空間確保の信頼性は高いが、消防水利確保の信頼性が 低い街路タイプ1、消防水利確保の信頼性は高いが、震災時の、消防活動空間確保の信頼 性が低い街路タイプ2、消防水利確保の信頼性と、震災時の、消防活動空間確保の信頼性 が、共に低い街路タイプ3、の3タイプに分類することができた。

さらに、街路、街区の各タイプ聞の関係分析を行い、街区と街路の安全性の関係、を示し、

地区の安全性を高める上での環境整備について考察を行い、景観形成と安全性の向上策 の共通点を見いだし、その2つの取り組みを、有機的に連携させることにより、より効率的、か つ合理的な環境整備が可能になることを明らかにした。

第5章は、総括で、各章の結論をまとめている。

1. 4 関連する既往の研究

論文の構成に従い、6つの分野で既往の研究を整理した。

1 .4.1 景観条例又は景観行政に関する既往の研究

内J

(11)

景観条例又は景観行政に関係する既往の研究は、次のものがあげられ る。

( 1 )国の立場から、景観行政を論じたもの

国の立場から、景観条例及び景観行政を論じたものとしては、第1には、地方公共団体を 助言、指導する固としての都市景観施策の基本的な考え方を示し、景観行政の方向性等を 提示したもの3)-4)と、第2には、 国の立場から、景観行政の歴史を概観し、景観行政に関す る取り組みを論じたもの5 )がある。

(2)地方公共団体の観点から、景観条例又は景観行政を論じたもの

地方公共団体の観点から、景観条例又は景観行政を論じたものとしては、第1には、景観 に関する現行法制度を概観した上で、景観と建築高さ制限を例に、制度適用のあり方を指 摘し、関連法制度の活用について論じたもの6)、第2には、地方公共団体に対してアンケー ト調査を行い、各地方公共団体での景観行政全般の現状と課題を明らかにしたもの7) -9)、

第3には、特定の地方公共団体での条例や要綱による都市景観形成の取り組みの事例を分 析し、条例、要綱が、現行法を補完する制度として有効であることを示し、それらによる行政 の指導、助言等の今後の方向性と課題を明らかにしたもの10) -11)がある。また、韓国の地方

公共団体へのアンケート調査により、韓国の都市景観施策の現状と課題について論じたもの 12 )もある。

(3)法学の観点から景観条例又は景観行政を論じたもの

法学の観点から景観条例又は景観行政を論じたものとしては、第1には、現行法制度にお ける景観の取り扱いと、法学の観点から地方公共団体の取り組みの実態と課題を論じたもの 13) -14)、第2には、倉敷市、神戸市といった先進的な地方公共団体を事例として取り上げ、

法学の観点から、景観条例と「美観地区J、「風致地区」等の関連法制度の相互影響を分析 し、その成果、課題を論じたもの15 )、第3には、景観条例の特徴を概観し、法制度としての問 題点と、立案及び運用上の問題を指摘したもの16)がある。

(4)屋外広告物条例を論じたもの

景観条例の関連制度である屋外広告物条例を論じたものとしては、第1には、実際の屋外 広告物の掲出状況と条例の規定内容との相互関係を明らかにしたもの17)、条例による広告 景観コントロール施策の現状を把握し、今後の広告景観整備・規制のあり方について論じた もの18 )、条例の規定内容見直しの際の知見を得るために、都道府県の屋外広告物条例の規 定内容を比較、分析し、その特徴や差異を含めた傾向を明らかにしたもの1g)がある。

(5)都市計画を補完する条例又は要綱制度を論じたもの

都市計画を補完する条例又は要綱制度を論じたものとじては、第1には、景観条例を含む まちづくり関連法制度を分析対象とし、その発展の経緯と条例に基づく地区指定手法に焦点 を絞り、その成果と課題20)、また、その機能と役割について総論的に論じたもの21)、第2には、

都市計画関連の現行法を補完する指導要綱や補完型条例に焦点を絞り、市街地コントロー ルまたは開発指導での、それらの運用、展開の状況について明らかにし、今後の課題を論じ たもの22)-26)がある。

- 4 -

(12)

景観条例そのものを研究対象とし、その枠組みを論じたものは、法学の分野での研究で見 られる。しかし、景観条例の法制度としての枠組みと、それに対応した、条例の運用効果及 び課題まで言及したものは少ない。さらに、大規模事前届出制度に着目して、その特徴や課 題を論じた研究はない。

本論文では、主に(1 )、(2)、(3)の研究成果を基に、景観条例の枠組みと、その運用上 の効果、課題を、 一連の流れの中で取り扱っている。さらに、大規模事前届出制度に焦点を あて、制度運用上の特徴、課題を明らかにしている。

1.4.2 環境影響評価及び景観影響評価に関する既往の研究

環境影響評価に関係する既往の研究としては、次のものがあげられる。

( 1)環境影響評価全般の実態を論じたもの

環境影響評価全般の実態を論じたものとしては、国の立場から、国及び地方公共団体によ る環境影響評価制度の運用実態と課題を明らかにしたもの27)�28)がある。

(2 )社会技術として環境影響評価を論じたもの

社会技術として環境影響評価を論じたものとしては、第1には、環境影響評価を、環境を配 慮、した社会的な意志決定として捉え、社会工学の見地から、環境影響評価について総合的 に論じたもの29) �30)、第2には、都市環境の制御手段として環境影響評価を位置づけ、その 特徴を制度面、技術面から明らかにし、政策としての効果、問題点を指摘し、今後の方向性 を論じたもの31)がある。

(3)法制度として環境影響評価を論じたもの

法制度として環境影響評価を論じたものとしては、第lには、わが国の環境影響評価制度 の特徴と課題を示し、立法論的観点から、環境影響評価制度の設計上、留意すべき事項に ついて論じたもの32)、第2には、地方公共団体における環境影響評価制度を概観し、運用さ れている環境影響評価制度の枠組みを明らかにした上で、国の法制化と地方公共団体の環 境影響評価の関係を論じたもの33)がある。

