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論文審査の結果の要旨 氏名:庫

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:庫

博士の専攻分野の名称:博士(歯学)

論文題名:試作オペークレジンのレイヤリング効果 -s-TP値標準曲線をもとに試作したオペークレジン-

審査委員:(主査)日本大学教授 歯学博士 西 (副査)日本大学教授 歯学博士 會 日本大学教授 歯学博士 齊 日本大学教授 歯学博士 池

周知のようにコンポジットレジンは、窩洞周囲のエナメル質と似た質感が得られるように半透明性を有 しており、色はシェードガイドを基にして術者が選択できるようになっている。したがって、臨床の場で 色の選択は可能であるが、窩底部象牙質に着色が認められるような症例では、着色象牙質がコンポジット レジンの色に影響を与えるか否か、オペークレジンとのレイヤリングの要・不要、さらに、オペークレジ ンがコンポジットレジンの色に与える影響の有・無について、術者の経験に基づいて判断しなければなら ない。そのために、修復処置後に術者が予測した色とは異なった色となり、術者だけでなく患者の満足も 得られない場合がある。その理由としては、臨床的に着色の程度は均一でなく、コンポジットレジンの厚 さの違いが背景色の影響を大きく左右しているものと考えられる。

最近の歯科色彩学では、半透明性材料の透過性の指標としてTP値が利用されるようになり、さらに基準 背景色とL*値の異なる背景色を用いたs-TP値標準曲線の情報から、コンポジットレジンの背景色遮蔽効果 や透明性が評価できるようになった。そこで、著者はs-TP値標準曲線をもとにした試作オペークレジンを 作製し、フロアブルレジンおよび試作オペークレジンとのレイヤリング試料のs-TP値標準曲線から得られ る背景色遮蔽領域の臨床応用の可能性と、試作オペークレジンの有用性について調べることを目的として 実験を行った。その結果、以下の結論を得ている。

1. 厚さ0.5 mmの試作-OPは、厚さ1.0 mmの調整用-A3.5と同程度の背景色遮蔽領域を示した。

2. 厚さ0.5 mmの試作-OPと市販フロアブルレジンとのレイヤリング試料の背景色遮蔽領域/試料厚さの 関係から、フロアブルレジンが1.0 mmの厚さであれば、B3C3では臨床的に高度な黒色着色と仮定し た背景色色差値70を遮蔽することができ、A3では僅かに背景色を認めることが予測された。

3. 目視による検証において、背景色色差値70の帯状背景の上に設置した0.5+1.0 mmB3C3のレイヤ リング試料では、帯状背景を確認することができず、A3では僅かに背景色の帯状背景を観察することが でき、予測された背景色遮蔽領域と一致していることが判明した。

以上のことから、本実験で試作したオペークレジンの臨床的有用性が示唆され、目視の検証と整合性を 示すs-TP値標準曲線は、色の違いや透明性の指標として非常に有意義な情報を有しており、今後のオペー クレジンやコンポジットレジンの開発・改良に役立つものと思われた。そして、臨床応用に関しては、事 前にコンポジットレジンおよびオペークレジンのs-TP値標準曲線から得られる背景色遮蔽領域/試料厚さ の関係が明らかにされていれば、オペークレジンの要・不要が即座に判断ができ、臨床で役立つものと考 えられた。今日の歯科医療は、審美的治療・回復が求められるようになってきている。この様な時代的背 景から、保存修復治療ではコンポジットレジン修復を行う症例が増大してきており、審美的修復材料を適 切に使用できる能力が術者に求められるようになってきている。本実験で得られた知見は、色彩学的な論 理性を基にしたコンポジットレジンやオペークレジンの改良・開発の可能性が示されただけでなく、コン ポジットレジン修復の臨床に大変役立つ情報となるものである。

よって本論文は、博士(歯学)の学位を授与されるに値するものと認められる。

平成 年 月 日

参照

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