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軽度発達障害 に関する小 ・中学校教師の意識調査 †

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秋 田大学教育文化学部教 育実践研究紀 要 第30 2008

軽度発達障害 に関する小 ・中学校教師の意識調査 †

渡部 紘子 * 秋 田大学大学院

武 田 篤** 秋 田大学教育文化学部

障害児教育 は今,大 きな転換期 にある. なかで も,通常学級 に在籍す る知的障害 を伴わ ない 「軽度発達障害」児への支援 とい う,新 たな課題 に全ての教師が直面 している.そ こ で本研究では,小 ・中学校の教師を対象 に軽度発達障害児への支援 に関す る質問調査を実 施 し, その現状 と課題 を検討 した.因子分析 の結果,1

)校内支援体制 と雰囲気,2 )軽度

発達障害への関心、,研修の必要性,3

)軽度発達障害児 に対す る指導力,4)共 に育っため

の学級経営,5

)保護者 との連携の葉 しさ ,6 )専門的指導重視, とい う 6

因子が抽 出され た. これ ら6因子 を校種 (小学校 と中学校) と職務種 (管理職 と学級担任)別 に比較検討 したところ以下の結果を得た.管理職 は学級担任 よ りも校内支援体制が整い,研修 の必要 性 を認 め,指導力 も高 く,専門的な指導 よ りも学級経営が重要だ と考えていた. また,中 学校 に比べ小学校の方が軽度発達障害 に対す る教師の意識や関心、が高か った.専門的な指 導を重視 したのは,管理職 よりも学級担任,小学校 よりも中学校の方で多か った.保護者 との連携の難 しさに関 しては,管理職 と学級担任,および小学校 と中学校 との間に差 は見 られなか った. これ らの結果を もとに,小 ・中学校 における今後の軽度発達障害の支援 の あ り方 について検討 した.

キー ワー ド:軽度発達障害,教師,意識調査

Ⅰ は じめに

平成

1 4

年 に文部科学省が調査研究会 に委嘱 して実 施 された 「通常の学級 に在籍す る特別 な教育的支援 を必要 とす る児童生徒の実態調査」の結果が,平成

1 5

3

月 に公表 された (文部科学省

,2 0 0 3 ).

この 調査 によると

, LD

(学習障害)

, ADHD

(注意欠 陥多動性障害),高機能 自閉症 など, いわゆ る軽度 発達障害 と呼ばれ る,特別 な教育的支援 を必要 とす る児童生徒 は,約

6%

の割合で通常の学級 に在籍 し

2 0 0 8

1

2 8

日受理

†At t i t udeSur ve y o fEl e me nt ar y andJuni orHl gh Sc hoo l Te ac he r sonChi l dr e nwi t hMi l dDe v e l opme nt a l DI S Or de r s

*

KokoWATANAB E, Gr aduat eSc hool , Aki t aUnl Ve r S l t y

,

Akl t a

ている可能性が示 され,大 きな衝撃 を与えた.

また,今年度か ら特別支援教育が正式 にスター ト した.文部科学省か ら出された 「今後の特別支援教 育 の在 り方 (最終報告)」 によると,特別支援教育 とは

,

「これ までの特殊教育 の対象 の障害だけで は な く, その対象でなか った

LD,ADHD

,高機能 自 閉症 も含 めて障害のある児童生徒 に対 してその一人 一人の教育的ニーズを把握 し,当該児童生徒の持て る力を高め,生活や学習上 の困難を改善又 は克服す るために,適切な教育や指導を通 じて必要な支援を 行 うものである」 とされている (文部科学省

,2 0 0 3 ) .

これまでの特殊教育では,障害のある児童生徒 は特 殊学級や盲 ・聾 ・養護学校 といった特別な 「場」で, 専門的な知識や資格 のある教師によ って指導 されて

きた. ところが,新 たな支援対象 とな った これ らの

(2)

児 の大半 は通常学級 に在籍 してお り,原則 その中で 個 々の教育的なニーズに応 じた支援 を受 けなが ら学 ぶ こととなる.

しか し,通常学級で これ らの児童生徒 に携わる全 ての教師が,特別支援教育や軽度発達障害の専門的 な知識 を持 って指導 にあた っているわけではない.

逆 に, そ ういった児童生徒 と出会 い,今 までの教員 生活で教師 自身が培 って きた学習指導や生徒指導, 学級経営が うま く機能せずに,困難や不安 を抱えな が ら日々の指導 にあた っている教 師 も少な くないと

も考え られ る.

実際,秋 田県内において も,平成

1 7

年度 には養護 学校 に所属す る特別支援教育を担 当す る教育専門監 が,通常小 中学校か らの相談 に

1 0 0

件以上応 じてい る現状 にある (塚本

,2 0 0 7 ) .

また,平成

1 8

年度 の 通常の学校か らの教育専門監 の派遣依頼の相談内容 の項 目を見てみ ると

,

軽度発達障害の児童 に対す る適切 な指導 と支援 について」や 「気 になる子 ども の理解 と具体的な関わ りについて」

,

特別な支援を 必要 とす る児童への校内における具体的な支援体制 の整備 について」

,

周囲の児童 の理解 を深 める学級 経営 ・生徒指導 の在 り方」 などが挙 げ られている.

これ らの ことか らも,現在の通常学校 の教師や通常 学級の担任 は,軽度発達障害児への支援 について, 何 らか しらの活路を兄 いだそ うと模索 している様子 が うかがえる.加えて,平成

1 7・1 8

年度 には秋 田県 の小学校長会が

2

年間に渡 り特別支援教育 に関す る 調査研究 に取 り組み,そのなかで人的支援や校内体 制の工夫, さらに全校職員 の連携 とい った教育環境 のみな らず,周囲の子 どもたちの心を育み,保護者 の意識 を変えてい く視点 も重要であると指摘 してい る (秋田県小学校長会調査研究委員会

,2 0 0 6 ,2 0 0 7 ) .

