砂礫地盤を対象とした原位置トレーサー試験の手法・評価に関する検討
-繰り返しアプローチに基づく整合性評価-
能美大希
1,鈴木 誠
2,竹内真司
3,菱谷智幸
4,田岸宏孝
5 1 千葉工業大学大学院・工学研究科建築都市環境学専攻 2 千葉工業大学・創造工学部都市環境学科 3 日本大学・文理学部地球科学科 4 ダイヤコンサルタント・ジオエンジニアリング事業本部地圏環境事業部 5 アサノ大成基礎エンジニアリング・原子力バックエンド事業部砂礫地盤を対象とした原位置トレーサー試験の手法・評価に関する検討
-繰り返しアプローチに基づく整合性評価-
能美大希
1,鈴木誠
2,竹内真司
3,菱谷智幸
4,田岸宏孝
5 1 千葉工業大学大学院・工学研究科建築都市環境学専攻 2 千葉工業大学・創造工学部都市環境学科 3 日本大学・文理学部地球科学科 4 ダイヤコンサルタント・ジオエンジニアリング事業本部地圏環境事業部 5 アサノ大成基礎エンジニアリング・原子力バックエンド事業部概
要
砂礫地盤を対象としたトレーサー試験を実施し,手法とその評価方法について検討した。研究の一環で 実施した室内試験より明らかにしたパルス入力を実現する投入手法を原位置試験においても適応すること ができ,手法の有効性が示唆された。また,実流速を適切に評価するうえでは,複数の比重を用いた予備 試験で適切な比重を選定する必要があり,選定には,得られた地質環境(水みちの深度)温度検層との整合性 が良いことが確認された。さらに,トレーサー試験を進めていくにあたり,可能な限り試験サイトの地質 環境を把握することが必要であり,段階的に調査をし,地質環境を把握していく繰り返しアプローチが効 率的に場を理解する1 つの手法であることが示唆された。 キーワード:トレーサー試験,原位置試験,試験手法,比重,移流分散解析 1. は じ め に 地盤内に移行した汚染物質の挙動を予測するには,地下 水の流動経路や地盤内の物質移行をできる限り正確に把 握する必要がある。このために実施される,原位置トレー サー試験は,地下水による物質の移行特性を評価するうえ で有効な試験である。実施例として,高レベル放射性廃棄 物の地層処分のため,岩盤を対象としたものが多かったが 1), 2), 3),2000 年代を境に実施例が少なくなってきている。 その原因の一つとして,田中らによるトレーサー試験に関 する手法のまとめ4)や数多くの関連図書5)など,試験手法 についてはある程度確立されてきているからだと考えら れる。しかしながら,地盤内の移行挙動を原位置の環境下 で直接測定できるメリットがあるにも関わらず,一般的な 地盤調査手法(例えば,現場透水試験など)と比較すると, トレーサー試験が用いられることは少ない。これは,対象 となる地盤や目的によって投入手法や観測手法,解析手法 など試験者の選択の自由度が大きいことや多くの時間を かけてもトレーサーの回収率が上がらないなどの課題が あり,試験の実施までに至らない場合が多いのではないか と考えられる。また,これまで報告されているトレーサー 試験の報告の多くは,試験から得られるパラメータ算出の ための解析手法の検討が多く,試験手法そのものに関する 報告は少ない。すなわち,試験が難しく,解析に依存して いることが推察される。適切な物質の移行を評価するには, 現場における調査および数値解析を組み合わせることが 必要不可欠である。 そこで,図 1 に示すような室内および原位置における トレーサー試験,ならびにこれらに基づく数値解析までの 一連の流れを想定し,物質移行パラメータを算出するため のトレーサー試験の評価手法に関する検討を行った。図 1 内の「①室内トレーサー試験」では,パルス入力を実現す る投入手法について,明らかにし,実流速の算出すること ができた6)。しかし,原位置試験では,複雑な帯水層や地 下水の水質などの室内トレーサー試験では考慮されない 不確定性が課題となる。そこで,室内試験で得られたノウ ハウをもとに本研究では,図 1 内の「②水理試験」および 「③原位置トレーサー試験」に対して,試験井戸を用いて 実施した。室内試験で得られた手法の再現性や原位置への 適用性を確認するとともに,新たに試験を通して得られた 試験手法や有効間隙率,分散長などの物質移行パラメータ を推定し,この過程で得られたノウハウを整理するととも に,トレーサー試験の結果について考察する。 2. 地質環境の把握のための計画策定と調査評価 試験サイトの地質環境を把握するための調査として表 1 に示す複数の現場調査を実施した。いずれの試験も地盤工学会が基準化している規格・基準をもとに実施した 7)。 トレーサー試験を適切に実施するためには,事前の試験サ イトの地質環境を十分に理解しておくことが重要である。 すなわち,トレーサー試験のためのボーリング孔の配置, 試験対象区間の選定,対象区間の水理特性の把握などであ る。表1にそれぞれの調査手法と目的を示す。本研究では, 予算や試験時間の制約などを考慮して,段階的に地質環境 を理解する手法として,繰り返しアプローチ8)を適用した。 この手法は図 2 に示すように,先ず,既存資料に基づく地 質環境の予測により課題を抽出し,次段階の調査計画を立 案する。次段階の調査結果に基づいて地質環境を再度予測 し課題を抽出し,調査計画を立案する。そしてさらに次段 階 の 調 査 ・ 予 測 ・ 課 題 抽 出 と い う よ う に , 各 段 階 で PDCA(Plan, Do, Check, Action)サイクルを回しながら,前段 階の調査で抽出された課題を次段階の調査により明らか にする作業を繰り返す手法である。これにより,限られた 資源(予算,時間,人)の中で効率的に場の理解度を向上 させることが期待される。 2.1 既存資料調査 試験は東京都世田谷区の日本大学文理学部構内の浅層 地盤を対象として実施した。既存資料調査は,試験サイト 周辺の造成・建設工事のボーリング柱状図や地中熱研究を 目的とした研究結果9),当該サイトを含む領域を対象とし た地下水流動解析結果10)に基づいて,概略的な地質層序, 地下水流動方向などについて検討した。これらの結果に基 づいて,次段階の現場試験のボーリング孔の配置(東西方 向に2 本)やボーリング孔の掘削深度などを決定した。 2.2 第 1 段階目の調査 既存資料に基づく調査・予測・評価の結果に即して予測 された帯水層の深度や地下水流動方向の確認のため,本段 階では,帯水層を十分に確認できると想定される深度20m のボーリング孔を東西方向に2 本掘削した(図 3 中の試験 井戸1 および 2)。観測井戸には塩ビ管(VP75)を用い,帯水 層のストレーナーの開孔率は30%(巻線スクリーン)を使用 した。②ボーリングコア観察の結果から,地質は,上位よ り盛土層,有機質粘土層,凝灰質粘土層,粘土質シルト層, 砂質シルト層,砂礫層,砂層がほぼ水平に堆積しているこ とが確認された。また,③電気検層および④フローメータ 検層から上記の地質のうち,砂礫層および砂層をトレーサ ー試験の候補区間の帯水層として抽出した。さらに,これ ら二層の帯水層を対象とした⑥揚水試験の結果,透水係数 の値が 10-4m/s 程度であった砂礫層の GL−11.5~GL-12.5m を試験区間とした。なお,⑤流向流速測定の結果,流向は 北から南に向かう流れであると推測された。 2.3 第 2 段階目の調査 第1 段階の調査の結果,地下水流動の方向が南に向かう ことが推定されたことから,新たに南北方向にVP50 の観 測井戸を3 本設置した(図 3 中の試験井戸 3, 4, 5)。柱状図 を図 4 に示す。これらの井戸において⑤流向流速を実施 した結果,南方に向かう,10-7m/s 程度のダルシー流速の流 れであることが確認された。さらに帯水層(砂礫層)を対 象とした⑥揚水試験の結果,透水係数は10-4m/s 程度の値 を得た。 図1 トレーサー試験から物質移行パラメータを推定するフロー(文献6から引用)
<室内試験>
