電気化学第29巻 嶺村,中島,三宮:カーバイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 317 状態におけるZn−Cd−Sn三元合金の熱力学的性質につ いて研究し,それとともにZn−Cd,Zn−Sn,Cd−Sn各二 元合金についても研究し,前述3)の蒸気圧測定による結 果ともあわせて検討した. この三元系では全域において,理想溶液および正則溶 液から正の方に偏い(椅)した性質を示すことが認めら れた.すなわち活量は三成分ともRaoultの法則より正 にずれた値を示す・したがって超過自由エネルギーは最 高530cal/mo1で全域正の値をとり,エントロピーは最 高o.55cal/deg.mo1だけ理想溶液の値を上まわり,た だZn−Cd二元系では実験結果は超過エントロピーがわ ずかに負の値をもったが,まず正則溶液とみなしてよい ものと考えた.混合熱は最高850cal/molで全域正の値 を示した・ 各二元系については,筆者らの蒸気圧測定による結果 および他の研究者との結果とも大体一致した・ 最後にP田kの一般式にしたがって,各二元系中の成 分金属の活量係数を表わす式,および三元系の各熱力学 的性質を表わす式を求めた. (昭35−12−26受理)
文献
1)M。Fiorani,V.Valenti,Gσ22.Cゐ加,1∫σ」85,1141(1955). 2)W.Ptak,Bθ7gα加吻雁θ(11−3),168(1959), 3) 幸塚善作,森山徐一郎,久島亥三雄,本誌28・456(1960)・ 4) ” , ” , 〃 ,本誌29,242(1961). 5) か , 〃 , 〃 ,本誌29,235(1961)・ 6) L、S Darken,∫A彫θγ,C加魍εoσ,72,2909(1950). 7) J。F.Eilliott, J。 Ch三pman, 774π5. F‘z7召4σ‘y Soc,57, 138 (1951). 8) OJ K玉eppa,∫,Phジs Cみθ”L59,354(1955). 9) 幸塚善作,森山徐一郎,久島亥三雄,本誌28,5Z3(1960)・カルシウムカーバイド粒子窒化反旛の顕微鏡による研究*
A Study of Azotation Phenomena of Calcium Carbi(le Particlesby Means of Mi¢rography
嶺村雄二林,中島恒雄**,三宮芳助**
Yuji MINEMuRA,Tsuneo NAKAJIMA,Yoshisuke SANNoMIYA1.ま えが き
石灰窒素は窒素質肥料であり,シアナミッド態窒素を 含有し遅効性であること,成分的に塩基性であ1)土壌改 良的効果をもつている上に殺虫農薬的効果をもっている など特別にすぐれた性質をもつ肥料である.石灰窒素は きらにシアナミッド工業の原料として最近ますます重要 な工業資材となりつつある。 しかし石灰窒素はその製造過程中カーバイド粒子が窒 化時に焼結し全体として一大焼結塊を生成するために生 産の機械化,自動化は困難となり製造工程の一大難関と なっている.他の肥料の近時目ざましい製造法の改善合 理化に対して,石灰窒素の製造法は長年旧態のまま放置 されている現状である・また石灰窒素の製品形態も黒色 微粉末状であるため,施肥に不便である上に均一散布が できず,他の肥料と同様に粒状形態に改善することが望 ましい.しかし,石灰窒素はその成分中に多量の遊離 CaOを含有しているため,これを完全水和してから造粒 しないと製品貯蔵中に造粒きれた粒子が大気中の湿気に より水和し膨張し崩壊する・この完全水和工程により・ 串 カルシウムカーパイド粒子の窒化反応,特に流動窒化法について(第 1報)0皿theAzotationReacti・n・iCalci・mCarbide Particles,especially on the nロidized Azotation(Re port1) 昭和35年10月10日電気化学協会北信越地方大会に『(発表. 