(4)景観影響評価の技術手法を論じたもの

景観影響評価の技術手法を論じたものとしては、第1には、環境影響評価における景観影 響評価のための、景観予測評価手法の開発、さらに、それらを活用しての景観影響評価の 具体的手順を提案したもの34)�36)、第2には、景観影響評価技術の状況と課題について論 じたもの37)-39)、第3には、 送電土木施設の計画に際しての景観影響評価技術について論 じたもの40)、第4には、それらの既往の関連研究成果を基に、景観影響評価技術全般をマ ニュアノレとして取りまとめたもの41)がある。

景観影響評価を対象とした研究では、その技術手法を論じるものが多い。景観影響評価制 度に焦点を絞り、その枠組みと技術基準についての研究はない。また、環境影響評価にお ける景観影響評価と、景観条例における大規模事前届出制度の相互の関連について、論じ た研究はない。

民JV

(13)

論文では、主に(1)、(4)の研究成果を基にして、景観影響評価制度の枠組みと技術基 準について研究を行っている。

1.4.3条例制度に関する既往の研究

条例制度に関する既往の研究としては、次のものがあげられる。

第1には、行政実務の観点から、条例規則に関する立法技術について述べたもの42)-0)、

第2には、行政学の観点から条例制度全般を論じたもの4 4)- 45)がある。

本論文では、主に第lの研究成果を基にして研究を進めている。

1.4.4 観光計画に関する既往の研究

観光計画に関する既往の研究としては、次のものがあげられる。

( 1)観光計画を総論的に論じたもの

観光計画を総論的に論じたものとしては、第1には、ハード面、ソフト面の両面から総括的 に論じたもの 4 6) -48)、第2には、観光計画の手法を総括的に示したうえで、地区観光計画、

観光施設計画の手法について示したもの49)がある。

(2)観光計画の個別手法を論じたもの

観光計画の個別手法を論じたものとしては、第1には、個別の事例調査を通じて、地域とし ての観光活動の方法について論じたもの 50) -51)、第2には、観光開発における、基盤整備 や計画手法について、論じたもの52)-55)がある。

(3)観光・リゾート地のイメージについて論じたもの

観光・リゾート地のイメージを論じたものについては、第1には、リゾート地の宣伝パンフレツ トの分析やアンケート調査を通じて、リゾート地のイメージ構造を明らかにしたもの56)-57)、第 2には、アンケート調査を通じて、観光地のイメージ構造や認知特性を把握した上で、観光 行動について論じたもの58)- 61)がある。

観光写真を分析素材としたものは少ない。さらに、観光写真から得られる情報を基に、観光 資源の特徴や、その活用方策を論じたものはない。

本論文においては、主に(1 )の研究成果を基に研究を進め、観光資源の特徴、その活用 方策を明らかにしている。

1.4.5 画像情報に関する既往の研究

画像情報を対象に分析した既往の研究としては、次のものがあげられる。

( 1 )都市景観について、写真を分析素材とし、論じたもの

都市景観について、写真を分析素材とし、論じたものとしては、第1には、量販一般雑誌に 掲載された商業写真を分析対象として、背景として撮影されている都市景観の特徴につい て論じたもの62)、第2には、一般市民により撮影された「好きな景観J写真を分析対象として、

景観の類型化について論じたもの63)、第3には、現地調査により撮影した写真を都市景観

- 6 -

(14)

画像データベースとし、それを基に都市景観の類型化を試み、類型毎の分布特性を論じた もの64)がある。

(2)都市景観について、絵画を分析素材とし、論じたもの

都市景観について、絵画を分析の素材にして、論じたものとしては、第lには、浪速百景を 分析対象として、近世大阪の都市景観構造について論じたもの 65)、第2には、19世紀ヨー ロッパの風景画や浮世絵風景画を分析対象として、それらを類型化し、「絵になる風景」の特 徴を明らかにすることにより、景観構造を論じたもの66)-68)、第3には、近世以前の水墨画を 分析対象として、水辺の景観構成の特徴を明らかにしたもの69)、第4には、図絵資料を基に して、眺望景観の分析を通じて、空間の繋がりについて論じたもの70)がある。

(3)画像情報から得られる視点場を論じたもの

画像情報から得られる視点場を論じたものとしては、観光写真、文学作品などから、視点場 を抽出し、その特徴を論じたもの71)がある。

分析素材を、観光写真に限定した研究はない。さらに、画像から得られる情報を基に、景 観資源の特徴と、その活用方策を論じたものは、少ない。

本論文では、これらの研究成果を基に、手法を選定し、画像から得られる情報を分析する ことにより、景観資源の特徴と、その活用方策を明らかにしている。

1.4.6 地区レベルの安全性に関する既往の研究

地区レベノレの安全性に関する既往の研究としては、次のものがあげられる。

( 1)街路計画面から安全性の向上策を論じたもの

街路計画面から安全性の向上策を論じたものとしては、第1に、狭あい道路の問題を、周 辺街区を含めた街づくり(小規模な地区の計画)での解決を目的として、消防活動等の条件 を加味して、道路狭あい地区の整備について論じたもの72)、第2には、災害直後における初 期消火活動を中心とした合理的な交通計画を研究対象として、消火、救急、治安、復旧関係 車両が利用できる災害時の専用道路の計画、設定方法について論じたもの73)がある。

(2 )水利配置計画から安全性の向上策を論じたもの

水利配置計画から安全性の向上策を論じたものとしては、第1には、小規模な地区の安全 性の向上を研究対象として、消防水利の配置による消防活動困難区域の解消方策について 論じたもの 74)、第2には、消防水利の配置計画に焦点をあて 建物火災の延焼と消火につ いて検討を行い、消防水利の配置基準について論じたもの75)がある。

