奈良教育大学学術リポジトリNEAR
へき地における中学生の生活意識(2) ― 大都市 中学生との比較 ―
著者 上田 敏見, 藤田 正
雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要
巻 10
ページ 73‑88
発行年 1974‑03‑20
その他のタイトル A Study of High School Pupils' View of Life in Remote Mountain Villages (2) ― Comparison with High School Pupils in bigcities ― URL http://hdl.handle.net/10105/6315
へき地における中学生の生活意識(2)*
一大都市中学生との比較 上 田 敏 見
(心理学教室)
藤 田 正**
(東京教育大学大学院)
I 問 題
へき地中学生のパースナリティーの特質の一端を明らかにするために上田・滝野(1973)は,
へき地の中学生と都市(大阪市)の中学生の生活意識に関する調査を行ない,両者を比較検討して次 のような結果を得た。へき地中学生は,家族・家庭生活においては親和に満ちた緊密な親子関係をも つが,その反面親密な友人を欠く傾向が著しい.学校生活では,主として現実的な知識技術の習脅を 望んでいる。また,現在の生活への満足感も強く,家族といっしょにいる時に生きがいを感じている。
地域社会への愛着度も高く,その暖かい入間関係の中で生じた人間性への純粋な信頼感・他人との連 帯の強さを示している。このような結果から,上田らはへき地中学生は潔癖で,純朴なパースナリテ ィー特質を表わしているが,一方青年期の自我の開発を遅滞させる危険性や,社会的情緒的側面での 未熟さを示していると解釈してい孔
本研究では,この調査をさらに発展させて都市群として新たに東京都内の中学生の生活意識に関す る調査を実施し,へき地・大阪・東京の3つの地域を比較検討することにより,へき地中学生のパー スナリティー特質をより明確にすることを目的としれ
皿 方 法
調査項目は,上田・滝野(1973)が中学生の生活意識調査として用いた(1)家族・家庭生活,
(2)学校生活・友人関係, (3)地域社会生活,(4)現在社会への関心, (5)人生観・生活態 度, (6)悩みや心配ごとなどの領域に関する30項目である(表1)。実施にあたっては無言己名調 査の方式を採用し,調査員または担任教師が項目を1問ずつ読み上げて反応を求めた。
調査対象は中学2年生で,人数の内訳けは表2のとおりである。へき地群としては奈良県吉野都十 津川村・下北山村の中学校を,都市群としては大阪市のR中学校と,東京都内のH中学校を用いた。
ただし,へき地と都市(大阪)に関しては,上田・滝野によって1972年10月中旬に実施された ものを用いた。今回は都市(東京)について1973年10月上旬に実施した。
半 A St udy of固gh School Pupi l s・Vi ew of Li fe i n Remot e Mount ai n
Vi I l ages (2)
_ Compari son凶t h固gh School P11pi l s i n bi g ci t i es. _ 米¥ Toshi mi Ueda (Depart ment of Psycho1ogy, Nara Uni versi t y of
Educat i on , Nar a )
Tadashi Fuj i t a (Depart ment of Psychol ogy,Tokyo Uni versi t y of Educat i011, Tokyo )
一73一
表1 調査用紙
中学生に関する調査
この調査は,皆さんがどのような意見をもち、どのような問題をかかえているかということに ついて,たいせつな資料となるものです。ご協力ください。答えていただいたことは,すべてパ ーセントに集計され,個人の名前がでたり,その他ごめいわくをかけることは絶対にありません。
ですから,ほんとうに思っているとおり,正直に答えてください。
(答え方……自分にあてはまるものに○をつけ孔)
<回答者> 中学校 年 組( ) 男・女
1.あなたはあなたの家庭について悩みや心配ごとがありますか。
イ,大いにある 口,あ る ハ,あまりない 二,ぜんぜんない 2. (上の答えがイ,または口の場合,次に答えてください。)
それはどんなことですか。あてはまると思うものをいくつでもあげてください。
イ,収入が少ない 口,家の職業がいやだ.ハ・家庭内で争いことがある。
