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著者 賀屋 俊雄

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(1)

海上賣買に於けるF.O.B.條件について : 白耳義国 アントワープ港に於ける慣習を中心として

著者 賀屋 俊雄

雑誌名 關西大學商學論集

巻 創立七〇周年記念特輯

ページ 13‑38

発行年 1955‑11‑04

URL http://hdl.handle.net/10112/00022223

(2)

海上売買に於ける F.o.B 条件について︵賀屋︶ ずれも物品積載船舶の買手側居住仕向地への安全到着を条件とする売買形態を選んだものであったのである︒ れが産業革命による機械製造業の旺盛化に伴い︑業者側に於ては︑製造用原材料の補給を国外に求むるの急に迫 中心として︑地中海方面に於ては︑

( L a   v e n t e   p a n a r   v i r e   d e s i g n e )

の如く︑い

F ・ O .

 B 売買の起源は一八

00

年代初頭に渕り︑当時蒸汽機関の発明と︑次いで起った産業革命︑他方︑海

上運送に蒸汽船の出現等一連の劃期的出来事に密接なつながりを持つているものと云われる︒此頃までの海上運

送は︑帆船を手段としたものであって︑当時の船舶は︑今日のそれと比較して︑自然の要素に対しては︑.其抵抗

カ著しく低いものであったと同時に︑当時︑外洋上には︑海賊の跳梁があり︑他方︑欧州各国商人としては︑外

国物資の買入れは︑物品海上運送中の危険は売主に負担せしめ︑買手国への安全到着を条件としてこれを行った

にすぎなかった︒当時北方︑英国を中心としてはさ^

T o

  a

r r i v e   p

e r (~~)"'^  

E x

  s h i p  

(

毒れ

n

等︑他方︑馬耳塞を

所謂﹁特定船舶による着船売買﹂

海上賣買に於ける

F . o .

B 條件につ

歴 ー白耳義国アントワープ港に於ける慣習を中心としてー

い て

(3)

に慣用せられていたものと思惟される︒

南 方

売買の最も古きものとしては一八︱二年

W a c k e r

r t h v .   M a s s o n

の係争事件であり︑独国に於ては i 八五七

年︑漢堡商法典委員会に於て

F r a n c o B o r d

なる約款が附議されたと云う︑

地中海方面に於ける帆船時代の﹁特定船舶による着船売買﹂な

る方式に於ては︑物品積載船舶の仕向地への安全着船を条件として︑物品所有権の移転が確定したものである︒

従って︑賀主側に於ては売買契約後に於ての転売︑価格変動に対する投機的又は保険繋ぎの操作に便ならず︑

めに物品引渡地を船積地とする方式がとらる

4

に至ったと云う︒即ち

F . o .

B 方式の出現である︒

J.

L a v e l l o :   M a n u e l   C o m m e r c i a l  

! J .  

は当時︑馬耳塞港穀物取引に於て︑価格表示語として

F r a n c o

B o r d  

なるものが行われており又︑当時馬耳塞商人は和蘭陀砂糖買入れに︑

F r a n c o

B o r d m   A s t e r d a m

条件によっ

たことが記録されてある︒而して︑此の

F . o .

B 方式の売買は︑次いで慣用さる

4

に 至

っ た

CIF 売買の濫

船をなしたものであるとする説も行われている︒即ち︑

F . o .

B 売買に於て売主側に海上保険︑海上連送契約

締結を︑買セのため︑其の代理人の立場に於て行わしむることが釧 i り︑独乙に於てはこれを

F . O . B ‑ i f

‑ G e s c h § f t

て南方地中海諸国に其の慣用が浸潤したものと考えられる︒

一八五九年 恐らくこの年より幾年か渕つて既 英の

B e n j a m i n o n Sale~  

挙げられた

F . o . B

らること

4

なり︑旧来の消極的物資購入の態度を一榔して︑自ら進んで︑自己の船舶或は傭船を供給地に差遣し

て︑彼の地に於て︑本船甲板上に物資の引渡しを行わしめ︑所有権の確保を行い︑帰路は自らの危険と費用によ

つて運搬を行ったものであるという︒即ち

F . o . B 売

買 ︑

こ れ

で あ

る ︒

而して此の方式の売買は︑先ず北部欧州諸国︑英国を中心として白耳義︑独乙等に専ら慣用せられ︑漸を追う

(4)

海上売買に於ける F.o.B 条件について︵賀屋︶ 上に積載して引渡を行う意味である︑ 普通海上売買に於て使用さる 4 慣 用 語 で あ る が ︑ 時の経過と共に︑ 斯る運送付保締約の労作を売主側に於ける︑ 売買契約上の義務

とすることに転化して︑現今に於けるが如き CIF 売買の成熟を見たものなりとなすのである︒ CIF 売買に於

て︑売七側の負うぺき運送附保締約の義務は︑売主が買主の代理人たる立場より生ずるものであるとなされた説

が仏国に於て行われており︑又白耳義に於ても此の意味に於ける判例が示されたと云う︑英国に於ては既に古く

一 八 七 二 年

I r e l a n d

L i v i n g s t o n

の係争事件に際して︑判事

B l a c k b u r n

"

T h e r e i s   n o   a g e n c y r   o r u   t s t   b e t w e e n   T h e m "

と明確に︑代理関係の存在せざることを述べている︑

間に代理関係の在否が云為されていることは︑ C.I.F 売買が F.o.B 売買より転化した理由の存在を物語

るものとも云えよう︒

F.0.B

用語の有する各種の意義 F ・ O .

  B の用語は

^ ' F r e e o n   B o a r d

  ̀︑の略語であって︑海上売買に於て︑売主の費用負担に於て物品を船舶

料炭︑重油︑汽罐水︑船用食糧品︑船具等舶用品の船舶への納入条件として使用さる 4 場合がある︒世界著名港

に於ける焚料炭の納入に関し︑

F . 0 .   B ;   F .   0 B . .     t r i m m i n g

;   F .   0 .   B .   b u t   n o t   t r i m m e d

;   F .   0 .   B .   e x  

S h i p

の諸条件が用いられてはいるが︑ と称えたものが行われたが︑

いずれにせよ︑斯くの如く売買両当事者

船 舶

用 品

たとえば焚

いずれも本論研究対象外のものである︒本論に於て取り上ぐるものは︑隔地或

は同地居住の買主との間に於て︑物品売買が行わる 4 場合に︑約定物品の引渡し湯所を船積港に於ける本船甲板

(5)

B

売 買 の 定 義

共 に F.o.B

売買に関する同国安土府港に

上となし︑其船積費用を売主が負担する場合のものである︒これに対し︑物品引渡しの場所を物品仕向地本船甲 板上となす場合が存在する︑古く此の意味に於て︑此の用語が用いられた例があり︑又終戦後﹁ドル﹂地域に於 て使用されたことがあったが︑特殊の性格を有するものとして例外的に取り扱われている︒

F.o.B

本来の意 味は︑前者の場合に属するものであるが︑物品積載に供せらるべき船舶は︑買主側が其一部又は全部を傭船した ものか︑或は自己の所有船である場合もあり︑又これとは反対に︑売買契約上︑明示又は黙示によって︑売主が 船腹の獲得にあたる場合もある︑

終戦後我国に於ての民間輸出が許容されたとき以来行われて来た定期船積み F ・ O .