纏 信越化学工業株式会社中央研究所(東京都大田区入新井3−60) 石灰窒素中のシアナミッド態窒素がアンモニア態窒素に 変化して散失するか,またはジシアンヂアミッドに変化 して有効窒素分の損失となり,このような方法による造 粒法は製品の価格を高騰せしめる・粒子状のカーバイド 原料を使用して回転窒化炉で窒化し粒状製品を製造する ドイツのクナップザック方式は,粒状製品を得ることが できる製造方法であるが,窒化工程中に粒子群が焼結し やすく操業困難であり,窒素固定率も低く生産能率も不 良であり,とくに窒化中の窒素成分が大粒子より小粒子 に移行するために,粒状製品の粒の大小により窒素成分 の偏析を生じ,均質な製品が得られないため肥料取締法 規の面より,わが国においてはただちに採用は困難であ る. この石灰窒素の製造法に流動反応を応用して,カーバ イド粒子を焼結せしめることなく窒化することが可能な らば,製造工程の機械化および合理化,製造原単位の低 減および原価の切り下げ,ならびに粒状品の製造が可能 とな1),その製造法およぴ製品形態改良面に飛躍的な効 果が期待される.従来よりカーバイド微粒子を浮遊させ た状態で窒化きせる浮遊窒化法1),または粒子を焼結さ せないために800℃程度の低温で多段流動法を利用した 流動窒化法2》など2,3の特許は見受けられるが・それ らのいずれも内容的にアィデア的なものであり,工業化 は困難で現在も実用化されていない・318 嶺村,中島,三宮:カーパイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 昭和36年 カーバイド粒子を流動窒化せしめるには,粒子の窒化 過程における窒化反応の反応律速,反応次数,反応速度 などに関する基礎的な研究,窒化過程における粒子群の 焼結する原因の究明と焼結防止のための対策,およぴ流 動法を適用する場合の流動窒化に関する特別な研究考察 などいろいろな研究が必要であるが,これらに関する文 献,報告は皆無に近い状態と思われる・ 著者らは以上の問題について種々の面より研究の結 果,それらの基礎研究に立脚して流動窒化法を可能なら しめる窒化の条件範囲を設定することができ,世界で初 めて工業的流動窒化法を完成することができた.本報文 はこれらの研究のうち,まず,カーバイド粒子の窒化過 程を顕微鏡を用いて観察した結果に関するものである・
2・実験装置および実験方法
2.1実験装置
この実験に使用した装置の全体の構成図を図1,真空 および窒化加熱炉の構成図を図2に示す.顕微鏡および 撮影装置はオリンパス金属顕微鏡MC型,アサヒフレッ クスπA型を使用した・ ←11 7一。 ←一 ・一一 t[03
4
8
2
1
⑨ スライダック(150W) 7=水銀圧力計 トランス(200W) 8:窒素留 真空炉(加熱水冷) 9;定圧装置 熱電対(A.C・) 10=精製窒素ガス インダクションコイル 11:真空ポンプ ガイスラー管図1実験装置構成図
⑧ ⑦⑥
卜
①
③
②④
⑤ ⑨ ⑩ ①カーパイド試料 ⑦モリブデン製シャッター 10×10x5mm直方休 ⑧ のぞき窓用透明石英板 ② 試料受台 ⑨ ゴムパッキング ③ 電熱線ボビン ⑩ 熱電対 ④ 顕微鏡ステージ ⑪ 排気,窒素ガス送入管 ⑤スプリング ⑫加熱用電熱線 ⑥ 試料押さえ用不透明石英板 図2 真空および加熱窒化炉の概略図2・2実験方法
ボールミル,クラッシヤで粉砕された工業用原料カー バイド粒子,これを静止法にて窒化した粒子,および流 動法一回転炉法により窒化した粒子について,それぞれ 常温において観察を行ない写真撮影を行なった・これを 実験Aとする. 次にカーバイド塊より10×10×5mmの直方体を作 り,流動パラフインにて表面をおおい試料作製後,ベン ヂンにてパラフインを除き,真空窒化炉にセットし, 10−2∼10−3mmHgの減圧下にて10min間に1000。Cま で昇温加熱を行ない,その後窒素ガスを大気圧よりわず かに低い程度(5−10㎜Hg)に送入し,無触媒にて 1000。