室内トレーサー試験 水理試験 原位置トレーサー試験 • 境界条件が制御可能なもと、基本 的なメカニズムを把握 投入方法,観測方法,評価方法 • 室内試験での手法をもとに試験を 実施,検討 投入方法,観測方法,評価方法 • 原位置を想定した基本的な手法の 検討 • 水理地質構造の把握 水みちの把握 透水性の把握<原位置試験>
数値解析 • 試験から分散係数を算出 理論解の適用 数値解の適用 表1 現場調査項目 調査手法 調査目的 ①既存資料調査 地下水流動状況の予測 ②ボーリング(コア) 地質分布の確認 ③電気検層 帯水層の抽出 ④フローメータ検層 帯水層(水みち)の抽出 ⑤流向流速測定 地下水流動方向,流速の推定 ⑥揚水試験 帯水層の透水性などの推定 ⑦トレーサー試験 水みちの連続性の推定 ⑧温度検層 詳細な水みち(深度)の抽出 図2 繰り返しアプローチ概念図(文献8から引用) 既存資料調査、予測、課題? 第1段階の調査、予測、評価、課題? 第2段階の調査、予測、評価、課題? P D C A工学会が基準化している規格・基準をもとに実施した 7)。 トレーサー試験を適切に実施するためには,事前の試験サ イトの地質環境を十分に理解しておくことが重要である。 すなわち,トレーサー試験のためのボーリング孔の配置, 試験対象区間の選定,対象区間の水理特性の把握などであ る。表1にそれぞれの調査手法と目的を示す。本研究では, 予算や試験時間の制約などを考慮して,段階的に地質環境 を理解する手法として,繰り返しアプローチ8)を適用した。 この手法は図 2 に示すように,先ず,既存資料に基づく地 質環境の予測により課題を抽出し,次段階の調査計画を立 案する。次段階の調査結果に基づいて地質環境を再度予測 し課題を抽出し,調査計画を立案する。そしてさらに次段 階 の 調 査 ・ 予 測 ・ 課 題 抽 出 と い う よ う に , 各 段 階 で PDCA(Plan, Do, Check, Action)サイクルを回しながら,前段 階の調査で抽出された課題を次段階の調査により明らか にする作業を繰り返す手法である。これにより,限られた 資源(予算,時間,人)の中で効率的に場の理解度を向上 させることが期待される。 2.1 既存資料調査 試験は東京都世田谷区の日本大学文理学部構内の浅層 地盤を対象として実施した。既存資料調査は,試験サイト 周辺の造成・建設工事のボーリング柱状図や地中熱研究を 目的とした研究結果9),当該サイトを含む領域を対象とし た地下水流動解析結果10)に基づいて,概略的な地質層序, 地下水流動方向などについて検討した。これらの結果に基 づいて,次段階の現場試験のボーリング孔の配置(東西方 向に2 本)やボーリング孔の掘削深度などを決定した。 2.2 第 1 段階目の調査 既存資料に基づく調査・予測・評価の結果に即して予測 された帯水層の深度や地下水流動方向の確認のため,本段 階では,帯水層を十分に確認できると想定される深度20m のボーリング孔を東西方向に2 本掘削した(図 3 中の試験 井戸1 および 2)。観測井戸には塩ビ管(VP75)を用い,帯水 層のストレーナーの開孔率は30%(巻線スクリーン)を使用 した。②ボーリングコア観察の結果から,地質は,上位よ り盛土層,有機質粘土層,凝灰質粘土層,粘土質シルト層, 砂質シルト層,砂礫層,砂層がほぼ水平に堆積しているこ とが確認された。また,③電気検層および④フローメータ 検層から上記の地質のうち,砂礫層および砂層をトレーサ ー試験の候補区間の帯水層として抽出した。さらに,これ ら二層の帯水層を対象とした⑥揚水試験の結果,透水係数 の値が 10-4m/s 程度であった砂礫層の GL−11.5~GL-12.5m を試験区間とした。なお,⑤流向流速測定の結果,流向は 北から南に向かう流れであると推測された。 2.3 第 2 段階目の調査 第1 段階の調査の結果,地下水流動の方向が南に向かう ことが推定されたことから,新たに南北方向にVP50 の観 測井戸を3 本設置した(図 3 中の試験井戸 3, 4, 5)。柱状図 を図 4 に示す。これらの井戸において⑤流向流速を実施 した結果,南方に向かう,10-7m/s 程度のダルシー流速の流 れであることが確認された。さらに帯水層(砂礫層)を対 象とした⑥揚水試験の結果,透水係数は10-4m/s 程度の値 を得た。 図1 トレーサー試験から物質移行パラメータを推定するフロー(文献6から引用)
<室内試験>
室内トレーサー試験 水理試験 原位置トレーサー試験 • 境界条件が制御可能なもと、基本 的なメカニズムを把握 投入方法,観測方法,評価方法 • 室内試験での手法をもとに試験を 実施,検討 投入方法,観測方法,評価方法 • 原位置を想定した基本的な手法の 検討 • 水理地質構造の把握 水みちの把握 透水性の把握<原位置試験>
数値解析 • 試験から分散係数を算出 理論解の適用 数値解の適用 表1 現場調査項目 調査手法 調査目的 ①既存資料調査 地下水流動状況の予測 ②ボーリング(コア) 地質分布の確認 ③電気検層 帯水層の抽出 ④フローメータ検層 帯水層(水みち)の抽出 ⑤流向流速測定 地下水流動方向,流速の推定 ⑥揚水試験 帯水層の透水性などの推定 ⑦トレーサー試験 水みちの連続性の推定 ⑧温度検層 詳細な水みち(深度)の抽出 図2 繰り返しアプローチ概念図(文献8から引用) 既存資料調査、予測、課題? 第1段階の調査、予測、評価、課題? 第2段階の調査、予測、評価、課題? P D C A 図3 調査地点 図4 第2段階目の柱状図 2.0m 0.5m 0.5m 1.0m 試験井戸1 (投入孔) 試験井戸3 (観測孔1) 試験井戸4 (観測孔2) 試験井戸2 :2段階目の掘削 :1段階目の掘削 N 試験井戸5 (揚水孔) 日本大学文理学部2.4 予備トレーサー試験 第2 段階までの調査により,試験サイトにおいてトレー サー試験区間として適当な試験孔配置と帯水層が抽出で きたことから,この配置でトレーサー試験実施の適切性を 確認するために予備トレーサー試験を実施した。 試験は,能美ほか6)による瞬間的にトレーサーを置換す る(パルス入力を実現する)手法を適用するため,はじめに 地上にてアクリルパイプを用いた投入試験を実施し,投入 時の再現性を確認した。この試験では,図 5 (a)のように地 上にて高さ4m,直径 7.7cm のアクリルパイプに水道水を 充填させ,投入装置(1m のストレーナーに塩ビパイプを設 置したもの)をアクリルパイプ底部に設置し実施した。ス トレーナーには,水道水に蛍光染料(ウラニン)を溶解させ たものを注入した水風船を設置した。上部より先端が鋭利 な鋼棒を用いて破裂させ,その瞬間のウラニンの挙動を確 認した。結果が図 5 (b), (c)になる。ここでは,0.5 秒後お よび1 秒後の結果を示しており,図より瞬間的に置換がで きていることが確認され,室内試験で得られた本手法を原 位置試験においても適用できることが明らかになった。 図 6 にトレーサー試験の概要図を示す。トレーサー試 験は揚水孔から一定流量で揚水し,各試験井戸の水圧がほ ぼ定常状態になった後に投入孔からトレーサーを投入す る放射状収束試験で実施した。本試験では南側の試験井戸 5 を揚水孔,試験井戸 1 をトレーサー剤の投入孔,試験井 戸3,4 を観測孔 1,2 として試験を実施した。ここで,本試 験の揚水量は,段階揚水試験の結果および揚水量の目安11) を参考に,20L/min と決定した。 トレーサー剤の作成方法,設置方法およびトレーサー剤 の投入方法(トレーサー剤を封入した風船を破裂させる方 法)は能美ほか6)に従った。以下に詳細を示す。 トレーサー剤は,室内試験同様,Nacl に揚水した原位置 地下水および比重を調整するための無水エタノールを加 えたものを使用した。完成したトレーサーは水風船に注入 したのち,VP50 のストレーナーに設置し,塩ビパイプを 用いて試験区間(GL-11.5m~GL-12.5m)に設置した。その後, 一定時間定置した後,地上から先端が鋭利な鋼棒用いて破 裂させることで投入した。