(3)居住者意識から安全性の向上策を論じたもの

居住者意識から安全性の向上策を論じたものとしては、第1には、アンケート調査により得 られた防災性と街路環境に対する居住者意識を基に、住区内街路網改善計画について論じ たもの 76)、第2には、大震火災を対象とした防災環境の評価について、居住者の意識を基 に論じたもの 77)、第3は、居住者の災害危険意識と居住環境意識との関連を、防災まちづく りの視点から把握し、居住者の防災対策に対する要求等を明らかにしたもの78)がある。

- 7 -

(15)

(4 )避難計画面から安全性の向上策を論じたもの

避難計画面から安全性の向上策を論じたものとしては、第1には、地区内の避難という側 面から細街路整備のための方策を論じたもの 79)、第2には、 地区レベノレでの防災区画計画 と、避難ネットワーク計画の相互影響を明らかにし、 地区完結型の防災計画について論じた もの80)がある。

(5)阪神・淡路大震災の特徴的な被害を論じたもの

地区レベルの計画で留意する必要がある、阪神・淡路大震災での特徴的な被害を論じたも のとしては、第1には、阪神・淡路大震災における 火災の延焼状況及び消防活動の阻害要 因について明らかにしたもの81)、第2には、阪神・淡路大震災における街路閉塞現象の実態 と、それによる機能障害を明らかにしたもの82)がある。

(6)地区レベノレの地震被害想定手法を論じたもの

地区レベノレの地震被害想定手法を論じたものとしては、個々の道路、建物等の微視的え 情報を用いて、地区レベルでの地震被害想定手法について論じたもの83)-85)がある。

(7)景観と安全性の関係を論じたもの

景観と安全性との関係を、直接的に論じたものは少ないが、日本の伝統的な町並みを構 成する虫箆窓や卯建、漆日食壁などの町屋のデザインが、防火のために考え出されたことなど を例にあげ、都市の不燃化と景観形成の関係について述べたもの86)、地理イメージ変形が、

地震時の避難行動に与える影響を論じ、景観等による都市イメージが、都市の安全性に深く 関わっていることを指摘したもの87)がある。

上記のものが、地区レベノレでの安全性向上策を論じたものである。 これまでの都市防災研 究では、都市レベルの研究が主要な分野であり、地区レベノレの計画の研究は少ない。

また、これまでの研究では、都市防災に関するシミュレーション等の要素技術に焦点をあて たものが多く、計画の手法について論じたものは少ない。

本論文では、(1 )、(2)、(5)、(7)の研究成果を基に、地区の安全性評価と、それに基づ く計画手法の提示としづ流れを示した上で、地区レベルの景観形成と安全性向上策の関係 について論じている。

参考文献

1) OECD (1977): Environment Policies in Japan 2) OECD (1986): Urban Policies in Japan

3)建設省都市局都市計画課監修、都市景観研究会編著(1988):都市の景観を考える, 大 成出版社

4)建設省住宅局建築指導課・市街地建築課監修、建築・まちなみ景観研究会著(1994):建 築・まちなみ景観の創造,技報堂出版

5)大坂谷吉行(1985):日本の都市景観整備施策の概要,都市計画, No.134

6)小出和郎、市岡明子(1995):景観に関する現行法制度の概観,都市計画, No.196,

向。

(16)

pp.36-42

7)日本建築学会都市計画委員会(1994):都市デザインの軌跡と展望p 日本建築学会 (東 海)都市計画部門研究協議会資料

8)日経産業消費研究所(1994):I景観とまちづくり、全国2134自治体の挑戦J調査・研究報

ι_J ュ 三主'"ヨ

9)日経産業消費研究所(1997):I美しいまちづくり、全国1929自治体の景観形成・保全(97

年版)J調査・研究報告書

10)赤崎弘平(1992):指導要綱に基づく都市景観整備施策における指導と応答について一 市街地 整備のための建築のルーノレの地方的展開に関する研究 , 日本都市計画学会学術

研究論文集, No.27, pp.115-120

11 )中村和宏3 川上光彦(1994):金沢市における条例に基づく景観行政施策に関する調査 研究, 日本都市計画学会学術研究論文集, No.29, pp.139-144

12)金慶英p 北原理雄(1994):韓国における都市景観施策の現状, 日本都市計画学会学 術研究論文集, No.29, pp.553-558

13)荒秀(1994):景観保護の法制度, I景観・基本計画づくりから実際例までJ,ぎょうせいp

pp.617-770

14)荒秀(1994):景観法,I景観・基本計画づくりから実際例までJ,ぎょうせい, pp.771-790 15)五十嵐敬喜(1987):景観法, I現代行政法学全集16 都市法J,pp.276-285,ぎょうせ

し1

16)松永邦男(1990):景観条例3岩崎忠夫編集, I地方自治講座2 条例と規則J, pp.229- 237, ぎ、ょうせい

17)村上祥司(1996):屋外広告物の現状と条例規定に関する研究-神奈川県のケーススタ ディ , 日本都市計画学会学術研究論文集, No.31, pp.625-630

18)李政畑, 西村幸夫(1997):都道府県の屋外広告条例に関する比較研究, 日本都市計 画学会学術研究論文集, No.32, pp.13-24

19 )村上祥司(1997):都道府県の屋外広告物条例に関する比較研究, 日本都市計画学会 学術研究論文集, No.32, pp.19-24

20)田中晃代,鳴海邦碩,久隆浩(1994):まちづくり関連条例の展開とその意義,日本都市 計画学会学術研究論文集, No.29, pp.685-690

21 )井上馨(1991):まちづくり条例ーその機能と役割,ぎょうせい

22)高見沢実(1989):指導要綱等の運用過程に着目した小規模開発規制誘導方策の総合 化に関する考察,日本都市計画学会学術研究論文集, No.24, pp.199-204

