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学校図書館専門職の養成現場において

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Academic year: 2021

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学校図書館専門職の養成現場において 

“デジタル・デバイド”を起こさないために

今井  福司(白百合女子大学教授)

今回、中村百合子先生の依頼で、「子どものための図書館サービス専門職養成の国際動向」

の YouTube  Live で中継するプロジェクトに参加した。私は中継の作業を行いながら、パ ネリストのプレゼンテーションを見ていた。 

もっとも印象的だったのは、学校図書館専門職養成の実践発表にもかかわらず、数々のオ ンラインサービスの活用例が多く盛り込まれていたことである。日本国外の事例においては、

既にオンラインサービスの活用を行うことは、当たり前のことなのかもしれない。しかし日 本国内においては、学校図書館現場におけるインターネットの活用は未だに 90 年代のサー ビスから進化しておらず、コンピュータそのものが活用される事例も珍しいと言わざるを得 ない。学校図書館専門職の養成段階においては多少なりとも目配りされているとはいえ、今 回の発表には遠く及ばないと考えている。 

日本の学校図書館現場における、学校図書館専門職の地位は決して高くなく、学校図書館 に投じられる予算は非常に少ない。「失われた 20 年の不況」や新自由主義の台頭といった外 部要因があり、近年は学校図書館にとって苦境の時期であったことは確かである。しかしな がら、日本ではオンラインサービスを活用した教育実践は、学校図書館と別分野の活用とし て取り上げられることが多い。 

今回のプレゼンテーションを踏まえるなら、学校図書館専門職の養成においては、それが 印刷媒体であるか、オンライン媒体であるかにかかわらず、メディアの種別を問わず活用が 行われるべきで、その事例が多く報告されるのが当たり前だと考えている。日本の社会保障 において、デジタルデバイドをどう解決するかが近年問題となっている。もちろんそれ自体 も問題であるが、私自身が心配しているのは、学校図書館や学校図書館専門職自体がデジタ ルデバイドの環境にありながら、養成の段階においてもその点がカバーされていないのでは ないかという点である。 

日本独自の事情や、日本独自の発展があり得るのだとしても、デジタルという選択肢が学 校図書館や学校図書館専門職から取り除かれてしまうのは、多様性を前提とする学校図書館 において、私は好ましいこととは思えない。今回の記録映像は YouTube 上でアーカイブさ れており、本日(2020 年 2 月 25 日)時点で 248 回の再生があった。この 248 回の視聴が 停滞している日本の状況に少しでもインパクトを与えて欲しいと私は願っている。 

 

参照

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