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ダ チユ一汁 ン 酸 の 研小究

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(1)

ダチュリソ酸ほ︑チョウセソアサガオ竃aturaa−baTNees・︶の種子から採取される油に存在するといわれた脂      ︵ 

1︶  

肪酸C︸qH芝○蛤に与えられた名称である︒呑数炭素脂肪酸が天然油脂中に存在するとの説にはなお疑問があり︑      ︵ 

2︶   その飽和脂肪酸ダチェリソ酸については︑その存在を否定する老がある︒著者らほその存否を決定しょしうとして  

次の実験を行った︒それはヨクレユチョウセンアサガオ︵DaturaTa邑a﹀L・︶の種子から油を採取し︑これから  

ダチンふリソ酸と考えられる脂肪酸を単離し︑これと合成正飽和へブタデカン酸との混融試験紅よるものであった︒   

なお︑後に記す合成物の融点は︑ドイツ製PTR検定付寒暖計を標準とし︑かつ寒暖計の膨張率を考慮に入れて  

補正したものである︒  

︵1︶ 椎名 本論叢 ここ 小二七︵昭和二四年︶  

︵2︶ Ra首F WルC−ark︸ナAm・p訂rm・AsOC∴ Nチ00畠二霊莞︶  

B.L.Eanj§athandSいsiddapa︸1.1ndianChe芦SOC:一N一会○︵−¢∽豊   

ダチュリソ酸の研究  

ダ チユ一汁 ン 酸 の 研小究 

一 緒  l一一R.  

江平 椎  

︵三七九︶ 六山   

崎 木 名  

俊 照 七  

雄 男 郎  

(2)

二 ヘブタデカン酸の合成  

︵1︶   合成はパル︑︑︑チン酸から出発し︑−㌻トリル法によるもの・で︑次の順序による︒そして著者の天椎名が儲告した  

ノナデカン酸の合成例によるもので︑その合成ほ平木が担当した︒   

パル︑︑︑チン酸C↑研H00↑C00H←パル︑\\テン酸エチルC︼研H詮C00C随HⅥ←セチルアルコールC↑¢H00もH←  

ヨク化セチルC−㊦H誌IlセチロニトリルC︸①H芸CN←正飽和へブタデカン酸C↑訪H芝C00H   

l パルミチン酸およびそのエチルエステル 実験原料にしたパル︑︑︑チン酸は︑木口クから分離精製したもので  

ある︒   

︵2︶   

椎名は︑かつて木口クからその二塩基性酸を分離したか︑その実験においては︑木ロク混合脂肪酸のメチルエス  

テルをまず真空蒸留した︒二塩基性酸のメチルエステルは残留物となり︑木口ク混合脂肪酸のメチルエステルほ大  

部分が留出するが︑その主成分ほパル︑︑\チン酸メチルである︑この留出物は︑それになお少還含まれている二塩基  

性酸メチルを除去するため︑再三再四蒸留を繰返した︒そして最後の分留において︑パルミチン酸メチルを最も多  

鼠に含むと考えられる︑無色透明︑かつ冷える時よく結晶する︑〇・〇四mm厨下で沸点表三1表五度Cおよ  

び山四五1山五〇度Cの留出分をとり︑それぞれメチルアルコールから再結晶を行い︑精製を行った︒このように  

して得たパル︑︑︑チン酸メチルは︑融点二九・〇−二九・五度Cを示し︑純粋なものと認められた︒   

パル︑︑\チン酸メチルは︑これをア 

%の硫酸を含む無水アルコールで煮沸して︑.パル︑︑︑チン酸エチルとした︒   

なおパル︑︑︑チン酸は︑アセトンからの再結晶を行い精製したが︑その融点が六∵五1六∵八度Cを示した︒   

第二十九巻 第四号  ;劇八〇︶ 六二  

(3)