二,親の愛情が足りない ホ,親が自分を理解しない へ,病人がいる ト・きょうだいと気が合わない チ,家のまわりの環境がわるい リ,家がせますぎる ヌ・ただなんとなく ル,その他
3.あなたはお父さんとよく話しをするほうですか。
イ,ひじょうによく話すほうだ 口・話すほうだ ハ,あまり話さないほうだ 二、ぜんぜん話さないほうだ ホ、父はいない
4. (上の答えがハ,または二,の場合)それはどういう理由で話さないのですか、次の中から いくつでもあげてください。
イ,はずかしい 口,わかってもらえない ハ,たよりにならない 二,すぐおこる ホ,うるさがる へ,話すことがない ト,話す機会がない
5.あなたはお母さんとよく話しをするほうですか。
イ,ひじょうによく話すほうだ 口,話すほうだ ハ・あまり話さないほうだ 二,ぜんぜん話さないほうだ ホ,母はいない
6. (上の答がハ,または二,の場合)それはどういう理由で話さないのですか。次の中からい くつでもあけてください。
イ,はずかしい 口,わかってもらえない ハ,たよりにならない
二,すぐおこる ホ,うるさがる へ,話すことがない ト,話す機会がない
7、あなナこは父親としてはどういう人が望ましいと思いますか,びとつだけあげてください。
イ,仕事や社会のことに専念する父
口,どちらかといえば仕事よりも家庭生活を大切にする父 ハ,どちらかといえば家庭生活よりも仕事を大切にする父 二、家庭生活を何よりも大切にする父
8.それでは,母親として望ましいのは次の中のどれですか。
イ,どちらかといえば家庭のことに専念する母
口,どちらかといえば職業や社会のことにも目を向ける母
9.さて・あなたは今,親にしてあげたいと思うこととして,どんなことがありますか。次の中 からいくつでもあげてください。
イ・経済的に助ける 口,立派な人になって親を喜ばせる ハ,親の気持を理解する 二,親に心配をかけない ホ.別にしてあげたいことはない
10.老後の親をやしなうことについて,あなたの考えにいちばん近いものをひとつだけあけてく たさい。
イ,どんなことをしても扶養する 口,自分の生活力に応じて扶養する ハ,親は自分自身の力や公的保障で生活するべきだ
二、わからない
一74F
11.あなたが,これまでにならった先生や今ならっている先生の中で、個人的なことまで打ちあ けて話せる先生がいますか。
イ,いる 口、いない
12.あなたは学校で次のうちどういうものを得ればよいと思いますか。次の中からいくつでもあ げてください。
イ,職業に役立つ技術や知識 口,教養やものの考え方
ハ,仕事や結婚ωための学歴 二,心を打ちあけて話せる友人や先生 ホ,この中にはない へ、得たいものはない
13.あなたは心を打ちあけて話せる友人がいますか。
イ,いる 口,いない
14 (上の答えがイの場合)その友人とあなたとは,親やきょうだい以上に心がかよいあってい
ますか。
イ,かよいあっている 口,それほどでもない ハ・同じくらい 15.あなたは,あなたの今住んでいる村(町)が好きですか。
イ,好きである 口,まあ好きである ハ,あまり好きでない 二,きらいである ホ,何とも思わない
16一(上の答えがイ,または口,の場合)それではどういう点が好きなのですか。次の中からい くつでもあげてください。
イ,生活が便利である 口,人の気持があたたかい ハ,自由がある 二,のんびりしている ホ,活気がある へよい学校や就職口がある ト,空気がよいなど生活環境がよい チ,この中にはない
17.(15の答えがハ,または二,の場合)それではどういう点がいやなのですか。次の中からい くつでもあげてください。
イ,生活がふぺんである 口,人の気持がつめたい
ハ,まわりの人々の口がうるさい 二,さわがしくておちつかない ホ,活気がない へ,よい学校や就職口がない ト,空気が悪いなど生活環境が悪い
チ。この中にはない
18.あなたは将来もずっと今のところに住んでいナこいと思いますか。
イ,住んでいたい 口・移りたい ハ,どちらでもよい
1a最近の社会のできごとについてあなたの考え方に,いちばん強い影響を与えたと思われるの は次ω中のどれですか。ひとつだけあげてください。
イ,テレビ,ラジオの内容 口,新聞雑誌の内容 ハ,単行本の内容 二,学校や先生の意見 ホ,先はいり意見 へ,友人の意見
ト、親・きょうだい・観るいの者の意見 チ,組織や団体の意見 リ,文化人,学者の意見 ヌ,この中にはない
20.あなたは今の日本の社会についてあきたらないと感じていることがありますか。