これは,室内試験で得られた手 法であり,瞬間的に置換する(パルス入力を実現する手法) である。なお試験終了後には,各井戸において揚水ポンプ を用いて残留しているトレーサーを回収した。 観測は図 7 に示すような 10cm おきに 9 深度で測定可能 な多連伝導率計(以下,EC 計)を用いた。このような EC 計 を用いた理由は,対象層が最大粒径80mm 程度の砂礫層で あり,不均質に起因する水みちにより確かな物質移行を把 握することが困難であると考えられためである。EC 計は この電極間の電位差で測定する仕組みとなっており,電気 伝導率と水中の温度を測定することが可能である。また, 井戸内での滞留が測定結果に影響を与えることが明らか になっており6), 15),滞留を抑制するためにパッカーを各電 極間に設置した。また全ての孔で試験対象深度は同一深度 とした(図 6)。 試験結果を図 8~図 10 に示す。これらの結果は連続揚 水状態で揚水した地下水の比重1.001 で調整したトレーサ ー剤を用いた結果である。投入孔では応答が確認されたも のの,観測孔1,2 では,応答を確認することができなかっ た。また,投入孔では,試験区間の上部GL-11.63m に設置 (a) 全体概要図 (b) 投入0.5秒後 (c) 投入1秒後 図5 投入試験 ストレーナー (1m) 無孔管部分 (50cm) 上部より先端が鋭利な鋼棒 を落下させ破裂 ストレーナー (1m) 無孔管部分 (50cm) ストレーナー (1m) 無孔管部分 (50cm)
2.4 予備トレーサー試験 第2 段階までの調査により,試験サイトにおいてトレー サー試験区間として適当な試験孔配置と帯水層が抽出で きたことから,この配置でトレーサー試験実施の適切性を 確認するために予備トレーサー試験を実施した。 試験は,能美ほか6)による瞬間的にトレーサーを置換す る(パルス入力を実現する)手法を適用するため,はじめに 地上にてアクリルパイプを用いた投入試験を実施し,投入 時の再現性を確認した。この試験では,図 5 (a)のように地 上にて高さ4m,直径 7.7cm のアクリルパイプに水道水を 充填させ,投入装置(1m のストレーナーに塩ビパイプを設 置したもの)をアクリルパイプ底部に設置し実施した。ス トレーナーには,水道水に蛍光染料(ウラニン)を溶解させ たものを注入した水風船を設置した。上部より先端が鋭利 な鋼棒を用いて破裂させ,その瞬間のウラニンの挙動を確 認した。結果が図 5 (b), (c)になる。ここでは,0.5 秒後お よび1 秒後の結果を示しており,図より瞬間的に置換がで きていることが確認され,室内試験で得られた本手法を原 位置試験においても適用できることが明らかになった。 図 6 にトレーサー試験の概要図を示す。トレーサー試 験は揚水孔から一定流量で揚水し,各試験井戸の水圧がほ ぼ定常状態になった後に投入孔からトレーサーを投入す る放射状収束試験で実施した。本試験では南側の試験井戸 5 を揚水孔,試験井戸 1 をトレーサー剤の投入孔,試験井 戸3,4 を観測孔 1,2 として試験を実施した。ここで,本試 験の揚水量は,段階揚水試験の結果および揚水量の目安11) を参考に,20L/min と決定した。 トレーサー剤の作成方法,設置方法およびトレーサー剤 の投入方法(トレーサー剤を封入した風船を破裂させる方 法)は能美ほか6)に従った。以下に詳細を示す。 トレーサー剤は,室内試験同様,Nacl に揚水した原位置 地下水および比重を調整するための無水エタノールを加 えたものを使用した。完成したトレーサーは水風船に注入 したのち,VP50 のストレーナーに設置し,塩ビパイプを 用いて試験区間(GL-11.5m~GL-12.5m)に設置した。その後, 一定時間定置した後,地上から先端が鋭利な鋼棒用いて破 裂させることで投入した。これは,室内試験で得られた手 法であり,瞬間的に置換する(パルス入力を実現する手法) である。なお試験終了後には,各井戸において揚水ポンプ を用いて残留しているトレーサーを回収した。 観測は図 7 に示すような 10cm おきに 9 深度で測定可能 な多連伝導率計(以下,EC 計)を用いた。このような EC 計 を用いた理由は,対象層が最大粒径80mm 程度の砂礫層で あり,不均質に起因する水みちにより確かな物質移行を把 握することが困難であると考えられためである。EC 計は この電極間の電位差で測定する仕組みとなっており,電気 伝導率と水中の温度を測定することが可能である。また, 井戸内での滞留が測定結果に影響を与えることが明らか になっており6), 15),滞留を抑制するためにパッカーを各電 極間に設置した。また全ての孔で試験対象深度は同一深度 とした(図 6)。 試験結果を図 8~図 10 に示す。これらの結果は連続揚 水状態で揚水した地下水の比重1.001 で調整したトレーサ ー剤を用いた結果である。投入孔では応答が確認されたも のの,観測孔1,2 では,応答を確認することができなかっ た。また,投入孔では,試験区間の上部GL-11.63m に設置 (a) 全体概要図 (b) 投入0.5秒後 (c) 投入1秒後 図5 投入試験 ストレーナー (1m) 無孔管部分 (50cm) 上部より先端が鋭利な鋼棒 を落下させ破裂 ストレーナー (1m) 無孔管部分 (50cm) ストレーナー (1m) 無孔管部分 (50cm) した電気伝導率計でブレイクスルーカーブ(以下,BTC)の テールが収束しない結果となった。このことから,トレー サー剤の比重が異なることが推測され,地下水の比重を適 切に把握するとともに,これと同等の比重を有するトレー サー剤を作成することが重要であることが示唆された。ま た,対象地盤の不均質性により孔間で水みちが繋がってい ないこと,あるいは連続揚水状態で揚水した地下水の比重 (1.001)で調整したトレーサー剤が試験区間内の地下水の 比重よりも軽く,観測区間よりも上位層を通過したことが 推測された。 図8 電気伝導率の経時変化(投入孔) 図9 電気伝導率の経時変化(観測孔1) 図10 電気伝導率の経時変化(観測孔2) 2.5 第 3 段階目の調査 前段階の予備トレーサー試験では,孔間の水みちを推定 することが出来なかったことから,本段階では,井戸近傍 の水みちを推定するための温度検層を実施した12), 13), 14)。 温度検層は,図 11 に示すような加熱装置と多連温度計 を用い,揚水孔から一定量(約 20L/min)で揚水した状態で 実施した。多連温度計は温度計を20cm 間隔で計 5 か所設 置したものである。各温度計は全長10cm,外径 1cm,セ ンサー長1cm で 0℃~110℃まで計測可能である。試験方法 は以下の通りである。まず多連温度計を有孔管に設置し, 加熱装置を用いて井戸内の試験区間に温水を循環させ全 体の温度が概ね一定になったのち,各深度での温度を 30 分間測定した。ここで温水は井戸周囲の水圧変化や密度流 の影響を可能な限り抑制するため,注入量と揚水量を一定 とし,温度変化を最低限確認できる40℃程度とした。水み ち深度の特定方法として温度復元率を用いた12)。温度復元 率は注入直後の温水の温度と自然状態の温度の差に対し て,自然状態に戻る過程の温度を百分率で表したもので, 以下の式(1)によって算出される。水みちが存在する深度で は地下水が流入しやすいため,温度が低下しやすく,復元 率が高くなることが推測できる12) 。 図6 トレーサー試験概要図 図7 電気伝導率計(EC 計)