C,150min間窒化を行ない,試料表面の変化の過 程を観察し撮影した.次に窒化停止後冷却した試料を分 割研摩して,窒化による変化の状態をきらに詳細に検討 した.これを実験B Iとする. 次に試料面に直径2mmの穴をあけ,その中に窒化用 触媒CaCl,(関東化学製品,化学的純品,無水物)を添 加充てんし,9Gmin間に10GO。Cまで減圧加熱後,窒素 ガスを送入して1145℃まで100min間窒化し,その変 化の過程を観察すると同時に窒化停止後冷却した試料を きらに分割,研摩して詳細に検討した,これを実験B五 とする. また同様に触媒CaF2を穴に充てんし,100min間に 1040。Cまで減圧加熱後,1170℃まで100min間窒化 し,前実験B豆と同様に窒化過程および窒化後の試料の 変化について詳細に検討した。これを実験B皿とする。 さらに窒化反応を伴わない場合の触媒の作用を観察す るために,試料としてカーバイドのみの場合(これを実 験C Iとする),CaCl・を添加した場合(これを実験 C五とする),CaF、を添加した場合(これを実験C皿 とする)の各試料をそれぞれ1000∼1190。Cまで減圧加 熱して,それぞれの加熱過程における変化と加熱停止後 の冷却した試料を分割してきらに詳細に検討した.これ らを実験CI,CE,C皿とする. いずれの実験においても,使用した窒素ガスは精製後 のものを使用し・窒化以外の反応たとえば酸化反応など の介入を防止するよう注意して実験を行なった.3。実験結果とその考察
実験Aの結果を写真1に示す.常温における原料カー バイド粒子および窒化した粒子の観察写真を写真1,A1∼6に示す・A1は30meshふるい上の原料カーバ
イド粒子(品位292」/kg)・の研摩面を示す・この写真よ り,これらは非常に不規則な形状の粒子群であることが わかる・これらの粒子を無触媒にて,1100。C,10h間静 止状態で窒化した試料の研摩面をA2に示す.A3,A4 は同一窒化条件で22h窒化した試料研摩面を示す.A電気化学第29巻 嶺村,中島,三宮:カーバイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 319 2,A3,A4の写真より,窒化反応は粒子の表面より始 まりしだいに粒子内部に多数不規則な形状で存在するカ ーバイド結晶粒の界面に進行し,または試料亀裂面から 30meshふるい上・292」’kg A1原料カーバイド粒子 A1粒子の静止窒化物 窒化条件 1100。C,22h 触媒なし 平均全窒素11・4弘,残留アセチレン73〃kg A3 ヵ一バィド粒子の窒化物 も進行し,その後はカーパド内の各結晶の中心に向かっ て四辺から窒化が進行してゆくものと観察される・カー バイド粒子を流動窒化炉により約80%程度窒化し,き A1の粒子の静止窒化物 窒化条件 1100。C,10h,触媒なし A2 ヵ一バイド粒子の窒化物 A3と同一条件の窒化物 A4 A3と同一種窒化物 流動一回転炉窒化物 A5と同一条件の窒化物 20meshふるい上粒子,触媒 CaCl21.0% CaF20.5%使用 未反応アセチレンの少ない粒子 未反応アセチレンの多い粒子 平均全窒素 19・2弘 平均全窒素 19.2% 平均残留アセチレン 23・4〃kg A5流動一回転炉窒化石灰窒素 A6流動一回転炉窒化石灰窒素 写真! 原料カーパイド粒子,窒化粒子の常温顕微鏡写真(実験A)
