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付加原価概念と別原価概念との関 係 に つ い て

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付加原価概念と別原価概念との関係について 239

付加原価概念と別原価概念との

関 係 に つ い て 佐藤好孝

I 問題点の提起

原価計算上の各種の原価概念も,他の科学における諸概念一般にみられる 発展と同様に,生成一一一→発展一→新質の発生(分化)という過程を経て発展 してきた。本小稿において採り上げようとしている付加原価概念と別原価概 念との関係も,その例外ではなく,上述のような過程を経て構成されてきた という関係にある原価概念である。いうまでもなく,この両原価概念は,現 代原価計算理論の主流をなす消費主義原価理論の基本理念を理解する上で非 常に重要な役割を果す概念であるといえる。

注)ここに消費主義原価理論とは,支出主義原価理論に相対立する原価理論学説であ る。支出主義原価理論が貨幣支出に基礎を置き「原価」と「費用」と「資産」とは 本来的には同質であるとの理論的前提に立って,貨幣支出を通じて原価概念を解明 しようとする原価理論学説であるのに対して,この消費主義原価理論は原価の発生 が,経営によって支払われた貨幣額に求めないで,評価登れた財貨の消費数量に求 め,原価概念を支出概念(Ausgabenbegriff)と費用概念(Aufwandsbegriff)

とから明確に区別して解明しようとする原価理論学説である。この問題についての 詳細は,拙著「実際原価計算」(同文舘・昭和50年刊)の第I編の第1葦ならびに 第2章を参照されたい。

とはいうものの,まず前者の付加原価概念(Zusatzkostenbegriff)であ

るが,これはわが国では古くから紹介されてきたので,少なくとも原価計算

の研究を志す人々にとっては非常によく理解されていなければならぬ筈の原

価概念であるのに,実際には用語の表面的な意義の理解に止まり,付加原価

のもつ現代原価計算理論上の位置づけないし意味・内容についての理解,さ

(2)

240  経 営 と 経 済

らにはまた計算実践における測定技術についての研究ならびにその処理方法 についての理解という問題になると必ずしも充分とはいえないロこうした点 は,わが国では,例えば,ここで採り上げている消費主義原価理論のもとで の経常的原価計算で使用される「付加原価 J ( Z u s a t z k o s t e n ) とアメリカの 特殊原価理論のもとでの特殊原価調査 ( s p e c i a lc o s t  s t u d i e s ) で使用され る「付加原価 J ( i mputed c o s t ) とを同一視するといった誤てる理解の仕方 などに現われている o

というのは,両者は,非常によく似ているが,実は,その概念の生立ちの 点からしても,またその基本的な考え方の点からしてら次元を具にしてい るからである o すなわち,アメリカの特殊原価調査で使用されている付加原 価は,単独概念として発生し,この原価概念に対する対応概念がなく,また その基本的な考え方としては,その前提として実際の財貨価値の消賀が行な われていることが必要条件とはなっておらず,性格的には,代替案の一つを 採用しなければ発生してこないところの未来原価 ( f u t u r ec o s t s ) の性格を もつものとして取り上げられている

O

だが,乙れに対して,消費原価理論の もとでの経常的原価計算で使用されている付加原価は,原価計算上の原価と 財務会計上の費用との関係を解明する過程において,中性費用 ( n e u t r a l e r Aufwand) との対応概念として発生し,常にその前提として,無償取得の 原材料費や無報酬の定時間外賃金などのように実際の財貨価値の消賀が行な われていることが必要条件となっており,性格的には過去原価 (Vergangen‑

h e i t s k o s t e n ) として取り上げられているのである。

次に後者の別原価概念 ( A n d e r s k o s t e nb e g r i f   f)であるが,乙れは,特に

わが国では,全くといってよい程知られていない原価概念であり,ましてお

や付加原価概念と別原価概念との関係という問題となると全く採り上げられ

たことがないというのが現状である。この別原価概念は,実は,シュマーレ

ンバッハ教授の祖述に出発した現代消賀主義原価理論学説の流れを汲むケノレ

ン学派 (K り l n e rS c h u l e ) の一人であるコジオール教授によって初めて採り

上げられた原価概念である (Vg 1 . K o s i o l ,  E . ,  K a l k u l a t o r i s c h e  B u c h h a l ‑

tung ,  Wiesbaden.  1 9 5 0 .   S .   8 0 . )  