(1) ここで, 𝑇𝑇r:温度復元率(%) 𝜃𝜃d:注入直後の温度(℃) 𝜃𝜃t:任意の経過時間t における温度(℃) 𝜃𝜃n:自然状態の温度(℃) である。 図11 温度検層概要図 試験結果を図 12 に示す。評価対象データは変化が急激 であった降温開始から10 分後までのものを用いた。結果 は,降温開始直後の60s の結果を評価した。これは,開始 直後の方が温度差による対流の影響を受けづらいと推測 されたためである。また,ここでは,水みちは降温開始か ら10 分後の復元率が 60%以上の深度を有意な水みちと定 義した。観測孔1 では GL-11.85m~GL-12.4m,観測孔 2 で はGL-11.90m~GL-12.45m で復元率が高い傾向がみられた。 以上の結果より,相対的に透水性の良い水みちの深度を推 測することができた。 図12 温度復元率(左:観測孔1 右:観測孔2) 3. トレーサー試験 3.1 試験手順 詳細な試験手順は,2.4 予備トレーサー試験と同様なの でここでは省略する。予備トレーサー試験では,比重によ る影響が示唆されたので,ここでは,試験区間内の比重に 合わせるため,複数の比重で試験を実施した17)。比重の選 定は,予備トレーサー試験では,揚水し始めて一定時間た ったのち(連続揚水状態)の地下水(比重:1.001)を用いてい たが,試験区間内の比重に合わせるために揚水直後の地下 水を用いたところ,泥水を含んでおり,比重が1.004 であ ったため,その前後の比重のトレーサー剤を用いて試験を 実施した。 3.2 評価方法 試験から得られたBTC から実流速を算出し,別途式(2) により算出されるダルシー流速との比から有効間隙率を 算出した(式(3))。室内試験と同様に各孔間の距離とトレー サー剤の到達時間から以下の 2 つの方法により実流速 v’ を算出した6)。 (1) 投入孔の BTC の経時変化の立ち上がりから各観測孔 のBTC の経時変化の立ち上がりまでの時間 (2) 投入孔の BTC の経時変化のピークから各観測孔の BTC の経時変化のピークまでの時間 実流速は数値解析では,ピーク間で算出することが一般的 であるが,最初にEC 計に到達するトレーサーを評価する ために立ち上がりも算出した。ここで,経時変化の立ち上 がり時間は,各孔での電気伝導率のピーク値の10%の変化 が出現した時間とした。ダルシー流速は,本試験は揚水状 態で放射状流の試験を実施しているため,各孔間での平均 的な流速をダルシー流速として式(2)を用いて算出した。 (2) ここでv:ダルシー流速,Q:揚水量,D:層厚,r:各孔 間の距離である。そしてこのトレーサー試験から算出した 実流速とダルシー流速の関係から有効間隙率を算出した。 𝑛𝑛e= 𝑣𝑣 𝑣𝑣′⁄ (3) ここでne:有効間隙率,v:ダルシー流速,v’:実流速であ る。 3.3 試験結果 試験結果を図 13~図 15 に示す。ここでは,顕著な応答 が確認された比重1.004, 1.005 の結果を示しており,それ ぞれCase-1,Case-2 とした。 投入孔におけるBTC を比較すると,Case-1 では,ピー ク値が上部(GL-11.63m)で最も高い値が確認され,中部 (GL-12.04m)と下部(GL-12.30m)では同程度の値が確認さ れた。しかし,ピークから収束する部分では中部と下部と 比較して,上部ではテールが収束するのに時間を要してい 𝑣𝑣 =2𝜋𝜋𝜋𝜋 ∫𝑄𝑄 𝑟𝑟21𝑟𝑟 𝑟𝑟1 𝑑𝑑𝑟𝑟 𝑇𝑇r=𝜃𝜃d𝜃𝜃d− 𝜃𝜃n− 𝜃𝜃t× 100
(1) ここで, 𝑇𝑇r:温度復元率(%) 𝜃𝜃d:注入直後の温度(℃) 𝜃𝜃t:任意の経過時間t における温度(℃) 𝜃𝜃n:自然状態の温度(℃) である。 図11 温度検層概要図 試験結果を図 12 に示す。評価対象データは変化が急激 であった降温開始から10 分後までのものを用いた。結果 は,降温開始直後の60s の結果を評価した。これは,開始 直後の方が温度差による対流の影響を受けづらいと推測 されたためである。また,ここでは,水みちは降温開始か ら10 分後の復元率が 60%以上の深度を有意な水みちと定 義した。観測孔1 では GL-11.85m~GL-12.4m,観測孔 2 で はGL-11.90m~GL-12.45m で復元率が高い傾向がみられた。 以上の結果より,相対的に透水性の良い水みちの深度を推 測することができた。 図12 温度復元率(左:観測孔1 右:観測孔2) 3. トレーサー試験 3.1 試験手順 詳細な試験手順は,2.4 予備トレーサー試験と同様なの でここでは省略する。予備トレーサー試験では,比重によ る影響が示唆されたので,ここでは,試験区間内の比重に 合わせるため,複数の比重で試験を実施した17)。比重の選 定は,予備トレーサー試験では,揚水し始めて一定時間た ったのち(連続揚水状態)の地下水(比重:1.001)を用いてい たが,試験区間内の比重に合わせるために揚水直後の地下 水を用いたところ,泥水を含んでおり,比重が1.004 であ ったため,その前後の比重のトレーサー剤を用いて試験を 実施した。 3.2 評価方法 試験から得られたBTC から実流速を算出し,別途式(2) により算出されるダルシー流速との比から有効間隙率を 算出した(式(3))。室内試験と同様に各孔間の距離とトレー サー剤の到達時間から以下の 2 つの方法により実流速 v’ を算出した6)。 (1) 投入孔の BTC の経時変化の立ち上がりから各観測孔 のBTC の経時変化の立ち上がりまでの時間 (2) 投入孔の BTC の経時変化のピークから各観測孔の BTC の経時変化のピークまでの時間 実流速は数値解析では,ピーク間で算出することが一般的 であるが,最初にEC 計に到達するトレーサーを評価する ために立ち上がりも算出した。ここで,経時変化の立ち上 がり時間は,各孔での電気伝導率のピーク値の10%の変化 が出現した時間とした。ダルシー流速は,本試験は揚水状 態で放射状流の試験を実施しているため,各孔間での平均 的な流速をダルシー流速として式(2)を用いて算出した。 (2) ここでv:ダルシー流速,Q:揚水量,D:層厚,r:各孔 間の距離である。そしてこのトレーサー試験から算出した 実流速とダルシー流速の関係から有効間隙率を算出した。 𝑛𝑛e= 𝑣𝑣 𝑣𝑣′⁄ (3) ここでne:有効間隙率,v:ダルシー流速,v’:実流速であ る。 3.3 試験結果 試験結果を図 13~図 15 に示す。ここでは,顕著な応答 が確認された比重1.004, 1.005 の結果を示しており,それ ぞれCase-1,Case-2 とした。 投入孔におけるBTC を比較すると,Case-1 では,ピー ク値が上部(GL-11.63m)で最も高い値が確認され,中部 (GL-12.04m)と下部(GL-12.30m)では同程度の値が確認さ れた。しかし,ピークから収束する部分では中部と下部と 比較して,上部ではテールが収束するのに時間を要してい 𝑣𝑣 =2𝜋𝜋𝜋𝜋 ∫𝑄𝑄 𝑟𝑟21𝑟𝑟 𝑟𝑟1 𝑑𝑑𝑟𝑟 𝑇𝑇r=𝜃𝜃d𝜃𝜃d− 𝜃𝜃n− 𝜃𝜃t× 100 ることが確認され,上部におけるトレーサー剤の滞留が示 唆された。一方で,Case-2 では,ピーク値は下部中部と上 部で異なる挙動を示した。下部と中部では類似した BTC であるが,上部では,ピーク値が前者の半分以下の値とな った。また,テール部分も下部中部と比較して,緩やかで あり,Case-1 同様に上部で滞留していることが考えられた。 どちらの条件でも,投入孔の上部において滞留が示唆され たのは,ストレーナー上部(図 5・左図の白い部分)には, 高さ約50cm,容積にして 1021cm3ほどの無孔管部分があ り,比重や風船の破裂の勢いにより,この有孔管上部の無 孔管部分に到達していることが考えられるためである。 観測孔1 の BTC を Case ごとに比較すると,Case-1 で は,GL-11.7m, GL-11.8m, GL-11.9m, GL-12.2m で応答が確 認されたのに対し,Case-2 では,GL-12.0m~GL-12.5m の 5 深度で顕著な反応が確認された。GL-12.2m では比重に 関係なく,どちらの条件でも顕著な応答が確認されたこと から,投入孔から観測孔1 の GL-12.2m の深度に卓越した 水みちが存在することが推測できる。また,Case-2 の GL-12.4m~GL-12.5m では,ピーク後に応答が確認された他の 深度より,値が収束しない結果となった。この要因として, (トレーサー剤の比重が大きいため,)到達した観測孔 1 内で上部から下部に流動したこと,また,温度検層では, 最下部(GL-12.4m~GL-12.5m)の復元率が相対的に低かっ たことが挙げられ,滞留が生じたと考えられる。 図13 電気伝導率の経時変化(投入孔)【左:Case-1 右:Case-2】 図14 電気伝導率の経時変化(観測孔1)【左:Case-1 右:Case-2】 図15 電気伝導率の経時変化(観測孔2)【左:Case-1 右:Case-2】