 B

売買の如きは後者の部類に艇するものである︒さりながら本論で取り上ぐるところのものは︑

F.o

•B

売買慣習創始の時に於けるその本然の形ちをとるものであって、買主側の配船に係るものに限定する。

白耳義学界の権威

L .

C a

e y

m a

e x

及 び

J•

H e

e n

e n

の 近

著 は

︑ 於ける慣習併びにこれに関する同国に於ける判例につき微に入り細を穿った研究であって︑此種形態に関するも のとしては︑他に類を見ない文献なりと信じ︑其内容の概略を紹介して︑英米仏等に於ける解釈との比較の料に 供したい︒白耳義国学界に於ては﹁

F.0.B

売買なるものは︑売主が自己の費用と危険に於て約定物品を︑買 主によって傭船︵又は述送︶契約された船舶の舷側に送致して︑引渡しを行うものであり船積の費用併びに危険は 買主の負担に帰するものである﹂

( C

a e

y m a e x )

と定義されている︒即ち︑此の場合︑買主は船積港埠頭に於て︑物

(6)

海 上

売 買

に 於

け る

F .

o .

B 条

件 に

つ い

て ︵

賀 屋

用と危険に於て︑ 国際商業会議所

I n

c o

t e

r m

s  

(1 95 3)

に 卜

6

L も

る︒英米に於ては﹁舷側渡﹂の場合は︑所謂﹁ F.A.s ﹂

︵二︶次に物品の海 又︑別の解釈としては﹁買主によって傭船︵又は運送︶契約された船舶の甲板上に︑売主

によって物品の引渡しが行われるものであり︑船積に至るまでの費用と危険は売主これを負担するものとする﹂

( H e e n e n )

とせられている︒前者の解釈は︑第一次大戦後の傾向として︑物品引渡し時期を船積に先きだたしめん

此の舷側渡方式の論者である︒第一次大戦前の旧解釈即ち﹁船積渡﹂方式は

F.o.B

売買本然の姿であって︑

最も広く認められ且つ恒久性を有するものとして

H e

e n

e n

はこれを支持している︒ 英米両国に於ける定義も此

( F r e e  

Al~ngside

ship) 条件として、 F•O•B とは混

要約するに F.o.B 売買なるものは︑物品を目的とする売買契約であって︑約定期間内に︑売主が自己の費

約定物品を買主側が傭船︵又は運送︶契約を締結した海上運送者側の船舶上に送致したとき

︵此瞬間に買主に対する物品引渡しが行はれる︶物品危険が買主に移転する取引でありとするのである︒

F ・ O .

B   売買に於ての特殊性は︵一︶物品危険の買主への移転は売主が約定物品を船積︵後述の如くアソトワ

ープ港慣習に従へば海●運送業者への物品引渡し︶したるときに実現する︑これに反し︑単に船舶の舷側に於て物品引

渡しが完了するものは﹁種類物品を目的とする先渡売買︵に

v e n t

a  e

l i v r e r )

たるにすぎない︒

上運送契約は買主側に於て締結さるべきことである︒たとへ F.o.B 売買を標榜するものであっても︑此の要 同せず︑別個の方式として明確にこれを区別している︒ の原則に基いたものであり︑ とした事実に影響されたものであると云われている︒ 品を受取ること 4

な る

此の線に沿った定義が示されてい 仏国学界に於ても

G a

u b

e r

t ,

Bonneca

咎•

R i

p e

r t

等は皆

(7)

海上売買に於て︑最も重視さる

4 問題は︑物品危険移転のそれである︒白国に於ける解釈に従えば︑

F .

o .

B

売買に於ては︑売主が︑買主側の傭船︵又は運送︶契約を締結したる相手方であるところの海上運送業者に︑約定の

船積港に於て︑

同国に於ける一部論者の説としては︑

によって生ずる︑

定﹂︑たとえば船積前倉庫内に於て行わる

4

﹁特定﹂によっても尚且つ危険の移転ありとなしているのである︒

し か

し ︑

F ・

O .

B

売買に於ての危険移転は必ずしも﹁特定﹂そのもの

4 効果ではない︑他の要素として︑船積

︵ ア

ン ト

ワ ー

プ に

於 て

は 海

上 蓮

送 業

者 へ

の 引

渡 し

︶ も︑買主が約定品引取りのために傭船し又は運送契約を締結して︑これに韮いて指定した船舶に対するものでなけ れば︑危険移転の効果は生じないとされる︒

によって実現するものであるとされる︑しかし︑斯かる船積なるもの 以上は︑危険移転に関する原則であるが︑

多の困難が随伴する︑其顕著なものを摘出すれば次の如きものがある︒

まず物品が売主によって︑海上運送業者に引渡きる

4 場合を観るに︑売主側が海上運送業者に︑

危険移転は物品の 物品の引渡しを行ひたるときに於て︑

﹁ 特

定 ﹂

物品危険は買主に移転するものとされている︒

F  .  0.  B

売買に於ける物品危険に関する諸問題 の形態は備えていないものであると云はれている︒

いかようなる

これが適用に当つては幾

これが船積前に於ける﹁特

而 し

て ︑

件に合致せざるものは真正の

F . o.B

売買ではない︑船積にあてらるべき船舶が売主側の選定に任かされ︑

かも、売主が船荷証券の獲得にあたるが如きは、所謂

C.I•F

売買に該当するものであって、

F.o.B 本然

(8)

海上売買に於ける F.o.B 条件について︵賀屋︶ 例となっていると云ふ︒ 方法に於て︑約定品の引渡を履行すべきかに就いて売買契約上にこれを規定する事例が存在する︒而して此場合買 主側が締結する運送契約中にも︑此の点に関し︑売買契約上の合意と一致する規定が設けられねばならないので

然るに往々にして︑

は︑海上運送業者への物品引渡の方法は︑当該約定物品船積港に於ける慣習に従って行わるべきことが運送契約

上に規定されねばならない︑而して白国安土府港の慣習としは︑売主が物品を港頭繋船岸壁上︑貨物捲揚機下に搬

致したときに於て︑物品の海上運送業者による受取りが行われること 4

さ れ

て い

る ︑

側へ絆船によって物品が搬致される場合があるが此の際に於ては︑該物品が吊索によって緊束せられて引き揚げ

られ︑船積が行われる︒これ等二つの場合の各々につき次の如き特殊問題が考慮されねばならない︒

その第一は︑物品が港頭繋船岸壁上に於て︑海上運送業者に引き渡さる 4 場合であるが︑此の際︑物品が岸壁

峻の理由よりして︑

離に於て︑荷受することが常例化しつ 4 ありと云う︑此の船舶より一定の距離を﹁許容接近距離﹂

R a p p r o a c h e m e n t )  

