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『Negotiating History: From Romanticism to Victorianism』 (早稲田大学出版会、

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《書評、自著紹介》

鈴木 理恵子 SUZUKI Rieko

鈴木理恵子著

Negotiating History: From Romanticism to Victorianism

(早稲田大学出版会、2012年)

On Negotiating History: From Romanticism to Victorianism (Waseda University Press, 2012)

本著は、19世紀初頭における英文学史上の区分に疑問を投げかけるところか ら始まっている。ロマン派文学、ヴィクトリア朝文学といった具合に作品を時 代区分に収めた形で読むことに妥当性があるのであろうか。仮に、ロマン派文 学やヴィクトリア朝文学の最盛期に書かれた作品であれば、ある程度納得がい くものの、特に、その初期や後期に書かれたものとなると、当然、その前ない しは後との関連性が問題になってくる。本著は、P.B. シェリー(1792-1822)、

メアリー・シェリー(1797-1851)、ロバート・ブラウニング(1812-1889)の 作品に焦点を当て、ロマン派文学からヴィクトリア朝文学への継続性を検証し たものである。具体的には、P.B.シェリーが執筆した最後の未完の詩「The Triumph of Life」、P.B.シェリーの生前にメアリー・シェリーが執筆した最後の 小説『Valperga』

そして、ブラウニングの初期の長編詩『Sordello』の三作品 を主として取り上げている。

「The Triumph of Life」はロマン主義の総括とも言える作品であり、ロマン主 義が掲げる「愛」や「想像」といった概念が社会変革に影響を与えうるのであ ろうかといった疑問を投げかけている。これを受け、メアリー・シェリーの

『Valperga』では、独裁者にまつわるロマンスという形で P.B.シェリーの暗い ヴィジョンに呼応させている。しかし、この小説では、唯一聡明な主人公が女 性になっており、ジェンダーの問題を真っ向から扱っている。権力欲と名声の ために努める男主人公は、シェリーのような啓蒙された女主人公の助言を跳ね

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≪書評、自著紹介≫

除け、野望の虜となるのであるが、往々にして、男性がそのような欲望に囚わ れるのに対し、女性は「平和」と「愛」を重んじるといったメッセージが含ま れている。このような人物像に対して、ブラウニングは反対の例を掲げて、必 ずしも、ジェンダーのステレオタイプがまかり通るとは限らないことを示唆し ている。『Sordello』では、野望の虜となっているのが女主人公であり、男主 人公は、逆に、人民のために尽くすタイプの詩人になっている。

以上、拙著においてロマン主義文学からヴィクトリア朝文学までの流れを P.B.シェリーからブラウニングまでという一例で提示してみた。

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