0

もちろん, この原価概念は,コジオ

(3)

付加原価概念と別原価概念との関係について 2 4 1   ーノレ教授が自派の確立した原価理論を発展させようと努力する過程において 構成したものである乙とはいうまでもない。

ではなぜ,乙うしたコジオーノレ教授によって初めて構成された別原価概念 を,現代原価計算理論上の重要な原価概念として採り上げるかといえば,こ の別原価概念が構成されることによって,シュマーレンバッハ教授の祖述以 来もっていた付加原価概念の矛盾が除去され,さらに消費主義原価理論学説 に特有な付加原価と基本原価と中性費用との関係を内容的に精密化するのに 大いに役立ったと考えられるからである o

E  付加原価概念の矛盾と別原価概念

付加原価概念は,ガノレク・フェノレズによって確立された原価計算制度の誕 生した 1 8 8 7 年 頃 ( G a r k , E .  a n d  F e l l s ,  J .   M. ,  F a c t o r y  A c c o u n t s ,  1 8 8 7 . )  

から今世紀の 1 0 年代の末頃までの支配的な原価学説であった支出主義原価理 論から, 1920 年代以後の支配的な原価理論学説となった消費主義原価理論の

もとで構成された原価概念であることは周知の通りである o

注 〉 因 l 乙支出主義原価理論学説l と属する学者に共通的 l とみられる見肝の特徴を要約 的 l と示すと次のようになろう。

1 .   1 'f幣支出に基礎を置き原価と費用と資産とは本来的には同質であるとの担論的 前提に立って,貨幣支出を通じて原価概念を解明しようとする乙と。

2 .   貨幣支出が原価の解明にとって決定的な出発点となるため,支出と百周と原価 との計算要京が同じ内容のものとなること。

3 .   自己資本利子や無報酬の定時間外賃金などのような,いずれの期間の支出とも 結びつかない付加原価に属する原価要素に対しては原価性を認めない乙と。

この消費主義原価理論学説は,支出主義原価理論学説のもとで支出と賀用

と原価とを同一祝した原価思考 ( K o s t e n de n k w e i s e ) を,新しい視点に立っ

て原価を支出と究用とから独立させて考えようとする思考理論を確立した原

価学説である。そこで,いま,乙の原価学説に属する学者にみられる見解の

特徴を要約すれば,次のようになる。

(4)

2 4 2   経 営 と 経 済 1 .   原価の発生を,経営によって支払われた貨幣額ではなく,評価された

財貨の消費数量に求め,原価を支出と賀用とから明確に区別すること o

2 .   原価計算上の原価と財務会計上の費用との間に,異なる評価原則の適 用を認め・原価には支出価値(取得価格〉以外の計算価格(例えば,予 定価格)の採用を採択していること o

3 .   原価と費用との問の計算要素の範囲の相違を認め,賀用を基本原価 (目的費用 Zweckaufwand) と中性費用 ( n e u t r a l e rAufwand) に , また原価を基本原価 ( G r u n d k o s t e n ) と付加原価 ( Z u s a t z k o s t e n ) とい った具合に,両者の聞に原価計算上の計算要素の範囲に合められない費 用(原価を構成しない費用)すなわち中性質用と損益計算上の計算要素 の範囲に含められない原価(費用を構成しない原価)すなわち付加原価 の存在を認め,原価と費用との区別に本質的・内容的意味をもたせてい る乙と o

4 .   計算形態的には,形式的一元・実質的二元の原価計算形態を採るこ と 。

乙うして,シュマーレンバッハ教授の祖述に出発した消賀主義原価理論が 付加原価の存在を認めて以来,経済社会の発展と共にその計算要素の範囲は 拡大し,内容的には,次掲のように各種の計算要素が含められるようになっ た o

1 .   無償取得の原材料費

2 .   経営給付の自己消賀(例えば,炭鉱における石炭の自家消費;副産物

・作業屑の自家消費)

3 .   経営内部的給付(i n n e r b e t r i e b l i c h eL e i s t u n g e n ) すなわち自家生産 の電力・蒸気・工具・その他を時価評価して自家使用した場合の動力賀

.工場消耗品質 4 .   未払いの企業家賃金

5 .   無報酬の定時間外賃金(残業賃金)

6 .   私宅ならびに自己の土地を営業上利用している部分に対する未払賃借

(5)

