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冷凍ラッテ筋肉の形態学的ならびに組織化学的研究

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Academic year: 2021

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(1)Title. 冷凍ラッテ筋肉の形態学的ならびに組織化学的研究. Author(s). 高野, 敬子. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. C, 家庭,体育編, 19(2): 90-98. Issue Date. 1969-01. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6519. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第二部C). 第19巻 第2号. 4年1月 昭和4. 冷凍ラッテ筋肉の形態 学的ならびに組織化学的研究 高. 野. 敬. 子. 北海道教育大学旭川分校家庭科教室 l △αorphologi 4usc stochemi caI Study on the Frozen △ e of Rats cal and Hi Ke iko TAKANO i H0me Economi ido Univer ikawa Br t t s c s Labora ory anch y of , Hokka , Asah kawa Educa i t on ‐ shi , Asahi. 言. 緒. 食品保蔵の手法中, 冷蔵, 冷凍処理は食品の新鮮度を保持するために, 極めて優れた効果を持 っ 1のように 冬季 生鮭を戸 ていることで知 られている. 古くか ら積雪寒冷地では, 例えばルイ べ* , , 外の寒気にさらし, 良好な保蔵結果を得てし・る, また市販されてい る冷凍食品も, 凍結処理と調理 が適当である場合, 鮮度の低下を全く感じさせない. 食品を冷凍処理 した場合の変化については, 多方面の研究分野で問題にされ, 多くの報告がなさ 9 195 ) が, 特に最大氷結晶生成帯における影響を調べ, 凍結が獣 れている, 獣肉については橋本 ( 19 59 ) は主 ている, 加藤 ( と理化学的性状とについて報告し 肉に与える組織学的構造の変化 ,1965 * 2 と して 食 品 工 業 的 な 面 か ら, 食 品 冷 凍 の 理 論 と 応 用 と に つ い て 述 べ, Love (1966) は主として魚 1966 ) 肉について, 凍結が筋肉構造に及 ぼす影響を綜括的に述 べている. しか しなが ら, 市川 ら ( がラッテの筋肉で行な ったような, 獣肉を組織化学的に研究した論文は少ないようである. 筆者はラツテの筋肉を材料とし, これに実験的に冷凍処理を施 し, 形態学的, 組織化学的変化を 調べたので, ここにその結果を報告する.. 実験材料と方法 殺 直 後 の ラ ツ テ 大 腿 部 筋 肉 を lcm 角 に 採 取 し, 冷 凍 処 理 を 施 した. 温 度 は -5 , 一10 , 一25 , 一72 oC の 場 合 だ け は 処 理 時 間 を 30 秒 の各 oC で, 日 数 は 1,5,10 ,30 の 各 日 で あ っ た. た だ し ー72. とした. 筋肉の入 った蓋付シャー レを各温度に調整 した冷凍室に入れ, 所定の日数静置することに よ っ て 冷 凍 処 理 が 行 な わ れ た が, ー72oC の 場 合 は ア ル コ ← ル ・ ドラ イ ア イ ス 系 で 行 な わ れ た, 処 理 後 は 直 ち に 4oC の 10 % 緩 衝 フ ォ ル マ リ ン (PH 7 に調整) で固定し, 常法に従い 7g の パ ラ フ ィ ン切片 を 作 製 した, 使 用 パ ラ フ ィ ン は 融 点 52~53oC の も の で ある, パ ラ フ ィ ン 包 埋 で は,. 脱水~包埋が試料の組織構造に与える人為的影響 が懸念されたので, あ らか じめ常法に よ る 場 合 と, 凍結乾燥包埋法による場合を比較し, 両者に大差のないことを確かめてか ら, 常法による包埋 の凍結切片と し, 脂肪染色に供した. 6 196 ) の方法に従っ た. すなわち組織構造をみるためのヘマ ト 切片の染色, 反応などは松本 ら (. を行な った. なお試料の一部は. 20g. ※ 1 ル イ べ と は ア イ ヌ 語 で 一 般 に生 鮭の 冷 凍 刺身 を 指 し て い る. , ※ 2 H T Meryman の 編 集 す る Cr l i o ogy (1966) で, 分 担 執 筆 し て い る, yob , .. (90).