23 )高見沢実(1990):既成市街地を対象とする誘導手法の地区的・総合的運用実例の分析

と評価, 日本都市計画学会学術研究論文集, No.25, pp.187-192

24)佐伯克志,岡村勝司p天野勝也(1992):地方自治体による開発等指導要綱の運用に関 する研究, 日本都市計画学会学術研究論文集, No.27, pp.109-114

QU

(17)

25 )小嶋勝律:r, 神谷裕直(1994):市街地形成における「開発許可制度」と「住宅開発等指導 要綱Jの運用実態に関する調査研究-制度・要綱の規制規模を中心に一,日本建築学会 計 画系論文報告集,462号,pp.117-122

26 )内海麻利p 小林重敬(1996):都市計画法等補完型条例と開発指導要綱の関係に関す る研究p 日本都市計画学会学術研究論文集, No.31, pp.553-558

27)環境影響評価制度総合研究会(1996):環境影響評価制度の現状と課題について 28)環境影響評価制度総合研究会技術専門部会(1996):環境影響評価の技術手法の現状

及び課題について

29)原科幸彦(1994):環境アセスメント,放送大学教材84296-1一9411

30)原科幸彦(1996):環境アセスメントの今後のあり方,環境情報科学,25-4, pp.34-54 31)森田恒幸(1992):環境アセスメント,編集代表中村英夫,1都市と環境-現状と対策-J,

ぎょうせい,pp.406-414

32)大塚直 (1996):わが国における環 境影響評価 の制度設 計に ついてp ジュリスト,

No.1083, pp.38-45

33)淡路剛久(1996):自治体における環境影響評価制度への取り組みと法制化,ジュリスト,

No.1083, pp.46-53

34)熊谷洋一(1988),景観アセスメントにおける予測評価手法に関する研究( 1 )東大演習 林報告78,pp.97-166

35)熊谷洋一(1988),景観アセスメントにおける予測評価手法に関する研究(II )東大演習 林報告78,pp.167-245

36)熊谷洋-s 柳瀬徹夫(1985):景観アセスメントにおける評価構造の研究,造園雑誌、,

48-5, pp.252-257

37)油井正昭(1982):自然風景地における景観アセスメントの諸問題,造園雑誌,46-1 , pp.27-34

38)油井正昭,熊谷洋一(1984):景観アセスメン卜の技術論,造園雑誌,48-1,pp.11←18 39)油井正昭,熊谷洋一(1985):景観アセスメント,造園雑誌,49-1,pp.19-27

40)安島博幸(1984):1景観工学から見た送電土木施設の計画に関する研究J,

東京工業大学社会工学科学位論文

41 )佐藤大七郎監修,自然環境アセスメント研究会編著(1995):景観編,1自然環境アセス メント技術マニュアノレJ,財団法人自然環境研究センター,pp.327-548

42)日下千章,大井民雄, 上田章(1994):地方自治実務シリーズ 条例規則の読み方・っく り方 第4次改訂版,学陽書房

43)自治大臣官房文書課(1992):条例・規則作成の手引,第一法規 44)秋田周(1977):現代地方自治全集=6 条例と規則,ぎょうせい

45)岩崎忠夫編集(1990):実務地方自治法講座2 条例と規則,ぎょうせい 46)塩田正史,長谷政宏(1994):観光学, 同文館

- 10 -

(18)

47) (財)日本交通公社調査部編(1994):観光読本3東洋経済新報社 48)鈴木忠義(1984):現代観光論 新版p有斐閣双書

49) (社)日本観光協会(1983):観光計画の手法

50)西山徳明, 三村浩史(1990):観光地域が主体的に発展できる観光活動設計条件に関 する研究, 岐阜県白川郷萩町を事例として , 日本都市計画学会学術研究論文集3

0.25, pp.625-630

51 )西山徳明p 三村浩志(1991):モデルカノレチャーによる都市観光活動設計に関する研究 一大阪府堺市を事例として , 日本都市計画学会学術研究論文集, No.26-A, pp.415- 420

52)花岡利幸p 西井和夫p徐志敏(1992):観光地の道路整備におけるサーヒPス水準の評価 構造に関する基礎分析, 日本都市計画学会学術研究論文集, No.27,pp.391-396 53)斎藤参郎3坂本徹(1992):九州広域観光ルートの抽出と分析3 日本都市計画学会学術 研究論文集,No.27, pp.523-527

54)手|鳴潤一(1993):栃木県観光総合計画(昭和23年策定)に於ける風景の利用と保護に 関する研究,日本都市計画学会学術研究論文集,No.28, pp.13-18

55)河口飛路志,渡辺貴介3 十代田朗(1994):総合保養地域整備法に基づく重点整備地 区プランの特性に関する総括的分析p 日本都市計画学会学術研究論文集, No.29, pp.349 -354

56)小早川|智明, 渡辺貴介, 天野光一(1990):アピールポイントからみた海外の海浜・海洋 リソートのイメージ構造に関する研究, 日本都市計画学会学術研究論文集, No.25, pp.307 -313

57)堀越猛P 渡辺貴介, 天野光一(1990):首都圏ユーザーのリゾートイメージに関する研究3 日本都市計画学会学術研究論文集, No.25, pp.235-240

58)石見利勝,安居信之(1990):観光地のイメージにもとづく観光地選択行動p 日本都市計 画学会学術研究論文集, No.25, pp.295-300

59 )溝上章志,森杉害芳,藤田素弘(1992):観光地域魅力度と観光周遊行動のモデル化 に関する研究, 日本都市計画学会学術研究論文集,No.27, pp.517-522

60)吉田肇(1993):観光情報の認知特性と行動特性に関する実証的研究,日本都市計画 学会学術研究論文集,No.28, pp.31-36

61)宇治川正人,讃井純一郎(1995):日仏のスキーリゾート施設の選択行動の比較 スキ ーリゾート施設に対する利用者の評価に関する研究その1, 日本建築学会計画系論文集,