付加原価概念と別原価概念との関係、について 2 4 3   7 .   実際発生額が予定消費額より小さい場合に発生した原価差異(例え ば,材料の消費価格を予定価格をもって計算した場合における材料費の 実際発生額が予定消費額より小さい場合の材料消費価格差異・その他) 8 .   利付経営必要資本 ( z i n s b e r e c h t i g eK a p i t a l ) の利子費(自己資本利

子と他人資本利子とからなる)

9 .   帳簿上償却済の機械設備の減価償却費

1 0 .   非保証の危険費(例えば,棚卸減耗費見積額・仕損費見積額・その 他 〉

だが,乙うした付加原価の範鳴に含まれている計算要素の中には,従来資 本利子(上掲の 8 )・減価償却費(上掲 9 )・危険賀(上掲の 1 0 ) のよう に,付加原価概念の性格を暖昧にするような計算要素が含まれていたため,

その説明に苦慮していたこともまた事実である。というのは,原価計算上の 資本利子費についていえば, 乙れには,支出価値に基づいて測定される中 性費用としての他人資本利子 (Zinsenf u r  Fremdkapital) と原価計算上 の消費に基づいて測定される付加原価としての自己資本利子 ( Z i n s e nf u r   E i g e n k a p i t a l ) とが混在し,また原価計算上の減価償却費 ( k a l k u l at o r i s c h e   Abschreibungen) についていえば,これには,支出価値に結ひ、つけて測定

される中性費用としての工場の建物・機械設備の減価償却費と支出価値に結 びつかないで原価計算上の消費に基づいて測定される付加原価としての償却 済の工場の建物・機械設備の減価償却費とが混在し,さらに原価計算上の危 険 ( k a l k u l a t o r i s c h eWagnisse)を在庫上の危険である棚卸減耗買について いえば,支出価値に基づいて測定される中性費用としての棚卸減耗貨と過去 の経験に基づいて予定計算によって測定される付加原価としての棚卸減耗買 とが混在しているからである o

こうした点に若目したコジオー

j

レ教授は,上述の 3 つの計算要素中に合ま れている中性質用としての他人資本利子・減価償却 m ・危険 2 2 を取り出して,

「そのもの自体の性j 各からすると全く原価性をもつから価原計算上考底され

なければならないが, しかし原価計算では,支出に基づいて計上される財務

(6)

244  経 営 と 経 済

簿記上の金額ではなく「別個 J ( a n d e r s ) に把握されなければならぬ担賓があ る

O

そ 乙 で , 私 は 乙 れ を 端 的 に 別 価 原 (Anderskosten) と呼ぶ J (Vg 1 .   K o s i o l ,  E . ,  a .   a .   0. ,  5  A u f l .   1 9 5 3 .   1 9 5 3 .   S .  9 5 . ; 拙訳「コジオー

j

レ原 価計算 J 4 頁,千念書房,参照)と規定したのである

O

注 〉 このコジ、オール教授によって初めて枯成された別原価概念について,同じケノレン 学派の流れを汲む学者の一人であるノヴーク教授は,別原価という語法は, ? J { [かに 合苔ある言葉であるにもかかわらず,文献面においても,また実務面においても普 及していないことを残念がっている (V g l .   Nowak ,  P . ,  K o s t e n r e c h n u n g s ‑ s y s t e m e  i n   d e r  I n d u s t r i e ,  1 9 5 4 .   S . 2 0 . ) 。

いま,従来ケノレン学派の人々によって行なわれてきた原価と賀用との関係 を,コジオーノレ教授の別原価概念を導入して,これを図解してみると,次掲 の図表 I のようになる

O

さて,この別原価概念がコジオーノレ教授によって確立される以前もまた以 後も, ドイツにおいて今日最も一般的に普及している処理方法は,前述の資 本利子・減価償却資・危険資を構成する相互に性格を具にする 2つの計算要 素を r 原価計算上の利子 J ( k a l k u l a t o r i s c h e  Z i n s e n ) ・「原価計算上の 減価償却賀 J ( k a l k u l a t o r i s c h e  Abschreibungen) ・「原価計算上の危険 賀 J ( k a l k u l a t o r i s c h e  Wagnisse) という形で一本化して付加原価化し,乙 れを付加原価の計算要素の範曜に含めるという方法である (Vg l .   Naheres  b e i  M e l l e r o w i c z ,  K. ,  Kosten und Kostenrechnung ,  Bd.  I I  1 .   S S .   46‑