このような調査結果か らも,現在 の学校現場 に求め られている特別支援教育 に関す る新 たな,そ して緊 切 な課題が山積 していることがわか る.

そ こで本研究では, このような新 たな特別支援教 育 に関す る流れを受 け, これか らの特別支援教育推 進 の中心 とな りうる小 ・中学校 の教員を対象 に,餐 度発達障害のある児童生徒への支援 に関す る意識調 査を行 い,その現状 と課題 について明 らかにす るこ

ととした.

対象 と方法

1

. 調査対象者

A

県県南地 区の公立小 ・中学校 (小学校

1 0 1

校, 中学校

4 4

校) の通常学級担任 (小学校

7 4 2

名, 中学

3 0 2

名) と管理職 (校長 および教頭) (小学校

2 0 1

名,中学校

8 8

名) を対象 とした.

2 .

手続 き

県南地区の対象校へ調査用紙を郵送 し,質問紙調 査を実施 した.質問紙 は無記名 とし,記入 した後 は 各 自が個別 の封筒 に入れ封 を し,それを各校 ごとに とりまとめ,一括 して返送 して もらう方法をとった.

3 .

調査時期

2 0 0 6

1 2 月中旬 〜2 0 0 7

1 月下旬.

4 .

質問紙の構成 1) フェイス シー ト

フェイス シー トでは,対象者 の属性 として,校種 (小学校,中学校),性別,年齢,職務名,担当学年, 担当学級人数,教職年数,養護学校教員免許の有無, 特殊学級担任経験 の有無,軽度発達障害児の担任経 験の有無等を尋ねた.回答 は単一回答法で求 めた.

2 )

質問項 目

軽度発達障害児への支援 に関す る教員の意識を調 査す るため

,

小 ・中学校 における

LD,ADHD

,高 機能 自閉症 の児童生徒への教育支援体制の整備のた めのガイ ドライ ン」 (文部科学省

,2 0 0 4 )

を参考 に し,著者

2

名 と軽度発達障害児を実際に支援 してい る専門家

2

名で検討 し,①軽度発達障害 についての 理解,②校内支援体制 と雰囲気,③支援 のあ り方,

④保護者 との連携の観点か ら独 自に質問項 目を作成 した.次 に,通常学級の担任

3

名を対象 に予備調査 を行 い,分か りに くい表現や答え方 の難易,回答 の 表現 について検討 し,一部表現 を手直 しし,最終的

Tabl e

lに示 した

2 8

項 目を作成 した.

回答 は,各項 目について 「そ う思 う

「どち らか とい うとそ う思 う

「どち らか とい うとそ う思 わな

「そ う思 わない」 の

4

段階の判断を求 め,分析 に関 して は, それぞれ に

4

,3

,2

,1

点 の 得点 を与えた.

(3)

Tabl el 質問紙項 目の概要

1. 研修で学ぶ必要性を感 じている

2 .

個別での指導が効果的

3 .

軽度発達障害について理解 している

4.

支援について管理職 も前向きである

5

. これまでの経験で指導できる

6

. 保護者か らの無理な要求が多い

7

. 指導は専門知識を持っ教師に任せるべき

8

. 職員間で話 し合える雰囲気がある

9

. 特別な場での指導を重視すべき

1 0 .

個別の指導計画」を作成 し,活用 している

l

l. 学校全体で支援 していく雰囲気がある

1 2

. 支援には学級経営の充実が必要

1 3

. 保護者との連携は困難

1 4

. 悩みを管理職に相談 しにくい

1 5

. 軽度発達障害に関心がある

1 6

. 全教師が学ぶ必要があるという考えに賛成である

17

, 障害児は周囲の児童生徒か ら多 くを学んでいる

1 8

. コーディネーターが連絡調整機能を果た している

1 9

. 障害児は通常学級内の児童生徒にとってマイナス

の存在

2 0

. 軽度発達障害児を指導することは不安

21

. 担任以外の教員が学級に入る指導体制が不可欠

2 2

. 通常学級在籍は本人にとってもプラスではない

2 3

. 学級の他の保護者の理解が得 られにくい

2 4

. 専門知識のない教師は関わるべきではない

2 5

. 周囲の児童生徒‑の障害理解教育が大切

2 6

保護者の思いに添 うことが大切

2 7

周囲の児童生徒と共に育ち合 う学級経営が必要

2 8.

基本的な指導方法を理解 している

4 .

有効 回答率

有効 回答率 は1333名 中935名, 70.

1%

であ った.

5 .

分析方法

28

項 の相 関関係 を もとに共通 因子 を探 るため に逆 転項 目を処理 した後 に,因子分析 (最尤法,プ ロマ ッ

クス回転) を行 った.軽度発達 障害 に対 す る意識 の 差 を検討 す るために,職務別 (管理職 ・学級担任), 校種別 (小学 校 ・中学校 ), お よ び軽度発達 障害 児 を担任 した経 験 の有無別 に因子得点 を比較 した.群 問 の比較 には対応 のない t検定 を用 い,統計学 的有 意 は

p

値 が.

05

未満 と した.

Tabl e2

軽度発達障害児担任経験の有無 軽度発達障害児担任経験

あり (%) な し (%) 小学校学級担任

36 0( 66. 1

)

1 85( 33. 9) 5 45

管理職

6 0( 42. 0) 83( 5 8. 0) 1 43

中学校学級担任

9 8( 51 . 6) 92( 48

.4)

1 90

管理職

2 0( 35.

1)

37( 6 4. 9) 57

5 38( 575 ) 397( 42. 5) 93 5

結果

1 .

軽度発達 障害児担任経験 の有無

回答者 の属性別 (校種別 ・職務別) に軽 度発達 障 害児 を担任 した経験 が あ るか否 か につ いて, Tabl

e 2

に示 した.軽度発達 障害児 を担任 した経 験 のあ る 教員 は,全935名 中538

( 57. 5%)

と半数 以上 を 占 めて いた.軽度発達 障害児 を担任 した教員 で最 も多 か ったの は,小学校 の学級担任 で

6

割以上 ,次 いで 中学校 の学級担任 が

5

割 を超 えていた.一方,管理 職 で は小学校 で 4割, 中学校 で 3割 台 と学級担任 に 比 べ ると少 なか った.

