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著者 東井 正美

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(1)

アメリカ農業経営学の実践的性格 : ジョン・A・ホ プキンス著「農業経営学原理」紹介

その他のタイトル Elements of Farm Management by John A.

Hopkins. New York: Prentice‑Hall, Inc., 1950.

Pp.xvi, 524.

著者 東井 正美

雑誌名 關西大學經済論集

巻 3

号 特

ページ 125‑135

発行年 1953‑12‑20

URL http://hdl.handle.net/10112/15818

(2)

ア メ リ カ 農 業 綽 螢 學 の 賀 践 的 性 格

E l e m e n t s   o f a   F r m   M a n a g e m e n t  

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J o h n A•  

Hopkins•

N e w   Y o r k :   P r e n t i c e   , H

1

I n c . ,

19

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24

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瑛在の如き廣義のアメリカ農業怪済学は︑周知の如く︑生産費問顔を中心として展開された農業経営学と狭義の 農業経済学との分立的乃至対抗的関係から綜合・包括されて成立し︑農村社会学や土地経済学をも包含し発逹し来 ったものであるといわれている︒そしてその成立の時期に関しては︑狭義の農業経済学者と農業経営学者が共に結

ばれる機連が一九一七年に生れ︑これが実現して≫従来の対抗的な関係団体︵一九

l 0

年に主としてスビルマンの努力で

アメリカ農業鯉螢學會が創設︑一九一六年に全國農業経済學者協會が呵設︶は解消して︑ここに綜合的な農業経済学が成立

( l )  

するに至った一九一九年をもって︑現在の如き廣義の農業径済学が学問的に成立した時期と見倣されている︒しか して︑この時期に︑農業経営学は︑廣義の農業経済学に包擬されて︑その独自の地位をすぐさま喪失した︑

しば考えられ勝ちである︒しかし︑このように考えることは︑監くぺき軽挙である

0

成 程

︑ 二 つ の 対 立 的 な 学 問 は

'  

ジョソ

•A

・ホプキソ巴者「曲繋雰芦磐学原理」

1I

紹介

1ーー

アメリカ農業経螢學の賃践的性格

としば

125 

(3)

つのであろうかとぃぅことを回顧する必要があるであろう︒ 物であった︑ということにほかならないであろう︒実に︑ の橋わたしをしたのが︑ 葉

は ︑

つまるところ︑農業経済学→

11

廣 義

の ︶

一九一九年に綜合されて廣義の農業経済学が成立するには至ったが︑それと同時に︑農業経営学がもつ実践的な

11

応用学的な性格の演じる役割が︑崩れ去ったのではなかったのである︒ここにいう実践的・応用学的な性格とは︑

農業径営が可能的に最大の純牧益をあげるというが如き一定の実践的目的を特ち︑かかる目的を逹成するための必 要且有用な方法の知識を得ようとして組織たてられているということから生じて来る応用学乃至実践学であるとい うことを意味するだけではなく︑絶えず︑典菜経悩学においては碑論を現実の間頴に滴合せしめていくということ

から生じて来る応用学乃至実践学であるということをも意味している︒

廣義の農業径済学は成立したが︑

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﹁股業経済学の理論的面における論譲は︑時の流れや特殊化された顕材に跛行 したのである⁝⁝⁝その欣態は^

J o h n   D .   B l a c k ' I n s   t r o d u c t i o n   t o   P r o d u c t i o n   E c o n o m i c s   (

N e w   Y o r k   i926)

や、〈〈

L•

H o l m e s ,   E c o n o m i c s   o f a   F r m   O r g a n i z a t i o n n   a d   M a n a g e m e n t   ( B o s t o n  

19

翠︸︶︾によって救済されつ

( 2 )  

﹁社会科学の

H

ンサイグロペディア﹂.においていつている︒ナ

l‑

︿ の

(E.G•

N o u r s e ) は ︑

の理論的論譲とアップ・トウニプィートな硯実の問題とのギャップ 一九一九年以後に出版されたところの︑プラックやホウムズの﹁股菜経営学﹂に関する害

一九一九年以後に︑農業経営学は︑このような宜要な役

割を演じているのである︒そして︑プラックやホウムズの苦物の出版後においても︑農業経営学の害物は︑そのあ とを絶つということはなかったのである︒ここにおいて︑農業経営学が︑アメリカにおいて︑どのような系限をも アメリカにおける経営学の発展に関して︑和泉庫四郎氏は︑次の如くいう︒すなわち︑それは︑

﹁三つの時代に

(4)