4 9 )  

乙乙 l 乙,繰り返し述べるように,付加原価の性格を暖昧 l こした原因があっ たのであるが,そのもの自体の性格からすれば原価性をもつが,本来の付加 原価とは異質の性格をもつのでこれを別原価として取り出す乙とによって,

付加原価が本来の姿に立戻ることができたといえる o そうした意味において,

乙の別原価概念の成立は,現代原価計算上の原価概念を精密化するのに大き

な役割を果したといえよう o ここに,この別原価概念のもつ現代原価計算上

の意義が求められよう

D

(7)

=と調 菌 詰 t 争

E  [ヤ 務 l 

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淘菌 M 詰 t4q  炉 r'r'  5Eδ  R E  簿 言己 「〈 J

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簿 百己 図表 I

MK円切

(8)

2 4 6   経 営 と 経 済 また,乙うした別原価概念の範時に属すると考えられる計算要素の範囲 は,例えば,今日の公害防止買などにみられるように,経済社会の発展ない し高度化と共に,今後益々拡大する傾向にあると考えられるので,学界にお いても,また実務界においても,この概念の導入が必要になると考えられ る

D

E  別原価の付加原価化の論理とその計算処理

別原価が,原価計算上の原価要素として取扱われる場合には,一般に付加 原価化される。そこで,乙の別原価が,付加原価化されるにはし

1

かなる論理 に基づき,またいかなる計算手続に基づいて行なわれるのかが問題となるが,

いまこれを資本利子資を例にとって説明すれば,次のようになる

D

別原価としての他人資本利子のように支出価値に基づいて測定される賀用 が,消費に基づいて測定される付加原価としての自己資本利子と同じように 付加原価として取扱われるためには,支出価値に基づいて測定される別原価 としての他人資本利子が,消費に基づいて測定される消費原価に変えられる 必要がある。そのためには,原価計算上の利子として認められる別原価の対 象となる他人資本は,製品生産目的に必要な資本でなければならぬ。そと で,具体的には,経営目的ないし製品生産目的に役立つ資本実体が,原価計 算上の利子計算の対象として考えられる。このようにして,支出価値に基づ いて測定される別原価としての他人資本利子が,消費に基づいて測定される 消費原価に変えられる。

そ乙で,こうした原価計算上の利子計算の対象となる経営目的ないし製品 生産目的に役立つ資本実体は,具体的には I 経営必要資本 J ( b e t r i e b ‑ snotwendige  K a p i t a l ) ならびに「利付経営必要資本 J ( z i n s  berech t i g t e   K a p i t a l ) に求められる

D

経営必要資本は, 1 9 3 5 年 に 公 布 さ れ た ド イ ツ の

「原価計算総則 J (AKG) において規定された I 経営必要資本とは継続

して経営目的(当該企業の事業目的としている製品の生産目的)に役立つ設

備財産(例えば,建物・機械設備・その他)ならびに取引財産部分(工場材

(9)

付加原価概念と別原価概念との関係について 247 

経営必要資本と利付経営必要資本との確定表

(単位千円〕

( 貸 開 表 価 値 │ 時 間 合 倒 産 │ 問 要 資 本 A. 経営必要資本

借 方 I  .固定資本

1.建 物 2 , 250  3 5 0   1 , 9 0 0   2 . 土 地 1 , 000  500  5 0 0   3  機 械 設 備 500  250  7 5 0   4 .   工具・器具・備品 200  50  2 5 0   5 .   特許権・その他 350  250  6 0 0   6 . 出 資 6 0 0   600 

メ 口

4 , 900  4 , 000 

I I . 流動資本

1.材 挙} 1 , 350  50  1 , 3 0 0   2 . 仕 掛 品 750  1 0 0   8 5 0   3 . 製

1

300  1 0 0   4 0 0   4 . 支 払 手 段 225  1 2 5   1 0 0  

5 . 出 資 1 2 5   25  1 0 0  

6 . そ の 他 750  7 5 0  

メ 口

計 3 , 500  3 , 5 0 0  

借方合計 8 , 400  ‑ 1   , 6 5 0   +  7 5 0   7 , 5 0 0   貸 方

1.自己資本 3 , 375  I I . 他人資本

1 .   得意先預り金 500  2 . 買 掛 金   , 1 000  3 . そ の 他 3 , 525  5 , 025 

貸方合計 8 , 400  B. 利付経営必要資本

経営必要資本

控除資本: 7 , 5 0 0  

得意先預り金

買 掛 金 5 0 0  

利付経営必要資本   , 1 000  1 , 5 0 0  

6 , 000 

図 表 E

(10)