No.472, p.55-60

62)矢部恒彦, 北原理雄(1994):若者女性対象の量販一般雑誌に掲載された都市の場景 に関する研究, 日本建築学会計画系論文集, No.463, pp.139-148

63)平尾和洋,宮嶋聡, ) 11崎清(1995): I好きな景観J写真展にみる景観解読過程と景観タ イプ, 日本建築学会計画系論文集, No.472, pp.123-132

- 11 -

(19)

64)金俵希,佐藤誠治p 有馬隆文p斎乃聖p金農坤, 日高圭一郎(1997):都市景観画像デ ータベースを用いた釜山の景観類型とその特徴, 日本都市計画学会学術研究論文集,

0.32, pp.301-306

65)鳴海邦碩p久隆浩p橋爪紳也,大西二州、1(l988):�浪速百景』に描かれ近世大阪の都 市景観構造に関する考察p 日本都市計画学会学術研究論文集,No.23,pp.223-228 66)萩島哲, 大員彰3 金俊栄,岩尾嚢(1990):19世紀ヨーロッパ風景画にみる都市景観に 関する研究, 日本建築学会計画系論文集, No.413, pp.83-93

67)坂井猛p出口敦,萩島哲p朴鐘徹p菅原辰幸(1994):浮世絵風景画にみる景観分類に 関する研究, 日本建築学会計画系論文集,No.461,pp.165-174

68)萩島哲(1996):風景画と都市景観-水・緑・道・まちなみ ,理工図書

69)須藤拓3 樋口忠彦, 玉川英則(1990):近世以前の水墨画にみる水辺の景観構成につ いてp日本都市計画学会学術研究論文集, No.25, pp.667-672

70)仲間浩一(1993):眺望景観の分析に基づく空間のつながりに関する考察-図絵資料の 分析を通じて , 日本都市計画学会学術研究論文集,No.28, pp.511-516

71 )平尾和洋, 吉田由紀子p川崎清(1994):京都の山並み景の視点場特定とその類型化,

日本建築学会計画系論文集, No.462, pp.147-156

72)三船康道,山田学,小出治(1988):道路狭あい地区整備に関する研究一墨田区を事例 として ,第23回日本都市計画学会学術研究論文集,pp.367-372,

73)保野健治郎,難波義郎,高井広行(1983):都市防災道路計画に関する一考察, 土木学 会論文報告集, No.333, pp.147-154

74)三船康道,山田学p小出治(1991):低層高密度市街地の「計画最小単位Jに関する研 究-消防活動困難区域の解消に向けて , 日本都市計画学会学術研究論文集, No.26,

pp.589-594

75)保野健治郎,難波義郎, 大森豊裕(1991) :市街地の建物火災に対応した消防水利計 画に関する基礎的研究, 土木学会論文集, No.425, N-14, pp.145-154

76)山中英生p長嶋紀之,三谷哲雄(1994):住民意識を考慮した非計画的市街地における 住区内街路網改善計画の評価方法-防災性と街路環境に対する住民意識の視点から一,

日本都市計画学会学術研究論文集, No.29, pp.271-276

77)高井広行,保野健治郎,難波義郎(1984):住民意識からみた防災環境評価についての 一考察, 日本建築学会計画系論文集, No.344, pp.126-133

78)中林一樹(1980):市街地の安全性と居住性に関する居住者評価とその防災志向につ いて一地域危険度から防災まちづくりへの展開の試論的検討 , 東京都立大学都市研究セ ンター,総合都市研究p第11号,pp.19-37

79)熊谷良雄(1987):避難からみた地区内細街路整備方策に関する研究, 日本都市計画 学会学術研究論文集, No.22, pp.553-558

80 )忠末裕美,新谷景一,小出治(1987):避難からみた地区防災計画の研究3 日本都市計

- 12 -

(20)

画学会学術研究論文集, No.22, pp.565-570

81 )熊谷良雄(1996):阪神・淡路大震災の火災と消防活動,第1回都市直下地震災害総合 シンポジウム論文集,pp.249-276

82)家田仁p上西周子p猪俣隆行,鈴木忠徳(1997):阪神大震災における「街路閉塞現象Jに 着目した街路網の機能的障害とその影響p土木学会論文集, No.576/IV-37 , pp.69-82

83)片山恒雄他(1991) :地域特性を考慮した地震被害想定に関する研究, 地震保険調査 研究30

84)片山恒雄他(1992):地域特性を考慮した地震被害想定に関する研究一都心住宅地に おけるケーススタテ、イ, 地震保険調査研究32

85)片山恒雄他(1994):地域特性を考慮した地震被害想定に関する研究一麻布・弦巻・墨 田地域の相互比較P 地震保険調査研究35

86)室崎益輝(1986) :都市の不燃化3都市問題研究p 第38巻,第6号, pp.16-31

87)青木義次, 大イ弗俊泰, 橋本健一(1992):情報伝達と地理イメージ変形を考慮、した地震 時避難行動シミュレーションモデル, 日本建築学会計画系論文集, No.440, pp.111-118

- 13 -

(21)

第2章 地方公共団体の景観条例の枠組みと

その技術基準に関する研究

(22)

第2章 地方公共団体の景観条例の枠組みとその技術基準に関する研究

2.1 はじめに

都市の快適環境を形成していく上で、地方公共団体は、多くの工夫を行っている。例えば、

その主なものに景観形成事業や、景観に関する条例の施行などがある。その結果、先進的 な地方公共団体では、都市の歴史や風土の特徴を生かした潤いのあるまちづくりを推進して いる。