またパル︑︑︑チン酸エチルはアルコールからの再結晶蔽より精製したが︑融点二五・〇1二五・±度Cを示した︒  

2 セチルアルコール パルミチソ酸エチルをナトリウムとプチルアルコールとで還元して得たものであるが︑  

それに使用したプチルアルコールはわが国製の普通品であノつた︒精警mの融点ほ四九・七1五〇・一度Cである︒  

その収最は理論上の七山%である︒   

3 ヨウ化セチル 精製品の融点は二三・六−二四・二度C︒セチルアルコールからの収監ほ︑理論上の八九%︒   

4 セチロニトリル 分離精製せず︑ただちに加水分解によりヘブタデカン酸とした︒なおニトリル製造にはシ  

アン化カリウムの普通品を使用した︒  

5 正飽和ヘブタデカン酸 精製品は︑融点六三・二−六三・八度Cを示し︑ヨク化セチルからの収監が︑理論  

上の一四%︒そのメチルエステルほ︑二九・七1二九・九度C︒またエチルエステルほ︑二四・二1二四・三度C   

またほ二五・七度Cである︒   

︵l︶ 椎名 高松高歯開校十周年記念論文集=商工経済研究 九︑第三︑四号特輯 三二千︵昭和九年︶   

︵2︶ 椎名 高松高商 商工経済研究 ﹁四 二五入︵昭和山四年︶   

︵3︶ LeS莞ur一汐i−steins昌an号uc早︑かAuf−・Bd・串︐叫コ   

︵4︶ He−nN︶ 同上\   

︵5︶ 平尾子之吉︑油脂化学本論︑.前編一五六 ︵昭和三三年︶   の融点を有する︒  

なお文献による融点ほ︑遊離酸が六〇−六一度C︑または五九・九度Cであり︑六  

︵5︶  ︵3︶       ルエステルのものほ︑二九度Cまたほ二八・六度C︒牽た土チルエステルのものは︑   

ダチエり/ン酸の研究  

︵3︶      ︵4︶        ︵5︶  

︵三八こ 六三    ︵4︶  ︵3︶  

二八度C︑二四−二五度C   三度Cもある︒そのメチ  

(4)

1 ヨウシュチョウセンアサガオ︵Datu首TatulauL・︶ キチガイナスビともいう︒ナス科植物で︑猛毒のアル  

カロイドを含むことは︑よく知られ互い 

これをタバコにまぜて用いれば﹂ ゼンソクに効くという︒庭のすみ︑ごみ捨て場などに血−二本栽培されているの  

を︑しばん見かける︒またアトロピン原料として栽培することもある︒その丈多くは山mまでであるが︑著者の叫   シチョウ   人椎名によるものほ︑数年前︑香川県善通寺市︑もとの陸軍軸重隊の馬屋跡で栽培したものであり︑肥料匿富み︑  

日光および通風が十分なためであったか︑丈二mを超え︑根元の径約四cmにも及んだ︒果実中の種子は黒色で︑  

一大粒のゴマ種子または子ネズミのフンを思わせるものがあった︒   

2 ヨウシユチョウセンアサガオの種子 以下報告するところのものほ著者の一人江崎が︑香川大学経済学部商  

品実験室においで︑打地留学中に実験したものである︒   

研究用に使用した油は︑右栽培ヨクレユチョウセンアサガオの種子を原料にしたもので︑その種子は空気乾燥を  

′ 十分にしで保存してあった︒   

その性質につき測定した値は︑次のとおりである︒  

含 水 容 ′   油  

第二十九巻 第四号  

羊 ヨウシユチョウセンアサガオ油  

筍二表 ヨクレェチョウセンアサガオの種子  

重 ︵旦kg︶  

分 ︵%︶  

率 ︵%︶  

二 六・五 〇   

九・八  

〇・八 三  

︵三八二︶ 六取  

(5)