320 嶺村,中島,三宮:カーバイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 昭和36年 らに10%程度を回転窒化炉にて窒化した90彩程度の窒 化品の試料研摩面を写真A5,A6に示す。流動炉の特 性である粒子排出分布のため,窒化品中に残留アセチレ ン(末反応カーバイド残留分)の多い粒子と,窒化がよ り進んで残留アセチレンの少ない粒子が存在する.A5 とA6は同一窒化条件の試料であるが,A5は残留ア セチレンの多い粒子,A6は少ない粒子を示す,これら 加熱前の試料 B I1 の窒化品粒子群の平均全窒素は19・2%,平均残留アセ チレンは23.41/kgである.A5の写真より研摩面には 未反応のカーバィド結晶が多量に残留しており,A6の 写真より研摩面にはほとんど窒化した粒子すなわち石灰 窒素となっていることがわかる・この試料の窒化には触 媒としてCaC12LO%とCaF、0。5%とを混合して使 用したが,窒化の進行したA6粒子の表面は白い皮膜に 90min間で1050。Cまで減圧加熱した試料 B I2 60min間1030。Cで窒イヒした試料 B I3 で窒イヒぞ麦冷却し九試率そ
B I4
BI4試料の駅摩面 B I5電気化学第29巻 嶺村,中島,三宮:カーバイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 321 BI4試料の断面研摩 BI4窒化面拡大 B I6 B I7 写真2 カーバイド試料(無触媒)減圧加熱後1030℃窒化高温顕微鏡写真(実験B I) 包まれている・さらにこの白色層は粒子内の多数の石灰 窒素の粒子間にはいりこみ,粒子面をおおっていること が観察きれる・これらの実験による観察より,工業用原料 カーバイド粒子試料の形状は相当鋭角が不規則であるこ と,窒化反応は粒子表面および亀裂面より始まりしだい にカーバイド結晶の中心に向かい進行すること(顕微鏡 観察では窒化した部分は灰黒色で,窒化末反応の残留カ ーバイドは赤かつ色であるので,両者は観察により明瞭 に区分できる・),特に触媒としてCaCl2LO%とCaF2 0.5%とを混合使用した場合の流動一回転炉法による窒 化品のうち,窒化反応が90%程度完了した粒子の表面 は白色の皮膜に包まれている.そしてこの白色皮膜は CaC凡成分が割合に大であることなどのことがらがわ かり,窒化進行の過程をある程度観察することができ た. 実験B Iの結果を写真2に示す.無触媒にて減圧加熱 後窒化した実験の実験B工経過を図3に示す.経過時間 に対して撮影した写真1∼13のうち1,5,9,13をBI 1,2,3,4として示す。BI1は室温における加熱前の試 Q 認 喧 撮影写輿 番号1r 3’355’万■ 99’ 犯’ 45鱒’88’ 10蝉 減圧下加熱i, 1窒素ふんい気掴熱 1, B’13 L4毛4 きざトヘいヒ 過卸1 i O 20 4060 801①O L20140160 Q 20 40 60 80 1①0 120 140 160 180 200 220240 260 時 間 (min) 図3 無触媒にて減圧加熱後窒化した実験(B I実験) における温度一時間曲線 料,BI2は約90min,1050。Cまで減圧加熱,B工3は 1030。Cにて60min間窒化,BI4は10300Cにて15α min間窒化「後冷却した試料面の変化を示す・これらの 写真より無触媒にて1000。C程度で2hの窒化では試料 面に大きな変化は起らないことがわかる。またBI4 試料の実験時の窒化表面そのままのものをBI7に示 す.粒界は明瞭であり色調は灰色であるが,濃,中間, 淡色に分かれている、BI4の試料を冷却後窒化時の表 面を研摩したものがBI5である,この観察により窒化 加 熱 前 試 料 B H1 70miロ間に870。Cまで減F冊日熱 B H2
322 嶺村,中島,三宮ニカーイくイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 昭和36年 930。C 減圧停1L力口熱 B皿3 1125∼1145。Cにて60min間窒化 B丑5 1000。C減圧停止加熱
B H4
1125∼1145。Cにて100min間窒化Bπ6