ア メ リ カ 股 業 鯉 笞 學 の 箕 践 的 性 格

分けて考察できるとともに︑令時代の代表的研究として次のものを挙げることができる︒第一期︵一九

00

年か ら二

0

年 ︶

W 爵

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及び

B o s s

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M a n a g e m e n t

第二期︵一九二

0

代 ︶

B l a c k ,   P r o d u c t i o n   E c o . ;   G r a y ,  

I n t r o ‑

d u c t i o n   o f   A g r .   E c o .   ;  H o l m e s ,   F a n n   O r g a n i z a t i o a n   n d   M a n a g e m e n t

第三 期︵ 一九

︱︱

‑ 0

以後 より 現在 まで

H o p k i n s , a   F r m   M a n a g e m e n t B   ;  l a c k   a n d   O t h e r s ,   F a r m   M a n a g e m e n t .  

のの一部であるが︑い.づれも代表的た研究があるので︑以上の検討を通じて大体の傾向を知ることができる︒粽論 的にいうならば.︑アメリカの軽営方式函は第一期←技術学的︑第二期←理論体系の一応の盤備︑第三期←第二期に

( 3 )  

おける理論の現実に対する適用と深化︑と特徴づけることができるであろう﹂と︒グレイの﹁もの﹂は︑アメリカ 股業痒済学の代表的曹物であって︑これを経営学の代表的研究となしていることは︑炭点が存するが︑このことを 一応刻とするなれば︑和泉氏の以上の如き言葉は︑大体肯定でき︑それによって︑農業経営学の珪在までの発展が うかがい知りうるであろう︒そして︑農業経営学が︑廣義の農業経済学の成立の時期をもつて︑その独自の地位を 喪失することたく︑それが︑その理論をますます展開しつつある︑ということが明かとなるであろう︒

︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑

もとより︑農業経営学が︑ひつきよお︑﹁それ等農業経営が依つて以つて経営さるぺき

( n a c h d e n e n   L a n d g i l t e r  

︑︑︑︑︑︑

z u   b e w i r t s c h a f t e n   s i n d )

諦原理を表明せんとする

( e n t w i k e l n )

ものである限り仮令一般に妥当た認原理を明らかに するのであつても︑而してその所論の中には客観的た科学的部分を多分に包摂すると雖も︑応用学︑実践学たるに

( 4 )  

変りなく︑科学たり得ぬのである﹂︑といわれていることは知つている︒しかし︑この応用学︑実践学たる股業経 営学の性格は︑﹁科学たり得ぬ﹂と批難を受けてはいるが這その性格こそは︑実は︑農業経営学を現在迄発展せしめ 来ったという原動力であり︑理論と珪実とのギャップを地める役割を演ぜしめた実体であったのである︒然らば︑

これらは勿論各時期に出版されたも

127 

(5)

その実践的︑応用学的性格は︑農業経営学にどのように具現されているのであろうか︒この課題に接近する意図か

ら︑ここに︑

﹁理論の現実に対する深化﹂といわれてる現在において︑農業経営の代表的研究と思われるホプ矛`ン

スの﹁農業経営学原理﹂

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をとりあげて︑その紹介を試

みて見ようと思う︒

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1.  

ー よ

3.

ホプキソスの﹁腿業祭営学の原理﹂の目的は︑著者自らいつている如くに︑

︑︑︑︑︑︑︑︑︑ー︿の某本的諦原理の若千を︑簡単にして現実的な方法で︑説明することにある︒﹂

( P. v

i i. )

表頴たる﹁﹃股業経悩学の原理﹄によって企図されたことは︑プロダクション・エコノミ・イックー︿の全分野を網羅 することではなくして︑少しばかりの某本的原則の範囲にそれ自体留めることである︒

および報醐逓減の法則︑密接に関連した比較的優位の法則︑

部は︑農場ビジネスの組織並びに築営の全体にわたつて敷えんされている︒﹂

二 ︑

④久保田明光著﹁前褐啓﹂

︵三

八頁

久保田明光著﹁股業鯉済尿の基礎理論﹂

( P. v

i i. )

本書における主なる論議は 代替の法則が最も宜要であって︑

︵一竺ー七四頁︶

② 

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  5 35 . 

③和泉印四郎﹁アメリカにおける森業益螢方式誨の疲展

l (

﹁第三回胡百農業繹済昴含研究報告要旨第二腕﹂

I 1

ー七

頁︶

﹁プロググション・エコノミイグッ

︵筆者傍点︶そして︑その

︵それに隅しては︶報酬逓増

それらの問期の細

(6)

アメリカ農業繹螢學の賀賤的性格

(P•

vi

.)

 

( PP .