ヒリ 賢の含油堅八・一%︑比重︵宣〇・九二三九︑酸価五・五二︑ケン化価ス五︑ヨウ素価∵二〇・五︒  

またその脂肪酸ほ︑パル\\\チン酸6%︑リノリン酸一五%︑オレイン酸六・二%︑ダチェリン酸二・五%︵パル  

べチ  ただし容量はプラクエル天ピゾによる換算値を示し︑水分ほ二〇五度Cで一時間乾燥した時の減量を示してい   る︒   

3 油の採取 粉砕種子を特製大型ソックスレ一拍出器を使用し︑揮発油︵掛点五〇−七〇度C︶.で処理し︑油  

を採取した︒大型抽出器といっても︑二園に種子約岩Ogずつしか処理できず︑全種子三〇七五gを処理する  

に︑多大の時間を要した︒その採取した油の恩は六三山gであり︑二〇・五%の収量である︒  

4 油の性状 揮発油で抽出した油ほ淡黄色であるが︑含油率測定において︑エーテルで抽出したものは緑色を  

帯びていたっ第二表のヨウ素価からみて︑油は半乾性油に属する︒特性ほ第二表のとおりである︒  

比  屈   

改  んノ  

不  ヨ   

なお  ︵1︶  

ダチェリン酸の研究  

ン 化 価  

ケ ン 化物 ︵%︶  

ク  チョウセンアサガオ油につき︑発表されたものに︑次のものがある︒    第二表 ヨウシェチョウセソアサガオ油の性状  

重 ︵ギ︶  

L計.率 ︵3︒㌔︶  

価  

山 八 五・九三  

二・九 六  

一二 〇・三 三   C・九 州 二 六  一四 六 八 〇  七・〇 三  

︵三八三︶ 六惑   

(6)

︵三八四︶ 六六  第二十九巻 第四号  

︵2︶   

他の例︑比重︵ギ︶〇・九一人四︑屈折率︵25㌔︶ 山・四七三五︑ケン化価一八七・一︑ヨウ素価一二二・六︑  

酸価五二ハ㌧ アセチル価二五・六︑ライヘルトマイスル価〇・四四︑全脂肪酸八七・七%︑不ケン化物二・六%︒  

︵1︶ 油脂化学本論ノ前編 前出   

︵2︸ B卜M仁nj仁na声仇・Siddapa−上野誠一著 油脂化学及油脂各論 正編虹 九八〇へ昭和二四年︶  

四 ヨウシュチョウセンアサガオ油の脂肪酸  

1 油の混合脂肪酸 油のケン化により得られる石ケンを︑観で分解して混合脂肪酸を得たことは︑通常の方法  

と異なるところがないが︑不ケン化物をあらかじめ除去するため︑石㌢ソはとれをカルソクムのものとし︑熟アセ  

トンで処理した後︑遊離脂肪酸とした︒すなわち︑ヨウシュチョウセンアサガオ油をアルコールカリ液で煮沸して  

得たカリウム石ケン液は︑それから蒸留によってアルコ﹂ルを回収した後︑水溶液とし︑これに2Nの塩化カルゾ  

ウムを加えた︒そして沈殿したカルシウム石ケンは︑これをこし取り︑水洗︑乾燥の後︑クラウスエッツエル抽出  

器を使用し︑熟アセトシで︑不ケン化物を抽出除去した︒そして希塩酸でカルシウム石ケンを分解して得た混合脂  

肪酸は︑こlれから水分を除去す.る目的で︑これを揮発油に溶かし︑その溶液転無水硫酸ナトリウムの粉末を加え︑約  

一昼夜放置した︒そして溶汲乾燥後︑ロ過により硫酸ナトリウムを除去し︑揮発油溶液は︑蒸留により揮発油を回  

収して乾燥混合脂肪酸とした︒その油からの収量ほ三六・四%であった︒  

2 固体脂肪酸′ダチエ㌢ン酸は正飽和脂肪酸であって︑固体酸であるから︑それを単離するため︑まず混合脂  

肪酸をなす固体脂肪酸と︑液体脂肪酸との分離を行った︒その分離法ほトウイ.〟ッチエル氏の鉛塩アルコール法によ  

った︒その固体酸は︑混合脂肪酸に対し︑⊥二・八%の収量であり︑次の侶を有する︒   

疎  

(7)