B豆6の窒化した面の研摩 BH7と同一試料 B皿7 B H8 写真3 CaC12添加カーバイド試料減圧加熱後1130。C窒化高温顕微鏡写真 した粒子の間にカーバイド結晶の露出している状態がよ くわかった.またBI4の試料を縦に二分割して,その 分割面を研摩したものがBI6である.写真の光輝ある 疸線部分は窒化実験時の表面に相当し,光輝部分は斜方 光の反射による光輝であって窒化層の厚みはほとんど認 められない. 実験B丑の結果を写真3に示す・触媒CaCl、を添加 して窒化した実験B豆の実験経過を図4に示す,経過 時間に対して撮影した写真1∼19のうち,とくに変化の 著しい1,10,11,12,17,19を選ぴ,それぞれB皿1,2, 3,4,5,6として示す・B耳1は加熱前の試料,B皿2は 8700C減圧加熱中で試料表面に少し変化が現われる. B五3,4は排気を停止し減圧のまま加熱昇温したもの で,B豆3は930。Cにおける状態を示すが,CaCl2充電気化学第29巻 嶺村,中島,三宮:カーバイド粒子窒化反応の顕微境による研究 323 かヤ Q し 囲 鱒 撮影写真 番号 1 減圧加熱678910
1
141516 蜜素ふんい加加熱1718 19 排気区間 素 10 ふ ん い 70 区 β凧 30 10 20 40 60 8010
0
時 間(min)剛 図4 CaCI、添加,減圧加熱後窒化実験(実験B豆) の温度一時間曲線 てん穴周縁の盛り上がりと試料表面が溶融し沸騰状態を 示していることがわかる.B皿4は1000。Cにおけるも ので穴周縁の盛り上がり部分が粒状化していくことがわ かる.きらに昇温して1125∼1145。Cで約100min間窒 化したが,B皿5は窒化60min後の状態を示し試料表 面に黒色粒状物が肥大したことがわかる・B亙6は窒化 100min後冷却した試料表面を示す・この黒色粒状物を・ 削り取り,このものをX線回折により調べた結果 CaCN2,C,CaO,Ca(OH)2の存在が認められた.B皿6 試料の窒化した黒色表面層を研摩したものをB皿7に示 す.写真右上部に実験前より試料面の亀裂があるがB豆 8は特にこの部分を示す・B皿7では穴周縁の黒色層は. 窒化層であり,B■8より窒化は亀裂面からも進行しで いることカ∫わカ〉る. 実験B皿の結果を写真4に示す.触媒CaF、を添加 して窒化した実験B皿の実験経過を図5に示す.経過 時間に対して撮影した写真1∼16のうち1,9,11,15を 選びそれぞれB虹1,2,3,4として示す.B皿1は加熱 前の試料,B皿2は1040。C減圧加熱中の試料,B皿3 は1170。Cにて20min間窒化した試料,B皿:4は1170・ 。C,90min間窒化後冷却した試料の状態を示す・ この 実験では触媒CaCl、の場合におけるような試料表面の・ 顕著な変化は見られない。B皿:4の穴周縁の状態をB皿 5に示す.穴の底辺部に白色の層が存在しているが・こ の部分をきらに詳細に検討するためにB皿4試料を穴 熱 前 試 料BIH1
100min間に1000。Cまで減圧加熱B皿2
1170。Cにて20min間窒化B皿3
1170QCにて90min間窒化後冷却 B皿4324 嶺村,中島,三宮:カーバイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 昭和36年 異肝凹−T』 } 妻’ ハ蕪 B皿4試料の穴周辺 B皿5 穴底部白色層分割研摩面
B皿6
B皿[6と同一試料 B皿7白色層拡大 B皿7 B皿8 写真4 触媒CaF・添加カーパイド試料減圧加熱後11700C窒化高温顕微鏡写真(実験B皿) を中心に縦に分割し,表面を研摩し観察したものをB皿 6に示す.この写真より白色層はカーバイドの結晶層に 浸入している状態がわかる.B皿7はB皿6と同一の ものである,B皿8はB皿7を拡大したものである。 この白色層をX線回折により調べた結果CaF、,CaC、, CaCN2,Ca(OH2)の存在が認められた.Ca(OH)2の存 在は試料貯蔵中に生成したものと考えられる. 撮影写真 番号 1 (1,20 91,1 )1}0 90 認 70 .