一般に景観に関連する法制度は、次の6つの系統 に分類されている4)0 (1)緑地保全地区 制度や自然公園法等の緑地保全系、(2)森林法や生産緑地地区等の農林業関連、(3)伝 統的建造物保存地区等の歴史系、(4)風致地区、地区計画等の民有地縁化・建築物誘導 系、(5)地方公共団体による景観条例、(6)その他として屋外広告物法や環境影響評価制 度、である。緑地や歴史、環境を 保全整備するという観点から、快適環境を形成するための 法制度が準備されていることがわかる。

しかしながら、それらは、 内容においてあるいは施策の展開 で断片的であり、相互に関連 付けて効果をもたらすように施行されている例は少なく、したがって景観形成を通した快適環 境の形成には至っていない。今後はそれぞれの法制度を充実させていくと同時に、法制度

相互を有機的に関連付け実効性のある施策として展開していく必要がある。

本章では、景観形成を法制度面から担保することが可能な地方自治法に 基づく景観条例 を対象にし、その枠組みの特徴と含むべき規定について明らかにすると同時に、その規定の 中で運用実績が多い 大規模事前届出制度と、それに類似した性格を持つ環境影響評価条 例又は要綱における景観 影響評価制度を比較して、大規模事前届出制度の運用上の特徴 と課題を明らかにすることを目的 としている。これによって快適環境の形成のための施策に 寄与することを期待している。

研究の方法としては、まず、1995年1月時点において制定されている22の景観条例(表2- 1参照)及び施行規則と関連する基準と、1996年6月時点において中部、 北陸、九州地方の 15県、3政令指定都市で制定されている景観条例、環境影響評価条例又は要綱(表2-4参 照)と関連する基準の事例収集を行った。

景観条例については、収集した事例聞の比較分析からその特徴を明らかにした。さらに、

各事例を運用している地方公共団体へのアンケート調査により、景観条例の効果と課題を抽 出した。

次に、 これらの事例で比較的多く設けられている大規模事前届出制度を取り上げ、環境影 響評価条例及び要綱における景観 影響評価制度と比較分析を行った。さらに、各事例を運 用している地方公共団体へのインタビュー調査を行い、相違点と共通点、課題を抽出した。

景観条例に関係する既往の研究としては、次のものがあげられる。

( 1)国の立場から、景観行政を論じたもの

国の立場から、景観条例及び景観行政を論じたものとしては、第1には、地方公共団体を

- 14 -

(23)

助言、指導する固としての都市景観施策の基本的な考え方を示し、景観行政の方向性等を 提示したもの1) -2)と、第2には、国の立場から、景観行政の歴史を概観し、景観行政に関す る取り組みを論じたもの3)がある。

(2 )地方公共団体の観点から、景観条例又は景観行政を論じたもの

地方公共団体の観点から、景観条例又は景観行政を論じたものとしては、第1には、景観 に関する現行法制度を概観した上で、景観と建築高さ制限を例に、制度適用のあり方を指 摘し、関連法制度の活用について論じたもの4)、第2には、地方公共団体に対してアンケー ト調査を行い、各地方公共団体での景観行政全般の現状と課題を明らかにしたもの5) -1)、

第3には、特定の地方公共団体での条例や要綱による都市景観形成の取り組みの事例を分 析し、条例、要綱が、現行法を補完する制度として有効であることを示し、それらによる行政 の指導、助言等の今後の方向性と課題を明らかにしたもの8)-9)がある。また、韓国の地方公 共団体へのアンケート調査により、韓国の都市景観施策の現状と課題について論じたもの 10 )もある。

(3)法学の観点から景観条例又は景観行政を論じたもの

法学の観点から景観条例又は景観行政を論じたものとしては、第1には、現行法制度にお ける景観の取り扱いと、法学の観点から地方公共団体の取り組みの実態と課題を論じたもの 川-12)、第2には、先進的な地方公共団体である倉敷市、神戸市を事例として取り上げ、法 学の観点から、景観条例と「美観地区J、「風致地区J等の関連法制度の相互影響を分析し、

その成果、課題を論じたもの13 )、第3には、景観条例の特徴を概観し、法制度としての問題 点と、立案及び運用上の問題を指摘したものlりがある。

(4)屋外広告物条例を論じたもの

景観条例の関連制度である屋外広告物条例を論じたものとしては、第1には、実際の屋外 広告物の掲出状況と条例の規定内容との相互関係を明らかにしたもの15)、条例による広告 景観コントロール施策の現状を把握し、今後の広告景観整備・規制のあり方について論じた もの16)、条例規定内容見直しの際の知見を得るために、都道府県の屋外広告物条例の規定 内容を比較、分析し、その特徴や差異を含めた傾向を明らかにしたもの17)がある。

(5)都市計画を補完する条例又は要綱制度を論じたもの

都市計画を補完する条例又は要綱制度を論じたものとしては、第1には、景観条例を含む まちづくり関連法制度を分析対象とし、その発展の経緯と条例に基づく地区指定手法に焦点 を絞り、その成果と課題18)、また、その機能と役割について総論的に論じたもの19)、第2には、

都市計画関連の現行法を補完する指導要綱や補完型条例に焦点を絞り、市街地コントロー ル または開発指導での、それらの運用、展開の状況について明らかにし、今後の課題を論じ たもの20)-21)がある。

景観条例そのものを研究対象とし、その枠組みを論じたものは、法学の分野での研究で見 られる。しかし、景観条例の法制度としての枠組みと、それに対応した、条例の運用効果及 び課題まで、言及したものは少ない。さらに、大規模事前届出制度に着目して、その特徴や課

RU 1

(24)

題を論じた研究はない。

本論文では、主に(1)、(2)、(3)の研究成果を基に、景観条例の枠組みと、その運用上 の効果、課題を、 一連の流れの中で取り扱っている。さらに、 大規模事前届出制度に焦点を あて、制度運用上の特徴、課題を明らかにしている。