2 .

因子分析 の結果

28

項 目に対 して最尤法 によ る因子分析 を行 った.

固有値 の変化 と因子 の解釈可能性 を考慮 して

6

因子 構造 が妥 当 と判 断 した. そ こで再度,最尤 法 ・プ ロ マ ックス回転 によ る因子分析 を行 った. 因子負荷量

. 3

以下 の項 目を削除 しなが ら検討 を加 え た結果 ,

3

項 目が削除 され た.最終 的 な因子 パ ター ンと因子 問相 関 を

Tabl e3に示 した.

1

因子 は

,

「学 校全体 で支援 す る雰 囲気 が あ る

( . 803) 」

「支援 に管理職 も前 向 きで あ る

( . 684) 」

「職 員 間 で話 し合 え る雰 囲気 が あ る

(. 623) 」

「悩 みを管 理職 に相談 しに くい

(. 455)

「コーデ ィネ ー ターが 機能 して い る

( . 44 1 ) 」

「個別 の指導 計画 の作成, 宿

( . 42 1 )

」 の

6

項 目か ら構成 され た. 学 校全体 で の支援体制や職員同士が話 し合え る雰囲気, コーデ ィ ネ ー ターの機 能 に関連 す る項 目で あ る こ とか ら,

校 内支援体制 と雰 囲気」 と命 名 した.

2

因子 は,「全教 師が軽 度発達 障害 につ いて学 ぶべ き

( . 725)

軽度発達障害 に関心 があ る

( . 609)」

「研修 で学 ぶ必要性 を感 じて い る

(. 589)

」 の

3

項 目 か ら構成 され た.軽度発達障害 へ の関心 や軽 度発達 障害 につ いて学 ぶ必要性 に関連 す る項 目で あ ること か ら

,

「軽度発達 障害 へ の関心 ,研 修 の必要 性」 と

(4)

Tab一 e3

因子分析結果

Ⅰ.校内支援体制 と雰囲気

1

1 校 内全体で支援 してい く雰囲気がある

4

支援 について管理職 も前 向 きである

8

職員間で話 し合 える雰囲気がある

1 4

指導上の悩みを管理職 に相談 しに くい滋

1 8

コーデ ィネーターが連絡調整機能を果 た している

1 0

個別 の指導計画」を作成 し活用 されている

Ⅱ.軽度発達障害へ の関心,研修 の必要性

1 6

全教師が学ぶ必要があるとい う考 えに賛成である

1 5

軽度発達障害 に関心がある

1

学ぶ必要性 を感 じている H.軽度発達障害児 に対す る指導力

2 8

基本的な指導方法を理解 している

3

どのよ うな障害か理解 している

5

これまでの経験で対応で きる

2 0

指導す ることに不安がある

Ⅳ.

共 に育っための学級経営

2 7

他 の児童生徒 と共 に育っ学級経営が必要である

1

7 学級 の他 の児童か ら多 くを学んでいる

2 6

対象児 の保護者 の思 いに添 うことが大切である

1 2

支援 には学級経営 の充実が必要

2 2

通常学級 に在籍 して も本人 にプ ラスではない紫

1 9

通常学級への在籍 は学級 の子 にとってマイナス※

Ⅴ.保護者 との連携 の難 しさ

1 3

対象児の保護者 との連携 は難 しい

2 3

学級 の他 の保護者 の理解が得 られ に くい

6

対象児の保護者 か らの無理 な要求が多 い

Ⅵ.専門的指導重視

7

専門知識 を もっ教師に任せ るべ きである

9

特別 な場での指導 を重視すべ きである

2

個別での指導が最 も効果的である

因子問相関

Ⅳ Ⅴ

8 6 6 4 4 4 0 0 0 0 8 2 5 4 2 7 2 4 3 4 3 5 1 1 8 2 3 一 一 0 0 0 2 0 1 4 1 1 7 0 3 4 3 0 9 4 5 6 4 4 9 8 5 4 8 7 8 0 8 0 nU 0 O 2 1 一 一 一

0 2 0 8 5 5 0 0 0 1 0 1

5 1 1 8 8 9 9 6 8 2 9 8 0 0 1 1 0 1 5 9 9 2 0 8 7 6 5 oO O 3 1 2 8 6 0 0 1 0 1 一 一

4 4 7 7 4 7 6 9 5 8 0 0 0

9 0 2 2 9 00 0 0

一 一 4 2 3 9 7 6 0 0 0 4 9 7 nU 2 2 0 1 0 3 4 1 2 7 0 5 4 8 3 3 1 1 1 3 0 1 2 0 0 0 0 1 0 1 0 0

9 0 7 8 3 1 7 6 6 6 2 2 6 1 4 0 6 3 1 0 0 0 0 0 0 0 nU 一 一

cO 3 0 5 0 0 4 3 1 4 3 4 4 6 8 1 0 4 0 0 0 1 0 0 0 0 〇 Ln 3 4 8 5 6 7 4 8 7 7 5 5 4 3 3 3 3 1 7 3 7 4 2 0 4 7 4 4 4 7 2 3 4 4 2 7 4 0 0 5 2 8 2 6 5 4 6 8 4 LnU O 3 0 0 1

4 3 8 5 5 9 0 0 0 一

6 2 2 6 5 7 0 0 0 一 一

7 7 6 0 6 9 0 0 0

7 8 8 3 RU 2 0 0 0 i I 0 5 6 6 3 7 0 5 nU O 1 0

一 一 一 4 1

73

0 0 3 1

4

4 一 一 一 一 20 14 08 34 一 一 一 一 一

34 40 22 一

類逆転項 目

(5)

3

因子 は,「基本 的な指導方法 を理解 している

( . 7 33 ) 」

軽度発達障害 を理解 している

( . 6 08) 」

「こ れまでの経験で指導で きる

( . 50 1 ) 」「

指導す ること に不安がある

( . 39 3)

」の

4

項 目か ら構成 された.軽 度発達障害への理解や指導方法の理解 に関連す る項 目であることか ら

,

「軽度発達障害児 に対す る指導 力」 と命名 した.