(3) . 高. 野. 敬. 子. キ シリ ソー エ オ シ ソ 染 色, お よ び ア ザ ソ染 色, DNA の た め の フ ォ イ ル ゲ ソ・ 塩 酸 シ ツ フ 反 応 蛋 , 白 質 の た め の アク ロ レイ ン・ シ ツ フ 反 応, 多 糖 類 の た め の 過 沃 素 酸 シ ツ フ 反 応 (PAS) 脂 肪 の た , 1 1 めのズ ダソ 1 , ズ ダ ソ・ ブ ラ ッ ク ・B 染色などである. . 組織の形態的変化をみるためには, 更に切抜重量比較や, ミクロメーター使用の短径計測比較な 0で顕微鏡 撮影を し, フ ジブロマイ ド印画紙に 約5倍 に引伸 ども合わせて行なった, 前法は1ox2 ばして後, 筋実質部とその他の部分とに印画紙を切 り分け, デシケーターで充分乾燥 した後 重量 , 1 短径を7 xlo で 各 試 料 に つ き 50 個 ず つ ミ ク ロ〆 を測定 し, 100分比で示した, 後法は筋線維* , ‐タ ーで計り, その平均値を換算して示 した. なお氷晶を形成 した筋線維数を, 短径を計測した横 0個ずつ数えて, その有無を100分比で示した 断面切片ごとに, 各50 ,. 実験結果と考察 1 , 形 態 学 的 変化 -72oC で は 正 常構 造 を 保 っ て い た が, -5~ -25oC で は そ れ ぞ れ 特 有 な 変 化 が 認 め られ た す .. なわち獣肉の正常な組織には存在 しないところの, 空洞, 空胞, 嚢胞などがすべて 氷結晶形成跡と して存在 し, 処理温度や処理日数などにより, それらの大きさ, 形, 数などは異なるので, 組織が. 様 々 の “ひ ず み” を 受 けて い る こ と が わ か っ た.. ー5oC における筋肉組織 の形態的変化としては, 1日処理によって, 筋束を取り囲んで い る 周 囲筋鞘 が筋束よりやや離間し, この場に氷晶を形成 しているのがみられる. 同様に内筋鞘も筋線維 間を離開する. 結合組織部のこれらの変化に対し, 筋線維内には, より微細な氷晶が形成され, 正 常構造の筋 原線維の配列が小分けされているのがみ られる (図版 工 ) ,2 . 無処理の, すなわち 正 常 な筋原線維は, 筋線維内でコーンハイム氏フィールドを作って規則的に配列し, 筋線維膜 (筋鞘) に 包ま れ て い る が, 1 日 処 理 した も の で は-フ,イ ー ル ド間 に 間 隙 が 生 じ, 弱 拡 大 で も 充 分 識 別 で き る. ・分け状態が認め られ, 切抜重量比較では筋実質部が最大と なっている (第1表, 第1図) 5 日 , で筋束内の内筋鞘離開, 筋線維の圧迫変形, 筋原線維間の拡大, 筋線維の線状亀裂, 筋鞘の欠 損な どが見 られた, 筋実質部で急激な減少がみられるのに, 短径変化の減少がほとんどないのは 内筋 , 鞘離開の激しさを示すものと思われる. 10日では周囲筋鞘, 内筋鞘の氷晶形成が更に顕著となり , 筋束に空隙が増加して構造は密度を粗にし, その規則性を失う, 筋原線維間の亀裂の拡大のため , 1個の筋 線維に1 ~2本の線状亀裂が, ジグザグ型, あるいは並列 している割れ目を見るものと , 全く亀裂なしで圧迫萎縮像を示すものとがみ られた, 5日の場合はほとんどの筋線維にジグザグな 稲妻型の線状亀裂 がみられたのに対し, 10日には上記のように氷品の拡大による組織構造のひずみ の増加を知るこ とができた, 30日では周囲筋鞘, 内筋鞘それぞれの筋鞘の間隙が一層拡大離開 し , 筋線維内の氷晶 形成も大型化を加え, 甚だしい圧迫変形, 萎縮の像となる (図版 1 ) ,3 , また筋原 線 維 間 隙 は失 わ れ, コ ー ンハ イ ム 氏 フ ィ ー ル ドは 認 め られ なく なる. 