環境影響評価に関係する既往の研究としては、次のものがあげられる。

(1)環境影響評価全般の実態と課題を論じたもの

環境影響評価全般の実態と課題を論じたものとしては、国の立場から、国及び地方公共団 体による環境影響評価制度の運用実態と課題を明らかにしたもの25)-26)がある。

(2 )社会技術として環境影響評価を論じたもの

社会技術として環境影響評価を論じたものとしては、第1には、環境影響評価を、環境を配 慮した社会的な意志決定として捉え、社会工学の見地から、環境影響評価について総合的 に論じたもの27)-28)、第2には、都市環境の制御手段として環境影響評価を位置づけ、その 特徴を制度面、技術面から明らかにし、政策としての効果、 問題点を指摘し、今後の方向性 を論じたもの29)がある。

(3)法制度として環境影響評価を論じたもの

法制度として環境影響評価を論じたものとしては、第1には、わが国の環境影響評価制度 の特徴と課題を示し、 立法論的観点から、環境影響評価制度の設計上、留意すべき事項に ついて論じたもの30)、第2には、地方公共団体における環境影響評価制度を概観し、運用さ れている環境影響評価制度の枠組みと明らかにした上で、 国の法制化と地方公共団体の環 境影響評価の関係を論じたもの31)がある。

(4 )景観影響評価の技術手法を論じたもの

景観影響評価の技術手法を論じたものとしては、第1には、環境影響評価における景観影 響評価のための、景観予測評価手法の開発、さらに、それらを活用しての景観影響評価の 具体的手順を提案したもの32)-34)、第2には、景観影響評価技術の状況と課題について論 じたもの35)-37)、第3には、送電土木施設の計画に際しての景観影響評価技術について論 じたもの38)、第4には、それらの既往の関連研究成果を基に、景観影響評価技術全般をマ ニュアルとして取りまとめたもの39)がある。

景観影響評価を対象とした研究では、その技術手法を論じるものが多い。景観影響評価制 度に焦点を絞り、その枠組みと技術基準についての研究はない。また、環境影響評価にお ける景観影響評価と、景観条例における大規模事前届出制度の相互の関連について、論じ た研究はない。

本論文では、主に(1)、(4)の研究成果を基にして、景観影響評価制度の枠組みと技術基 準について研究を行っている。

条例制度に関する既往の研究としては、次のものがあげられる。

第lには、行政実務の観点から、条例規則に関する立法技術について述べたもの40)-41)、

第2には、行政学の観点から条例制度全般を論じたもの42)-43)がある。

- 16 -

(25)

本論文では、主に第1の研究成果を基にして研究を進めている。

本章の構成は、2.2で、地方公共団体の事務分類の観点から、景観条例自体の分類を行 い、その特徴と課題を明らかにした。次に、2.3において、景観条例規定を分類し、その出現 頻度を分析することから、景観条例の基本的な枠組みを明らかした。2.4では、その枠組み に基づき、各地方公共団体へアンケート調査を実施し、景観条例で設けられている規定毎の 効果と課題を明らかにした。2.5では、景観条例による大規模事前届出制度と環境影響評価 条例又は要綱による景観影響評価制度を比較分析することにより、 両制度の枠組みと技術 的基準の特徴と課題を明らかにした。2.6では、以上の分析によって得られた知見をまとめて し\る。

2.2 景観条例の地方公共団体の事務上の分類

施行されている条例を地方公共団体の事務を分類43)-41)に準じて区分すると、固有事務 条例、委任事務条例、行政事務条例の3つに分類される。

固有事務条例とは、地方公共団体が本来的に処理すべき事務、つまり、地方公共団体自 身の利益と区域内の住民の利益のために当然すべき事務に関わる条例である40)。

委任事務条例は、国又は地方公共団体その他の事務で、個別的な法令により地方公共団 体に委任された事務に関する条例である40)。

行政事務条例は、固有事務及び委任事務を除く事務で国の事務に属さないものに関する 条例をしづ。地方公共団体が住民の福祉を妨げるようなものを排除する目的で住民の権利

や自由を規制するような権力的な事務を指すものとされている40)。

ここで、それぞれを再度整理すると、地方自治法に加えて、個別の法令による条例が委任 事務条例であり、個別の法令によらないものが、固有事務条例と行政事務条例である。固有 事務条例と行政事務条例の相違点は、一般的な解釈としては、積極的に住民の福祉を増進 する事務に関するのが固有事務条例であり、行政事務条例は消極的に住民の福祉を守る事 務に関する条例とされる40)。

本論文では、良好な景観の形成とし1う施策の性格から、積極的に住民の福祉を増進する 事務と解釈し、景観条例については行政事務条例としては扱わない。

したがって景観条例については、固有事務条例または委任事務条例、その2つの組み合 せの3つのタイプがあると考える。

収集した事例を、上記の考え方で分類した結果を表2-2に示す。多くの景観条例が、固有 事務条例(以下、固有事務型)となり、22事例中19事例が該当する。委任事務条例のみのタ イプは、存在しない。神戸市、京都市、奈良市の3市が、固有事務条例と委任事務条例を複 合した条例(以下、複合事務型)を施行している。

神戸市は、伝統的建造物群保存地区制度(文化財保護法)と美観地区制度(建築基準法) の委任事務を固有事務型に取り込んでいる。京都市については、美観地区制度を固有事務 型に取り込んだものになっている。奈良市については、伝統的建造物群保存地区制度と文

- 17 -

(26)

化観光保存地区(奈良国際文化観光都市建設法)を固有事務型に取り込んだものになって し、る。

これらの複合事務型の利点としては、景観条例の制度的な担保を法律によって確保し、条 例の実効性を全体的に高めている。ただ、これらの適用は、美観地区や伝統的建造物群保 存地区の指定が可能な都市に限定されている。つまり、これらの複合事務型が可能な団体 は、歴史的または自然的景観資源を保有した地域に限定されているのである。従って、特に 景観資源を持たない都市で、このような複合型の適用は、現段階では不可能である。

