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自閉症児の抱く不安感について-行動観察による不安表出行動の測定-

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Academic year: 2021

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(1)自閉症児の抱く不安感について 一行動観察による不安表出行動の測定一              学校教育学専攻              臨床心理学コース.                M07088E                渡邊 安子 1.問題と目的. 測定を試みる。小学校での学習場面における自閉.  不安とは、一般的に「自己の存在を脅かす可能. 症児の行動を観察し、不安表出行動を測定するこ. 性のある破局や危険を漠然と予測することに伴. とで自閉症児への教育的支援につながる実証的. う不快な気分」と定義されており(生和,1999)、. な研究とする。. 日常的に誰にでも経験されやすい情動的反応で. 2、研究I. ある。しかし、想像力の障害を有する自閉症児は、. 予備研究. 先の見通しが持てない状況での不安が強く、慣れ. 目的:学習場面でA児の行動観察を行うことで、. ていない環境は苦手、応用がきかない、こだわり. 不安場面において出現する特徴的な行動を抽出. が強いなどがあり(石崎ら,2007)、日常生活や. する。. 集団生活においてパニックをおこし、周囲から理. 方法1VTRに撮影する。8つの行動カテゴリーの. 解されにくい。また、不安感を抱いて気持ちや行. 全てを10秒毎のタイムサンプリング法により記. 動に変化が表れているにもかかわらず、周囲の人. 録し、3つの不安表出行動を抽出した。. がそれを見逃したり、一方的な押し付けによって. 結果:取り組むことが不明確な時、特徴的な行動. 無理に取り組まされたりして、その結果パニック. が出現した。. 行動が悪化し、事態を悪くしてしまうこともある。. 本研究.  自閉症児の感情研究はその重要性が指摘され. 目的:3名の対象児に対して9つの観察を行い、. ているにもかかわらずその蓄積は少なく、他者の. 不安表出行動を測定することで、不安表出行動に. 感情理解に関するものに集中しており、自閉症児. は個人によって違いがあり、また、場面によって. のr不安」感情についての具体的な研究はほとん. も表出の仕方が違うことを明らかにし、不安を和. ど見られない。また、不安については、児童の不. らげる支援の方法を見出す。. 安症状を測定する尺度としてスペンズ児童用不. 方法:予備研究とほぼ同様に行う。. 安尺度などいくつかあるが、知的発達や言語発達. 観察場面:Tab1e1に示した。. の遅れが見られる自閉症児の不安を測定する尺. 結果の一例:観察5の結果をFi&1に示した。. 度は現状ではない。また、その作成はきわめて困. 考察:不安表出行動には、【身体への接触】など. 難であると考えられる。. 個人差はあるが共通した特徴的な行動が見られ、.  そこで、自閉症児の抱く不安感に焦点をあて、. 不安の強弱は不安表出行動の出現頻度や行動の. 不安によって生ずる情動に対応して可視的に現. 種類によっても表れる。また、不安感を和らげる. れる行動を「不安表出行動」と定義し、不安を測. 支援としては、具体的な指示や代替行動が有効で. 定する尺度に代わる方法として不安表出行動の. ある。. 110一.

(2) 者の理解を面接調査することで明らかにし、特別. Tab1e1本研究の各観察場面. A児. 1. 2. A児. 3. A児. 4. 齧ハ. 方法:一対一の構造化面接を行い、8つの質問項. 好きな活動場面. 目に回答してもらう。. 齊閧ネ活動場面. 対象:A・B・C児の保護者. 活動の見通しが持てない. 結果:研究Iで明らかになったA・B・C児の不 安表出行動が家庭でも見られ、特別支援学級担任 と保護者の見解が一致した。 調査1I. 集団での活動場面(リコ. 目的:A・B・C児の不安表出行動についての交流. [ダー練習). 学級担任等の理解を保護者と同様の面接調査を. 活動の見通しが持てない. B児. 7. かについて検討する。. 苦手な学習場面. B児. 6. 時間の見通しが持てない. 齧ハ. B児. 5. 支援学級担任である筆者の見解と一致するか否. 観察場面. 対象児. 観察. 行うことで明らかにし、特別支援学級担任の見解. 齧ハ. と一致するか否かについて検討する。. 初めての活動場面. B児. 方法:調査Iと同様の質問項目で面接調査する。. i自然学校). 対象:A・B・C児の交流学級担任を含め関係する. 8. C児. 9. ABC児. 初めての学習場面. 教員5名. 嫌悪場面. 結果:面接した全ての教員が、交流学習時の不安. 場面で、A・B・C児が通常とは違う行動や表情を. 、回リコ、ダ、. 見せることを理解していた。また、研究Iで明ら. 十場. @所 @を @離 @れ @る. リ リ. o・. ■. かになったように嫌悪場面では、rいやだ」、「し. たくない」と言語で伝えることもできることが確 認された。. 考察:教員は許容できないほど指導に困ると感じ. ≡亨一……〃ザこ;;アングル、ト■■■・、..‘‘・■I…1/.\。・’一…一’.。. ていないのに対し、自閉症児は不安表出行動によ. c十楽 ■ 士…….. ■. @●.  ,  o  .●  一. :. B肺パ・’。月18日.・リ月19日 掠舶・’’・肋日. @器 @で @遊 @ぷ. ってそのr困り感」を示している。そのギャップ が、具体的な指示や代替行動に結びついていかな いと言える。. Fig.1観察5集団場面の不安表出行動の出現頻度の変化. 4.総合考察. 3.研究II.  不安表出行動を測定し、アセスメントに生かす. 目的:A・B・C児について研究Iで明らかになっ. ことで不安感を和らげたり、不安な状況を回避し. たことを保護者や交流学級担任等がどのように. たりすることができる。本研究が学校現場でのア. 理解しているかについて、同様の面接調査を行う. セスメントとして活用できるよう検討していく. ことで明らかにする。. 必要がある。. 調査I 主任指導教員 市井雅哉. 目的:A・B・C児の不安表出行動についての保護. 指導教員   嶋崎まゆみ. 111.

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