4

因子 は

,

学級 の他 の児童生徒 と共 に育っ学 級経営が必要である

( . 57 5 ) 」

学級内の児童生徒か ら多 くを学んでいる

( . 4 43 )」

保護者 の思 いに添 う ことが大切

( . 3 84) 」

支援 には学級経営の充実が必

( . 37 8) 」

通常学級在籍 は本人 にとってプ ラスで はない

( . 37 5 ) 」

通常学級在籍 は周囲の児童生徒 に とってマイナス

( . 356)

」 の

6

項 目か ら構成 された.

軽度発達障害のある子 も周囲の児童生徒 と関わ り合 いなが ら共 に育つ ことがで きる学級経営が必要であ ることや,対象児の保護者の思 い も組 み入れた学級 経営が必要 であることか ら

,

共 に育っための学級 経営」 と命名 した.

5

因子 は

,

保護者 との連携 は難 しい

( . 62 0) 」

周囲の児童生徒の保護者か ら理解を得にくい

( . 5 80 ) 」

対象児 の保護者 は無理 な要求 をす る

( . 42 5)

」 の

3

項 目か ら構成 された.軽度発達障害児 の保護者,学 級内の他の児童生徒の保護者 との関わ りに関連す る ことか ら

,

保護者 との連携の難 しさ」 と命名 した.

6

因子 は

,

指導 は専門的な知識 を持 った教師 に任せ るべ き

( . 63 8)」

特別 な場での指導を重視す べ き

( . 5 43 ) 」

「個別指導 が効果的

( . 52 3 )

」 の

3

目か ら構成 された.軽度発達障害児への指導 は専門 的な知識を持っ教師に任せたほうがよいと考えてい ることや特別 な場,個別での指導が効果的であるこ とに開通す ることか ら 「専門的指導重視」 と命名 し た.

3 .

因子間相関

次 に各因子問の相関関係を見てみた.相関係数が

. 3

以上 の ものにつ いて見 てみ ると, 第

1

因子 「 内支援体制 と雰囲気」では,第

2

因子 「軽度発達障 害 へ の関心 , 研修 の必 要性」 とが.

3 8

, 第

4

因子

共 に育っための学級経営」 とが.

3 4

であ った.第

2

因子 「軽度発達障害への関心,研修の必要性」 と第 4因子 「共 に育っ ための学級経営」 とが.40であ っ た. また第

5

因子 「保護者 との連携の難 しさ」 と第

相関係数 が

‑. 3

以下 の負 の相 関関係 を示 した も のを見てみると,第

2

因子 「軽度発達障害への関心, 研修の必要性」 と第

6

因子 「専門的指導重視」 とが

‑ ‑. 31

であ った. また,第

4

因子 「共 に育っ ための 学級経営」では,第

5

因子 「保護者 との連携 の難 し さ」 とが

‑. 3 4

,第

6

因子 「専門的指導重視」 とが‑

43

であ った.

4 .

職務別,校種別,および担任経験有無別の比較 職務別 (管理職 ・学級担任),校種別 (小学校 ・ 中学校), および軽度発達障害児担任経験 の有無別 による各因子 ごとの因子得点を

Fi g.1

に示 した.

職務別では,第

1

因子か ら第

4

因子 にかけて, い ずれ も管理職が学級担任 よ りも有意 に因子得点が高 か った.すなわち,管理職の方が,校内の支援体制 が良好 に機能 し, また,軽度発達障害への関心 も高 く,研修の必要性 を認 め,そのよ うな子 どもたちに 対す る指導力 もあ り,指導 にあたっては本人だけで な く周囲の児童生徒 も共 に育っ学級経営を重視 して いた. また第

5

因子 の保護者 との連携の難 しさに関 しては,両者 に差を認めなか った.専門的 ・個別的 な指導を重視す る第

6

因子 に関 しては,学級担任の 方 の因子得点が有意 に高か った.

校種別では,第 1因子 (校内支援体制 ・雰囲気),

2

因子 (軽度発達障害への関心 ・研修の必要性) および第

4

因子 (共 に育っための学級経営) におい て, いずれ も小学校の方が中学校 よ りも有意 に因子 得点が高か った. また,第

3

因子 (軽度発達障害児 に対す る指導力) と第

5

因子 (保護者 との連携の難 しさ) に関 しては小中学校で差 を認 めなか った.罪

6

因子 (専門的指導重視) では中学校 の方 の因子得 点が有意 に高か った.

軽度発達障害児担任経験の有無別で は,軽度発達 障害児を担任 した経験のある教師は,ない教師に比 べ,第

2

因子 (軽度発達障害への関心 ・研修の必要 性) と第

3

因子 (軽度発達障害児 に対す る指導力), および第

4

因子 (共 に育っための学級経営) の因子 得点が有意 に高か った.残 りの第

1

因子 (校内支援 体制 ・雰囲気),第

5

因子 (保護者 との連携 の難 し

さ), および第

6

園子 (専門的指導重視) に関 して は,両者 に差 を認 めなか った.

(6)

第 1 因 子 : 校 内 支 援 体 制 ・ 雰 囲 気

因子 得 点

田盟4l

】l 校中 T

.

第 2 因 子 : 軽 度 発 達 障 害 へ の 関 心 ・ 研

6.′19︼

nUcjJ

因子 得 点

管理職担任

現 琶娼洞

喜L

校中 l P工

第 3 因 医 チ 得 J 占 n ヽ 子 ̲ ∴ . 1 . 6 4 2 り 4 o : 軽 管 ■ 度 理 発 職 達 一 障 担 害 任 児 に 対 6 4 。 す 」 ⊂ 」 小 1

導 力

1l ・6.4

第 4 因 子 : 共 に 育 つ た め の 学 級 経 営

因子 得 点

経 ⊥二 験 あ り な

轟 経 験 あ り な し

二.