2.3 景観条例規定の基本構造

一般に、地方公共団体が施行する条例は、「総則的規定J、「実体的規定」、「雑則的規 定J、「罰則規定」から構成される40) �44)。

まず「総則的規定jでは、当該条例の「目的・趣旨規定」、「定義規定」、「地方公共団体の 長、事業者、住民等の責務」としづ規定を置き、法令の「実体的規定Jの前提となる原則につ いて示すことになる。

「実体的規定Jでは、とるべき政策から法的に規定すべき事項について規定される。規定の 様式は、地方公共団体によってあるいはその内容等によって様々であり、共通的なものはな し、。

「雑則的規定」では、「実体的規定」全般に共通に適用される事項で、「総則的規定Jでは 規定されない技術的、手続き的な規定が置かれる。

「罰則規定」は、「実体的規定」で規定される義務の履行を確保するための手段として設け られる。さらに、 当該条例の施行上の詳細な手続き等は、条例施行規則で規定するのが一 般的である。

景観条例についても これらの構成は、 同様である。ここでは景観条例の規定内容をさらに 細かくした20項目を取り上げ、地方公共団体で、どの程度の項目を条例に中に盛り込んで いるかを調べた。それをランク化したものが表2-2(1)""'(2)である。ランク化は、A:全ての団 体で設置している、B:過半数超の団体で設置している、C:過半数以下の団体で設置してい る、の3ランクで各規定の項目毎に評価を行った。主な規定の機能及び設置状況は、以下に 示す通りである。

(1) 目的・趣旨(Aランク)

これは、当該条例の目的・趣旨を記述した規定であり、先に述べた「総則的規定Jであり、

景観条例を施行している全ての地方公共団体で設けられている。

(2) 責務(Aランク)

これは、 当該条例を運用していくうえでの、関係主体の責務について規定したもので、精 神規定である。設定の方法としては、条例の制定主体が県の場合は、県の責務、市町村の 責務、県民、事業者の責務のそれぞれを規定している。市(区)の場合は、市(区)の責務、

市民(区民)の責務、事業者の責務について規定しているのが一般的である。特殊な例とし

- 18 -

(27)

ては、京都市は、専門家の責務としづ規定を設け、景観形成上の専門家の社会的役割を規 定している。

本規定は、「目的・趣旨」と同様に「総則的規定」であることから、条例を施行している全て の地方公共団体で設けられている。

(3)基本計画・指針の策定(8ランク)

これは、行政が景観基本計画や指針を策定することを、地方公共団体に対して義務づける 規定である。当該規定は、18の公共団体で設けられている。

(4)国等の機関への協力要請(8ランク)

これは、景観形成を図ってし1く上で、例えば条例の制定主体が市であれば、園、県、 日本 道路公団等の公共性の強い法人に対して景観形成のための協力を要請する規定である。つ まり、関係する機関の相互の調整についての考え方を示した規定である。

当該規定は、15の地方公共団体で設けられている。

(5)景観形成地区指定(8ランク)

この規定は、当該団体が特定の地区を指定し、その地区についての景観形成計画の立案 や景観形成基準を設け、重点的に景観形成を推進するために定めたものである。

指定する地区の種類としては、1種類の地区を規定するのが一般的であるが、兵庫県、 金 沢市、静岡市のように目的に応じた2種類の地区を規定する事例や、京都市、神戸市、奈良 市のように固有事務としての地区指定と美観地区や伝統的建造物群保存地区等の委任事 務としての地区指定制度を規定した事例もある。

地区を指定する主体は、基本的には条例の制定主体である地方公共団体となっている。

また、住民からの提案に基づいて、地方公共団体が地区を指定することができるように規 定した静岡市の事例もある。

地区の指定後は、当該地区の景観形成計画・指針及び景観形成基準を策定することが義 務付けられ、地区内の建築行為等の届出が義務付けられるのが一般的である。届出がされ たものについては、計画や基準に基づいて、行政が指導、助言、勧告又は協力要請を行うよ うにしている。また、届出を義務付けず、基準を遵守することや、基準に適合するための措置 をとることを義務付けた埼玉県や静岡市の事例もある。

複合型の事例の美観地区や伝統的建造物群保存地区等の委任事務については、届出制 ではなく許可制であり、固有事務よりも厳しい取り扱いとなっている。

当該規定は、21の地方公共団体で設けられている。

(6)重要建築物等指定(8ランク)

これは、景観形成上、価値があるとみなされる建築物、 工作物、 土木構造物、樹木等を指 定し保全を行うことを定めたものである。つまり、景観形成上、重要な建築物等の保存につい ての規制・誘導を目的とした規定である。

指定を行う際には、所有者の同意を得ることを義務付けている。また、建築物等の現状の 変更を行う際に、所有者にその旨を届出ることを義務付けている。それに対して行政が助言、

- 19 -

参照

関連したドキュメント

平成18年6月30日、新潟県佐渡市両津小学校(中略)関係法

○ ⽤途地域の⼀⻫⾒直しについて(枚方市決定)

都市計画法第 17

東部大阪都市計画高度地区の変更枚方市決定 都市計画高度地区を次のように変更する。 面積 建築物の高さの最高限度又は最低限度

枚方市駅周辺地区地区計画 枚方市新町一丁目、岡本町、岡東町地内

1級地 東京都の特別区 2級地 京都市 宇治市、亀岡市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、

∗∗ 正会員 東北大学教授 工学研究科 土木工学専攻(〒 980–8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉

市街地 工業地区 福島市 高地 主に高地 高地 主に高地 主に高地 須賀川市 高地 高地 高地 高地 主に高地 朝霞市 高地 - 主に高地 主に高地 高地 豊橋市 高地 高地