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日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与(第10報) : 北海道浦河町井寒台漁民の栄養調査

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Academic year: 2021

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(1)Title. 日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与(第10報) : 北海道浦河町 井寒台漁民の栄養調査. Author(s). 細井, 敬三. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. C, 家庭,体育編, 21(1): 1-6. Issue Date. 1970-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6536. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 21巻 第1号 第●. ・●. 北海道教育大学紀要 (第2部C)二. 昭和45年9月. 日本の勤労人民の栄養の諸問題に対する寄与 第10 報. 北海道浦河町井寒台漁民の栄養調査. 細. 井. 敬. 三. 北海道教育大学札幌分校生活科学研究室. Kei ibut ion to the Problems of Nut i ion of t zo HOSOI: Contr r wrorking peop1e i n Japan Repor t lo .. A. Survey on t he Nut I St i i f Fami l i t r ona atus. o esof. U k Fi i do shermen in lkantai , ra awa , Hokka. The present paper dea l ional status o f30f th a survey on the nutri t l i f s mainly wi ami eso 6shermen in lkant i ido a t rom Jul y31to Augus . Thesurvey wascarried outf , Urakawa , Hokka. 2 . ,1967 The results obt i l ional s f the asher t tatus o ol ows:1) The nutri a ned are sum marized as f ‐ ha l gets evenlowerinthecaseofthePoorer tl men i s generally on a very low level eve , and t ones .. l As a who ium and vi e ood ofthe 五shermen is poor ・n protein,fat tamins , caIC ,the f ,. lk cal ium, vi i l l poorer in animal protein of meat t tamins A and B2 more c and s , eggs and mi , d l h h i i f l l T f i i t cuary e amounts an qua ty o t er ood are not n accord wi th the principles par . 2) t th the featuresspeci6ctothe heavy work performed ・on and do not comply wi of rational nutr・. by the 6shermen during the sea tangle gathering season in summer .. 緒. ,. 言. 北海道の農民は低い栄養水準であり, 大きな栄養欠陥をもっており, 烈 しい農作業に適合した栄 養をとっていない. 農民のこの栄養の低水準と欠陥は, 農民の農夫症発生要因の一つであり, 健康 破壊の要因の-つである. 北海道の勤労農民は農業経営の面で一年一年苦しくなり 生活の面でも , )の指摘するところである それでは北海 苦 しみを増大している. 以上はわれわれの農民栄養調査1 . 道の漁民の栄養状 態と生活は どうなのか. 漁民も, 農民の場合と同じように, 漁業経営の面で苦 し くなり, 生活困窮化が進行 しており, 特に下層漁民の生活困窮化がはなはだ しく進行 して いる. 敗 戦後目立った沿 岸漁業の破壊は漁民の生活を困窮化し, 漁民の生活を破壊 し, 漁民を半失業状態に 転落させた. このような状況の下にあ る沿岸漁民の栄養状態はい ったいどんな水準にあるのか, ど んな欠陥があるのか. 漁民の健康破壊は どうなのか.. 本報は, 勤労人民の立場に立ち, 漁民のために服務するという思想観点に立うて, 浦河町井寒台 こん ぶ漁民の栄養調査を実施 し, その調査結果を報 告するものである. ‐調査なく して発言権なしと いう教えに した がって, 現地に赴き, こんぶ漁民の実際生活のなかか らこんぶ漁民の栄養摂取状態 を調査した..