: … 召

管理職担任 小学校中学校経験

あ り

な し

第 5 因 子 . 保 護 者 と の 連 携 の 築 し き

因 子 得 点買掛団 屈層

第 6因子 :

専 門 的 指 導 重 視

I‑

6 4

√ 0 )

4 2 室 二 三 喜 巨j

学校 中学

経 験 あ り な

管理職 >担任 *辛 小学校 >中学校 **

経験 あ り

v s

な し

' ns

管理職 >担任 **

小学校 >中学校 **

経験 あ り>な し**

管理職 >担任 **

小学校vs中学校:ns

経験 あ り>な し**

管理職 >担任 **

小学校 >中学校 **

経験 あ り>な し*

管理職

v s

担任

・ ns

小学手交vs中学校

: ns

経験 あ り

v s

な し

: ns

管理職 <担任 **

小学校 <中学校 * 経験 あ り

vs

な し

: ns

*:

p<. 0 5

*

* :p

. 01

ns:n o ts l g ni fユ C a m

Fi g.

1 職務別 ,校種別 お よび軽度発達障害児担任経験 の有無別の因子得点

(7)

Ⅳ 考察

本研究で得 られた結果 を もとに,以下 に,現在 の 小 ・中学校 における軽度発達障害 に対 す る教師の意 識 と今後 の支援 のあ り方 につ いて検討 す る.

まず初 めに,管理職 は学級担任 と比較 して,校 内 支援体制が整 い,軽度発達障害 に関す る研修 の必要 性 を認 め,軽度発達障害 に対す る指導力 も高 く, そ の指導 には専門的な指導 よ りも学級経営が重要 だ と 考えていた.す なわち,管理職 は学級担任 よ りも, 軽度発達障害 の支援 に関す る意識が高 い結果 を示 し た といえ る. この管理職 の軽度発達障害 に対す る意 識 や関心 の高 さは,秋 田県小学校校長会が全県 を対 象 に平成

1 7

年度

,1 8

年度 の

2

カ年 にわた って

,

人一人 を生かす特別支援教育 の在 り方 を求 めて」 と い う調査研究 を実施 した ことに も現 れている (秋 田 県小学校長会調査研究委員会

,2 0 0 6 ,2 0 0 7 ) .

また, 平成

1 8

年度 の秋 田県 にお ける特別支援教育 コーデ ィ ネー ターの指名 は,小学校

2 8 7

校, 中学校

1 3 3

校 の全 て学校 においてなされ,指名率 は

1 0 0%

に達成 した.

秋 田県が平成

1 6

年度か ら実施 して きて いる特別支援 教育 コーデ ィネーター研修 の修了者総数 は平成

1 8

度 までで

4 7 2

名 にのぼる.平成

1 8

年度 のコーデ ィネー ター研修 の修了者数 は

1 8 8

名 で あ り, その内訳 は教 頭が

1

0

1

名,教諭 が

8 3

名,養護教諭 が

4

名 とな って お り,管理職 にある教頭 の修了者 が多数 を占めてい る. このよ うな背景か らも,各校 の管理職が軽度発 達障害児 に対 し,特別 な教育的ニーズを認 め るとと もに, ニーズに応 じた支援 を行 って い く必要がある と考 えていることに少 なか らず影響 を与 えていると 推察 され る.一方,学級担任 は管理職 に比べ,軽度 発達障害 のある児童生徒への支援体制 はまだまだ不 十分 だ と考 えてお り,管理職 の認識 とは帝離 が見 ら れた. これ は,前述 の小学校長会 の調査 の中で もと りあげ られた,通常 の学級 に特別 な支援 を要 す る児 童 が在籍 して い る学級 の現状 に関 して

,

「当該児童 と他 の児童 の共 同学習 を成立 させ ることが難 しか っ た」 とい う項 目に最 も多 くの回答が寄せ られている ことか らも読 み とることがで きる (秋 田県小学校長 会調査研究委員会

,2 0 0 7 ) .

学級担任 は 日々の学校 生活 の中で当該児童 と向 き合 い,悩 みなが ら指導 を 行 っていることが推測 され る. そ して, このよ うな 状況 への対処 と して

,

生活 サ ポー ト支援事業注) による非常勤職員 の配置」や 「校 内の職員が分担 し

あ った と報告 されている.校 内の協力体制が,状況 の解決 に大 き く関与 していることを示 している. そ の反面

,

常 時,支援す る体制 が とれ ない」 とい う 点 も挙 げ られている (秋 田県小学校長会調査研究委 員会

,2 0 0 7 )

,多 くの学校 で協力体制 を構築 して, 問題 を改善 の方向に向 けようと努力 しているものの, 実際 には人手 や時間 において多 くの負担 が生 じてい

ると考 え られ る.通常学級 にお ける特別支援教育 の さ らなる充実 を考 え ると,学校現場への教員 の加配 や関係機関や関係組織 との連携 とい った支援体制作

りが今以上 に望 まれてい ることが推察 され る.