船舶側に於ては︑

と 称

し ︑

上捲揚機下に搬致されて引渡しさる 4

例 は

あ る

売買契約上に︑

物品が搬致されたるその箇所より船舶に至るまでの貨物運搬費用は︑

れを負担するここ 4

な っ

て い

る ︑

直接捲揚機直下に︑

たゞ物品の危険は捲揚機下に置かる 4 までは船舶側これを負担せざることが慣

第二の場合として考察すべきは︑孵船より積替えによる荷渡しの場合である︒白国内地より安土府港向け絆船

近 来

物品が搬致されるを悦ばず︑ 此の種規定が省略される場合が見出される︑

( T o l e r a n a d e  

斯くの如き場合に於て

又別の例としては︑本船舷

安土府港に於ては漸次廃止の傾向にあって︑ 岸壁上貨物輻

船舶舷側より一定の距

船舶側に於てこ

(9)

によって物品が搬出されたとき︑

る︒従って︑此の瞬間に売主と買主間の関係に於ては︑危険の移転が実現するのである︒物品が陸路によって安 土府港に搬出され︑次いで平底船に積込みが行われ︑本船まで送致せられる場合もあるが︒此の際︑船舶側が繋 船岸壁より沖繋り本船に至る区間の物品運送を自ら行わざる場合には︑此の運搬に対しては売主側は別個の運送 契約を締結すべき必要が生ずる︑斯かる場合は物品が本船上へ引き渡さる

4

迄の危険は売主に帰属する︒此の場

合︑孵船の傭入れと本船への物品送致は売主の負担である︒時としては︑海上運送業者側が岸壁上に於て物品の 受取りを行い︑自己の所有に属する平底船を以つて本船へ物品の送致を行うことがある︑

載中の物品が滅失したときは買主側が其危険を負担せねばならない︒斯かる損害は︑海上運送業者が︑買主と締 結した運送契約履行中に発生したものであり︑

また該物品は︑船長によって買主のために占有されているもので 第三の場合として注意を喚起するものは︑本船甲板上に於て荷受けさる

4

場合の問題である︒此の方法による

ことは︑安土府港に於ては︑むしろ例外的であるとせられている︒たゞ重醤貨物及び撒荷の状態に於て積付けせ られる穀物の如く直接船舶へ吊降され又は投入さる

4

が如きものについては︑此方法が採られている︑

合物品の積込中に発生したる事故は売主側の負担である︑

たとえば機械類の船航積込中に起重機吊索の切断によ

り墜落破損したるが如き場合︑買主側はこれに対する代金支払の義務を負わない︒ あるからである︒

船舶上の吊索が物品の周囲を緊束した其瞬間に於て︑

荷受けされること

4

か 4

る場合︑平底船積

か 4 る場

第四の問題としては︑買セ側が傭船︵又は迦送︶契約条件規定に当り売買契約腹行上の義務を遵守しなかった場

(10)

海 上

売 買

に 於

け る

F.o.B

条 件

に つ

い て

︵ 賀

屋 ︶

次の問題︵第五︶としては︑買主が約定期間中に︑売主に対し︑ 運送手段を提供しなかったときに於ける物品 合である︒たとえば︑買主が締結した運送契約に於て︑船長をして売買契約又は慣習に違反した方法によって︑ 物品の受取りをなさしめんとするが如きである︒想像し得る例としては︑船長が売買契約或は慣習の要求するよ り早期に物品の受取りを義務づけられたときは︑売屯側に於ては︑これによって何等の不利益は蒙らない︑ し か

し︑その逆の場合︑即ち︑運送契約に於て︑売買契約規定又は恨習の要求する期間より遅延して︑物品引取りが

規定さる 4 が如きに際しては︑売主側にとつては︑物品の危険及びこれに関する費用は増大する︒斯くの如き場

合︑売主側としては︑船積条件迎反に対し︑同時履行の抗弁権が賦与せらる 4

こ と

4 なり︑買主の欲するが如き

船積を拒否することが出来る︒次いで︑売主は︑買主に対して売買契約又は慣習に従って︑物品船積手段の提供

を要求する権利を得ること 4 なるのである︒若し既に物品が特定化されてあるときは︑上記腹行の催告は買主側

に対し︑該物品の危険を移転する効果をもつ︑買主側に於ける契約に合致した物品船租手段提供の不履行は︑ こ

の事実のみによって︑約定物品引取り不履行を構成するがためである︒又︑売主としては︑上記の如く特定化さ

れた物品に関しては︑裁判所へ申請することによって︑これを倉庫保管に移すことが出来る︒又︑売主としては

上記の方法に拠らず損害賠償を伴う契約の解除を要求することも出来る︒此の損害は︑約定条件による船積不能

の事実より生ずる物品の繋船岸壁上への放置によって発生した物品の損害を包含するものである︒尚買主によっ

ての船腹提供期間が規定されてあるときは︑期間終了に於て売買契約は当然に解除されること 4

な る

危険負担に関するものである︒此の場合︑前記同様の原則が適用される︒物品危険は買主側に於ける船腹提供不

(11)

義務不履行をおかすこと

4 な

っ て

履行の事実そのものを以つて

(

i0

f a   g o ) 買主に移転するものではないが︑売主側が買主に対し船腹提供を催告す ることによって危険移転を発生せしむることが出来るのである︒而して︑必要に応じて︑物品を倉庫保管に附す る権利を獲得することが出来る︒而して︑期間経過後は同国民法一六五七条が適用されて売買契約を解除するこ とが出来る︒買主側に於ける船腹提供不履行は物品引取不履行に該当するからである︒但し︑売主側としては︑

自己の独断を以つて船舶を傭入れ︑買主側の企図する仕向地向船積を行うことは許されない︑尤も︑予め裁判所 第六の問題は︑買主が︑売主に対し船積港へむけ物品発送を或は早く或は遅く指図した場合である︒本来︑

F

・ O

.   B

買主は︑売主に対し︑船積の目的を以つて物品を船積港へむけ発送すべき時日を通告する義務ありとせ

( I n s t r u c t i o n   d ' e x p e d i t i o n

)  