イ,大いにある 口,少しある ハ,あまりない 二,ぜんぜんない
21.(上の答えがイ,または口,の場合)それでは,それは次の中のどれですか。いくつでもあ げてください。
イ,社会のしくみがきまりきっている 口,若者の意見が反映されない ハ,正しいと思うことが通らない 二,国民の意見がまとまっていない ホI貧富の差がありすぎる へ,まじめなものがむくわれない ト、風俗が乱れている
22.あなたは日の丸の旗をみてどう思いますか。ひとつだけあげてください。
イ,親しみを感じる 口。日本の国旗として愛着を感じる
ハ,誇らしいと感じる 二,反発を感じる ホ,なんとも感じない
23.人のくらし方について。いろいろな考え方がありますが,次のものの中で,あなたはどれを えらびますか。いちばんよいと思うものをひとつあけてください。
イ,いっしょうけんめい働き倹約して金持ちになる 口,まじめに勉強して名をあげる ハ,金や名誉を考えずに、自分の趣味にあったくらし方をする
一75一
二,その日その日をのんきに,くよくよしないでくらす
ホ.世の中の正しくないことを押しのけて,どこまでも清く正しくくらす へ,自分一身のことを考えずに,国家社会のためにすぺてをささけてくらす 24.あなたは今の自分の生活に満足ですか。不満足ですか。
イ、満足である 口,まあ満足である ハ,やや不満である 二,不満である 25あなたは悩みや心配ご亡がありますか。次の中からいくつでもあげてください。
イ,勉強や進学のこと 口,就職のこと ハ,仕事のこと 二,家族のこと ホ・友人や仲間のこと へ・異性のこと ト,お金のこと チ,政治や社会のこと リ.性格のこと ヌ,健康のこと ル,容姿のこと オ,この中にはない ワ,悩みや心配ごとはない
26.あなたは悩みや心配ごとのあったときにはだれに相談しますか。あてはまるものをいくつで もあげてください。
イ,父 口,母 ハ,きょうだい 二,祖父母または観るいの者 ホ,先生 へ,近所や学校の友だち ト,学校の先はい
チ,団体,グループなどの伸閻 リ,この中にはない
27.あなたはどんなときに生きがいを感じますか。次の中からあてはまると思うものをいくつで もあげてください。
イ,社会のために役立つことをしているとき 口,仕事にうちこんでいるとき ハ,勉強に打ちこんでいるとき 二,スポーツや趣味に打ちこんでいるとき ホ,家族といるとき へ,友人や仲間といるとき ト,親しい異性といるとき チ,他人にわずらわされず,ひとりでいるとき リ,この中にはない
28.あなたはまちの中やバス(電車)の中のように大ぜいの人のいるところで,暴力をふるった り,よっはらって他人にめいわくをかけたりしている人がいるときどうしますか。ひとつだけ あげてください。
イ,車掌や警察官に連絡する 口,やめさせるようにまわりの人によびかける ハ,注意してやめさせるようにする 二,力づくでやめさせる
ホ,なり行きをみている へ,危険にまきこまれないように退避する 29.あなたは,今通っている学校の生活で何か希望することはありますか。
イ,大いにある 口,少しある ハ,な い
30.(上の答えか,イ,または口,の場合)それでは希望していることは次のうちどれですか。
いくつでもあけてください。
イ,施設のこと 口,友人のこと ハ,先生のこと
二,授業のし方や授業科目などのこと ホ,クラブやサークル活動のこと へ,この中にはない
表2 調 査対象
へき地 都市(大阪) 都市(東京)
男 58 女 65
37 130 36 70
計 123 73 200
一7−6一
皿 結 果 と 考 察
各領域における問に対する反応を地域別に示し、へき地・都市(大阪)・都市(東京)の各群間の 有意差(両側検定による5%水準以下)の有無を示したのが表3である。表3に基づいて各領域毎に 結果と考察を述べる。
1.家族・家庭生活
家庭についての悩みや心配ごと(1)のある者(④十◎」は,へき地28.5%,都市(大阪)31,O
%,都市(東京)19.0%であり,へき地と大阪が東京より多かった。その理由(2)としてあげた 内容のうち,へき地では「収入が少ない」「家が狭すぎる」などの物質的な悩み, 「家庭内での争い ことがある」「病人がいる」「親の愛情が足りない」などの精神的な悩みが多かった。一方,都市(
大阪・東京)では・「親が自分を理解しない」という精神的な悩みが多かった。
父親との対話(3)については,各群間に差はみられなかったが,話さない理由(4)としては,