3 固体脂肪酸の成分 固体脂肪酸の主成分を試験するため︑  

テルとし︑真空蒸留によって︑沸点の異なる数種のものに分け︑  

次に右各留分につき︑再結晶を行えほ︑それぞれの主成分が︑定性的ではあるが得られるわけである︒再結晶に  

真空蒸留ほ5mm胃的下で行ったのである′が︑実験中真空度に︑多少︑  

第四表 固体脂肪酸メチルの分留  

残留分へ沸点一六八度以上︶︑損失  

国分番号  沸 点︵虔C︶   第三表 固体脂肪酸の特数  

融  

点 ︵度C︶  

中  和  価  

平均.分子畠 

ヨ ウ 素 価  

ダチュリン酸の研究   1  2  3  4  5  6   −一四五  

仙四五†・仙五〇  

〟五〇1一五五  

一五五−二ハ〇  

二ハ○−一六五  

ご千⊥六八    留分量へg︶   

三・九   

三・四 三・四   

六二二   

九・七  

四・劇  

二︑二g   五二・〇−五五・一エ  

︑    〟九八・三一  二八二・九一エ    慧  

○ 箪  

収嶺︵%︶  

一山・八  

一〇・三  

一〇︒三  

山九・山  

二九・四  

一二・四  

六・七%  

混合脂肪酸はこれを比較的沸点の低いメチルエス   その各留分につき再結晶を行った︒  

仙mm近くの変化があったように思う︒  

融  点 ︵度C︶  

二五・八−二七・〇  

二七・〇−二七・五  

二六・五−二七・五  

二五・恵−二六・四・  

二四・二−二五・三  

二六・七−二八・〇  

\︵三八五︶ 六七   

(8)

第二十九巻 第四号  

は︑メチルアルコール釘溶媒とした︒  

そして欝五表の結晶を得た︒  

ただし結晶の番号芸ものは︑欝四表にお骨る留分1からのもので︑同留分の主成分と見るぺきものである︒他  

の番号の結晶尾また同意義を看する︒  

第五表 固体脂肪酸メチルの結晶   

・五度Cの融点を有する︒融点から見て︑第五表中に︑滝しもダチーニッソ酸のメチルエステルすなわちへブタデカ   ン酸メチルがあるとすれば︑結晶番号二のものがこれ紅最も近いといえよシ︒それで結晶番号二のものをとり︑合   成へブタデカン酸メチルとの混融試験を行ってみたが︑はとんど融点降下をみないし︑またその溶融混合物が冷却   凝固する時の結晶形も崩れないので︑番号二の結晶浸︑大体正飽和ヘブタデカン酸メチルのものに等しい︒ゆえに  

結晶番号二のものは︑正飽和へブタデカン酸メチルヾすなわちダチ1ニッソ酸であ.るといえるわけである︒    結晶番号  

∵  二  

三  

四  

五  

4 ダチユリン酸の検出   融 点︵度C︶  

二 七・五1二 八・〇  

二 八・三−二 九・五  

二 七・五1 八・〇  

二 七・五−二 八・二   

一二 六・〇1三 六・二  

三 六・四−三 七・五  

ヘブタデカン酸メチルは︑すでに記したように︑著者平木によれば︑二八・二−二八  

︵三八六︶ 六八  

(9)

