扉
雑誌名 東西南北
巻 2006
ページ 74‑75
発行年 2006‑01‑31
URL http://id.nii.ac.jp/1073/00003332/
本特集は、2004年度をもって本研究所プロジェクトとしての3年間に およぶ研究活動を締めくくった、東西交渉史研究会の最終年度現地調査 報告である。その「南西アジア―インド洋世界をつなぐ新資料報告」な るタイトルは、インド・パキスタンを中心に美術史と宗教誌を領域とし て重点研究を続けてきたメンバーたちによる研究成果の蓄積の上に立っ て、今後の新たな課題と方向性を公示するものである。
本プロジェクトの主たる研究成果は、『東西南北2005』に掲載された
「インド調査報告:インドの芸術と信仰」として概ね満足する形をなし えたといえる。つまり2003年度インド調査をまとめたこの小報告は、研 究員の個別研究テーマから発したフィールドワーク案を共同作業の中で 討議し、一定の条件下で参加を認めた有志学生らとのワークショップを 経て実現した、現地調査プロジェクトの記録であるからだ。教員・学生
南西アジア―インド洋世界を つなぐ新資料報告
南西アジア―インド洋世界を つなぐ新資料報告
特集
東西交渉史からみたアジア文化の変容:フィールドワークとその報告
合同チームによる、インドにおいては初めての、授業カリキュラムの一 環ではない「フィールドワークの現場空間」を、各自が対等に体験した 誇るべき時間のファイルであると自負している。
年度が替わって2004年度、再びインド世界に足を踏み入れたメンバー は、問題点をより深く、より広く推し進めるべく「空白の空間」を奔走 した。パキスタン北西部の古巣ガンダーラとスワートを、基壇のデザイ ンに着目したストゥーパ調査と未踏遺跡の位置確認を主題に歩きなおし た前田たつひこ、そしてインド洋の彼方東アフリカの地に古顔ヒンドゥ ー教徒とバルーチ族の共同体を訪ねた村山和之の2名である。その成果 を「2004年度ガンダーラ調査」(前田)と「ワンザとバルーチ:東アフリ カの南西アジア系ハムワタニー」(村山)としてここに載せる。継続的に 追及する研究テーマに根付いた専門的な資料収集の記録として、2編の 報告は、いずれも2003年度調査では補いきれなかった調査対象地におけ る新資料・新事実を紹介するものである。
パキスタンの馬方(クエッタ)