計 測 に よ る 形 態 に お い て も ,. 処理日数の増加 は, 筋実質部や筋線維短径の減少を招き, 筋線縦や組織の著しい変形や萎縮をひき お こ した こ と を 示 して い る (第 1 図, 第 1 表),. 筋束の縦断面 では, 無処理の新鮮な筋原線維に は, 規則的にならぶ横紋が指摘できるが (図版1 1 , 8 ) , 凍結処理を施 したものでは部分的にその明瞭さと規則 性を失うようである, -5oC では, 10日 で横紋の不明瞭な無構造状態が見られ, 30日でその状態が更に顕著になっている 一部には全く横 , 紋の消失 した凝固変性様の筋原線維が見られたのは30 日 で あ っ た. た だ し30 日では部分的にでは あるが, 横紋の明瞭化部分も見られた. それは筋原線維の横紋間氷晶の増大によって分節がおこる 1 筋線維は食品組織学 (市川収 19 ※ ) に従った。 , 66.

(4) . 冷凍ラッテ筋肉の形態学的ならびに組織化学的研究. ) 多くみ られる (図版 口,10 ためであろう. 筋線維内氷晶周辺には明帯か らの分節 が多 . -looC で は, 一 般 的 に, -5oC30日 の 場. 合と同様に筋線維横断面の筋 線維内円形氷晶 の存在と, 筋鞘の破損がともに見 られること が特徴的であった, 1日では周囲・内筋鞘の 餅 網雀に線条亀裂 力強 く. , 真 , だ円形 ミ て見 られ カ 氷晶跡と し 円形の空洞や空胞など た. それ らの形は小 さく数は多い. 5 日 で は 周囲・内筋鞘 は1日の場合と大 差がないが, 筋線維内氷晶はその数を減じ, 大きさを増 し て筋原線維を圧迫し, そのため筋線維は変形 し,筋鞘は破損する,そのために一視野中の筋 鞘欠損数は増加している, ただ し1日と5日 の形態的変化は, -50C の場合ほど 激 し く なか った. 10日では周囲・内筋鞘の難 開 が 極めて著 しく, 筋鞘破損, 筋線維大空洞化, 圧縮 が激 しく示され, 氷晶の増大による組織 の破壊 が強い. 30 日 の も の に も 周 囲 ・ 内 筋 鞘 の氷 晶 形 成 に よ る 離 開 が 見 られ は す る が,. 凍結処理における筋線維の変化 第1表 第. 照り,島 国秀質1短 評 匡鰯儀. 試 )日) 温度ぐC T. 5E 一 - L. ▲. r. I OE … - o{ -・. ー. T 5・ -2 5 2 -. ー. 6 ‐ 36 ,0 45 ,7. ・. 57 ‐5. 32 ‐0. 57 ,0 55 ,6. 41 .2. 37 ,7. 39 ,6. 54 ‐1. 72 ‐5 60 ,6. 49 .1. 66 .4 67 .8 55 ‐6 57 ,0 50 .2. 39 ,5. 54 ,4. 44 .4. 48 ,3. 1. 39 ,5. 41 ,4. 87 .4 60 .2. . l. 66 .0. 5. 36 ,7. 10. 47 ,4. 41 .0 47 ,o. 79 ,4. 30. 38 ,4. 40 ,7. 86 .8. 66 .7. 54 .2. 36 ,4. 6 1 .8. 60 .7. 2 30秒 -7 2 7 一 対照)※ 無処理(対. 糸 3ヶ所 3ヶ所より採版した試料について計測した結果の平均 である.. 10日にく らべて筋線維内氷晶性空洞はやや縮. %. 6 0. 実 40. 2 0. 0. 1. 5. 0 3 0日 1. 0. 1. 5. 0日 1 0 3. 第1図 切り抜きによる重量比 (92). 0. ー. 5. 0日 1 0 3.