. { : j  

> Q

P   *

2i

なされ得るよう︑且つ船積作業の遅滞によって︑物品が岸壁上に放置さる

4 等のため︑これが異常の危険に暴露

される

4

ことを防止することを目的とするものである︒従つて︑此の﹁物品発送指図﹂なるものは︑最も適当な る時期に於て与えられねばならない︒万一︑買主が斯かる指図の発送の時機を誤り或は余りに早く或は余りに遅 く売主側へ通達した場合には︑物品危険は︑このことのみを以つて買主に対する移転は生じないのではあるが︑

買主側としては︑

損害賠債の責を負わねばならぬこと

4

る ︒

此 の

場 合

︑ 最も適当なる解決方法としては︑買主をして︑物品引取りを行わしめ︑次いで︑物品代金の支払を行わしむるこ

とである︒此の間物品が船積港に滞置されたがため滅失の損害を蒙ったか否かは問うところでないとせられる︒ られている︒此の﹁物品発送指図﹂ よ り か 4

る行為に対する認許を得る場合は別であるとせられる︒

本船着港後︑遅滞なく物品の船積が

(12)

る ︒

海 ●

売 買

に 於

け る

F・O.B

条 件

に つ

い て

︵ 費

屋 ︶

埠頭岸壁上に物品を放置せしむるに至ったこ 最後第七の問題として︑留意すぺき事柄は︑売主は︑海上運送業者へ物品を送致するまで︑約定物品を保存管 理する義務を有していることである︒白国民法︱一三六及び︱一三七条の規定によって︑売主は物品が船積港埠 頭岸隈上に放翫さる 4 に至った原因の如何を問わず︑ たとえそれが買主の過失に基き﹁物品発送指図﹂の送逹が適

当な時機に於てなされなかった場合に於てすら︑売主としては此の義務からは免ぜられない︒売主が此の義務を

履行せず︑其結果として︑物品が毀損した場合に於ては︑買主は物品受諾を拒否し得る︒

は︑買主の責に帰すべきでなく︑売主側に於ける保存管理義務不履行に基くものとされている︒

一 九

0 1 │︱ニー︱二︶︒但し︑其代債として︑売主は買主に対し︑

とが︑買主側の資に帰し得べきときは物品の保存管理に要した正常費用の償還を要求することが出来るのであ

F  .  0 

• B 売買に於ける所有権の移転

︵ プ

ラ セ

ル 判

例 ︑

一般解釈としては、 F·O• B 売買に於ける物品所有権の移転は︑船舶甲板上に物品が積載されたときに実現する

ものとされている︒白耳義国安土府港の慣習としては︑海上運送業者に対して埠頭上所定の場所に於て引渡しを行

うことによって買主への所有権移転ありとされているのである︒しかるに同国に於て︑本船への積込みを目的と

して奥地より絆積みによって物品が安土府港に送致せられる場合が厘々見出される︑而して斯かる場合︑船舶側へ

の引渡に先立ち︑不可抗力其他の事故によって物品が滅失又は毀損して本船への積込みが不能に終ることが発生 斯かる物品の損失自体

(13)

して︑係争問題を惹起することが常である︒此の際に於ける係争上の論点として︑売主側は搬出された物品積載 の絆船が﹁特定﹂されある事実により︑危険と所有権が同伴して買主に移転を了したものとして︑其代金支払いを買 主へ要求に及ぷのが常例をなしている︒これに対する同国

H e e n e n の所説を紹介すれば次の通りである︒即ち︑

F.0.B

売買に於ては︑売主が︑買主の締結した運送契約の相手方であるところの海上運送業者に約定品を引渡 すことによって︑物品の﹁特定﹂が生ずる︒

やは疑問である︒

つで律せられねばならない︒今︑ F.o.B

売買の場合を見るに︑契約締結のときには﹁種類物品﹂を目的とし

て い

る ︑

し か

し ︑

海上売買は低とんど総ての場合品孟積物品を対象とする揚合は除き︶種類物品

( m a r

此の性格を有する売買は︑

( G e n e r n a o n   p e r e u n t )   これが本船に船積︵海上運送人に引渡し︶されたとき﹁特定﹂

に於て買主側に危険が移転して︑

それと同時に所有権が移転するのである︒仮りに本船船積︵海●運送人への引渡 し︶に先ち売主によって︑物品が絆船に積載さる

4

ことによって︑本船船積︵海上運送人への引渡し︶前の﹁特定﹂を

t 張するとしても︑これは契約上に予想された﹁特定﹂ではなく︑売主が専恣に﹁特定﹂したものにすぎないの c h a n

d i s e   d e   g e n r e )

を J t

免 {

と す

o

うと云うのではない︑由来︑ に移転したときに実現する﹂ となしているのである︒

これと同時に物品の危険は買主に移転する︑従って所有権の移転は 所有権の移転が船積︵海上運送人への引渡し︶に先立つて実現するものなりや否

学説と判例は共にこれを否定して

品を﹁特定﹂することによって︑

( S

d

邑 屈

g n )

が生ずる

1 0

此の時 このことは

"

R e

s

p e r i

d o t  

m i n o

"

の原則を以で説明しよ

﹁ F

・ O

B .

売買に於ては所有権の移転は物品危険が買主

船積より遅れて実現するものでないことは明瞭ではあるが`

し か

し ︑

﹁種類は滅せず﹂の原則によ 売主が船積︵海上運送人への引渡し︶前に物

(14)

海 ●

売 買

に 於

け る

F.o.B

条 件

に つ

い て

︵ 賀

厩 ︶

であって︑契約上正規の﹁特定﹂には該当しないものである︒白国民法︱︱︱

¥ 0

二条の黙示するところは︑売主が

引渡しの目的のため物品の個別化を行うとしても︑買主に対する危険移転正規の事実なき限り︑たとえ︑其物品

が不可抗力によっこ滅失毀損することありとするも︑売主は物品給付の義務から解放されない︒物品の本船への

他に正規の﹁特定﹂は存在しない︒従って︑買主としては売主に対して何等の債務を負わないものであり又︑売

主としては買主に対して︑代金請求の権利を獲得し得ないこと 4 なるのである︒即ち

F.o.B

売買に於ては本

船に物品が積載さる 4

こ と

︵ ア

ン ト

ワ ー

プ 慣

習 に

よ れ

ば 海

● 運

送 業

者 へ

の 1 3 1

渡し︶によって危険の移転があり︑

時を同うして所有権の移転ありとするのであると︒ これと

F.0.B

売買に於ての物品引渡しは︑買主が傭船︵又は蓮送︶契約を締約を締結した相手方である海上運送業者

に︑物品の現実的引渡しを行う場合と︑売買契約の規定に従い︑売主が本船船長をして自己に対し船荷証券を発

行 せ

し め

これを買主に代金引換えに移転する表徴的引渡しの場合とが存在する︒

前者の場合︑即ち海上運送業者に対し現実的に物品を引渡す場合を観るに︑此の場合 F.o.B 売主は︑自已

の費用と危険に於て︑船積港まで物品を送致し︑買主が運送契約を締結した相手方であるところの海上運送業者

に当該物品を引渡す義務を負うている︒云うまでもなく海上運送業者は船荷証券の所持人のために物品を占有し

F .

o .