へき地では「話すことがない」が多く,逆に都市(大阪・東京)では「話す機会がない」を多くあげ ている。また,母親との対話(5)についてはI東京の中学生はへき地や大阪の中学生よりも、より 多く母親と話している。母親と話さない理由(6)として,へき地では「話すことがない」が都市群 より多く・大阪では「わかってもらえない」という親の無理解きをあげるものがへき地・東京よりも 多い。これらの結果から,へき地中学生は父親に対しても,母親に対しても話す機会はあっても話す 内容に事欠いているのか,あるいは会話の必要性を認めていないように思われる。他方,都市群では 時間的制約から話す機会がないことが特徴としてあげられる。このように話さない理由がへき地と都 市とでは著しく異なっている」
理想の父親(7)として求めるのは,へき地では「家庭生活を何よりも大切にする父」が都市群よ りも多い。また,理想の母親(8)としては,へき地では「家庭に専念する母」を多くあげ,逆に都
表3 領域別,地域別の回答選択率(%)と検定
問題 地 域
領域 項目
番号 ㈹へき地 1B〕大 阪 0束 京 1. ⑦
◎ ◎ θ 無
9,8
18,7 46,3 24.u0.8
4,1 32,9 42,5 20.5 0.O
3.O
16,0 59,0 22.00.O
各地域間の有意査検定
A…一B A−C B−C
¥
¥ 半¥
米 ¥
2. ④ ◎ ◎ θ ㊧
31,4 14,3 34,3 25,7 22.9
3.7 3,7
18.57,4
44.40.O ¥¥ ¥¥¥
13,2
13−2 ¥
o.u ¥共共 ¥共栄
3a8
一77一
問題領域 項目一
番号 地域 各地域間の有意差検定
㈹へき地 1Bj大阪 1C〕東京 A−B A−C B−C 2, 6 25.7 0.0 5.3 料 廿
① 2α0 エ4,8 23.7
㊥ 11,4 18,5 13.2
①31,422.21α5 半
③ 11.4 1111 13.2
⑫ 22,9 22−2 10.5
無0.00.0γ1
ω
家
3. ④ 9.8 41 6.5
◎ 35,0 43,8 43.5
0 46,3 41,1 41.0
(∋ 5.7 5.5 3.5
㊥ 2.4 4.1 4.O
無O−81.40.0
族
4. ξ) 工0.9 8.8 3−4
家
庭
生
(…) 1019 17,6 12.4
() 1.6 8−8 5.6
(…∋ 9,4 11.8 5.6
㊥ 6.3 i118 3.4
θ 76,6 41,2 51.7 料米 料
① 17,2 38−2 34.8 共 半
無O−00.01.1
活5④25−224,73,2.5
◎ 51,2 56.2 5.8,5
◎ 15,4 16.4 7.0 (∋ 4.1 1.4 1.0 ㊥ 2.4 1.4 0.5
無1.60.00.5
半 米
a ④ &3 τ7 a3
◎ 20,8 53,8 18.8 ¥ 米
(う 12.5 7−7 0.0
θ 4,2 23.1 18.8
魅, ユ2,5 23.1 12.5
6 75.0 3&5 43.8 ¥ 共
(D ユ2.5 . 23−1 6.3
無0.07.70.U
−78一
問題 領域 項目 番号
地 域
㈹へき地 1B〕大 阪 0東京
各地域間の有意差検定
A−B A−C B−C 7. ⑦
◎ o
θ
無
9,8
42,3
19−5・
26.8
1.6
11,0 53,4 21,9 13.7
0.0
1O.0 54,0 23,0
12−0 米 ¥女¥
1.U
8. ④ 87.0 ◎ a8
無 3.3
82,2 16.4
1.4
79,0
21.O ¥¥
0.U
9. ⑦ ◎ ◎ θ ㊧
無
15,4 18,7 20,3 65,0 23.6
0.0
8,2
13,7 15,1 72.6
6.8 1.4
7.0 米 19,5
29−0 ¥ 65−5
7.5 ¥¥ 共共¥
0.5
10. ⑦ ◎ ◎ θ 無
30,1 13.8
49
50.4
0.8
247
35.6
0,0
37.0
2.7
35,5
44.5 ¥¥¥
1.5 半 18.0
0.5
半¥¥
共¥米 ¥半共
ユエ. ⑦ 工6.3 ◎ 82.9 無 O.8
17,8 80.8
1.4
25,5 74.O
O.5
12. ④ ◎ ◎ θ ㊧ θ 無
28−5 23.6
4,9
48,0 11,4 13.8
0.0
26..U
37.∪
55
56,2
6,8 6,8 1,4
25,5 57.0 共
6,5
55.0
6.0 1.5 1.5
¥半米 ¥半
¥廿¥ ¥
13. ⑦ 41,5 ◎ 58.5 無 O.u
548
42.5
2.7
71,5 28.5
0.U
¥共¥ 米¥
共¥¥ 半
一79一
問題領域 項目
番号
地 域 各地域間の有意差検定