(5) . 高. 野. 敬. 子. 小し, 大きさがほぼ平均化する. 10日 に は見られなか った線条亀裂 小型空胞が新たに見 られ , , 筋線維萎縮は強く, 乾燥硬化様を呈する 処理日数の増加に伴う筋実質部の減少や 筋線維短径の , , 縮小が明らかに認められるが, その度合は-50C の場合ほど大きくはない (第1表 第1図) , . 縦断面の形態変化は, 1日では筋原線維間の縦長だ円形の氷晶連続形成によって筋原線維の分離 がおこ 1 ,り (図 版 工 ,11) , 5 日では横方向への増大が加わって筋線維は断裂し. , かつ筋原線 維 に は 分節が多く見られた. 横紋は明暗各帯間の離開のため明瞭さを増す 10日では更に断裂 が加わり, . 横紋の暗帯部より横方向へ, ステッ プ状に亀裂が入る 30日ではこの分離分節がますます顕 著 に , なり, 筋原線維は顎粒化する, 部分的には氷晶の大型化がおこり 萎縮した筋線維には横紋消失無 ,. 構造の凝固変性が見 られた. ただし -50C で 30日の場合のものとはやや状態が異なり, 幅が細く 上記の変性度は極 めて強度であった. -25oC で放置 したものでは, 氷晶による組織の破損が 他の温度の場合にく らべて軽微である , ことが先ず指摘される, 切り抜き重量や短径の変化も, 傾向性としては同様であ った が, その度合 は小である. 1日では周囲・内筋鞘は氷晶のため離開ぎみであり, 筋線維内の氷晶性嚢胞は, 凍結 処理時に表層であった部分に見られるのみである, 全般的にはコーンハイム氏フィール ド間を線条 亀裂が走り, 筋原線維の微細な分離状態がみられる (図版1 ) ,6 , 短径や切り抜き重量による筋実 質部の変化を, 各処理温度の同一時期で比較すると, -25oC 処理の場合が常に最強度の収縮を示 していることがわかる. このことは短時間凍結時の形態変化として注目すべき点と思われる. 5 日 では, 周囲・内筋鞘の離開度は1日の場合と大差はないが, 早くも顎粒状物の存在が見 られる. 1 日の場合の線条亀裂は, 5日で分節の方向へ拡大し, 筋線維を分断する, 縦断面にはまだ らな波状 の筋原線維のよ じれとなって現われ, 横断面では筋鞘の破損や欠損が多く認められ, 虫蝕侵害様の 形 態 を示 して い た, 10日で周囲 ・ 内筋鞘の離開は内筋鞘においてやや拡大し, 各筋鞘の頭粒状物. 質の増加が目立った. これは筋線維の破砕物が解凍時に移動したためと思われる, 筋線維そのもの の変形はほとんど無いが, 内部で筋原線維間が離開 し, コーンハイム氏フィール ドはその組織性を 乱されて疎密化する. 筋原線維はそのまばらな部分で頼粒化を, 密な部分では萎縮硬化状を呈して いる, 縦断面では, 筋鞘側で虫蝕侵害様像が, 5日の場合よりも増加 L, 中心近くでは, 微細な氷 晶性嚢胞の連続形成のために筋原線維の分離がおこり, そのためにスポンジ状化しているのが見 ら れる. 切り抜き重量や短径 が大となるのはこのためである. 横断面の嚢胞様氷晶は, 氷晶を形成L , た筋線維数が減少を示すほどに微細なものであることがわかる. 程度の差はあ る が,. -lo oC 30. 日, 一72oC30秒 処 理 で も 同 様 で あ っ た. 30 日では周囲筋鞘, 内筋鞘の差がなく 離開の度合が平 ,. 均化する. 筋線維の変形は極めて軽度であるが, 筋鞘が欠損Lているために, 筋線維の周辺には繊 毛虫状に筋原線維のはみ出 Lが見られる. 筋線維内の空胞は多くの場合, 筋鞘の近くに1個あり, その輪郭は, 横断面で四辺形を呈する. 縦横いずれの面においても, 筋線維には密度の差異 がまだ らに 作 られ, 横 断 面 の コ ー ンハ イ ム 氏 フィ ー ル ドは 全 く 失 わ れ る. 横紋は -25oC を 通 じて 30 日まで明瞭に認め られ その配列の規則性は失われて いないが. , , 多 孔状化の激 しい10日では, 波状よじれの部分で, 分節によって横紋が消失し, 30日では, 凝固変 性した部分で, 収縮によって横紋が消失していた, ー720C で は 30 秒 処 理L ただけであるか ら, 時間の延長の影響は調べ られないが 正常構 造 と ,. 比較すると, 組織構造の破壊はほとんど認め られなかった. ただし強拡大した場合に, 筋線維内外 に極めて微細な氷晶性嚢胞が多数形成されているのが, 明 らかにみられた, 氷晶を形成した筋線維 20C の場合はこれについで小 数が最小割合を示すの は, -5oC で1日処理した場合であるが, -7 さ い 割 合 を 示 して い る. 一 方, 無 処 理 (対 照) の も の よ り も 筋 実 質 部 の 増 大 した の は, -72oC,30 (93).