番号二∵三および四の結晶ほ融点が︑結晶番号二のものに近く︑これと同様の混融試験をしてみたが︑二のもの  

と同様の結果を得た︒なお︑パ︑ル︑︑︑チン酸メチルは︑ヘブタデカン酸メチル.紅近い融点を有するのでl︑平木精製  

のパル︑︑︑チソ酸メチルと結晶番号二のものとのはか︑結晶番号∴言および四のものとの混融試験を行って見たが  

それぞれ︑二八・〇−二九・三︑二七・五−二八・二度Cおよび二七・四−二八・二度Cの融点を示し︑融点降下  

を認めない︒また混融物が冷却凝固する時に生ずる結晶もまたパル︑︑︑チソ酸メチルのものに等しい︒それで結晶番  

号一−四のものほ︑ヘブタデカン酸メチルであるか︑あるいほパル︑︑︑チソ酸メチルであるか︑判断に迷ったのであ  

る9結晶番号五および六のものは︑その融点が正飽和へブタデカン酸メチルまたはパル︑︑︑チン酸メチルのものより  

もかなり高いので︑両者のうちのいずれでもないことがわかり︑またヘブタデカン酸メチルとの混融試験において  

は︑それぞれ二六・五−二七・〇贋C︑および三ハ・〇−三ハ・五度Cの融点を示し︑明らかに融点降下を示して  

いる︒またパル︑︑︑チン酸メチルと同様の混融試験を行ってみたが︑それぞれ︑二六・七−二七・二︑および二六・  

一・−二六・五度Cの融点を示し︑明らかに融点降下を示している︒したがって︑結晶層号五および六のものは︑ヘ  

ブタデカン酸メチルまたほパルミチン酸メチルでないこと恨明らかである︒   

なお︑メチルエステルとの混融試験だけでは︑判断に苦しむので︑次に遊離脂肪酸について混融試験を行?てみ  

た︒すなわち結晶番号二および四のものを︑アルコールカリセケン化後︑酸で分解して得たものを精製して得た遊  

離脂肪酸につき︑すでに記した平木が合成した遊離へブタデカン酸との混融試験を行ってみた︒次表のものほその  

結果である︒  

第六表 遊離髄の混融点  

融  点︵度C︶  

結晶番号  

ダチェリン酸の研究   ヘブタデカン酸との混融点︵度C︶  

︵三八七︶ 六九   

(10)