ωへき地 1B1大 阪 1C陳 京 A−B A−C B−C
14⑦ ◎ ◎ 無
17,6 64,7 17.6
0.0
250
30,0 42.5
2.5
16,1 56,6 49.7
1τ5
¥共 ¥共
共米 ¥米¥
② 学 校 生 活 友 人
関
係29⑦ ◎ ◎ 無
30. ⑦
◎o
θ
㊥6
無
244
39.0
3a6
α0
15,4 14,1 38−5 25,6 35,9 30−8
0.O
19,2 61,6 13.7
5.5
25,4 16,9 44,1 39,0 20,3 27.1
0−O
23.5
540
2210
0.5
¥¥ 半¥
¥共¥ 米¥
21,9 14.8
2a7
19−4
45,8 キ
29.0
0,6
¥
¥半
¥半¥
制
15一 ⑦
◎
◎ θ
㊥ 無
47,2 23.6
&9
6−5
13−8
0.O
17,8 23−3
2τ4
12−3 19.2
0.0
30,5 27,5 14−0
6.O
16.5 α5
¥¥キ ¥¥ ¥
、¥¥半 半¥
社
会
生
活
16. 6,9
18,4 43,7 42−5
&0 111 74.7
4.6 0.0
43,3 10.0
1α01a7
3.3 0.0 3.3
4a3
0.0
47,4 22,4 24,1 19−0 13.8
6−0
29,3 22.4
0.0
景¥米 ¥井¥
米¥¥ ¥¥
米 半¥¥
¥共¥ 米¥半 ¥米 半¥共 ¥朴井 ¥
1γ⑦
◎ ◎
47,4 26,3 31.6
6,9 17.5 米≠ 米
10,3 12,5
31,0 12.5
一80一
問題領域 項目
番号
地 域 各地域間の有意差検定
㈹へき地 1B〕大 阪 C凍 京 A−B A−C B−C
θ
㊧ θ
⑮
㊥ 無
18一 ④
◎ ○ 無
15.8
3工.6
3116
0,0
26−3
0.O
24,4 29,3 43.9
2−4
24.1
6.9 3,4
31,0 20,7 α0 21,9 41.1
342
2.7
30.0
7,5 2−5
32,5 22.5
0−u
半 ¥
キ¥ ¥半
¥¥ 米¥
24.u
42.0 米
33.5
0.O
14〕
在 社 会 へ
19.
20.
21.
関
心
⑦
◎
◎ θ 無
⑦
◎
① θ
㊧ θ
⑪
㊧ 無
29.3
8.9 0,8
12.2
4.9 5,7
13.0
0.O 1,6
22.0
1.6
19,5 34−1 35.8
8.9 1.6
21.2
3工.8
4α94Z4
42,4 21,2 19,7 19,7
0.0
356
6.8 0.0 8−2 114
1213
1q2
1.4 114 8.2 5,5
27,4 42−5 23.3
4.1 2.7
21,2 26,9 57,7 17,3 46−2 30.8
5,8
11.5
0.O
35,0 25,O τ5
2.5 0.5 8,0
12.0
2.0 3,0 7.0 0.0
半半米 ¥米非 半米 共 半半¥ ¥
¥
キ 半半米
29,0 43,0 30.5
1.5 半¥米
1.O
24,3 18,8 47,2 32,6 21,5 23,6 16,0 18.8
2.1
共
十米 共
半米 ¥半
¥
一81一 。
問題領域 項目
番号 地 域 各地域間の有意差検定
㈹へき地 1B吠 阪 1C陳 京 A−B A−C B−C
22. ⑦ a8 1a2 19.5 米 ◎ 30,1 20−5 35.5 米
0 4,9 1 3−7 9.5 ¥
θ 6.5 8.2 6.U
㊧ 48,8 35,6 29.0 ¥共半
無0.02.70.0
2a ⑦ a5 ユ3−7 10.5
◎ 2.4 0,0 4,0
0 4α7 39,7 53.5
θ 244 26,0 14.0
㊧ 19,5 16,4 11.5
◎ 5.7 αu 5.0 半
実費 0.8 4−1 3.O
24一 ⑦ 1 8,7 1 1,0 1 6,5
15〕
◎ 39,8 34,2 55.5
入◎22,843−822.5¥¥
θ 13.8 9.6 4.O
生 無企9工.41.5
観 2τ ④ 49 Z7 aO ◎ 8.9 4.1 3.5 ◎ 5.7 2.7 τ5
生
活
態 度
θ 44,7 45,2 69,0
㊨ 32,5 1 2,3 1 6.5
θ 34,1 42,5 44.5
㊦ 11,4 23.3 9,0
㊥ 6.5 9,6 12.5
⑰ 1 5,4 1 3.7 8.0
無0.00.00.5
半 ¥
¥ 共
共¥¥¥
共半
共
共¥¥半共共 共¥共¥¥
¥ 井¥
米
28一 ⑦ 21,1 13,7 27.5 ¥
◎ 12−2 6.8 4−5 ¥
◎ 8.9 8−2 7.0
臼 41 2,7 4.O