次 に,小学校 と中学校 の比較 で は,小学校 の方が 支援体制が整 い,研修 の必要性 を認 め,学級経営 の 充実が必要 だ と考 えている教師が多 く,小学校 の方 が発達障害 に対す る教師の意識 や関心が高 い ことが 示 めされた.一般 に軽度発達障害 は,小学校入学後 の本格的な教科学習 を行 う中で顕在化 して くる. こ れ は小学校 での活動 が,1単位時間,教室 の中の 自 分 の席 に座 って教科 の課題 を こなさなければな らな い ことや,苦手 な教科 の学習 に も取 り組 まなければ な らない ことなど, それ までの幼稚園や保育園での 生活 とは異 なる部分が多 くあることとも密接 に関係 している. そのため小学校低学年 を担 当す る学級担 任が,児童 の障害 に一番初 めに気づ く人 とな ること が多 く, また次への支援 につなげて い く直接的な担 い手 で もあ ることか ら,常 に軽度発達障害 と正面 か ら向 き合 いなが ら教育活動 を行 うことが求 め られ る ことになる. また,小学校 の学級担任制 と中学校 の 教科担任制 とい う違 い も教師の意識 の差 につなが っ ているもの と考 え られ る.小学校 の場合 は, ほとん どの教科 を一人 の担任で指導 し,学級経営 も行 って いることか ら,当該児童 と教師,当該児童 と周囲の 児童の関わ りの仕方が異体的な支援 のひ とつ とな り, 望 ま しい学級集団 を作 り上 げることが求 め られてい る. しか しデメ リッ トと しては,学級 の運営が担任 教師の力量 で大 き く変わ る点 や,閉鎖的 な学級 の中 で,担任が問題 を一人で抱 え込 んで しま うこともあ るとされて いる (相揮

,2 0 0 4 ) .

一方, 中学校 の場 合 は,教科担任制 のため学級担任一人が支援で きる 時間 も限 られている.複数 の教 師が課題 を共有 し, 組織的 に対応策 を考え ることがで きる反面,役割分 担や情報 の共有が明確 に行 われない場合,複数 の教 師の異 な った対応が生徒 白身 の混乱 を招 くことにつ

(8)

思春期 とい う成長過程 の中の難 しい年代 の生徒 を対 象 に していることや,高校受験,部活動 を含 めた教 師の多忙化 に加 え,不登校 な どを中心 とした生徒指 導 に大 きな比重が置かれて きた ことが,軽度発達障 害への意識や関心 の低 さを もた らしているか もしれ ない.平成

1 5

年 に文部科学省 か ら出 された 「今後 の 不登校へ の対応 の在 り方 につ いて (報告)」 によ る と,不登校 との関連で新 たに指摘 されている課題 と して , 学 習 障 害

( LD)

や 注 意 欠 陥 /多 動 性 障 害

( ADHD)

等 の児童生徒 につ いて適切 な対応 を とる 必要 が あ ると述 べ られてい る.

Kur i t a ( 1 9 9

1) は,

1 3 5

人 の広汎性発達 障害 あ るいは精神遅滞 の子 ど も

2 3 . 7 %

に不登校 が見 られた と報告 して いる.同様 に,杉 山

( 2 0 0 5 )

,3 5 4

人 の高機能広汎性発達障 害 の うち

3 3

( 9 . 3 %)

が不登校 だ った と報告 して い る. ま た, 鳥 取 県 で行 わ れ た学 校 調 査 で は,

ADHD

の小学生 で

2 . 3 %

, 中学生 で は

3 9

.4%が不登 校 とな って い る とい うことが明 らか に されて い る (小枝

,2 0 0 2 ) .LD

ADHD

等 の児童生徒 が,通 常学級 に約

6%

在籍 していると予想 され ることや, そ うい った児童生徒 は人間関係 を うま く構築で きな い こと,学習面でのつ まず きがあ ることも考 え合 わ せ ると,不登校 の児童生徒 の中にはその根底 に軽度 発達障害 を有 してい るものが少 なか らず いるとい う ことが推測 され る. いいかえれば不登校 に関 して,

軽度発達 障害 の二次 障害 と して不登校 とな って い る児童生徒が存在す る」 とい う新 たな視点か ら再検 討す ることが求 め られて いると思 われ る.

また,今回の研究結果 か らは,保護者 との連携 の 難 しさについて は,管理職 と学級担任 で も,小学校 と中学校 とで も差が見 られなか った.先 の秋 田県小 学校長会 の調査報告書で も,特別支援教育 を行 う上 での大 きな課題 のひ とっ として保護者 との連携が挙 げ られている.保護者 との関係が うま くい っている 場合 には効果的な指導 に取 り組 む ことがで きるが, 保護者 と学校 とが考 え方 にずれがある場合 は効果が 上が らず に苦慮 している, とい うことが指摘 されて い る (秋 田県小学校長会調査研究委員会

,2 0 0 7 ) .

軽度発達障害児への支援 にとって保護者 との連携 は 欠かす ことがで きない最 も重要 なポイ ン トであるが, 他 の障害 とはどのよ うな点 が異 な るのであろ うか.

この ことについて中田

( 2 0 0 2 )

は,保護者 の障害受 容 とい う視点か ら以下 のよ うな考察 を行 って いる.

すなわち,身体的 な障害 は肉眼で確認で きるのに対

して,軽度 の 自閉症 や精神 遅滞

,ADHD

な どは目 で は確認 で きない ことか ら

,

「見 えない障害」 と し て捉え ることがで きると している.加 えて, 障害告 知が遅れ る場合 は,親 も子 どもが どのよ うな状態 な のかがわか りに くく,異常 で はな く発達 の遅れを期 待す る気持 ちが強 まるものの,実際 は多 くの親が子 どもの障害 に気づ いているとい う. このよ うな障害 と認 めた くない気持 ちが はた らき,障害 に対す る疑 い と否定 したい気持 ちの両極で揺 れ動 く 「親 の ジレ ンマ」 と呼ばれ る状態 にな ることに十分留意すべ き であ ると指摘 している. また,子 ど もの障害 に対 し て 自分で気づ いた親 であれば,子 どもの発達 を促す ために能動的 に動 くことがで きるが,他人 か ら指摘 され ると, ど うして も受動 的 にな り,否定 したい気 持 ちが強 くな るとい う. さ らに障害が見 えないか ら

こそ,親 も自分 たちの育 て方 に責任 があるよ うに感 じて しま うことがあ るので はないか と述べている.