観測孔2 の BTC を Case ごとに比較すると,Case-1 で は,顕著な応答を確認することができなかったのに対し, Case-2 では,GL-12.1m~GL-12.4m の 3 深度で顕著な応答 が確認された。この理由として,観測孔の有孔管(スクリー ン)上部は,無孔管となっており,Case-1 では,試験区間内 の地下水と比較して,比重が小さいことから,その無孔管 部分に到達している可能性,および観測孔1 で応答が確認 された深度から観測孔 2 までの水みちが繋がっていない 可能性が考えられる。Case-2 では,応答が確認された深度 が観測孔 1 で応答が確認された深度とほぼ水平なことか ら,流動している地下水の比重と概ね等しいものと推測さ れる。さらに観測孔1 で応答が確認された深度から観測孔 2 の応答が確認された,いくつかの深度では,両孔間で水 みちが連結している可能性が示唆される。加えて,温度検 層 の 結果 が 相対 的 に下 部の深 度(観測孔 1 では,GL-11.85m~GL-12.4m,観測孔 2 では GL-11.90m~GL-12.45m)に 水みちが推測されたことも考慮すると,Case-1(1.004)より もCase-2(1.005)の比重の方が適切であると推測できる。 ここで,Case-2 の BTC から算出した実流速と有効間隙 率を表 2 に示す。算出区間は観測孔 1,2 で顕著な応答が確 認されたGL-12.1m,GL-12.2m,GL-12.3m である。観測孔 1 では,3 深度とも同程度の値となったが,観測孔 2 では, ばらつきのある値となった。また,ピーク間の有効間隙率 のうち,観測孔1 と比較して観測孔 2 の値は 1.5 倍程度大 きな値となった。能美ほか6)の室内試験では,立ち上がり 間に値するピーク間の値は,孔内(井戸内)での滞留を示唆 していることが明らかになっている。そのため,EC 計に パッカーを設置しているとはいえ,井戸内における滞留の 影響が考えられる。また,ピーク時の間隔時間が長くなっ たことから,観測孔1 を通過せず,迂回した水みちもある ことが推察される。 4. 分散係数の推定 4.1 支配方程式 密度依存を考慮した飽和-不飽和領域を対象とした浸透 の支配方程式は次式で表される18), 19)。
(
)
+ = + + r r K s i K j x r K s ij K i x t s C s S t c f ) ( 3 ) ( ) ( (4) ここで,
:圧力水頭,:体積含水率,Ss :比貯留 係数Cs():比水分容量,K :飽和透水テンソル,ijs Kr(): 比透水係数,c :濃度(0≦c≦1,飽和濃度を 1 として正 規化),t:時間,f:溶媒の密度,
:流体の密度,r: 溶媒の密度に対する流体の密度比(
/f ),
(=1:飽和 領域,=0:不飽和領域),
:溶質の密度比である。 移流分散の支配方程式は次式で表される18), 19)。 c Q Rc c i V i x c j x c ij D i x t c R − − − = (5) ここで,R:遅延係数,iV:実流速,Dij:分散テンソル, c Q :源泉項, :減衰定数である。 本検討ではDtransu-2D・EL を用いた。これは,オイリ アン・ラグラジアン法による 2 次元飽和・不飽和浸透流-移流・分散解析プログラムである。本プログラムは,分散 と移流卓越の両問題に対して,オイラー法とラグラジアン 法を併用し,移流項を特性曲線法で求め,分散項を有限要 素法により算出することで数値分散や数値振動等に対す る数値安定性に優れている18), 19)。 4.2 解析概要 本解析では,前節で実施したトレーサー試験から得られ た経時変化を再現するようにパラメータを変化させ,数値 解析より得られた経時変化およびパラメータの値から試 験結果および分散長を評価した。解析モデルは飽和状態に ある洪積礫質土層を対象とし,図 16 に示すような平面 2 次元モデルを用いた。このモデルは,地盤は均質と設定し て放射状収束試験であることから,揚水孔を中心に半径 2.5m,中心角 15 度の扇形状のモデルである。 メッシュサイズは,数値分散の影響を抑えるため,流動 方向のペクレ数が2 以下となるように,縦方向を 0.3cm 間 隔,横方向を0.4cm 間隔でメッシュ分割した。 水理パラメータとして用いた値を表 3 に示す。透水係 数の値は揚水時のGL-12.5m からの全水頭値を,最小二乗 法を用いて観測誤差を考慮して算出した 7.47×10-4m/s を 用い,有効間隙率の値は,井戸内は100%で固定した。さ 表2 実流速・有効間隙率(Case-2) 算出区間 実流速(m/s) 有効間隙率(%) 投入孔 観測孔1/2 立ち上がり ピーク 立ち上がり ピーク GL-12.04 1_GL-12.1 1.14×10-4 6.52×10-5 16.7 46.8 1_GL-12.2 2.84×10-4 6.94×10-5 19.1 43.9 1_GL-12.3 1.73×10-4 7.22×10-5 17.7 42.3 GL-12.04 2_GL-12.1 1.71×10-4 5.94×10-5 29.6 61.8 2_GL-12.2 1.38×10-4 4.82×10-5 15.7 76.1 2_GL-12.3 1.07×10-4 5.15×10-5 10.3 71.3観測孔2 の BTC を Case ごとに比較すると,Case-1 で は,顕著な応答を確認することができなかったのに対し, Case-2 では,GL-12.1m~GL-12.4m の 3 深度で顕著な応答 が確認された。この理由として,観測孔の有孔管(スクリー ン)上部は,無孔管となっており,Case-1 では,試験区間内 の地下水と比較して,比重が小さいことから,その無孔管 部分に到達している可能性,および観測孔1 で応答が確認 された深度から観測孔 2 までの水みちが繋がっていない 可能性が考えられる。Case-2 では,応答が確認された深度 が観測孔 1 で応答が確認された深度とほぼ水平なことか ら,流動している地下水の比重と概ね等しいものと推測さ れる。さらに観測孔1 で応答が確認された深度から観測孔 2 の応答が確認された,いくつかの深度では,両孔間で水 みちが連結している可能性が示唆される。加えて,温度検 層 の 結果 が 相対 的 に下 部の深 度(観測孔 1 では,GL-11.85m~GL-12.4m,観測孔 2 では GL-11.90m~GL-12.45m)に 水みちが推測されたことも考慮すると,Case-1(1.004)より もCase-2(1.005)の比重の方が適切であると推測できる。 ここで,Case-2 の BTC から算出した実流速と有効間隙 率を表 2 に示す。算出区間は観測孔 1,2 で顕著な応答が確 認されたGL-12.1m,GL-12.2m,GL-12.3m である。観測孔 1 では,3 深度とも同程度の値となったが,観測孔 2 では, ばらつきのある値となった。また,ピーク間の有効間隙率 のうち,観測孔1 と比較して観測孔 2 の値は 1.5 倍程度大 きな値となった。能美ほか6)の室内試験では,立ち上がり 間に値するピーク間の値は,孔内(井戸内)での滞留を示唆 していることが明らかになっている。そのため,EC 計に パッカーを設置しているとはいえ,井戸内における滞留の 影響が考えられる。また,ピーク時の間隔時間が長くなっ たことから,観測孔1 を通過せず,迂回した水みちもある ことが推察される。 4. 分散係数の推定 4.1 支配方程式 密度依存を考慮した飽和-不飽和領域を対象とした浸透 の支配方程式は次式で表される18), 19)。