㊥ 26,8 41,1 35.O ¥
θ 25,2 21,9 21.5
無1.65.51.5
一82一
問題 領域 項目 番号
16〕
悩
み
心
25、 ⑦ ◎ o θ ㊧ θ ㊦ ㊥ ⑪ ③ ⑫ ㊥ ⑰ 無
地 域 囚へき地 旧吠 阪 O東 京
5a9
14.6
7,3
17,930」
8−9
13.84,1
20,3 13−84.9 8−9
10.60.O
71.2
9,6
11,0 30,1 30−1 26,0 26−O1,4
12,3 17.86−8 2.7 4.1 1.4
71.5
6.0 1,5
13,5 19,0 13.08.5 9,0
22,5 11.58.0 7,5 9−0 1.0
各地域間の有意差検定
A−B A−C B−C
¥ →←☆
米 半¥
井¥ 半¥半
¥ ¥米
米 半
半¥ ¥
¥ ¥¥共
共
半
ご
と
26. ⑦
◎
◎ θ
㊥ θ
①
㊥
① 無
12,2 40,7 13.0
49
2−4
26−81.6 6,5
30.10−0
9,6
42.59−6 2.7 4−1
43.82.7 8,2
12.3ユ.4
14,5 43,5 12.5 5.0 4,0
40.5 ¥ ¥
2,0
13,5
1 7.0 ¥¥・ →÷共
0−5
(注1Aはへき地,Bは大阪,Cは東京を表わし,
井……5%水準,料・…・・1%水準,¥料……0.1%水準 を表わす。
なお。問題の2・4・6・16・17・21・30番は,前間の特定 の項目を選択した者のみに関するデーターである。
一83一
市(大阪・東京)では「職業や社会のことにも目を向ける母」を多くあけている。これらのことから,
へき地中学生は家庭中心の生活を重んじる両親を強く望んでいるといえる。これは一面では,生活空 間範囲の狭さから生ずるものかもしれない。
親にしてあげたいこと(9)として、へき地が都市(大阪・東京)よりも高率を示したのは「別に してあげることはない」で,東京よりも高かっ走のは「経済的に助ける」であった。「親の気持ちを 理解する」は,へき地と東京が大阪よりも選択率が高かった。
老後の親の扶養(10)については,「どんなことをしてでも扶養する」は,へき地と東京で多く,
「自分の生活力に応じて扶養する」は、大阪と東京の都市群で多かった。上田・滝野(1973)で は, 「どんなことをしてでも扶養する」は,へき地中学生に表われた1つの特徴であったが,東京の 中学生においても同様な傾向がみられた。この点は、同じ都市の中学生でも東京と大阪の場合とでま 異なる傾向を示すものとして注目される。
ム 学校生活・友人関係
学校で得たいもの(12)に関して。都市(大阪・東京)で「教養やものの考え方」を得ればよいと いう考え方がへき地よりも多かった。逆に,へき地では「得たいものはない」という消極的な反応が 都市群より多いのが目立った。上田・滝野(1973)では,へき地中学生は学校で「職業に役立つ 技術や知識」を魯たいという結果が示されたが,今回の結果では見られなかった。この違いは,今回
のデーターが2年生を対象としたものであったので、卒業後の進路選択に対する関心がまだ低かった ことによるのかもしれない。
学校生活での希望(29)は,都市(大阪・東京)の方に多い。その内容(30)としては、大阪では
「施設のこと」 「先生のこと」「授業の仕方や授業科目のこと」が多く、東京では「クラブやサーク ル活動のこと」が多い。へき地では「先生のこと」「授業の仕方や授業科目」 「クラブやサークル活 動のこと」が多い。
心を打ちあけて話せる友人の有無(13)については,都市(大阪・東京)の方がへき地よりも友人 が多いことを示している。友人との親密度(14)に関しては,親やきょうだいと同程度に(へき地・
東京),あるいはそれほどでもない(大阪・東京)とその評価には一貫したものはない。これらのこ とは,親密さの程度のいかんにかかわらず都市の方が友人の数が多く,日常の生活空間の中に友人の 占める割合が多いことを示している。
乱 地越社会生活
現居住地への愛着(15)は,へき地に高く(7α8%),「あまり好きでない」「嫌いである」「
何とも思わない」は,都市,特に大阪(58−9%)で高かった。地域への愛着の理由(16)として,
へき地では「自由である」「のんびりしている」「空気がよいなど生活環境がよい」が都市群より多 く,逆に都市群では「生活が便利である」が多い。また.大阪と東京の差としては,東京の方が「人 の気持ちがあたたかい」「自由がある」「活気がある」「空気がよいなどの生活環境がよい」で,大 阪より多かった。地域に対する愛着が生じない理由(17)としては,へき地では「生活が不便である」