このよ うな ことか ら,学校 や担任教 師が親 との信頼 関係 を築 かないまま,思 い悩んでい る親 に対 して障 害名を明示 し,専門機関‑の相談 を促 した ところで, 受 け入 れて もらえ るとは言 い難 い. したが って,学 校 も親 も共 に歩 み寄 り,子 どもを支え るチームと し ての連携 を図 ってい くことこそが求 め られ る.教 師 や学校が子 ど もに ラベ リングを して しま うので はな

,

「困 ってい るの は子 ど も本人 だ」 とい う視点 に 立 ち, そ こか ら支援 の方向 を親 に寄 り添 いなが ら共 に考 えてい く,地道 な作業 こそが重要 と思 われ る.

最後 に,専門的な指導重視 につ いて は,管理職 に 比べ学級担任,小学校 に比べ中学校で重視 していた.

中学校 で専門的な指導 を重視す る背景 には,小学校 に比べ校内の支援体制 も十分整 ってお らず (

1

千),加 えて軽度発達 障害 に関 しての理解 もまだ十 分でない (

2

因子) ことが大 き く関与 してい ると 憩われ る. そ こには軽度発達障害 の児童生徒 を これ までの障害児 と同 じよ うに特別 なクラスで専門的 な 知識 を もった教師があたれ ばよい とい う意識 が働 い ているため と推察 され る. しか し,軽度発達障害 の 支援 にあた って は個別的な指導 だ けでな く, クラス のなかで級友 と共 に育っ とい う視点が きわめて重要 であ ることは これまで多 くの実践や研究で明 らか に されて きている.佐藤 ら

( 2 0 0 2 )

は,一人 ひ とりに 対応 した きめ細 やかな個別支援 と,支 え合 う集団 を 育て る学級経営 と, どち らが欠 けて も実効性 のある 教育的支援 は期待 で きないであろ う, と している.

(9)

また,水野

( 2 0 0 7 )

は,学級経営 の基本 は

,

一人 ひとりの違 いを認 め合 うこと」 とし,普通の子 と特 別の子 とい う対立 した もの として区別 して考えて し まうので はな く

,

「みんなちが ってみんないい」 を 出発点 とし, それぞれの子の立場で教師が代弁 し, みんなで共感す ることで,学級内に生 まれる相互理 解 と対等の関係 をね らうものであるとしている.一 般 に小学校では学級担任が一人で教科指導 と学級指 導を行 うことか ら学級経営 による 「学級づ くり」を 通 して も軽度発達障害児への支援を行 うことになる が,中学校では学級担任 はいるものの,教科担任制 のため,それぞれ専門分野 ごとの教師によって教科 指導が行われている.そのため小学校 に比べ ると, どうして も 「学級づ くり」 による支援 とい う視点が 弱 くな って しまいかねない. しか し曽山 ら

( 2 0 0 6 )

が報告 しているように,軽度発達障害の生徒を支援 す る際に,中学校で も 「学級づ くり」 とい う視点か らの支援が有効 に機能す る場合があることを見逃 し てはな らない. また,中学校では,教科担任や クラ ブ顧問など複数 の教員がかかわ っているという利点 を活かせば,小学校 よ りも問題を共有 しやす くチー ムによる支援体制がよ り機能す るか もしれないとい う指摘 もある (福井県特別支援教育研究会

,2 0 0 6 ) .

小学校 に比べて,中学校 においてはまだまだ軽度発 達障害 に対す る教師の関心や意識 の低 さがあるよ う に思われ る,今後 は上述 した不登校問題 に取 り組む 生徒指導のあ り方 も含めた形での校内支援体制づ く

りが求 め られていると思われ る.

荏) 生活 サポー ト支援事業 とは,小 ・中学校 の通 常学級 において,学級担任だけでは支援が困難 な学級 に対 し,非常勤職員等 を配置す る事業で ある.対象 となる児童生徒の 「個別の指導計画

に基づ き,校内支援体制の中で,対象児の生活 支援 を行 う.対象児童生徒 は

,LD・ADHD

か ら重度の肢体不 自由児,視覚障害児等 も含 ま れ,多様な障害種 に対応 している.平成17年度 までは,県の単独事業 として実施 されてきたが, 各校か らの配置要請が多 く,平成

1 8

年度 は,市 町村 に対す る補助事業 とし

,1 6 7

校 に

1 7 6

人の非 常勤職員を配置 している (塚本

,2 0 0 7 ) .

不登校

「ひきこもり」 の臨床的検討.障害者問 題研究,第

3 2

2

,1 4 7 ‑ 1 5 6 .

秋 田県小学校長会調査研究委員会

( 2 0 0 6 )

:一人一 人を生かす特別支援教育 の在 り方 を求めて一現状

と課題 ‑.平成

1 7

年度調査報告書.

秋 田県小学校長会調査研究委員会

( 2 0 0 7 )

:一人一 人を生かす特別支援教育 の在 り方 を求めて II‑一 人一人の教育的ニーズに応 じた特別支援教育 はど

うあればよいか ‑.平成

1 8

年度調査報告書.

福井県特別支援教育研究会

( 2 0 0 6 )

:す ぐに役立 っ 特別支援教育 コーデ ィネーター入門.東京書籍.

小枝達也

( 2 0 0 2 )

:注意欠陥/多動性障害

( AD/H

D) とその近縁疾患.子 どもの心 の健康問題‑ ン ドブッ ク.平成

1 4

年厚生科学研究費補助金 (子 ども家庭 総合研究事業) 「小児心身症対策 の推進 に関す る 研究」班編.

8 8 ‑ 9 2 .

Kur i t aH ( 1 9 9

1):

Sc hoolRe f us ali n P e r v as i v e De ve l opme nt alDI S Or de r.Jour nalofAut i s m andDe ve l opme nt alDi s or de r s ,2 1

(

1

)

1 ‑ 1 5 .

水野浩

( 2 0 0 7 )

:特別 な支援 の必要 な子 に配慮 した

学級経営.児童心理

N o . 8 5 8 2 0 0 7

4

月号 時増刊.

8 7 ‑ 9 2 .

文部科学省

( 2 0 0 3 )

:今後 の不登校 への対応 の在 り 方 について (報告).