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. )

﹁現

方法でという意であろう︒事実︑本書の用語は︑

(P

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ii

.)

初学徒にとつて理解し易い

﹁農業軽営の範囲に習まつている﹂けれども︑﹁農業組織と農場外のビジネスとの諦関係の若干は︑第八篇にて指

示され︑これに︑農業経営と市販との諸関係︑農場経営と金融問頴との諦関係が包括されており︑それに関しては 徹底的な論議というよりもむしろこれらの主願えの手引をなすことが意図されている︒﹂

以上で︑大体︑本書の意図並びにその内容が理解されるであろうが︑本害のもつ実践的な・応用学的な性格は︑

胃頭の﹁簡単にして現実的な方法で﹂という言葉に︑最もよく体現されている︒これが注目に価する︒ここに﹁簡

単にして﹂という形容詞は︑

れている︒﹂ ﹁現実に農業経営を研究しつつ農村に生活する﹂

﹁ホ プキ

y ‑

^婦人によつて著しく平易にされ︑ョリ読み易くなさ

このことは︑本書のもつ実践的な・応用学的な性格からの必然事である︒そしてまた︑

実的な方法で﹂という﹁形容詞﹂は︑﹁抽象的な理論﹂に走らず具体的にという意であろう︒事実︑著者は︑﹁農場

を一継続企業として取扱い︑初学徒は前述の諸法則には著しく興味のうすいことと思われるから︑本書は︑抽象的 な謡原理をめぐつて︑主として構成されないで︑そらの謡法則に対する興味が︑農業経営の実際的問頑において︑

といっている︒さらに︑著者はいう︑ひとりでに︑わきでるように︑それらの謡法則を論述する﹂

n1r

﹁農業絡営と農業記録との密接な関係を個々別々に取扱うことなく︑農業に関していかなるものが論じられていよ

うとも、それと関連的に取.入れて」 (p.vm.)~

り︑﹁農場組織を計画するにあって︑並びにその経営を調査するにあ たつて︑種子・労働等々の額のある程度の一定標準が必要であって︑かかるデイタは通常廣汎に散らばった源泉か らえられるものであるから︑ある努力がョリ重要な農企業の若千に羞けるかかる報告をここに取集めるために払わ

︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑

れたが︑これは︑単に実際の知識としてではたくして︑農場組織および経営の原理の応用に姿するための材料とし

( P . v

i i i .

)  

129 

(7)

本書のもつ特色は︑

的な性格﹂にある︒このことは︑

の予算を組む方法

(t

he

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th

od

  of

 budgeting)~

払われている﹂ ﹁実践的・応用学的な性格﹂を如実に表現していることが理解されるであろう︒

﹁簡単にして現実的な﹂という前述の用語の意から理解されえた

﹁相当な注意が︑企業選択の手段および農企業内に均衡をえるための手段として

ことによってもよく分るのである︒この

﹃予邸を組むこと﹄が︑絶えず︑農業を﹃計画すること﹄

同意語に使用されており︑ で等置されて︑

﹃艇業計画﹄と﹃予算の編成﹄.を相当宜視し︑しかも︑﹁予算編成﹂に関しては︑わざ

わざ︑第二篇︑第七章︑第一六章︑第六篇︵第二 0 章︑第ニー章︶︑第二四章等々をこれにあてているのである︒特に︑

この﹁予穿編成﹂の記述は︑本書の実践的な・応用学的な性格を浮彫するのみならず︑本書を︑その意味で︑狭自

たらしめると共に出色ならしめているといえるであろう︒

乙 ﹁農業者の軽済問願とは︑彼の夜源から最大可能な牧益を猿得することにあり﹂︑従つて﹁農場自体の最も能率 以上の如き︑本害がもつ実践的・応用学的な性格は︑本害の篇別構成においても︑よく表われている︒

9.

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的な経営に逹する方法如何﹂という問願の解答こそは︑﹁農業経営学の専門分野である﹂となす著者は︑このため

﹁われわれは︑作物および家畜企業を選択し︑次にそれらを能率的な制度に組織しなければならない

0

われわ

れは︑農場の円滑な金融的運営のために予質を編成しなければならない︒遮当な計画がなされた後に︑作物が適切な

ときに批話されていることや雇僻労働者が常に利潤をあげて使用されていることを見るために︑われわれの注意を ての痰りである︒﹂

実 に

( P . v

i i i )

 

︵傍

点筆

者︶

と︒以上のことによって︑ ﹁環実的な方法で﹂という形容詞は︑本書の

( P . v

i i i )

 

(t

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)

と ︑

° °o r

"