(
)
+ = + + r r K s i K j x r K s ij K i x t s C s S t c f ) ( 3 ) ( ) ( (4) ここで,
:圧力水頭,:体積含水率,Ss :比貯留 係数Cs():比水分容量,K :飽和透水テンソル,ijs Kr(): 比透水係数,c :濃度(0≦c ≦1,飽和濃度を 1 として正 規化),t:時間,f:溶媒の密度,
:流体の密度,r: 溶媒の密度に対する流体の密度比(
/f ),
(=1:飽和 領域,=0:不飽和領域),
:溶質の密度比である。 移流分散の支配方程式は次式で表される18), 19)。 c Q Rc c i V i x c j x c ij D i x t c R − − − = (5) ここで,R:遅延係数,iV:実流速,Dij:分散テンソル, c Q :源泉項, :減衰定数である。 本検討ではDtransu-2D・EL を用いた。これは,オイリ アン・ラグラジアン法による 2 次元飽和・不飽和浸透流-移流・分散解析プログラムである。本プログラムは,分散 と移流卓越の両問題に対して,オイラー法とラグラジアン 法を併用し,移流項を特性曲線法で求め,分散項を有限要 素法により算出することで数値分散や数値振動等に対す る数値安定性に優れている18), 19)。 4.2 解析概要 本解析では,前節で実施したトレーサー試験から得られ た経時変化を再現するようにパラメータを変化させ,数値 解析より得られた経時変化およびパラメータの値から試 験結果および分散長を評価した。解析モデルは飽和状態に ある洪積礫質土層を対象とし,図 16 に示すような平面 2 次元モデルを用いた。このモデルは,地盤は均質と設定し て放射状収束試験であることから,揚水孔を中心に半径 2.5m,中心角 15 度の扇形状のモデルである。 メッシュサイズは,数値分散の影響を抑えるため,流動 方向のペクレ数が2 以下となるように,縦方向を 0.3cm 間 隔,横方向を0.4cm 間隔でメッシュ分割した。 水理パラメータとして用いた値を表 3 に示す。透水係 数の値は揚水時のGL-12.5m からの全水頭値を,最小二乗 法を用いて観測誤差を考慮して算出した 7.47×10-4m/s を 用い,有効間隙率の値は,井戸内は100%で固定した。さ 表2 実流速・有効間隙率(Case-2) 算出区間 実流速(m/s) 有効間隙率(%) 投入孔 観測孔1/2 立ち上がり ピーク 立ち上がり ピーク GL-12.04 1_GL-12.1 1.14×10-4 6.52×10-5 16.7 46.8 1_GL-12.2 2.84×10-4 6.94×10-5 19.1 43.9 1_GL-12.3 1.73×10-4 7.22×10-5 17.7 42.3 GL-12.04 2_GL-12.1 1.71×10-4 5.94×10-5 29.6 61.8 2_GL-12.2 1.38×10-4 4.82×10-5 15.7 76.1 2_GL-12.3 1.07×10-4 5.15×10-5 10.3 71.3 らに,地盤内の有効間隙率は,表 4 に示すように前章の Case-2 での観測孔 1,観測孔 2 において顕著な応答が確認 された深度のBTC から算出した値の平均値を代表値とし て用いた。比貯留係数は第1 段階目の調査で実施した単孔 透水試験の結果から解析し,推定した値を用いた。また, 本検討で用いたトレーサーは,地盤への収着が無いので, 遅延係数は1.0 とし,分子拡散係数,屈曲率は既往の資料 を参考に設定をした20)。分散長に関しては,Neuman の経 験則21)より,スケールが1m の場合,縦分散長が 0.0175m とされているため,縦分散長は,その前後の0.008m~0.1m 間の6 パターンで入力した。また,既往の研究20)より縦横 分散長比は1/10~1/00 とされているため,縦横分散長比を 1/10, 1/50, 1/100 の 3 パターンで入力した。 境界条件は,モデル内周部に揚水時の水位,外周部は定 常井戸理論の式から投入孔,観測孔の水位が揚水時の水位 となるよう算定した水位を圧力水頭で水頭固定した。計算 方法は,時間刻みをクーラン数が1 以下となるように時間 間隔を1.0 秒と 10 秒で設定し,投入孔に試験時の投入孔 の濃度変化を,初期濃度を1.0 として与え,各観測孔での 濃度変化が収束するまで計算し,計算された濃度変化に試 験結果の投入孔部分の最大電気伝導率を掛け,電気伝導率 の変化で試験結果と比較した。また,解析での計算結果の 濃度0.0 の部分は,各深度において測定した試験開始前の 電気伝導率の値として試験結果と比較した。 4.3 解析結果 図 17~図 20 に解析結果を示す。試験値とのフィッティ ングが良好であった2 パターンを井戸ごとに示した。観測 孔1 では,縦分散長 0.02m, 0.04m のケース,観測孔 2 で は,縦分散長0.06m, 0.08m のケースである。本検討では, 観測孔1 では,GL-12.1m~GL-12.3m に,観測孔 2 では, GL-12.0m~GL-12.4m のように複数の深度を対象としてい るため,フィッティングをする際の目安を,対象としてい る深度のピーク時間の平均とした。図中に示している通り, 観測孔1 では,7215s,観測孔 2 では,18796s である。 観測孔1 では,縦分散長 0.04m の方が平均的なピーク時 間(7215s)にあっているが,GL-12.1m, GL-12.2m のピーク濃 度に関しては,縦分散長0.02m の方が試験値を再現できた。 観測孔2 では,縦分散長 0.06m の方がピーク時間(18796s) にあっているが,縦分散長0.08m でもよく再現できている と言える。 図16 解析モデル概要図 表3 水理パラメータ 透水係数(m/sec) 7.47×10-4 有効間隙率 (投入孔) 1.00 縦分散長(m) 0.008~0.1 縦横横分散長比 1/10, 1/50, 1/100 比貯留係数(1/m) 2.00×10-7 分子拡散係数× 屈曲率(m2/sec) 1.00×10 -9 遅延係数(-) 1.00 表4 有効間隙率(地盤) 井戸 深度 有効間隙率 観測孔1 GL-12.1m/GL-12.2m/GL-12.3m 0.44 観測孔2 GL-12.0m/GL-12.1m/GL-12.2m/GL-12.3m/GL-12.4m 0.69 観測孔メッシュ拡大図(8倍) 投入孔メッシュ拡大図(8倍) 要素数:19313 節点数:19976 既知水頭境界 既知水頭境界 r = 2.5 m θ= 15°
