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総合的な学習の時間における地域素材の活用に関する研究-篠山市立今田小学校での実践を対象として-

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Academic year: 2021

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(1)           <論文要旨>. 総合的な学習の時間における地域素材の活用に関する研究.  一篠山市立今田小学校での実践を研究対象として一 兵庫教育大学大学院学校教育研究科教育実践高度化専攻 小学校教員養成特別コース.        M07343d        三浦一郎 1. 研究目的. 合的な学習における地域が指し示す範囲を明ら.  本論文における問題意識は、総合的な学習に. かにしながら、「地域リソース」を取り扱う意義. おいて、学習資源(リソース)を地域に求める. を確認した。. 際、地域との連携や協働が重要であるが、その.  次に総合的な学習における授業・単元構成モ. ための具体的な事例やその方法の検討に関する. デルに関して、「柔軟性」(f1exibi1ity)という観点. 研究が十分ではない点である。. に依拠しながら藤岡が提唱するr授業・単元デ.  篠山市立今田小学校において2008年度第5学. ザイン」モデルを取り上げた。単元デザインの. 年で行われた総合的な学習単元rワンダーラン. 具体的な方略として、「構想カリキュラム」と「学. ド!今日ヨ!」に焦点を当て、教師(学校)と地. びのカリキュラム」の2部から構成される寺西. 域の「ネットワーキング」の観点から総合的な. の単元デザインの手順と、「素材価値構造解釈図」. 学習におけるr地域リソース」の探究過程をフ. をべ一スにした佐藤・勝見の単元デザインの方. ィールドワーク及びエスノグラフィーの手法を. 略について検討した。. 用いて記述・分析し、r地域リソース」を活用す.  単元デザイン過程における「リソース」探求. るにあたっての仮説の生成を試みた。. 及びrリソース」選択の視点の重要性を導き出 した。. 2. 構成.  その上で単元デザインにおけるrネットワー.  本論文の構成は大きく分けて、(1)総合的な学. キング」の視点からのr地域リソース」の探求. 習における地域素材活用及び、学校と地域の協. 過程に本論文の研究の焦点を絞った。. 働に関する先行研究を行った第1章、(2)フィー. ルドワークの概要とエスノグラフィー、分節カ.  第2章では、研究方法としてのエスノグラフ. テゴリーの析出に関する第2章と第3章、(3)エ. ィーについて(1)テーマ設定、(2)フィールドに. スノグラフィーにもとづく仮説生成及び理論的. 入る、(3)人とかかわる、(4)ノートをとる(観. 考察を行った第4章、(4)全章を整理しつつ、成. 察する)、(5)話を聞く、(6)キーワードを見つけ. 果と課題をまとめた終章の四部構成である。. る、(7)素材を整理する、(8)テキストを書く、. のそれぞれの段階において重要だと思われる観. 3. 各章要約. 点を紹介しながら、大学院の教員養成プログラ.  第1章では、総合的な学習において、なぜ地. ムの一環として筆者が配属された篠山市立今日ヨ. 域を扱うのかという間いから「リソースに基づ. 小学校においてのフィールドワークの概要及び、. いて展開される柔軟な学習」(resource−basea. その主な対象であった総合的な学習単元「ワン. f1exib1e1eaming)という学習概念を参照に、総. ダーランド!今田!」の概要について述べた。. 一540一.

(2)  また、エスノグラフィーの理論的枠組みにつ.  としては「情報の冗長性」が挙げられる。. いては、金子郁容の「ネットワーキング」論及.   これは、岩田が社会科をr構造的知識の学. びrボランティア」論、ナン・リンのrソーシ.  習・科学知」、総合的な学習を「暗黙知・教養. ャル・キャピタル」論を援用するためそれらの.  の学習・体験知」と比較・区別していること. 理論にも言及している。.  とも符号する。. (2)カリキュラム編成過程における相互編集性.  第3章では、2008年度今田小学校第5学年の.   総合的な学習においては、教師一人が単元. 総合的な学習単元rワンダーランド!今田!」.  デザインするのではなく、地域の協力者との. における教師の「地域リソース」探求の様子を.  「相互編集性」が高まるとき、地域資源への. 参与観察し、当時担任であったG教諭、F教諭.  アクセスが容易になる。その際、「枝葉=ファ. の協力を得てインタビュー調査をおこなった。.  ジー」というモードと双方の願いが共有され. また、翌年09年度には本単元に関わった外部関.  た上での役割分担が重要視される。. 係者4名に関しても協力を得てインタビュー調. (3)ソーシャル・キャピタルの可視化による教育. 査を行った。そこで得られたデータをもとにエ.  実践. スノグラフィーを用いた分析を行った。.   総合的な学習で重要視される「地域リソー.  教師と地域の協力者との問で行われるrやり.  ス」は、r社会構造に埋め込まれた資源」とし. とり」という特殊具体的な事柄に内包されてい.  て存在している。r社会構造に埋め込まれた資. る普遍性・共通性に着目したところ、rゲートキ.  源」を発見・発掘するためには「ネットワー. ーパーとしての保護者」、r人材リストの脈絡性.  ク」及び「ソーシャル・キャピタル」の特質. に関する問題」、r人的なネットワークから地域.  を理解しておくことが有効である。. リソースを引き出す」、「新たな地域リソース『穴. 窯』の発見と探究」尊いくつかの分節カテゴリ.  第5章では、先行する各章での議論と知見を. 」を析出することができた。. 踏まえつつ、総合的な学習の単元デザインと「地 域リソース」の探求の関係について再度論じた。.  第4章では、前章で析出された複数の分節カ テゴリー間の関係を考えることで、仮説の生成. 4. 今後の研究上の課題. を行った。生成された仮説を述べるとともに、. (1)本研究を踏まえた教師の単元デザイン過程に. いくつかの理論的・実践的観点から検討を行っ.  おける意思決定に関する研究. た。生成された仮説としては、以下の3点が挙. (2)子どもエスノグラフィーを用いたアプローチ. げられる。. (3)アクションリサーチの手法を用いたアプロー. (1)「動的情報」を取り扱うための「エディット」.  チ.   総合的な学習においては、r動的情報」の特. (4)教育コミュニティ論からのアプローチ.  徴を有した「動的リソース」を明確に認識し  扱う必要がある。そのためにrコンパイル」.  と「エディット」という2つの異なる編集の  方法のうち、基本的には「エディット」の発  想を用いて単元をデザインしていく必要があ. 主任指導教員 前芝武史.  る。ちなみに「コンパイル」の特徴としては、  「情報の相互規定性」、「エディット」の特徴. 一541一.

(3)

参照

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