という﹁接接詞﹂

﹁予算﹂に関しては後述する︒ ﹁実践的・応用学

(8)

アメリカ飛業笹螢學の箕践的性格

第一

0

章 鯉 済 的 報 酬 の 悪 培 の 法 則

第 九 章

自然的産出額の悪減法則

第六篇 第一九章

第•第 八

0七 章 章

塾実の農場鑑営に捧げる︒農場記録は︑計画または予罫を観察するために︑そして何時でも農業ビジネスの欣態を

知ることが可能となるように︑付けられるべきである︒﹂

(P

1 4)

という︒これは︑

際になすことによって︑生ずる間題について︑順序に従つて述べているのである︒しかして︑この順序に従つて︑

本害の篇別椙成がなされている︒それに関しては︑本書の内容紹介をかね目次を示せば︑次の如くである︒

第 三 穿

1

般 的 観 察

鯉済活曲と戟業選罪

農栂組織ーー経済的基袈

塾 場 の 安 産

股楊計益または予年

農 産 和 仮 格

第 一 八 章 桓 済 的 労 働 へ の 設 備 の 選 揮

牒 揚 支 出

第 六 章

第 五 篇 経 済 的 労 働 並 び に そ の 能 力

第二篇 第一六章

第 五 章 農 楊 借 地

第一五章 第 四 章 農 揚 選 繹

専門化か多角鯉螢か

第 二 章 股 業 形 態

第 一

章 第一節

第一四章 第四篇

第三篇 第一三章 第ーニ章

第一七章 第

l l

主要輪作および第二次輪作並びに作物記録 作物生産における必要條件

システム組 織 農場組織における家畜の目的

システム

飼料供給および家畜組織

システム

家畜組織のための予坑 能力形態すなわち馬またはトラククーの選探

予 算 の 概 括

諸 作 物 の 選

システム

作 物 組 織

現実の農業者が︑

股業経営を実

131 

(9)

る ︒ い

る ︒

第 二

0

第 ニ

ー 章

第 二

二 章

一 綾

的 支

出 の

た め

の 予

努 働 の 能 率 的 利 用

以上は︑本書の篇別構成であって︑それは︑目次に宰ける如く第八篇第二八章から成つており︑五

00

頁に及ぶぼ

う大な頁を使っている︒

著者は﹁﹃最大牧益獲得の方法如何﹄の問願解決には︑二つの局面があって;それは︑①農場自体の能率的経営と

②農場外の人々またはビジネスの最も満足的にして利潤の多いア>ーソヂメントのための準備とである﹂といつて

現実の農業者が︑先ず①の局面に逹する迄には︑

るが︑これは︑第一篇ーーニ篇によってえられ︑①は︑いいかえれば基本的知識の現実的農場えの適用または応用 であって︑これは︑第三篇ーー七篇によつてえられ︑②もまた︑農場外的認条件えの適用または応用であって︑こ れは︑第八篇によつてえられる︒従つて︑本書の構成は︑現実的農業者が必要とする農業基本原理と︑それを現実 的に応用・適用する際に必用な農場自体における農業経悩原理

分に大別されよう︒それはともあれ︑この篇別構成自体が︑本書の実践的・応用学的な性格を表示しているのであ 第 二 三 章 作 業 調 査 ー ー 記 録 の 利 用

修 正

第 二

四 章

予 雰

第七篇

農 作

業 調

査 の

た め

の 記

ヵレント

農 場 の 現 実 の 問 題 第八篇農業ビジネスの塁場外的関係

カレント

第二五章現賓の農業鯉替における協同

第二八章 農 業 ビ ジ ネ ス 臨 安

農業者の市場接鯛

技微の進歩と農業鯉螢

そのための最も基本的な経済的・経営的知識を必要とす

︵應 用原 理︶

第二六章

第二七章

と︑農場外的な﹁それ﹂との︑第一ー一部

(10)