x y 既知濃度境界また,縦分散長は,観測孔1 よりも観測孔 2 の方が大き な値を得た。この要因として,移行距離が観測孔1 よりも 長く,これには,不均質により,観測孔1 を通過しないト レーサーの存在が含まれていると考えられる。また, Neuman の経験則21)では,移行距離1m の場合の縦分散長 は,0.0175m となることを踏まえると,本検討の縦分散長 はやや大きい結果となった。これは,対象層である砂礫層 が最大礫径 80mm 程度との比較的水みちを選択するよう な場であるためだと考えられる。さらに縦横分散長比に関 しては,既往の研究の通り,いずれも1/10~1/100 程度に概 ね収まった。 また,図 21 はトレーサーの流下距離と縦分散長の関係 を示しており,文献22 の図に試験値とのフィッティング が良好であった結果(図 17~図 20 の縦分散長)をプロット したものである。ここで,今回のスケールは0.5m および 1.0m とし,これは,数値解析において,井戸毎に分散長を 推定しているためである。また,図には,能美ほか6)同様 に,Gelhar のプロットより,回帰分析を実施し,得られた 回帰曲線(実線)および 95%の信頼区間(点線)を示す。今回 の結果は,信頼区間95%内となり,トレーサーの流下距離 と縦分散長の関係が概ね整合していると捉えられる。 図21 試験スケールと縦分散長の関係(文献22を参考に作成) 5. まとめ トレーサー試験の手法確立にむけて,試験井戸を用いた 原位置試験を実施した。以下に本研究から得られた知見を 示す。 (1) 原位置トレーサー試験では,試験サイトの水理地質 構造を理解した上で,観測井戸の設置位置や試験区 間を決定することが適切なトレーサー試験の実施に 必要不可欠である。そのため,既往研究調査,予測さ れる地下水流動方向に沿ったボーリング掘削と孔内 試験(コア観察,比抵抗検層,フローメータ―検層, 水理試験,流向流速試験,温度検層など),試験結果 の評価を複数回繰り返して実施することにより,試 験サイトの不明な点を順次明らかにしていく中でト レーサー試験対象区間を決定する段階的アプローチ が有効である。 図17 観測孔1での試験値と数値解の比較(縦分散長αx=0.02m) 図18 観測孔1での試験値と数値解の比較(縦分散長αx=0.04m) 図19 観測孔2での試験値と数値解の比較(縦分散長αx=0.06m) 図20 観測孔2での試験値と数値解の比較(縦分散長αx=0.08m)
また,縦分散長は,観測孔1 よりも観測孔 2 の方が大き な値を得た。この要因として,移行距離が観測孔1 よりも 長く,これには,不均質により,観測孔1 を通過しないト レーサーの存在が含まれていると考えられる。また, Neuman の経験則21)では,移行距離1m の場合の縦分散長 は,0.0175m となることを踏まえると,本検討の縦分散長 はやや大きい結果となった。これは,対象層である砂礫層 が最大礫径 80mm 程度との比較的水みちを選択するよう な場であるためだと考えられる。さらに縦横分散長比に関 しては,既往の研究の通り,いずれも1/10~1/100 程度に概 ね収まった。 また,図 21 はトレーサーの流下距離と縦分散長の関係 を示しており,文献22 の図に試験値とのフィッティング が良好であった結果(図 17~図 20 の縦分散長)をプロット したものである。ここで,今回のスケールは0.5m および 1.0m とし,これは,数値解析において,井戸毎に分散長を 推定しているためである。また,図には,能美ほか6)同様 に,Gelhar のプロットより,回帰分析を実施し,得られた 回帰曲線(実線)および 95%の信頼区間(点線)を示す。今回 の結果は,信頼区間95%内となり,トレーサーの流下距離 と縦分散長の関係が概ね整合していると捉えられる。 図21 試験スケールと縦分散長の関係(文献22を参考に作成) 5. まとめ トレーサー試験の手法確立にむけて,試験井戸を用いた 原位置試験を実施した。以下に本研究から得られた知見を 示す。 (1) 原位置トレーサー試験では,試験サイトの水理地質 構造を理解した上で,観測井戸の設置位置や試験区 間を決定することが適切なトレーサー試験の実施に 必要不可欠である。そのため,既往研究調査,予測さ れる地下水流動方向に沿ったボーリング掘削と孔内 試験(コア観察,比抵抗検層,フローメータ―検層, 水理試験,流向流速試験,温度検層など),試験結果 の評価を複数回繰り返して実施することにより,試 験サイトの不明な点を順次明らかにしていく中でト レーサー試験対象区間を決定する段階的アプローチ が有効である。 図17 観測孔1での試験値と数値解の比較(縦分散長αx=0.02m) 図18 観測孔1での試験値と数値解の比較(縦分散長αx=0.04m) 図19 観測孔2での試験値と数値解の比較(縦分散長αx=0.06m) 図20 観測孔2での試験値と数値解の比較(縦分散長αx=0.08m) (2) 温度検層では,試験区間内の井戸近傍の水みちの深 度を詳細に推定することができた。今回の試験区間 のように不均質性な砂礫層に起因して選択的な水み ちが存在しうる場合,温度検層の実施は比較的,正確 でかつ短時間で実施可能なため,有効な手法である と考えられる。 (3) 室内試験で検討した投入手法および評価手法を用い て,原位置トレーサー試験を実施した。地上にて実施 したアクリルパイプを用いた予備試験やトレーサー 試験の投入孔のBTC の結果より,室内試験で得られ た先端が鋭利な鋼棒を用いて,瞬間的に置換する(パ ルス入力を実現する)手法の有効性が確認された。こ の投入手法に関しては,準備が比較的簡単で安価で ある。 (4) 揚水した地下水と試験区間内の地下水の比重が異な り,試験結果に大きく影響することが明らかになっ た。この比重による違いは試験区間内の地下水は泥 水を含んでいるのに対し,揚水して汲み上げる地下 水は泥水を含んでいないことが要因のひとつとして 考えられる。しかしながら,トレーサー剤の比重を原 位置地下水の比重と同等に調整することは困難であ る。実流速を適切に評価するためには,あらかじめ, 比重の異なるトレーサーを用いた予備試験を実施し, 試験区間内の比重を確認したうえで,トレーサーを 作成する必要がある。また,比重の選定には,トレー サー試験(予備試験)で応答が確認された深度と事前 の温度検層により得られた井戸近傍の水みちの深度 との結果の整合性を考慮することが必要不可欠で注 意深く選定する必要がある。さらに,野外にてトレー サーを作成するうえで,気温の変化が大きく影響す るため,トレーサーの温度調整には十分に注意する 必要がある。 (5) 分散係数を移流分散解析によって算出した。パラメ ータとして入力する有効間隙率は,井戸間・深度によ って大きく値が異なるため,応答が確認された BTC の平均値を代表値として用いた。その結果,Neuman の経験則より算出した縦分散長よりも大きい結果と なった。これは,対象層である砂礫層が最大礫径 80mm 程度とトレーサーが比較的水みちを選択する ような場であるためだと考えられる。また,縦横分散 長 比 に 関 し て は , 既 往 の 研 究 の 通 り , い ず れ も 1/10~1/100 程度に概ね収まった。 試験水槽を用いた室内トレーサー試験および原位置ト レーサー試験を用いて,トレーサー試験の評価手法に関し て検討した。本検討では,不均質性という観点で比較的把 握が難しい砂礫層において,室内試験で得られたノウハウ を試験に適応し,試験を実施した。実地盤では,地下水の 比重に起因する影響が大きく,結果の解釈において容易で はないことが明らかになった。しかしながら,試験前に繰 り返しアプローチに基づき,サイトの水理的構造を可能な 限り理解し,適切な試験配置の下,地下水との比重調整に 留意して行うことで,試験サイトの物質移行特性の理解に 近づくことができた。 謝辞 本研究の一部は,文部科学省「英知を結集した原子力科 学技術・人材育成推進事業 廃止措置研究・人材育成等強 化プログラム」の採択課題「福島第一原子力発電所構内環 境評価・デブリ取り出しから廃炉までを想定した地盤工学 的新技術開発と人材育成プログラム」の支援により得られ たものです。関係各位に感謝します。 参 考 文 献 1) 下茂道人, 山本肇, 高原弘幸, Doe,T.: 釜石鉱山における非 収着性トレーサー試験研究, PNC-ZJ1205-98-001, 1998. 2) U.Frick, W.R.Alexander,, B.Baeyens, P.Bossart, M.H.Bradbury,
Ch.Buhler, J.Eikenberg, Th.Fierz, W.Heer, E.Hoehn, I.G.Mckinley, P.A.Smith: The Radionuclide migration experiment overview of investigation 1985-1990, NTB 91-04 National Cooperative for the Disposal of Radioactive Waste, 1992.