売 B

買 に 於 け る 物 品 引 渡 し と そ の 時 期

積込み︵運送人への引渡し︶されることによって︑ はじめて正規の﹁特定﹂を見るのものである︑これを措いて︑

(15)

荷証券引換払﹂ は保有する理由は存在しないのである︒ ているのである︑従って此の際発行される船荷証券は︑別段の合意なき限り︑買主に交附さるぺきである︑即ち 買主は海上運送業者と運送契約を締結した当事者であるからである︒事実上︑船荷証券なるものは船積の瞬間に 於て作成交附されるものではない︑船積と船荷証券発行との間には若千の時間的間隙が存在する︒しかし︑物品 が船積されたときに於ては本船一等運転士によって所謂﹁本船受取書﹂ の間隙が充填される︒此の﹁本船受取書なるものは︑

( M a t

e ' s  

R e c e i p t )

が署名発行されて︑此

これに基いて︑船荷証券が作成されるものであって別段の

合意なき限りは︑買主が運送契約当事者の資格に於て︑ これに対する権利を有する︒斯くの如く︑船積後に於て

の物品所有権者は買主であり︑此の間︑本船々長は当該

F . o .

B 買主以外の第三者のため物品を或は受取り或

後者の場合︑即ち︑船荷証券移転による引渡しの場合を観るに︑此の方式による引渡しが︑売買契約上︑明示され

ることは稀ではあるが黙示される場合は屡々見出される事実である︒即ち︑売買契約上の一条件として﹁代金船

( P a y

e m e n

t   8

n g

d g

n t  ume

s )  

! J .  

よるべき旨の約款が挿入さる 4 場合がそれである︒此の約款が存

在する場合は︑売主が海上運送業者又はその代理人をして︑自己あてに﹁本船受取書﹂及び﹁船荷証券﹂を交附せ

しむることが要件となる︒斯くせざれば︑売主は買主より代金の支払をうけ得ざる結果を見るからである︒斯か

る条件下に於ては︑物品の船積或は海上運送業者へ物品の引渡しのみを以てしては︑売主に対する引渡しは完了

せざること

4

なる︒物品を表徴する船荷証券を買主に移転することによって︑はじめて︑買主に対する引渡しが

有効となるのである︒而して買主に対して︑船荷証券が移転さる 4 までは︑売主が物品の処分権を有すること 4

(16)

海 上

売 買

に 於

け る

F.o.B

条 件

に つ

い て

︵ 賀

屋 ︶

﹁害類引換払﹂なる約款の存在によって売主側は﹁本船受取書﹂を獲得し︑次いでこれによって︑船荷証

券に対する権利を獲得することが必然的に要求されることになる︒しかし︑ このことは︑貨物逼送契約の原則に

は反することであって︑こ 4 に実務上の困難に逢着すること 4 なるのである︒即ち売主と海上運送業者との間に

は︑何等契約上の関係は存在しない︒海上運送業者としては︑たゞ運送契約の相手方であるところの買主に対し

てのみ︑船荷証券交附の義務を有するのであって︑運送契約に無関係であるところの売主をして運送契約より発

生する権利を行使せしめんとすることは法上に理由を見出し得ないことである︒従つて︑売主をして逼送業者

i

対し船荷証券交附を要求せしめうるためには︑斯かる権利行使の源泉を運送契約自体に於て求め得られるが如く

せねばならない︒単に売買契約上︑明示又は黙示の合意が存在するのみをもつてしてはこと足りないのである︒

此の場合に対応して晨々行わる 4

と こ

ろ は

﹁本船受取書﹂が売主に対して交附さるべきことが︑運送契約上に

明示さる 4 ことである︒運送業者としては﹁本船受取書﹂名義人に対してのみ船荷証券を発行交附するものであ

るが故に斯くの如き﹁本船受取書﹂の交附を得ることによって所期の目的は達し得ることよなる︒安土府港に於

て見らる 4 例として︑傭船者又は運送契約者が海上運送業者へ提出すぺき﹁船積指図申請書﹂を売主名義に於て

作成し﹁本船受取書は

. .

.  

︵ 売

主 名

. ︶

. .  

によって要求せられる﹂

( M a t

e ' s

r e c e i p t  

w a

n 貧

I

by••····) なる摘要を附加する

のである︒かくすれば売主側が海上逼送人に対し船荷証券交附請求権を獲得すること 4 なる︑此の場合に売主の

名にかえて売主側の船積代理人の名を以つてするも同様の結果が得られるのである︒

次に述ぷべきは

F . o .

B 売買に於ける物品引渡しの時期に関する問題である︒

な る

正規

F . o .

B 売買に於て

(17)

状態におかるれば足る︒ 配船のそれが︑

又 ︑

恨例上の﹁梢込期間﹂を使用することが出来る は︑物品引取りのために買主から船腹の提供あることが原則であり且つ要件である︒従って︑契約上物品引渡の 時期の決定は︑単に売主側に於ける物品の生産︑製造︑蒐荷の可能性のみの考慮により得ない︑買主側に於ける

また︑其決定的要索をなすものである︒斯くして約定された期間内に於て︑買主としては売主側

の船積股行のために︑船舶の傭入れ︑或は船腹の確保これに伴う配船は︑約定引渡期限内に於て行えば足るので

あるが︑其正確なる船積時期に関しては契約締結時に於ては予め︑これを決定し得ないのが常例である︒従って︑

買主側としては︑船積港へ向けての配船又は船腹の獲得を売主側へ通告して正確なる船積日時を知らしめねばな

らない︑か 4 る通告を﹁物品発送指図﹂

( I n s t r u c t i o n d ' e x p e d i t i o n

)   と称する︒売主側としては︑斯かる通告を接受

したならば︑狭義にして且つ厳格なる引渡し時期の開始を見るのである︒売主側としては︑売買契約締結後直ち

に︑約定物品を船禎港に搬出するの要はないのであって︑上記﹁発送指図﹂の入手をまつて︑これを行えば足る

のである︒此の通告接受までは︑約定物品を工場内又は倉附に格納保管の義務を有しているのである︒上記﹁発

送指図﹂なるもの 4 意義は︑売主をして約定物品を船積港に向け発送せしめ︑ これを本船々長に引渡しを行わし

むるに足る時間的余裕を与えることにある︒もし斯かる期間が売買契約に於て予め定めなきときは︑当該物品の

性質状態︑其他の状況︑船積港と工場所在地間の距離︑此の両者間の運送状況等を考慮して適当に決定されるの

である︒もし又﹁発送指図﹂入手の日より起卵して︑ある確定期間内に船積さるべきことが契約上要求されてあ

る場合には︑斯かる船稜は此の期間内に終了する要はない︒物品が此の期間の最終日の翌日に於て船積され得る

光主としては︑ 船梢のためには︑

(18)