「活気がない」「よい学校や就職口がない」を多く選択している。大阪では「まわりの人々の口がう るさい」が多く,都市(大阪・東京)で共通して多いのは「畷がしくて落ちつかない」「空気が悪い など生活環境が悪い」である。将来移住したい(18)と考えるのは.都市群で多く. 「どちらでもよ
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い」はへき地に多かった。ここで,へき地の中学生が地域への愛着の現出として、主に自然的物理的 環境の良さをあけ,逆に生じない理由として,生活の不便さや活気のなさなどの文化・教青的環境,
日常的生活条件の悪さをあげている点は、永田地(1971)の結果とほぼ対応している
↓ 現在社会生活への関心
最近の社会の出来事についての考え方に一番強い影響を与えたと考えられるもの(19)として,全 体としては「テレビ,ラジオの内容」が多いが,へき地では「学校の先生の意見」が多く,逆に都市
(東京)では,へき地・大阪よりも「新聞・雑誌の内容」からが多かった。この結果より,へき地で は社会的事象の情報伝達者として教師の役割が大きいことが注目される。一方,東京では,生徒自ら が社会的事象に目を向けているといえる。へき地と大阪の間に差がなかったが。これについては明確 な解釈はできない。ところで,へき地で「この中にはない」が非常に多かったが,項目としてあげた もの以外に情報の八手は考えられず,むしろへき地中学生の社会的事象への関心の低さを示すものと 考えることができよう。
現在の日本の社会に不満を感じているもの(20の⑦十◎)は,大阪(69−9%)、東京(72.0%)
に多く,逆に「全然不満がない」はへき地に多かった。不満の内容(21)としてあげた8項目中,へ き地の中学生で多かったのは「若者の意見が反映されない」「国民の意見がまとまっていない」「風 俗が乱れている」 「貧富の差がありすぎる」であり・大阪では「貧富の差がありすぎる」が多く・東 京では「国民の意見がよくまとまっていない」が多かった。
日の丸の旗(22)に対して,「なんとも感じない」という答えは都市(大阪・東京)に比べてへき 地に多く,逆に日の丸の旗に対する「親しみ、愛着,誇らしさ」は全般的に都市群に多かった。
5.人生観・生活態度
生活態度(23)として, 「その日,その日をのんきに,くよくよしないでくらす」は,へき地・大 阪が東京より多く,逆に東京で多かったのは「金や名誉を考えずに,自分の趣味にあったくらし方を する」であった。上田・滝野(1973)のように,へき地,都市のそれぞれの特徴として一定した ものはみられなかった。
現在の生活への満足度(24)をみると, 「満足・まあ満足」はへき地・東京に多く,逆に「不満足・
やや不満足」は大阪で多かった。この点に関しては,へき地と東京の中学生はよく似た反応を示して
いる。
次にどのようなとき生きがいを感じるか(27)については,へき地では「家族といるとき」が多く,
大阪や東京では「友人や仲間といるとき」が多い。その他東京の中学生は「スポーツや趣味に打ち 込んでいるとき」にも生きがいを感じる者が多い。大阪の中学生の特徴として特に目立ったのは,「
親しい異性といるとき」が多かったことである。
社会的態度のひとつとして暴力に対する態度(28)をみると,へき地で多かったのは「やめさせる ようにまわりの人によびかける」で、逆に都市(大阪・東京)で多かったのは「なりゆきをみている」
であった。「車掌や警察官に連絡する」は,へき地と東京が大阪よりも多かった。この点に関しては,
へき地と東京は類似している。しかし,へき地ではこのような経験に出会うことが少ないので,類似 した傾向があったにせよ東京の中学生の反応とは質的な違いがあるかもしれない。
一85一
6 悩みや心配ごと
悩みや心配ごとの内容(25)として多かったのは,へき地では「就職のこと」 「友人や仲間のこと1
「性格のこと」で,大阪ではr勉強や進学のこと」「仕事のこと」「家族のこと」「異性のこと」「
お金のこと」であり,東京では「勉強や進学のこと」「性格のこと」であった。このように「勉強や 進学のこと」に関しては,都市(大阪・東京)で多く、「性格のこと」については,へき地・東京で 同じ傾向を示している。へき地で目立つのは「就職のこと」に関する悩みや心配の多さであり。これ は居住地域への愛着が生じない理由として多かった「よい学校や就職口がない」の選択とも関連して いると思われる。
