神経膠芽腫における染色体12番長腕12q22‑23のヘテ ロ接合性の喪失とApaf‑1の不活化
著者 渡邉 卓也
著者別名 Watanabe, Takuya
雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査
結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科
巻 平成16年7月
ページ 6‑6
発行年 2004‑07‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/15810
甲第1586号 学位授与番号
学位授与年月日 氏名 学位論文題目
平成15年6月30日
渡邉卓也
神経膠芽腫における染色体12番長腕l2q22-23のヘテロ接合性の喪失とApafL1の不活化
山下純宏 山田正仁 東田陽博 教授
教授 教授
論文審査委員主査
副査
内容の要旨及び審査の結果の要旨
神経膠芽腫においてはp〃遺伝子の点突然変異、上皮成長因子受容体(epidermaleprowthfactor receptor>EZXHR)遺伝子増幅など様々な遺伝子異常が報告され、それぞれの遺伝子異常に関連する神 経膠芽腫内でのサブタイプの存在が報告されている。近年、ある種の1厘傷においてはアポトーシスの 主要な実行因子であるApafL1(apoptoticproteaseaclivatmgfactor-1)の低発現とApaflが位置する 染色体12q22-23のヘテロ接合性の喪失(lossofheterozygositylLOH)が腫瘍の悪性度と関連するこ とが報告されている。しかし神経膠芽腫における染色体12qLOHやAlpafL1の発現に関する報告は少 ない。本研究では神経膠芽腫における染色体l2q22-23LOHとAlpafL1の発現の関与を検討するため、
ApafL1遺伝子の位置する染色体l2q22-23LOHに関してマイクロサテライト解析を行い、一方APan の発現について逆転写(reverselranscription、RT)‐PCR法および免疫組織化学法により評価した。
さらに神経膠芽腫における代表的な遺伝子異常であるp〃遺伝子異常とE[HHF遺伝子増幅の両者と l2q22-23LOHとの関連を検討した。
神経膠芽腫33例のうち12q22-23LOHは14例(42%)と高率に認められた。この14例のうち ApafL1mRNAの低発現は9例(69%)、また免疫組織化学においてApafL1陰性反応を示したものは 12例(86%)であり、l2q22-23LOHとApafL1mRNAおよび蛋白の低発現は有意に相関した(p<0.05, p<0.001)。p〃遺伝子変異は13例(39%)、EUHFIT遺伝子増幅は8例(24%)に認められ、両者は 従来報告されているように互いに相容れない関係(mutuanyexclusive)であった。12q22-23LOHと、
p〃およびEZHHF遺伝子異常との間にはどちらにも相関関係がなかったが、p5aE巳H2遺伝子異常 を両者とも有しない9例中6例(67%)にLoHを認めた。更に、p〃遺伝子異常あるいはl2q22-23LoH のいずれかを有するものは33例中23例(70%)に上った。以上より神経膠芽腫においては
l2q22-23LOHが高率(42%)であり、従来報告されている神経膠芽腫の代表的な2つのサブタイプ には属さない、染色体l2q22-23LOHを有する新たなサブタイプの存在が疑われた。
本研究は、アポトーシスに重要な役割を担うApafL1とその遺伝子座の異常を神経膠芽腫において 初めて明らかにしたものである。更に「p53-ApafL1」アポトーシス経路の破綻が神経膠芽腫の生物 学的な特性に影響を与えていることを示唆しており、神緬重瘍学の発展に寄与する価値ある業績であ
ると評価された.
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