な い

︒ 海●売買に於ける

F.o.B 条件について︵賀屋︶

次の如き定義が下されている

F  .  0.  B

売 買 に 於 け る 物 品 引 渡 し 費 用 の 負 担

︵ プ

ラ ッ

セ ル

判 例

一 九

0 七

ー ニ

ー 四

︶ ︒

他 面

︑ 送契約の当事者に非る売主にとつては︑

r '  

運送契約上︑船積を履行するに足らざる期間が規定されてあっても運 これによって︑何等拘束を受けることはない︒

' L e s

  f r a

i s  

i n

c o m

b e

n t

 

他方︑光主としては︑船積港向け物品発送の遅延に対しては責を負わねばならない︒仮りに︑売主側が買主あ てに﹁ある確定日﹂に於て︑物品を発送する旨の通告を与え︑其通告に﹁予期せざる障害なき限り﹂

( S a u i f m p r e v u )   の如き免責約款を挿入することありとするも︑これによって其の責を免ぜられることはあり得ない︵アントワープ 判例一九︱‑=‑│︱ー六︶︑而して︑斯かる免責約款が買主によって了承された場合に於ても︑斯かる通告は︑売主に対 して時期の如何を問わず船積港に物品を送致するが如き自由を与えるものではない︑もし斯かる自由が認められ るとすれば︑売主側確約の履行は其専恣に委ねらる

4

結果となるからである︒此の免責約款の有する効果は︑契約

上︵明示又は黙示を以て︶定められたる期間内に於て︑売主側の示した時日に変更が許されるにすぎないのである︒

次に﹁書類﹂

( g  

c u m e n t

s ) を以つて引渡しが行わる

4

場合は︑約定品の引渡しは斯る書類が買主に移転された

ときに於て実現する︒売主は買主に対し︑物品船積後遅滞なく書類の提供を行い︑代金引換えにこれを移転する

こ と を 要 す る ︒

F ・

O .

B  

売 主

は ︑

船積港に於ての慣習に従って出荷人

( C h a r g e u r ) の負担に帰すべき費用を負担せねばなら

白国に於ける一判例によれば︑ 費用負担に関し︑

29 

(19)

F.o.B

売 買 に 於 け る 物 品 の 点 検 と 受 諾

a u

e   v

n d

e u

r   j u s q u

  a  ̀ 

  l a

m i

s e

  a 

b o

r d

"

  (

ア ソ

ト ワ

ー プ

判 例

一 九

︳ o ー三ー一七︶︑売買両当事者間に配分さるぺき費

用の分担に関して決定的分岐点は︑海上運送業者が︑船積港の慣習に従つて費用負担を開始する瞬間である︒即

ち︑海上運送業者の負担する費用なるものは︑

F . . o

B 買主が支払うに至るべき運賃に包含せられるのが常例

であるからである︒依之観之︑運賃に包含せられざる費用にして︑出荷人によって負担さる 4 費用のみが売主に

賦課さるぺきものとなるのである︒

而して︑買主側の締結にか 4

る傭船︵又は運送︶契約に於て︑慣習に反する規定が挿入せられ︑しかして他面︑売

買契約条件中に引渡費用に関して特別の約款が存在せざるときは︑該費用の分担に関しては船積港に於ける慣習

によって決定さるべきであって︑傭船︵又は運送︶契約に規定せらる 4 条項によるべきではないとせられている︒た

とえば︑アントワープを船積港とする傭船︵又は運送︶契約に於て

"

F r

e e

i n "

なる文言が附加せらる 4 場合ありとす

れば︑其意味は︑出荷人が船積の費用を負担することを意味するものである︑たとえば起重機費用の如きがそれで

あるが︑斯かる費用は安土府港に於ては︑売買契約上別段の合意なき限り買主側の負担に帰し︑売主側の関知せ

ざるものに属するとされている︒因より斯かる引渡し贅用分担に関しては︑売買契約当事者は合意によって︑ こ

れを決定し得るものであるが故に︑売買契約に於て

F .

O .

B ,

A n

t w

e r

p   t

r i

m m

e d

  i n  

i p s h

"

と規定されあるとき

は︑売主は船積費用と船内荷繰り費用支払いの義務ありとせられた判例が存在する︵↓り

七 0 7 コ 1 9

呻 ︶

(20)

海 ●

売 買

に 於

け る

F.o.B

条 件

に つ

い て

︵ 賀

殿 ︶

て買主に対して適当なる時期に於て物品船積︵海上蓮送人への引渡し︶の日を通告せしむることである︒ 与えたるものと見倣される︒ 開披されたときに行われるものとせられる︒此の際に於て︑

F ・ O .

  B

売買に於て約定物品引渡の行はるるのは船積港に於て船積︵安土府港に於ては︑

別言すれ

F ・

O .   B

売買に於ける物品の交諾

( l ' a g r

e a

n ) は︑原則として︑船積を行い得る状態に於て︑物品が船積港

繋船岸堅上に置かれたときになされる︒又︑物品が絆船に積載せられて︑提供されたときは斯かる絆船の舶口が い︒又︑船梢前に於て︑買主が物品受諾に関し︑何等の留保をなさなかった場合には︵契約●別段の規定ある場合︑

隔 れ た る 瑕 疵 の 存 在 ︑ 特 殊 事 猜 あ る 場 合 ︑ 受 諾 拒 否 権 行 使 不 能 の 場 合 等 は 別 と し て ︶ 物 白

l l A

の外観的状態に関しては受諾を

の行わる 4

ときである︒而して︑他面

F.o.B

買主が船積港に居住せざる場合と雖も普通其代理人を有するも のである︵安土府港に於ては運送代理人をしてこれに当らしめることが常例である︶︒従って︑物品の外観的状態に関して は船積前に於てこれを点検することは可能であり且つこれを点検することを要するものである︒しかし︑学説及 び判例に於ては一般に︑此の船積港に於ける受諾なるものを︑ある一つの条件に係らしめている︒即ち︑売主をし ば︑船積港に於ける物品の受諾なるものは︑買主側が点検の可能性を有するに至ったときのみに於て行わるしもの

となるのである︑もっとも物品が堅牢なる包装下にある場合は別とせねばならぬ︒さりながら事実上︑

F . o .