(6) . . 冷凍ラッテ筋肉の形態学的ならびに組織化学的研究. 秒処理の場合のみであった. 2 . 組織化学的変化 アザソ染色による冷凍処理の影響は次の通りであった, 対称では筋原 線維はア ゾカーミソ G と オ レ ン ジ G に染まり, 筋線維は澄 赤色を呈する, 筋鞘はアニリ ン B が染ま って, 青色を示す. -5oC 処理を行な った場合は,1日では対照のそれと大差がないが,5 日 で は オ レ ン ジ G の 弱 化, .ま だ ら に 呈 色 した. 10 日 で は ア の僅かな呈色があって, 筋線維はア ゾカ ーミン G と 1 963 ) ニ リ ン B の 呈 色 が 更 に 明 ら か と な っ て 示 さ れ る が,,30 日ではこの呈色むら, すなわち関t( G して赤紅 が ゾカ ン ミ 強く染着 のみ ど消 滅 し ア ー と 一 は ほ ん がいうところの構造 密度の不均 化 , アニリ ン B. 色を呈するようになる, 縦断面においては, 対照では明帯が澄赤色に, 暗帯は赤紫色に明らかに呈 色 す る の に 対 し, 30 日 で は こ の 明 確 さ が 低 下 して い る. た だ し 30 日処理の ものに見られる頭粒状 物 は 主 と L て オ レ ン ジ G に染まり, 澄赤色を示す. -looC で ア ニ リ ン B が 呈 色 し始 め る の は, ー5oC の 場 合 よ り も 少 し遅 れ, 10 日 以 後 の も の で あ る. 30 日 に 至 っ て も, 一 般 に は 10 日との大きな差異は認め られなか った. ただし冷凍処 理時に 表層であ った部分の筋線維に より多くのオ レンジ G と ア ニ リ ン B による染色の不均一化 が 見. , ) 出され, 凍結処理時の表面乾燥が構造密度へ及 ぼす影響を知ることができた (加藤, 1959 . -25oC 処 理 の 場 合 は 5 日 で ア ニ リ ン B が 染 着 した, 1 日 や 10 日 の 場 合 に く ら べ て 5 日の筋線 維は, 構造密度の著 しい変化を示 している, 先に述べたように, ー25oC は筋原線維の頭粒状化が 特徴的である が, 10 日 で は こ の 顎 粒 の 比 較 的 大 き い も の に は ア ゾカ ー ミ ン G, 小 さ い も の に は オ レ ン ジ G が 主 と して 染 ま っ て い る. 横 紋 の 分 節 離 開 部 で も オ レ ン ジ G が 主 で あ っ た. 30 日 で ア. 呈色順粒及び呈色部分は, ともに主としてオ レンジ G に, オ レ ン ジ G 呈色部分は アニリン B に, それぞれ呈色を示すようになる. なお筋鞘に近い筋線維周辺部は, オレンジ G と ア ゾ カ ー ミ ン G に 染 ま り, 中 心 部 分 は ア ニ リ ン B の勝 った色相を主として示す傾向もみられた. ゾカ ー ミ ン G. 縦断面では筋鞘に偏在して, ア ゾカ ーミン G の強く染まった無構造部分, すなわち凝固変性部分 が認 め られ た. 第2表 凍結処理における筋線維の組織化学的変化. k榛)園1憲 1寄附 耐震華 )園 闘鶏a ) 謝禽 試. 十. 汁. +. 廿. 十. ↓. . . g三表11 E 5 一 E +. + 10 」 -72 30秒. 無処理(対照). +. 一. 十. +. +. -. +. +. . . . . +. +. +. +. +. 汁. 十. 汁. 十. 十. 十. +. + 十. 汁. ↓. +. +. 十 +. 十. 十. 十 +. 十 +. 廿. 十. 十. +. +. 廿. +. +. +. +. 汁. +. +. +. +. +. +. 十. 十. ・十. +. +. +. +. +. +. 十. +. +. +. ↓. +. 十. 汁. +. . 十. 十. +. +. +. 十. +. +. +. 十. +. ↓ . -. 十. +. +. +. E 1圭 十. 十. 十. (94). 十 .. 十.

