• 検索結果がありません。

《修論報告》コミュニケーション能力の育成をめざした国語科教育~高等学校国語科を中心に~

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "《修論報告》コミュニケーション能力の育成をめざした国語科教育~高等学校国語科を中心に~"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)横浜国大国語教育研究 No.43(2018) 《修論報告》. コミュニケーション能力の育成をめざした国語科教育 ~高等学校国語科を中心に~ 坂田 有加 1.問題の所在と目的. 時期:2016 年 7 月~2017 年 2 月まで. 2016 年 8 月中央教育審議会、教育課程部会「国. 調査有効数:486 名. 語ワーキンググループおける審議の取りまとめに. ⑵インタビューによる調査. ついて」で「教材への依存度が高く主体的な言語. 対象:2017 年度高校1年生及び高校 3 年生. 活動が軽視され、依然として講義調の伝達型授業. 男子4名、女子 7 名、計 11 名. に偏っている傾向があり、授業改善に取り組む必. (うち 2017 年度高校 1 年男子 1 名、女子 3 名、高. 要がある」と指摘されているように現在の高等学. 校 3 年男子 3 名、女子 4 名). 校国語科の教育は指摘通りであるといえる。. 内容:①コミュニケーションで自身に足りない. 高等学校の国語科が培っている資質・能力が、. もの。. 将来を見通した上での必要な資質・能力に必ずし. ②自身が考えるコミュニケーションの理. もなっていないことに疑問を呈し、将来を見越し. 想形。. た上で、今生徒が身に付けるべき資質・能力とは. ③コミュニケーション不良経験。. 何か、また、今生徒に足りていない資質・能力と. ④コミュニケーションが鍛えられた経験。. は何か、生徒の実態を把握するとともに、社会的. 分析方法:SCAT法(大谷 2007,2008,2011). 要請や次期学習指導要領をふまえながら、高等学. 3.論文の構成. 校の国語科が担っていくべき問題とは何か、再検. 論文の構成は以下の通りである。. 討していくことを主な目的とし研究を進めた。本. 0 本研究の目的と概要. 研究では、以下の三つを検討していく。. 1 社会で必要な力の定義. ①社会が求めている力を社会的要請や政府の見. 1.1 社会的背景の整理(企業的な側面). 解から明らかにする。. 1.2 政府の見解(現行学習指導要領と次期学 習. ②コミュニケーションにおける生徒の実態を把. 指導要領). 握する。. 1.3 コミュニケーション能力研究者の定義. ③コミュニケーション教育の在り方を検証する。 ①~③を踏まえた上で、国語科として生徒に身. 2 コミュニケーション能力に関する調査研究 2.1 質問紙によるアンケート調査. に付けるべき資質・能力を検証する。. 2.2 コミュニケーション能力に関するインタビ. 2.研究方法. ュー調査. 社会で必要な力の定義及び生徒の実態を把握す. 2.3 インタビュー調査分析. るために、文献研究及びアンケート質問紙・イン. 2.4 考察. タビュー調査を実施した。. 3 コミュニケーション基礎力を育てる授業実践. 方法Ⅰ:文献研究. 3.1 感情語彙を育てる中学国語科実践. 社会で必要な力とは何か、社会的要請を含め確. 3.2 感情語彙を育てる高等学校国語科実践. 認し、さらにコミュ二ケーション教育の現状を究. 3.3 コミュニケーション能力を育成できる可能. 明する。. 性のある授業「課題研究」. 方法Ⅱ:質問紙及びインタビュー調査. 3.4 コミュニケーション能力の育成と他教科連. コミュニケーションにおける生徒の印象・実態を. 携. 把握し記述する。. 4 研究まとめと今後の課題. ⑴質問紙による調査. 第 1 章では、企業的側面、学習指導要領から社. 対象:理数科X高等学校 2016 年度 1 年~3 年. 会で必要な力を定義づけた。社会的要請として、 151.

(2) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018) コミュニケーション能力は広く求められているこ. いて」文部科学省. とが確認できたため、コミュニケーション教育の. ・中央教育審議会答申(2016) 「幼稚園、小学校、. 内容論を概観した。. 中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要. 第2章では、 コミュニケーション能力における調. 領の改善及び必要な方法策等について」文部科学. 査を実施した。生徒の実態や認識を紐解くとコミ. 省. ュニケーションと語彙に関連性があることが表出. ・日本経済団体連合会(2016)「新卒採用に関す. されたため、さらなる分析を進めた。. るアンケート調査結果の概要」日本経済団体連合. 第3章として、コミュニケーションの基礎力を育. 会. 成する授業として感情語彙を育てる授業を展開し. ・経済同友会(2015)「これからの企業・社会が. ていくことを提案した。コミュニケーション能力. 求める人物像と大学への期待」経済同友会. は「話すこと・聞くこと」だけにとどまらず「書. ・大谷尚(2007)「4ステップコーディングによ. くこと」や「読むこと」を通しても育成できる可. る質的データ分析手法SCATの提案」『名古屋. 能性を考察した。. 大学大学院教育発達科学研究紀要』. 4.結果・考察. ・長田友紀(2010)「国語教育におけるコミュニ. 生徒の実態を把握、検証した結果、コミュニケ. ケーション能力研究の課題」『人文科教育研究』. ーション不良の要因は、対人不安や簡易化語彙進. ・若木常佳(2006)「『話す・聞く能力を育成す. 行、限定コミュニティーの影響など様々表出され. る』カリキュラムの構築に向けて―認知的側面へ. た。特に自分の思いが伝えられないもどかしい経. の着目―」『広島大学大学院教育学研究科紀要』. 験からコミュニケーション不良を訴える傾向があ ることが確認できた。コミュニケーション能力が 身に付いた経験として語ることの多い学会発表・ 研究発表の場では、言葉や語彙を精選し明瞭にし なくては伝達できないため伝達不良が自覚化され、 改善のために省察し表現力を磨かなくてはならな い。つまり、学会発表や研究発表は思考を言語化 させる機会として作用し、コミュニケーション能 力を育成できる授業として機能を果たしたと言え る。 また、語彙で自分の思いを明瞭に伝える、理解 する行為にコミュニケーションを育成する術があ るとすれば「話すこと・聞くこと」「書くこと」 にとどまらず「読むこと」からもコミュニケーシ ョン能力は育成できる。さらに感情語彙を育てる ことは、コミュニケーションの基礎力にも関連付 けられる。 自身を語る機会の少ない現代であればこそ、思 いをなんとなく伝えるのではなく、自身を客観視 しながら、思いがどの語彙に当てはまるのか考察 し明瞭に伝え理解する行為にコミュニケーション を育成する術があると結論付けた。 5.主な参考文献 ・中央教育審議会、教育課程部会(2016)「国語 ワーキンググループおける審議の取りまとめにつ 152.

(3)

参照

関連したドキュメント

明治33年8月,小学校令が改正され,それま で,国語科関係では,読書,作文,習字の三教

などに名を残す数学者であるが、「ガロア理論 (Galois theory)」の教科書を

最愛の隣人・中国と、相互理解を深める友愛のこころ

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

本研究科は、本学の基本理念のもとに高度な言語コミュニケーション能力を備え、建学

本研究科は、本学の基本理念のもとに高度な言語コミュニケーション能力を備え、建学

本研究科は、本学の基本理念のもとに高度な言語コミュニケーション能力を備え、建学