B

買主なるものは︑船積港に居住せざる場合に於てすら何人か︵晋通運送代理人︶によって代理されているもので ある︒従って︑船主側とは︑連絡を有し得ることであるから︑物品の船積期日は当然判明するわけである︒此の

海 上

運 送

人 へ

引 渡

し ︶

買主が実際上物品を点検したりや否やは問題でな

(21)

︵ プ

ラ ッ

セ ル

判 例

し か

し ︑

次 に 買 主 は ︑ 状態に於ける外観を検し得るにすぎない︒

従 っ

て ︑

約定品製造工場に於て︑

其包装内容物品の受諾は仕向地に於てこれを行い得ること

理由よりして︑売主側としては買主が船積日を知らず︑又は︑ これを知るに由なきが如き例外的の場合の外は︑

買主或は買主代理人に対して船積日に関する通告の義務はこれを有せざること 4

な る

例外的ではあ

るが︑買主或は買主の代理人が船積港に於て︑物品状態を点検する可能性を全然有しない場合も存在し得る︒か

4 る場合︑買主としてはたとえ外観的にせよ仕向地に於て何等かの欠陥を見出した場合には︑受諾拒否の権利を

一 九

一 三

ー ︱

ニ ー

一 八

︶ ︒

但し此の場合︑船積港に於ての点検不能事実証

船積時に於てなさる 4 物品受諾の範囲は︑物品が約定条件に合致せるや否や及び外観上の瑕疵が存在するや否

やにある←此の際に於ける特殊の困難事として艇々見出されるこるは︑物品によりては︑

4

せられてある(ガソ判例一九四九—― -I 九、 これが特に堅牢なる包

装下にあって開披が不能なるが如き場合である︒か 4 る場合に於ては物品が︑船積のため搬出されたそのま 4 の

一九三六ー四ー一︑其他数件︶︒ある判例に於て此の原則を斥けたもの

も存在したが︑此の特段の場合に於ては包装内容の点検が何等困難を伴わなかったものであった︵プラッセル判例一

九 二

九 ー

ニ ー

一 八

︑ 一

九 一

0 ー一ー一三︑其他︶︒従って︑後者の場合は例外と見るべきであって原則として取り上げるこ

とは出来ないものである︒尚︑買主は︑船積地に於て物品の化学的分析をなさしむることは出来ないとされている

︵ ア

t ワ

ー プ 判 例 一 九 一

0 ー

︱ ニ ー ニ 0 )

と が 認 め ら れ る ︵ プ ラ ッ セ ル 判 例 一 八 七 一 ニ ー 四 ー ニ 四 ︶

明の責は買主側これを負わねばならぬこと 4 せられている︒ 行使することができる

約定物品の点検権を有し得るこ

買主がこれを実行せざることありとするも︑売主

而 し

て ︑

(22)

海 上

売 買

に 於

け る

F .

o .

B 条

件 に

つ い

て ︵

賀 屋

な い

F.o.B なる用語は︑物品危険は﹁船積﹂ ︵海上蓮送人への引渡し︶のときに買主に移転することを意味す 側としてはこれを理由として︑船舶側へ引渡しを了したる包装の内容物が既に︑買主によって受諾されたものと主 張することは許されない︒他面︑光主としては契約上規定なきにも拘らず︑工場に於ける受諾を要求する権利はな い

︒ 本

来 ︑

F ・ O .

B 光買は船梢地に於て履行さるぺき建前である︒仮りに工場に於ての受諾が売主側に不利を

醜さざるものとしても︑賀主にとりては必ずしも然りとは云い難い︑ F.o.B 買主が売主側の国に於て営業所

を有せざることは一般であり︑

渡し義務を負うこととなる︑

見ることとなるのである︒ 又たとえ買主が其代理人を有するとしても︑ それは所謂運送代理人であって︑船

積港に於て業務を営むところの一業者である︒売主側の工場に於ての点検と受諾を︑

品の﹁特定化﹂をもたらす結果となる︑ その後に於て売主としては︑ か

4

る 業 者 に 義 務 . つ け る こ

とは︑幾多の不便と不当なる費用を課すること

4

なるからである︒のみならず工場に於て受諾を行うことは︑物

その﹁特定﹂によって此の受諾品のみの引

しかるに斯<如き船積前の﹁特定﹂なるものは危険の移転には︑何等の影響をもた

る︒従つて︑斯かる受諾物品が︑船積前に於て︑偶然の事故によって滅失した場合には︑買主は其危険負担から

解放される︒又︑売主側に於て当該物品の給付から免責される︒理由としては︑物品特定の後に於ては売主側の

給付義務は受諾された物品のみを目的とするものとなり︑契約に適合する何等か同種類の物品

( C h o s e d e   g e n r e )  

ではなくなるからである︒即ち︑買主に対して工場に於ける受諾を義務づけることは︑ F.o.B 売買に於ける

極めて重要なる点に於て当事者間の合意を変更するものであって︑ 売主側の義務範囲を著しく縮減する結果を

a a  

(23)

時的履行停止の処置がとられ得る︒物品の仕向地に於て︑ 必要なる通告 F  B .  0. 

売 買 に 於 け る 買 主 の 義 務 当該物品の輸入禁止が行われた場合には斯かる輸入

F ・

O .  B 売買にに於ける買主の義務は︑先ず第一に物品の引取りであり︑第二は代金の支払いである︒概説

す れ

ば ︑

F ・ O .

B

買主は︑売主が物品を船積し得る如き船舶上に船腹を獲得する義務を負うている︒又船積に

︵ 即

ち ︑

い か

な る

場 所

︑ い

つ の

時 に

於 て

艇 舶

が 物

品 積

取 り

の 状

態 に

盤 か

4

に 関

し て

達する義務を負う︒

買主が売主に対し斯くの如き通告を与うることによって物品の引渡しが可能となるのであ る︒もっとも物品の引渡しが︑船荷証券の移転によって実現することあるも︑斯かる船荷証券は買主側に於て傭 船︵又は運送︶契約を締結した海上運送人によって作成されたものでなければならないのである︒即ち︑此の場合に 於ても︑物品の引渡し引取りは︑買主側が船腹に関する手配を了し︑上記配船通告を与うることによって可能化 するものである︒従って︑買主側に於て︑これ等義務のいずれかを不履行する場合は︑約定品引取り不履行の責 を負うことになるのであって売主側としては︑当該物品を倉庫に搬入保管に移し︑規定された︵明示又は獣示によ る︶期間満了に於て物品を船舶側の任意処分に委することを主張し得る︒

不可抗力に帰し得る場合は︑義務股行不能期間が長期に亘るか或は一時的なるかにより︑或は売買の解約或は一 総ぶ止は不可抗力を構成するものに属せずとされた判例がある︵プラッセルー九ニニー︱一ーニ六︶︑

F ・

O .