3) 武田匡樹, 石井英一, 大野宏和, 川手訓: ガスが溶存した地 下水を含む泥岩中の割れ目を対象とした原位置トレーサー 試験条件の設定に関する検討, 原子力バックエンド研究, Vol.25, No,1, pp.3-14, 2018.
4) 田中靖治, 細谷真一: 岩盤を対象とした原位置トレーサー 試験の現状, Journal of MMIJ Vol.124, pp.601-610, 2008. 5) 日本地下水学会: 地下水のトレーサー試験, 技報堂出版, pp.25-119, 2009. 6) 能美大希, 鈴木誠, 菱谷智幸, 竹内真司: 室内トレーサー試験 の手法と評価の基礎的検討, 地盤工学ジャーナル, Vol.16, No,1, pp.63-73, 2021. 7) 地盤工学会: 地盤調査の方法と解説, 第7編, 2004. 8) 三枝博光ほか: 超深地層研究所計画における地表からの調査予 測研究段階(第1段階)研究成果報告書, JAEA-Research 2007-043, 2007.
9) Takato Takemura, Minoru Sato, Takahashi Chiba, Yoshiharu Ito, Ayako Funabiki; Effect of sedimentary facies and geological properties on thermal conductivity of Pleistocene volcanic sediments in Tokyo, central japan, Bull Eng Geol Environ, DOI 10.1007/s10064-016-0856-8, 2016. 10) 竹内真司, 戸嶋優太:日本大学文理学部周辺の地下水流動に関 する検討, 日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要, No.52, pp.31-50, 2017. 11) 内田秀樹, 白石知成, 高本尚彦: 原位置地下水調査法の留意点 と建設現場での活用3.地下水位・間隙水圧の測定と評価, 地下 水学会誌, 第61巻, 第4号, pp.310-311, 2019. 12) 竹内篤雄: 温度測定による流動地下水調査法, 古今書院, pp.278-316, 1996. 13) 竹内真司, 鈴木誠, 後藤和幸, 齋藤裕己, 大瀧修平: トレーサー 試験のための水理地質構造の把握~水みち検層結果を中心に~, 日本地下水学会, 秋季講演会講演予稿, 34, pp.136-139, 2018. 14) 後藤和幸, 鈴木誠, 竹内真司: 不均質な堆積層中の水みちを探 査する温度検層装置の開発, 地盤工学会誌, Vol.67, No.7, pp.32-33, 2019. 15) 大瀧修平, 能美大希, 鈴木誠, 後藤和幸: トレーサー試験に
お け る 孔 内 流 評価, 日本地下水学会, 秋季講習会予稿, pp.56-59, 2019. 16) 能美大希, 鈴木誠, 大瀧修平: トレーサー試験における投入方 法の検討, 土木学会年次学術講演会, Ⅲ-400, 2020. 17) 能美大希, 大瀧修平, 鈴木誠, 竹内真司, 田岸宏孝: 原位置トレ ーサー試験におけるトレーサー剤の物理的性質に関する研究, 第55回地盤工学研究発表会, 2020. 18) 菱谷智幸, 西垣誠, 橋本学: 物質移動を伴う密度依存地下水流 の3次元数値解析手法に関する研究, 土木学会論文集, No.638/ Ⅲ-49, pp.59-69, 1999. 19) 西垣誠, 菱谷智幸, 橋本学, 河野伊一郎: 飽和・不飽和領域にお ける物質移動に伴う密度依存地下水流の数値解析手法に関す る研究, No.511/Ⅲ-30, pp.135-144, 1995. 20) 日本地下水学会: 地下水シミュレーション-これだけは知って おきたい基礎理論-, 技報堂出版, pp.94-103, 2010.
21) Neuman, S.P.: Universal Scaling of hydraulic Conductivities and Dispersivities in Geologic Media, Water Resources Research, 26, pp.1749-1758, 1990.
22) Gelhar, L.W., C. Welty and K.T. Rehfeldt: A critical review of data on field scale dispersion in aquifers, Water Resources Research, 28, pp.1955-1974, 1992.
お け る 孔 内 流 評価, 日本地下水学会, 秋季講習会予稿, pp.56-59, 2019. 16) 能美大希, 鈴木誠, 大瀧修平: トレーサー試験における投入方 法の検討, 土木学会年次学術講演会, Ⅲ-400, 2020. 17) 能美大希, 大瀧修平, 鈴木誠, 竹内真司, 田岸宏孝: 原位置トレ ーサー試験におけるトレーサー剤の物理的性質に関する研究, 第55回地盤工学研究発表会, 2020. 18) 菱谷智幸, 西垣誠, 橋本学: 物質移動を伴う密度依存地下水流 の3次元数値解析手法に関する研究, 土木学会論文集, No.638/ Ⅲ-49, pp.59-69, 1999. 19) 西垣誠, 菱谷智幸, 橋本学, 河野伊一郎: 飽和・不飽和領域にお ける物質移動に伴う密度依存地下水流の数値解析手法に関す る研究, No.511/Ⅲ-30, pp.135-144, 1995. 20) 日本地下水学会: 地下水シミュレーション-これだけは知って おきたい基礎理論-, 技報堂出版, pp.94-103, 2010.
21) Neuman, S.P.: Universal Scaling of hydraulic Conductivities and Dispersivities in Geologic Media, Water Resources Research, 26, pp.1749-1758, 1990.
22) Gelhar, L.W., C. Welty and K.T. Rehfeldt: A critical review of data on field scale dispersion in aquifers, Water Resources Research, 28, pp.1955-1974, 1992.
Study on a test procedure and evaluation in-situ tracer in sandy gravel aquifer
Assessment of a test method based on interactive approach
-Hiroki NOMI
1, Makoto SUZUKI
2, Shinji TAKEUCHI
3, Tomoyuki HISHIYA
4and Hirotaka TAGISHI
5 1 Graduate School of Engineering, Chiba Institute of Technology2 Department of Civil & Environmental Engineering, Chiba Institute of Technology 3 Department of Humanities & Sciences, Nihon University
4 Department of Geotechnical Engineering, Dia Consultant
5 Department of Nuclear Backend, Asano Taiseikiso Engineering Co., Ltd.
Study on a test procedure and evaluation in-situ tracer in sandy gravel aquifer
Assessment of a test method based on interactive approach
-Hiroki NOMI
1,
Makoto SUZUKI
2,
Shinji TAKEUCHI
3,
Tomoyuki HISHIYA
4,
Hirotaka TAGISHI
5 1 Chiba Institute of Technology, Graduate School of Engineering2 Chiba Institute of Technology, Department of Civil & Environmental Engineering 3 Nihon University, Department of Humanities & Sciences
4 Dia Consultant, Department of Geotechnical Engineering
5 Asano Taiseikiso Engineering Co.,Ltd, Department of Nuclear Backend
Abstract
In-situ tracer test has been carried out to examine the appropriate procedure and evaluation methods in sandy gravel aquifer. It is essential to understand the hydrogeological characteristics of the aquifer by applying an iterative approach in order to conduct a tracer test. The specific gravity of groundwater in the vicinity of the test section could be different from that of pumped groundwater used as tracer solution. It is found that test results have been affected by this difference. It is necessary to conduct a preliminary tracer test to determine the optimal specific gravity of tracer solution with characteristics of the tested aquifer in order to obtain appropriate results.