悩みや心配ごとに対する相談相手(26)としては.全体として母親・近所や学校の友だちが多く 父親・きょうだいがそれに続いている。へき地の中学生が特定の相談相手として特に多く選択した項 目はない。一方,都市(大阪・東京)では「近所や学校の友だち」を多くあげている。最近,蔭山地
(1972)は,悩みや心配ごとを誰に打ちあけるかという問題,すなわち自己開放性(sel f・
di scl osure ;J ourard,1958)について検討しているが,彼らの結果と本研究の結果を比 較することは興味深い。本研究では,全体的傾向としては蔭山らと一致しており,母親・近所や学校 の友だちが多く,父親・きょうだいがそれに続き,先生は低く位置づけられている。しかしながら,
我々の結果では,友人に関しては都市(大阪・東京)の方が自己開放性が高く,地域差がみられた。
一方,蔭山らの結果はへき地と都市群でほとんど差はなく我々の結果と一致しなかった。これらの違 いは,いわゆるへき地と呼ばれる地域においても,その環境条件の違いがあるためである.う。先生に 対する自己開放挫については,我々の結果はへき地と都市群には差がみられなかった。この結果は,
蔭山らの都市の方が先生に対する自己開放性が低いという結果とは一致していない。最後に,へき地 において約30%の者が「この中にはない」を選択し.都市群よりも多かった。このことは、へき地の 中学生には悩みごとや心配ごとがあっても,誰れとも相談しない場合が多いことを示すものとも考え
られる。
M 要約と緒論
奈良県吉野郡のへき地中学生123名,大阪市内の中学生73名および東京都内の中学生200名 を対象にして,家族・家庭生活,学校生活,社会的関心などに関する調査を行ない、へき地中学生の パースナリティー特質を明らかにすることを試みた。その主な結果は次のとおりである。
(1)都市中学生に比べて,へき地中学生は「収入が少ない」「病人がいる」などの家庭の悩みを多 くもちながらも,親密な親子関係を享受し,家庭中心の父・母を望ましいと考え,老後の親の扶養を 含めて,親につくそうとする態度がより顕著であった。
(2)都市中学生に比べて,へき地中学生は学校で「得たいものはない」という消極的な反応が多か っれまた,親密な友人関係は少なかった。
(3)都市中学生に比べて。へき地中学生の地域への愛着度は非常に高いものであった。
(4)都市中学生に比べて,へき地中学生の現在社会への関心は低かった。
(5)都市中学生に比べて,へき地中学生の生活態度を特徴づける顕著な傾向はなかった。
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現状の生活への満足度はより大きく,暴力に対しては他人との連帯のもとに処理しようとする態度が 強いことが明らかにされた。
(6)都市中学生に比べて,へき地中学生は就職や友人に関する悩みが多かった。
これらの結果から,へき地中学生が親和に満ちた緊密な親子関係・家庭環境を維持する一方で,親 密な友人関係を欠いている点,および幾つかの問題でみられた物事への消極的反応傾向は,青年期の
自我の開発の遅滞,社会的情緒的側面への未成熟を生じているものと考えられる。それ故このよう な側面に対する今後の教育的指導が望まれ乱
本研究は,少数の限られた対象校について調査を行なったものであるので,今後さらに同様な調査 を積み重ね,より一般的な結論を導く努力が必要であると思われる。
引 用 文 献
Jourard,S.M.&Laskow,P.]958Somefactors書inself−disclosure.
∫・αあm舳・∫oc・戸∫ツ。κo〜・。56,91−g8.
蔭山英順・久世敏雄・続有恒ほか過疎研究グループ 1972 中学生の自己開放牲について 名古 屋大学教育学部紀要一教育心理学科一19.43−50.
永田忠夫・過疎研究グルーブ 1971 いわゆる過疎地域の問題一中学生に対する質問紙調査 (その1)一日本教育心理学会第13回総会発表論文集 384−385.
上田敏見・滝野手書 1973 へき地における中学生の生活意識 奈良教育大学教育研究所紀要 9, 67−90.
(付記:本研究の遂行に当り格別の御協力を頂いた吉野郡十津川村教育委員会,同村立上野地中学校,
小原中学枕西川中学校,下北山村教育委員会,同村立下北山中学校,大阪市立R中学校および東京 都千代田区立H中学校に対し深い感謝を棒けます。なお,結果の整理に際し本学心理学専攻生の協力 を得た。厚く感謝します。)
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