アメリカ農業鯉螢學の賓錢的性格

方法如何を示すことにある﹂という︒従つて︑

﹁ 農

場 計

画 ﹂

11

﹁農場組織﹂は︑いいかえれば︑

たお︑本書の出版に関しては︑第一版が一九四七年に︑第二版が一九四

0 年に︑第三版が一九五 0 年に出版され

若千補翠されている︵例えば︑第二版におけるアメリカ合衆國における農業形態

に爛する章並びに農楊テニュアの安科を含めた農場の選偽の章の追加︑第三篇で後の章の撰大︑二章への大別︶が︑何よりも重

要なことは︑第二篇において︑最新のデイタをとり入れて基本的原理の若千を丹令どにすることに考慮を払つている

ことにある︒このことは︑理論が現実の問願と蹄行しないようにする実践的・応用学的な性格を示すものであって

本書の特色の一っとして指摘しておきたい︒

本書において︑何よりも注目に価することは︑本書の骨子が︑農場計画または農場予算であることである︒そし

てこの二つが︑本書では︑しばしば等置されて︑多かれ少かれ全篇をつらぬいているのである︒

農場計画または予算は︑単に農業者の出発にあたつての農場組織または予算を意味するだけではなくして︑農業

るのである

0

著者が︑これに関して︑

者が既に経営中であるとするなれば︑彼の作物や家畜の組織が改善しうるかどうかを観察することをも意味してい

﹁農場計画を観察し︑おそらく新しい計画を樹立することの方法は︑いわゆ

る農場予算として知られている︒﹂

( p . 1 0 9 )

といつていることによって︑明かであろう︒

﹁農場計画﹂という語は︑著者にとつては︑﹁農場組織﹂という語と同義語であって︑その目的は︑﹁最高の純所

得をあげること﹂である︒ところが︑この目的を遂行するための解答は︑実は︑

著者がいつて宰り︑なお﹁本書の目的は︑申分のない経営が構成するものを示し︑その経営が発逹・改善せられる

四 ︑

ており︑第一版から第三版までの問に︑

﹁農業経営の特殊分野である﹂と

﹁農業経営﹂とい

133 

(11)

いるが︑それはひつきよう︑﹁個人の農業生産の最大利潤追求﹂の学問たる点において︑農業経営学を乱企業的とい

﹁予算﹂という

語において︑著者は︑技術的な用語と艇業経済学の理論的用語の二つの意味をもたしめている°然も︑それが︑あい

まいでなく︑二つの用語の意義が︑全篇を通じて︑釈然とせしめられている︒このことは︑アメリカ農業経営学が つて区別してみても︑ ﹁最高の継続的利潤猿得のための﹂実践的要求に答えるための

農業経済理論または農業鑑営理論の現実に対する応用または適応することであって︑その観点は︑飽まで農業生産

関係からする理論的把捉であるということである︒

﹁予坑﹂という語は︑舒者にとつては︑

ものであ b ︑これを﹁第六ね︑予坑の舞略﹂において記述しているのである︒しかし︑他面においては︑﹁﹃予算﹄

とやう語は︑われわれのたいていにとつて︑支出にたいする計画を意味するが︑農場経営のための計画は︑全て価

格や価額によって作成されないで︑予算は農場のためのあらゆる部分を含んでいる︒﹂

( p. 1

1 2)

. . ¥ l 著者はいつてお

り︑これに関して︑ ﹁完全な形態では︑帳簿上の計画を含んでいる﹂ものであって技術的な

﹁作物計画︑家畜計画︑力と労働計画﹂をあげている︒そのことが意味することは︑単に鰻簿

上の技術的鍛点からする問姻把握ではなくて︑現実の農業生産関係からする問願把握ということである

0

後者の問

四把握は︑現在の廣羞のアメリカ農業軽済学のとつている観点である︒勿論︑それは社会科学的とめいうたれては

﹁社会的﹂と﹁乱企業的﹂との言葉の差は︑大同小異であろう︒ともあれ︑ なものではないということである︒いいかえれば︑ 本害の骨子が︑ うことになり︑よき計画または予算のために本書の目的があるということになるであろう︒そこから︑いきおい︑

﹁ 農

業 組

織 ﹂

11

﹁農業計画﹂をめぐる農業軽済問願となってくるのである︒ここに︑注意しておか

ねばならないことは︑

﹁ 臭

業 組

織 ﹂

1 1

﹁農業計画﹂が︑本書で︑取扱われている方法は︑単に︑農学的・技術学的

(12)

ア メ リ カ 農 業 鯉 螢 學 の 賓 践 的 性 格

廣義の農業軽済学の成立以後も︑アメリカ農業経営が独自の道を辿り︑高菜準に到逹したことを物語っていると

思われる︒

ホプキソスの﹁農業経営学の原理﹂は︑

﹁農業計画と予算﹂を骨子となして︑それに関する基本的原理の若千を 説明していることにおいて卓尾である︒しかも︑この﹁農業計画と予算﹂は︑本書の実践的・応用学的な性格を顕

著に強めているのである︒しかも︑本書においては︑アメリカ農業経営学の初期における技術的・農学的な観点を︑

近代的な技術に洗練せしめており︑現実の農業生産関係からする農業姪済理論と躁合せしめられており︑農業経営

学を近代的水準まで高めていると思われる︒

︵一九五三年︱一月二

0

日 ︶

135 

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