(7) . 高. 野. 敬. 子. ヘ マ トキ シリ ソ・ エ オ シ ソ染 色 に お け る 染 色 性 の 変 化 は o , エ オ シ ソの 場 合 は, ー5 C で は 30 日 に強い減少を示 した. 10日までの場合は 筋実質量の著しい減少のために 一視野中の染色 量 は , , 低下を示すが, 個々の筋線維は変形 濃縮のため 呈色相は低下を示さなか た 更に10 日 ま で っ , , , の場合は筋線維から流失するエオシソ陽性物質が 内筋鞘で液状物質として 呈色し 組織外への流 , , 失 の 度 合の 少 な い こ と を 示 して い る 30 日では組織が形態的に更に著 しく破損 しているこ と と . , 筋鞘に液状 呈色物質の認められないことなどによって 筋内容物の流失度の大きいことが推察され , る, ヘ マ トキ シリ ソ は正 常 な 場 合 は 筋 原 線 維 に は ほ と ん ど呈 色 しな い に も 拘 わ ら ず エ オ シ ソの , , 染色性が減少 している 30 日で 僅かながら呈色し 筋原線維の好ヘマトキシリソ化の傾向を 示 し. ,. ,. て い た, -looC で は 10 日でエオ シソ呈色の増加がみられた. 、 前述したように, 多孔状化の激 しい場合で あることから, 筋線糸 佳が小分けされて脱水濃縮し, 比較的強い色相を呈したものと考えられる, -25oC の 場 合 は, 30 日でエオシソ呈色度の低下がみられたことが特徴的である 周囲筋鞘や内 , 筋鞘部にエオシソ呈色液状物質や 顎粒の増加があることから 筋線維からの内容物流出が減少の一 , 因と考えられる, 加えて色相の変化は -5oC の場合とは異なり 筋線維の凍結脱水による 乾燥の , , ために起こったものと思われる ただし横紋消失の凝固部は鮮やかなエオシソ色相を示していた , . 核酸の変 化は -5oC で は 10 日で核内容物の濃縮が著しく クロマチンの核外移動が 僅かに認め , られ た. 30 日 で 崩 壊 した 核 が ヘ マ トキ シリ ソに 極 め て 微 弱 に 呈 色 し 痕 跡 を と どめ る 程 度 と な っ , , た もの が 認 め られ た, ヘ マ トキ シ リ ン呈 色 は 内 筋 鞘 部 の 核 の 破 砕 片 に も 僅 か に み ら れ た ーlooC , , の 場 合 も, 30 日 で は 核 が 崩 壊 し 核 酸 は 減 少 して い る -25oC で は 30 日で核膜欠損 歪曲 膨 , , , , ,. 化, 搬縮などの変形核の増加と 濃縮 圧扇の核の存在が認められたが 核質の核外移動は見 られ , , , ず, 減少の度合は少なかった . フ オイ ル ゲ ソ塩 酸 シ ッ フ 法 に よ る DNA の変化は ヘマトキシリンの受けた影響とほ ぼ 同 様 の , 傾向を示 した が, 量 的には稀薄化していた 特に -50C で 処 理 した も の に こ の 稀 薄 化 は 目 立 っ , . て い た, ア ク ロ レイ ン シ ッ フ 法 の 場 合 は, -5oC -looC で は そ れ ぞ れ 10 日 30 日に濃度の増加が あ , , り, 物質の濃縮化が起こっていることが推察される -250C で は そ れ と は 異 な り, 濃 度 の 増 加 は .. 