騙 50 30 12 減圧下加熱 14 0瓦2 − 1 ぴ 素ふんい気加熱 15 βi窒 1 1』1』 ・素一:ふ 0 o ll 掴 : :ん い 0 , β1双 冷 50 I , o 0 I o , 1 :茎 1 ll l I 1 11 2040 60180 10 0 4 60 Ol 3 5 9 11 15 時 間(min) 図5 CaF2添加,減圧加熱後窒化実験(実験BHI) の温度一時間曲線 実験CIの結果を写真5に示す・窒化反応を伴わな い減圧加熱だけの変化の観察(実験C)のうち,カーバ イドのみを試料とした実験CIの実験経過を図6に示 す,撮影した写真1∼11のうちからC I1,7,11をCI 1,2,3として示す.C I1は加熱前の試料,CI2は 加 熱 前試 料 C I1電気化学 第29巻 嶺村,中島,三宮:カーバイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 325 鞠 90min間に10100Cまで減圧加熱 C I2 撮影写真 番号 1,100
1
2
10300Cにて30min間減圧加熱 C I3 ハo
し 囲 蛸実験後冷却した試料 穴分割研摩
C I4 C I5 写真5 ヵ一バイド試料の減圧加熱1010。C高温顕微鏡写真(実験C I)9
705
30 100 3 5 7 。11 14 霊6 ,8 312 ● o じ ロ減圧下加熱トー議
減 圧 下 冷 去P 0 20 40 60 80 100 120 時 間 (miロ) 図6 無触媒,カーバイド試料のみの減圧加熱実験 (実験C I)の温度一時間曲線 1010。Cに90minで到達したときの減圧加熱試料,C I 3は1010。Cにて30min間減圧加熱した試料を示す・ これらの写真より大きな変化は認められず試料表面はわ ずかに黒色化しているが,これは試料調製時に試料表面 に生成したCa(OH)2が,加熱時に熱分解を起しH,O を発生し,このH20と試料のCaC、と反応してC2H2 面 が生成し,このC2H、がきらに熱分解してCを生成3)し たものか,あるいは款CaC2が10』2∼10−3㎜Hg程 度の減圧加熱時の熱分解により生成りしたものか,それ らの両者またはいずれかによって生成したCの析出によ るものであろう・減圧加熱後の試料を冷却したものを C I4に示す.きらに試料を穴を中心にして縦に分割し 研摩したものをCI5に示す。CI4,5の写真より穴周 縁にはなんらの変化も認められない・ 実験C■の結果を写真6に示す.触媒CaC1,を添加 充てんして減圧加熱した実験CHの実験経過を図7に 示す.経過を撮影した写真1∼16のうち特に変化のある C■1,10,13,16をC■1,2,3,4として示す.C皿1は 加熱前の試料,C五2は約70min間で735。Cに到達し た時の試料で充てんしたCaC1・が溶融した状態を示す. 900。C程度までは穴周縁が少しづつ盛り上がり始め, 900。C以上では盛り上がりがくずれ試料全面に小粒状物 が出現する.C■3は930。Cにおける状態示す.C皿4 は1010℃にて約30min閥減圧加熱したものを示す. この実験においては,減圧下の加熱だけのためCaCl2の 分解蒸発大なるためか,または窒化反応が伴わないため326 嶺村,中島.三宮:カーバイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 昭和36年 か,CaCl2を添加して窒化したB11実験時のような激 しい表面変化は起らない.加熱停止後試料を冷却し穴を 中心にして縦に分割した試料の研摩面をCH5,6に示 す・また分割試料の穴の底部をさらに横に再分割した試 料の研摩面をC∬7に示す。いずれも穴周縁に黒色層 が存在する.之の黒色層をX線回折により調べた結果, CaO,C,CaC12,Ca(OH)2の存在が認められたがCaC2 の存在は不確実であった.従来カーバイドの窒化触媒 CaC12の作用については,Kraseら5)および青野6)が CaC2の分解剤として説明されているが,CaCI2がCaC2 の分解を促進せしめる作用のあることは本実験によって も証明できることである.無触媒減圧加熱CI実験の写 真CI5と,CaC1,添加減圧加熱C皿実験の写真C皿5 とを比較すれば,前者はCを析出しておらず,後者はC 卜、「■ 加 熟前試料 C皿1 735。C減圧加熱CaClz溶融 C H2 930。C減圧加熱穴周辺盛り上がり C皿3 1010DCにて30m㎞間減圧加熱 C H4 試料の八縦断分割研摩面 C H5