文部科学省

( 2 0 0 3 )

:今後 の特別支援教育 の在 り方 について (最終報告).

文部科学省

( 2 0 0 4 )

:小 中学校 にお ける

LD

(学習 障害)

,ADHD

(注意欠陥/多動性障害),高機能 自閉症の児童生徒への教育的支援体制の整備 のた めのガイ ドライ ン (試案).

佐藤暁 ・岡崎享子 ・小橋豊 ・大竹喜久 ・松本義 弘

( 2 0 0 2 )

:小学校 において支援が必要 な児童への教 育的支援. 一第

3

通常学級 における軽度発達 障害児への支援.岡山大学教育学部研究集録,第

1 2 1

,8 5 ‑ 9 2 .

曽山和彦 ・武 田篤

( 2 0 0 6 )

:通常学級 に在籍す る軽 度発達障害生徒への支援 一特別支援教育 コーディ ネーターが リー ドす るチーム支援 ‑.秋田大学教 育文化学部研究紀要,教科科学第

6 1

,2 7 ‑ 3 3 .

杉 山登志郎

( 2 0 0 5 )

:教師 のための高機能広汎性発

達障害 ・教育 マニュアル.少年写真新聞社.

中田洋二郎

( 2 0 0 2 )

:子 ど もの障害 を どう受容す る か一家族支援 と援助者 の役割.大月書店.

(10)

の相談体制の充実.柘植雅義編 :実践事例 に学ぶ 特別支援教育体制づ くり

‑2 3

自治体 の特色ある取

り組みか ら,金子書房.

Summar y

Spe c i ale duc at i o n i nJapani sc ur r e nt l yata ma j ort ur ni ngpoi nt .Al lt e ac he r sar ef ac i ngt he ne w t as kofpr ov i di ngs uppor tt oc hi l dr e nwi t h mi l d de ve l opme nt aldi s or de r s wi t houtme nt a l r e t ar dat i o nwhoar eat t e ndi ngnor malc l as s .I n t hi ss t udy,Wec onduc t e daque s t i onnai r es ur ve y one l e me nt ar yandj uni orhi gh s c hoolt e ac he r s r e gar di ngs uppor tt oc hi l dr e nwi t hmi l dde ve l op‑

me nt al di s or de r s , and s t udi e d t he c ur r e nt s t uat i onandt as ks .Asar e s ul toff ac t oranal ys i s

,

t he f ol l owi ng s i x f ac t or s we r e e xt r ac t e d;

1)

s uppor ts ys t e m i n s c hool ,2 )i nt e r e s ti n mi l d de ve l opme nt aldi s or de r s ,ne e d f ort r al ni ng,3 ) t r e at me ntabi l i t yf orc hi l dr e nwi t hmi l dde ve l o p‑

me nt al di s or de r s ,4 ) C l as s manage me nt f o r mut ualde ve l opme nt al ,5 )dl f f l C ul t i e si npar t ne r ‑ s hi ps wi t h par e nt s ,6 ) i mpor t anc e ofs pe c i al t e ac hi ng.The s es i xf ac t or swe r et he nc o mpar e d ands t udi e dbe t we e n di f f e r e ntt ype sofs c hool s ( e l e me nt ar yo rj uni orhi ghs c hool )anddi f f e r e nt j obt ype s ( admi ni s t r at i o nandmanage me ntor

c l as st e ac he r ),andt hef ol l owi ng r e s ul t swe r e obt ai ne d.I t was f ound t hat t hos e handl i ng admi nl S t r at i ve and manage me nt wor k have pr ope r s uppor t s ys t e ms c ompar e d t o c l as s t e ac he r s ,andt he y areawar eoft hene e d f or t r ai nl ng, havehi ght r e at me nts ki l

l

s , andc ons i de r c l as smanage me ntt obemo r ei mpor t antt han s pe c i alt e ac hi ng.I naddi t i on,c ompar e dt oj uni or hl ghs c hoolt e ac he r s ,e l e me nt ar ys c hoolt e ac he r s had s t r onge r at t i t ude and i nt e r e s t i n ml l d de v e l opme nt a ldi s or de r s .I mpor t anc eon s pe c i al t e ac hi ngwaspl ac e dbyc l as st e ac he r st hant hos

e

handl i ngadml ni s t r at i veandmanage me ntwor k

,

and i n J uni or hi gh s c hool s t han e l e me nt ar y s c hool s .Re ga r di ng di f f i c ul t i e si n par t ne r s hi ps wi t hpar e nt s ,nodi f f e re nc ewass e e nbe t we e nt he t wot ype sofj o bsandt ype sofs c hoo l s .Bas e don t he s er e s ul t s ,t hepr e f e r abl es uppor tf orml l d de ve l o pme nt aldi s or de r si ne l e me nt ar yandj uni or hi ghs c hool si nt hef ut ur ewasdi s c us s e d.

Ke yWor ds: ml l dde v e l opme nt aldi s or de r s

,

t e ac he r s ,at t i t udes ur ve y

( Re c e i ve dJanuar y2 8,2 0 0 8 )

Tabl el 質問紙項 目の概要 1 . 研修で学ぶ必要性を感 じている 2 . 個別での指導が効果的 3 . 軽度発達障害について理解 している 4. 支援について管理職 も前向きである 5
Tab一 e3 因子分析結果 ⅥⅤⅣⅢ Ⅰ.校内支援体制 と雰囲気 1 1 校 内全体で支援 してい く雰囲気がある 4 支援 について管理職 も前 向 きである 8 職員間で話 し合 える雰囲気がある 1 4 指導上の悩みを管理職 に相談 しに くい滋 1 8 コーデ ィネーターが連絡調整機能を果 た している 1 0 「 個別 の指導計画」を作成 し活用 されている Ⅱ.軽度発達障害へ の関心,研修 の必要性 1 6 全教師が学ぶ必要があるとい う考 えに賛成である 1 5 軽度発達障害 に関心がある

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