量的な増大としてではなく, 反応色相の変化と して示される 筋肉蛋白質の脱水変性によるものと . 思 わ れ る が, こ の こ と は エ オ シ ソの 場 合 で 予 想 さ れ た よ う に 特 に 30 日 で 甚 だ しか っ た , ,. 過沃素酸シッフ法. AS) の場合は, 多糖類が. - C 処 理 の 1 日 と 5 日に増加し それ以 後 は , o 減 少 す る こ と, お よ び -25 C に は 総 じて 増 加 して い る こ と が 注 目 で き る 市 川 (1966) は 動 物 , ,. 組織の室温保蔵では, 組織内のグリコーゲンは乾燥状態でも組織融解 して9時間ごろから減少し, 12時間で失われると述べている 本実験では 凍結保蔵中に 融解によって多糖類の減少 が 起 こ , , , ることは比較的少なくて, 氷晶による組織の歪曲や破損のために一時 的に濃密化し, また流失のた めに減少するという結果がみられた. -5oC における多糖類の変化がその典型である. 最初正常な 筋組織には禰漫的に存在 している多糖類は, いずれの凍結温度でも日数の増加によ って 顎 粒 化 す る, 呈色は鮮明である. これは氷晶を生成した組織が脱水のため濃縮されるためと考えられる. 特 に -2 C ではこの顎粒は比較的明瞭に認められ, その大部分は筋線維内 に保たれている. 筋鞘破 oC 処理では筋線維外でもしばしば見 られた 周囲筋鞘や内筋鞘に PAS 損の甚だしい -5oC や -lo . 陽性の顎粒や液状物がみられるのは, 解凍時に筋線維内から移動するためであろうが, こ れ ら は o o -1ooC 処 理 の 10 日の場合が最も多く , -25 C で は 僅 少 で あ っ た. -5 C で は, 筋 鞘 な どの 離 開 度の強さと筋線維の破損状態から, 組織外へのかなりの量の流失が考えられる. (95).

(8) . 冷凍ラッテ筋肉の形態学的ならびに組織化学的研究. o 脂肪の変化としては, 核と組織の損傷の 大きい -5 C で, リン脂質の 減少が見られる. 中性脂肪 o が 出さ や脂肪球の量はほ とんど変化を見せなかったが, ー5 C では筋線維内への脂肪球の移 動 見 . れ, 氷結晶の増大に伴う氷結晶の圧迫の強さを示 していた (第2表) 約. 要. o 1 5 10 30 日の各日 数にわたり凍 ラ ッ テ 大 腿 部 筋 肉 を, ー5 , ー72 C の 各 温 度 で, , , , , 一25 , 一10. 結し, これらの凍結処理が筋肉組織に及 ぼす影響を, 形態学的, 組織化学 的に調べた. も筋線維 内外に形成した氷晶の影響 1 , 凍結処理中におこる筋肉組織の形態学的変 化は, いずれ でおこるが, その影響は凍結処理温 度, ならびに処理日数によって異なる. 1) - C の場合は, ①処理日数の増加に伴って, 筋線維内外の氷晶の大型化がみられ, ②形態 的損傷は各処理温度のなか で最も大きい, ③筋実質の減少の度合も最大である. 2) -2 5oC における筋肉組織の損 傷は, 処理温 度中, 最も少 ないが, 30日 間処理 した場合は, 筋線維に構造密度の不均一化がおこる. 3) -l ooC の場合は, 筋肉組織の損傷は中等度であるが, 30日で筋線維は 多孔状化する. 