ただし表中の結晶番号⇔またほ囲ほ︑それぞれ第五表中の結晶番号二または四のメチルエステルから得た遊離酸  

である︒   

右遊離酸の試料についても︑メチルエステルの場合と同様のことむいシことができ︑融点降下を示さず︑また混  

献物の冷却凝結す牒時の結晶も崩れることがなく︑ヘブタデカン酸のものに等しい︒したがって\結晶番号⇔の遊  

離酸はヘブタデカン酸であることが︑一応考えられる︒だがなお試みに平木によるへブタデカン酸︵融点六二・〇  

−六二・三度C︶とパル︑︑\チン酸︵融点六一・D−六㌻五度C︶との混融試験を行ったところ融点六一・五1六  

二・〇皮Cを示し︑融点降下を示さない︒この例もあるので︑結晶番号⇔または幽ほ︑果してへブタデカン酸であ  

るふどうか︑その判断になお苦しむところがある︒   

5 高教炭素脂肪酸に対する混融武験 もしもチョ官センアサガオ油申に正飽和ヘブタデカン酸すなわちダチュ   一  

り/ソ酸が存在するものとすれほ︑遊離酸またはそのメチルエステルの融点からみて︑第六表中の結晶番号⇔またほ  

第五表中の結晶番号⇔のものが︑それであると考えられるが︑その判断に苦しむことほ前記のとおりであり︑混敵  

試験だけでほ決定ができない︒その原因の一と考えられるものに次の例がある︒すなわち︑パルミチソ酸とステア  

リソ酸との混合物には︑それらのエステルの場合も同様であるが︑兼留や再結晶などにより組成を変えることので  

きないものがある︒この混合物を誤って純粋な山化合物であるとしで取扱う場合には︑濾融試験は︑成分が三つと  

なり︑融点降下を示さず︑不成功に終ることがある︒著者の単離し得たと考えたダチェリン酸は︑蒸留および再結  

晶に︑十分な注意を払ったが︑その組成があるいはパル︑︑︑チソ酸とステアリン酸との混合物であったのではあるま   

第二十九巻 第四号  

六一・一−六 血・三  ⇔  六 山・二1六 血・五   囲  六 山・〇1六 仙・五  六一・〇−六 脚・四   ︵三八八︶ 七〇  

(11)

いか︒したがってへブタデカン酸との混融試験濫より︑その組成を決定することができなかったものとも考えら  

れる︒しかし︑試料がパル︑︑\チソ酸とステアり/ソ酸との混合物ならば︑パルミチン酸との混融試験において︑その  

融点になお変化が認められるはずである︒ところがパルミチン酸との混融試験によるも︑組成決定ができないとす  

れば︑試料ほあるいはダチェリソ酸とパル︑︑\サン酸との混合物であって︑屑結晶たより組成を変えないものでなか  

ったろうか︒この点については︑さらた精査を要するものがある︒   

なお分子式払おいて︑炭素数が相隣る二つの偶数炭素脂肪酸の問紅おいてほ︑いわゆる共融混合物の如きものを・  

つくるものであるが︑混融物の一成分が奇数炭素脂肪酸の場合には︑このようなことがなく︑ヘプタデカン酸とパ  

ル︑︑︑チン酸との混合物は︑融点降下を示さない例のあることを知った︒したがって奇数炭素脂肪酸の場合紅ほ︑混  

融試験忍用することができないことを特記する︒  

6 ダチユリン酸の存在 奇数炭素脂肪酸であるダチェリン酸紅対し︑混融試験を応用することの危険は︑すで  

に記したところであり︑ヨウシユチョウセソアサガオ油籠ダチェリン酸が果して存在するか否かについては︑なお  

精査を要するものであるとす竃が︑しかし従来の実験匿おいて︑ダチエり/ン酸と考えられる絶品の収量は︑ほなは  

だ小さく︑こん跡程度といいたいところであり︑.この点からみて︑著者らはダチチリソ酸の存在をむしろ否定する  

のである︒  

」  

研究を行った︒  

ダチェリン酸の研究   7  ヨクレュチョウセンアサガオの樺子油に︑Clのダチェリン酸が存在するとの混もあるが︑これを決定するために︑   五 総  

︵三八九︶ 七山   

(12)

︵三九〇︶ 七二  第二十九巻 算四号  7   

ダチュリソ酸は存在するとしても数量であることが想像され︑㌧その組成決定は合成によるClの正飽和脂肪酸との  

混融試験によることとした︒   

Clの脂肪酸︑すなわち正飽和へブタデカン酸の合成は︑木口クから製取した純パルミチソ酸を原料とし︑ニトリ  

ル法によった℃   

ダチェリン酸は︑ヨクレユ≠ヨクセソアサガオの種子油からの飽和固体脂肪酸を︑まず︑そのメチルエステルと  

して分留し︑次いで各留分を再結晶法により各留分の主成分を分離し︑これから検索した︒   

ダチェダン酸と思われる成分は︑収量が極めて小さくてこん跡の程度であり︑存在しないものとする︒   

なお正飽脂肪酸の同族列紅おいては︑二鳥級奇数炭素脂肪酸と︑炭素数が相隣る偶数炭素脂肪酸との混融物は︑ 

融点降下を示さず︑またその結晶形も︑もとの成分のものと等しいことを知った︒エステルの結晶の場合も同様で  

ある︒したが︑りて︑高級正飽和奇数炭素脂肪酸に対し︑混融試験法を応用することは︑危険であり︑注意を要する  

へ昭和三十山年八月︶   ものであるとする︒  

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