電気化学第29巻 嶺村,中島,三宮=カーバイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 327 豆
写真6
と同 試料 C皿4試料穴底部横断分割研摩面 CH6 CH7 触媒CaC1、添加カーバイド試料減圧加熱1010。C高温顕微鏡写真(実験C H) 撮影写真番号1
2
1,109
) 90 翼 700 鳴 50 30 10 : l l 臼 1:且l : lI l llo : 00 0 00 一墜1 , 1ざ 1 。減 。 1圧1 冷0 20 40
3 8 13与?401名1416
1 1−111i60180
1100120 時 間 (min) 図7 CaC1,添加,減圧加熱実験(実験CH)の 温度一時間曲線 を析出していることよりCaCl,のCaC、分解作用は十 分了解できる.C皿5,7よりCaC2はCaC12により分 解してCを析出し,この分解はカーバイド結晶の粒界面 より内部に進行すると同時にC豆6より試料亀裂面から 加 熱 前 試 料 C皿1 も進行することがわかる.このように分解により,活性 に富む新しいカーバィド結晶面が絶えず露出すること, およびこのために反応界面の増大,また窒化時に生成す るCaCN,の存在による系の融点の降下などの原因によ り,特にカーバイド粒子の窒化の初期においては,窒化 反応速度が異常に速いという実験事実も了解できること と考察した。 実験C皿の結果を写真7に示す.触媒CaF,を添加 充てんし減圧加熱した実験C皿の加熱経過を図8に示 す.経過を撮影した写真C皿1∼14のうち,C皿1,9, 11,13をC]江1,2,3,4に示す.CI旺1は加熱前試料,C皿2は1005。Cに到達したときの試料,C皿3は
1100。Cにおける試料,C皿4は11950Cにて約10min 間減圧加熱した試料を示す.1195。Cで充てん穴内の CaF・は視界から消失する.この温度付近で溶融したも のと思われるが,従来CaC2−CaO−CaF2系の共融点は 1070。C7)ときれているが,この実験ではCaC2の穴に充 てんしたCaF、と共存するCaC、,CaOは穴の周囲にの み限定されるので,この場合主としてCaF、の溶融点を 約100min聞に1005℃まで減圧加熱 C皿2328 嶺村,中島,三宮:カーパイド粒子窒化反応の顕微鏡による研究 昭和36年 105min間にて1100。Cまで減圧加熱 C皿3 じ ドハと ドハ ノヒゆルこユペコドヘドパドじロ C皿4試料縦分割底部白色層
C皿5
1195。C10min間減圧加熱C皿4
C皿4試料研摩面C皿6
説継欄灘無蜥襲撫無、榊舗 。、.纈奮、㎜難灘鷹懸鴬蘇’、 C皿4試料穴底部横断分割研摩面 C皿7 の 拡 大 CHI7 C皿8 写真7 触媒CaF・添加カーバイド試料減圧加熱1195。C高温顕微鏡写真(実験C皿) 観察したと考えられるため,このような高温を示したも のと考える.加熱停止後試料を冷却し,穴底部の白色層 について試料を分割し検討した・C巫5は穴底部の臼色 層を示し,白色層はCaC、層に浸入していると同時に白 色層内にCaC2粒子が含まれていることがわかる.C皿 6は試料研摩面を示し,右方空間は充てん穴を示す・C 皿7は穴底部の研摩面,C皿8はその拡大したものであ る。この白色層をX線回折により調べた結果,CaF、, CaC2,CaO,Ca(OH)2の存在は認められたが,Cの存在 は不確実であった・これらの結果からCaF,の作用は, CaOの存在においてCaC2を溶融して新鮮なカーバイ ド結晶面を露出せしめると同時に,反応界面を増大せし電気化学第29巻 嶺村,中島,三宮:カーバイド粒子室化反応の顕徴鏡による研究 329 撮影写真 番号 1