4 ) 凍結処理温度の いずれの場合でも, 各処理日数の増加は筋実質 量を減少させ, 氷晶面 積を増 大させる傾向をもつ.. o 0 破砕 筋線維の核は, -5oC で は 10~30 日で崩壊, 消失し, -25 C で は 10~3 日で変形, し, -looC で は 30 日で崩壊, 消失, 破砕する. びに日数が筋肉内容物にそれ 2 . 組織化学的変化も, 形態学的変化と同様に, 凍結処理温度なら 5). ぞれ特有の影響を与える. oC では ①凍結処理日数を増すことによって, 筋肉蛋白質の著 しい流失がおこる. ②筋 1) -5 , 線維の染色性は30日で好ヘマ トキシリソに変わる, ③ 核質, 多糖類の減少が, 各処理温度中最も 強度に見られる, 2) -l ooC では筋肉蛋白質, 核質, 多糖類の減少は中等度で, 筋線維間及 び筋束間に, それ ら の流出物 が認められる. 3) -2 5oC では筋線維内の多糖類の流出は少なく, 筋肉蛋白質の筋線維外流 出は顎粒以外 は 認 め られないが, 筋肉蛋白質の凝固及び顎粒化, 核質の濃縮が特徴的に見 られる. oC 30秒処理の場合は 筋肉構造の損 傷, 筋内容物の流出 はほとんど認め られない, 3. -7 2 , , 本研究は東北 大学農学部家畜形態学教 室において, 故市川収教授の指導 のもとに, 教室員の協力 を 得 て 行 な っ た も の で あ る. 献. 文 9 19 5 ) 加藤舜郎:食品冷凍の理論と応用, 上, 下, 光琳書院 ( , 196 5 ) 加藤舜郎:食品冷凍法, 恒星社厚生関 ( .. 橋本吉雄:凍結が畜肉の組織学的構造の変化並びに理化学性状におよぼす影響に関する研究, 北大農学部畜産製造 19 59 学教室 ( ) , 19 66 ) 市川 収:食品組織学, 光生館 ( . 19 66 7 ) 松本ヱミ子, 市川収, 星野忠彦:家政学雑誌, 1 . ,6(. d New York (1966) l i es s Me c Pr . o ogy ryman , London an , Academi , H. T.: Cryob. 196 3 ) 関 正次:現代組織学, 杏林書院 ( . (96).

(9) . 高. 野. 敬. 子. 冷凍ラッテ筋肉の形態学的ならびに組織化学的研究, 図版1 1 00倍) . 凍結処理肉の横断面 (約4 1 対照 ( 無処理 ) . 0 2 . -5 C, 1日処理 3 30日 処理 ク . oC 1 日 処 理 4 1 o - . , 5 30日 処 理 ク , o 6 , -25 C, 1 日 処 理 7 .. ク. 30日 処 理. 蝋. ”三一 = 滋 零 ・ま ‐ 聡器繋灘 \ 離 滋 薬. / ‘. \ 、 瀞 を. (97). 3.

(10) . 冷凍ラッテ筋肉の形態学的ならびに組織化学的研究 1 冷凍ラッテ筋肉の形態学的ならびに組織化学的研究, 図形1 0 0倍) ロ. 凍結処理肉の縦断面 (約4 ) 8 ( 無処理 対照 . つ 9 , 一5 C, 1日処理 o 10 . -5 C, 30日 処]型 D 11 . -1O C, 1 日 処 理. を 濯 ぎ ・ . . . ; rー r, ノ 〆 , . ; ,;. ノ ー ぎ争議 勝 鍵 霊園瀦藤 岡 連 ド ギ ぜ蒋 轡 鱈 総 連… 憂欝磨ぎザ ,. メメ. ′ 聾購 読 影響 継嗣 湖陵. (98). 30日 処理 ヶ 12 . -2ずC 13 . , 1 日 処理 30日 処 理 14 ク ..

(11)

参照

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