2 4 8   経 営 と 経 済 料 ・ 補 助 材 料 ・ 在 庫 製 品 ・ そ の 他 ) の 価 値 を い う o 経営に必要でない全 設備財産の価値は,これを経営必要資本に合めではならない」という表現 にみられるように,内容的には,経営目的に役立つ設備財産 ( A n l a g e n v e r ‑ m o g e n s ) ならびに取引財産 ( U m s a t z v e r m o g e n s ) か ら 枯 成 さ れ る o した がって,経営の製品生産目的に役立たない全設備財産(休止設的・有価証 券・その他)の価値は,これを経営必要資本から控除し,さらに控除資本 ( A b z u g s k a p i t a l)ないし無利子他人資本(買掛金・顧客からの前受金・そ の他)を控除して,手 j I 付経営必要資本が求められる。乙うした経営必要資本 ならびに利付経営必要資本は,一般に,具体的には,前掲の図表 I I (Vg 1 .   Me l 1 e r o w i c z ,  K . ,  a .  a .   0 . ,  B d .   I I   1 .   S .   3 9 5 . 拙著「現代消費主義原価 計算の理論 J 62 頁.千倉吉房.) のようにして確定される

D

こうして,利付経営必要資本 ( 6 0 0 万円)が確定されたならば, 乙れに対 して統一的な原価計算上の利子率,例えば,次に示す計算例のように, ( 1 ) 安 定した公社債の利子率(第 1 法)とか, ( 2 ) 各種資本の実際利子率の加霊平均 によって算出された利子率(第 2 法)とかを適用して算定される(拙著「実 際原価計算 J 29 頁.同文館.参照)。

く第 1 法> 公社債の利子率を適用した場合

いま,安定した公社債の利子率が,例えば,年 696 であったと仮定する。原価計算上 の利子原価:印O 万円 X6  %=36 万円

く第 2 法> 加重平均利子率を適用した場合 1.自己資本

l l .他人資本 1 ) 社 債 2 )   銀行借入金 3 ) そ の 他

4 , 0 0 0 万円 X6 必 =240 万円

4 0 0 万円 X 5  %=20 万円 2 0 0 万円 X5.596=11 万円 1 0 0 万円 X 496= 4 万円 4 , 7 0 0 万円 2 7 5 万円 加重平均: 275X 1 0 0 ‑ : ‑ 4 ,  700= 約 5 . 9 9 6

原価計算上の利子原価: 6 0 0 万円 X5.9%=354 万円

(11)

付加原価概念と別原価概念との関係について 2 4 9   このようにして,付加原価化されて計算した別原価は,当該企業の製品原 価に比較性 ( V e r g l e i c h b a r k e i t ) をもたせるために,他の付加原価と共に当 該企業の製品原価に算入されることになる。もちろん,これが,当該企業の 製品の価格計算目的のためにのみ算入されるのであれば問題はないが,これ を財務会計と有機的に結びつけて常時継続的に行なわれるいわゆる経常的原 価計算に導入するということになれば,次掲の図表 E のような調整計算が必 要となることはいうまでもない o

(注) 付加原価はいずれの期間の支出とも結びつかない原価であるので,これに照応 したクラス 1 の財務勘定(例えば,現金勘定)が,対応勘定として現われない。

そこで,付加原価について,自主の賃金 2 万円といった具合に自主的に査定して,

クラス 4 の原価要素勘定として付加原価勘定の借方と調整勘定としての付加収益 勘定の貸方に,次のような仕訳を通じて記入される。

(借方)付加原価 2 0 0 貸方)付加収益 2 0 0

製造勘定貸方の3 0 ,製品勘定貸方の 2 0 は,期末仕掛品原価・期末製品残, ' : ; j ~乙合

まれている付価原価の控除分を示す。

図 表 E

というのは,財務会計上の資産ならびに賀用は,いずれかの期間の支出と 結びついていなければならぬ

D

ところが,この付加原価化された別原価は,

いずれの期間の文出とも結ひ、つかないので,このままでは,担益計算上の売 上製品原価として,また貸借対照表上の製品・仕掛品の原価として計上する

ことができないからである o

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