B 売買

に於ては︑物品の最終仕向国の如何は︑売買条件の要素をなしてはいない︑此の売買に於ては買主によって傭船

又他面︑斯かる買主側の義務不服行が

を売主に対して送

(24)

海 ●

売 買

に 於

け る

F.o.B

条 件

に つ

い て

︵ 賀

屋 ︶

し て

F.0.B 売買形態を採用した北方国民の︱つである︑ ︵又は運送契約︶された船舶上に於て股行されるものであって︑その船舶がいずれの港へ向つて航行するものなるか は問題でない︑但し︑斯かる仕向地が契約上規定されてある場合は此の限りにあらずとせられる︒

第二の義務としては︑代金の支払いである︒此の義務の履行時は︑売主が買主側に於て傭船︵又は運送︶契約を締

結した相手方であるところの海上運送業者に物品を引渡したるときである︒しかしながら既説の如く︑売買契約

( P a y e m e n t   8 

n t r e

do 

  g 

m e n t s )

なる約款の存在する場合には引渡しは︑これ等書類が提供さる 4

まで延期せられること 4 なるのであって代金は此の時はじめて請求することが出来るのである︒此の場合︑買主

は代金の支払いを物品の事前検査に係らしめることはできない︒唯売主側に義務不履行があり︑これが書類上に

顕示せられある場合は︑買主側に於ける代金不支払いは正当化せられる︒而して︑代金支払後に於て︑引渡物品

が契約条件に不一致あるとき︑或は顕れたる又は隠れたる瑕疵が確認されたときは︑買主側は売買の解約或は代

金の一部返還を要求する権利を有すること 4 なる︒他面︑契約上︑代金支払いのため取消不能信用状開設が︑船

積前に銀行を通じ売主に通告さるべき取極めのあるときは︑売主側が斯かる信用状開設通告に接せざるときは︑

其通告あるときまで海上運送業者に対する物品の引渡しを拒否することが出来る︒

以上説述したところは︑ F.0.B 売買に関する白耳義国に於ける学説︵主として

H e e n e n , C a e y m a e x ) 併びに判

例についての概要を紹介したものである︑学説のあるものは︑仏国民法を継承した同国のこと 4 て︑仏国の有力

学説に影響されたものも存在する︒白国商人は一八 00 年初頭に於て︑地中海諸国民に先んじて︑英国商人に伍 上﹁書類引換払﹂

一 八

00

年初頭︑既に CIF の濫瘍をなしたと云

(25)

されているものと思惟される︒ 貨支払いは許されなかった︒

従 つ

て ︑

わ れ る

L a

v e

n t

e   s

o u

s   v

o i l e

 

C

帆下売買︶なる特殊形態をも慣用していたと云う︒

我国現行

F.o.B 形態の特殊性 終戦後占領治下︑我国が許された民間輸出売買形態に於てまずとられたものは︑

F.o.B のそれであった︑

その当時にあっては︑邦船は船腹激減のあとをうけ︑僅に中国︑韓国に対する貨物輸送が許されていた程度であ つて︑其他海外諸国への海上運送は︑外国船舶による外途なき状態であり︑加之︑これ等外国船舶を利用し得ると するも︑これに対する運賃支払いについて︑邦商は外貨による支払の自由を有しなかった︒又︑海上保険に関し ても外国保険会社への附保に対しては外貨を以つて保険料支払いの要があったのであるが︑此の場合も同様︑外

当時に於ては CIF

形態を利用することは不能であり︑

も可能となり爾来︑ F.o.B

売買はこれとと併んで慣用されている︒

現行

F ・ O .

B

方 式

は ︑

本邦商人として は︑船積港に於て本船甲板上に物品を積載するまでの行為をなし得たに止ったものである︒従って︑売買方式も

船積港本船甲板渡し︵即ち F.o.B)

を選ぷより外途がなかったのである︒昭和二十五年以降は

C.I.F 取引

昭和二十二年制限付輸出貿易が許されたとき制定された契約様式の趣旨が其儘踏襲 当時制定された売買契約様式

F o

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J x l O

,   B

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よ れ

ば ︑

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k と 太

3

る ︒

又 ︑

F o

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J T

x ‑

1 1

,   T

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t i

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(26)

海上売買に於ける

F.o.B

条件について︵賀屎︶

る ︒

売 主

が ︑

S a l e s   C o n t r a c t

によれれば

S u c h O c e a n   v e s s e l   s h a l l   b e   a r r a n g e d

  by•

• •

• •

f o •

r   B u y e r s ;   a c c o u n t n   a d   r i s k   一般商品売買に関しては︑船腹の手配は︑買主が自己の勘定と危険に於て︑これにあたることが 規定されてあるが︑繊維商品の場合は︑本船々腹の獲得は契約上︑光主に当らしめることも出来るのであって︑

此のドは文面上解釈され得るのである︒斯くの如き方式は︑米国に於ける一九四一年の﹁改正米国外国貿易定義﹂

( R e v i s e d A m   e r i c a n   F o r e i g n   T r a d e   D e f i n i t i o n  

1941)

に 明

g

に出生疋されてある︑これによれば

F . 0 .   B .  

v e s s e l   n ( a m e d   p o r t f   s   o h i m p e n t )

U

n d e r t h i s   m ,   t e r

t h e   s e l l e r   q u o t e s

  a 

p r i c e   c o v e r i n g   a l l  

e x p e n s e s   u   p t o , a n d   i n

u   ,  c l

d i n g   d e l i v e r y o   f   t h e   g o o d s   u p o n h   t e   o e v r s e a s   v e s s e l   p r o v i d e d   b y   o r   f o r   t h e   b u y e r   a t   t h e   n m a e d   p o r t  

依 之

之 観

米国式 F.o.B に於ては︑契約上

B u y e r ' s r o u t i n g

或はまた

S e l l e r ' s R o   ' u t i n g いずれを選ぷことも当事者の意思に委せられてあるのである︒而して︑船腹の獲得が売主側に︑任かされ てあるガ式は︑第二次大戦以来︑米国商品の輸出に履々採用されたものであって︑

H e e n e n

は此の種類のものは

CIF の変形であって真正な F.o.B 形態には属しないと評している︒しかしながら此の形態は F.o.B 型

売買方式を選ばんとする買主にとつては配船或はが舶獲得の煩を避けらる

4

利便あり︑現時本邦に於ける輸出貿

易に於て︑定期船の船腹を利用し得るが如き数量に於て︑船積さる

4 ものについては︑極めて好適な履行方式であ

行 い

得 る

点 ︑

﹁ツッパー﹂として船積を行い﹁運賃着払﹂

( F e i g h t

8  l l e

c t )

の船荷証券を獲得して︑荷為替取組を

白国に於けるが如き厳格なる解釈下に於て経験さる 4 が如き困難はないのである︒

由 来

︑ F ・ . O

B

売買は新時代に入るに及んで︑買主側が物品供給地に船舶を差遣して︑本船甲板上に於て荷

o f   s h i p m e n t .  

と あ

る ︑

と あ

る ︒

即 ち

参照

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