(3) . i I C) f Educa i i t l ; a i do Uni ty t lof Hok on l on (Sec s Jouma ver ,o. I VO .I .21 , No. Sept ember l970. 本栄養調査目的はこん ぶ漁期における漁民の栄養摂取状 態を明 らかに し, 調査結果にもとづいて 漁民の栄養を改善し, 漁民の生活 と健康を守る事業のために奉仕するということにある.. 調. 査. の. 部. 1 . 井寒台漁民の概況 北海道日高管内浦河町井寒台という辺地漁村部落は, 日高こんぶの名産地と して世に知られ, 明 5年日本帝国主義敗戦まではこんぶもかなり豊富にと れ, 小和船でも 浜近くで魚も豊富 治以来194 にとれた. 井寒台の零細漁民は 漁業だけで細 ぼそなが ら生計を立てることができた. したがって多 くの漁家は専業漁家であ った. 敗戦後事情は変 わり, 沿岸で昔のように魚がとれず, 漁民は夏季2ヵ月のこんぶ漁だけでは生活 ができなくなった. 専業漁民は兼業漁民となり, 半失業漁民となり, さら に転落して失業者, 日雇 い, 生活保護者とな った. 漁民を漁業だけでは食 えないようにさせ, 転落させて兼業漁民, 半失業者や失業者, 日雇いに し たのは, い ったい誰か. 漁民を生活保護者に転落させたのは誰か. それは漁業大資本であり, 漁業 大資本の利益に奉仕する政府・自治体などの漁業政策であり, 零細漁民切り捨て漁業政策である,. という正しい批判がある. 漁業 大資本の大型 漁船は日高海 岸の漁場に侵入し, 漁獲をほ しいままに し, 魚類資源の保護育成 に対 しては一顧だにせず, とりほうだいに魚をとった. 大資本の大型漁船は, 最初は遠く沖合いで. 操業 したが, 漁獲を 追求 して しだいに沿岸近くにまで侵入し, とれるだけとり, 沿岸漁民の漁場を 荒廃させた. 井寒台の零細漁民は荒された漁場において小船で操業 しても, 漁獲量は年々減少する ばかりであった. かく して漁業だけでは食えなくな った漁民が続出したのである. これが, 戦前の 状況とは異な った敗戦後の井寒台の新 しい状況である. この種の状況変化は単に井寒台漁民部落に ばかり見られる現象でなく, 日高沿岸漁村にも, 全道沿岸漁村にも見られる現象である.. 和船に乗 ってこんぶ漁場に出てこん ぶを採取できる権利, すなわちこんぶ採取権を有 す る 漁 家 は, 井寒台部落180世帯のうち 半数の90世帯であり, その大部分は部落の中層以上の階層に属す る. こんぶ採取 権はないが, 拾いこん ぶの権利を有する貧困漁民がかなりいる. 貧困漁民からの転 落者として日雇い, 生活保護者や生活保護者と同 じ程度の生活困窮者が多く存在する. 井 寒 台 は 6 生活保護世帯をかかえる貧困辺地 漁民部落である. 180世帯のうち1. 30 7/15~9/ ) 以外の9ヵ月半は何を して働くの 井寒台漁民部落では年に約2カ月のこんぶ漁期 ( か. 浦河の中小企業に勤 務するもの, 日雇いの山仕事に出かける 男や主婦, あるいは漁船にのるや がどの世帯にも誰か1人 とわれ漁夫 (漁業労働者) , 不安定な日雇いにでる主婦, こうした男や女 ての専業漁民が現在では兼業漁民となり, 半漁民半失業者とな っている. 若い 以上見られる. かつ● ものは父祖のこんぶ漁を継承することを好まず, 都市に出て働くことを希望しており, どこの漁家. でも後継者難に悩んでい る. この後継者難現象は農村の場合とよく類似している. こんぶ漁は当代 の古いものによ って維持されており, 将来の発展は期待因難という実情である.. 経済面での都市と農村との矛盾, 都市と漁村との矛盾は, きわめて敵対的なものである. すなわ ち, 外国の帝国主義と日本の大ブル ジョ ア階級の支配している都市が 農村や漁村にたい して 残酷き わまる収奪を している, ということである. この都市と漁村との敵対的矛盾を本調査過程を通 して 具体的に認識することができた. 2 . 調. 査. 対. 象.

(4) . 第21巻 第1号. 北海道教育大学紀要 (第2部C ). 昭和45年9月. 調査対象は浦河 町井寒台のこんぶ採取権をもつ漁家30世帯であり この30世帯は井寒台の部落 , 会と漁業協同組合の選定によるものであり, 井寒台部落1 80世帯の中層以上の階層に属する世帯で ある, 3 . 調 査 期 間 1967 年 7 月 3 1日か ら8月2 日 ま で の3 日間. 4 . 調. 査. 方. , この期間はこんぶ漁の最盛期に当たる,. 法. 北海道教育大学札幌分校生活科学研究会の調査員 (学生) 15名で6 調査班を編成 し 各班は対 , 象漁家を毎日戸別訪問し, 世帯別記入方法と聞きとり方法を併用 して食事内容を調査した , 5 . 食品群別摂取量と栄養摂取量の計算 調査票にもとづいて世帯別摂取食品の種類と数量を 算出 し, さらに三訂日本食品標準成分表を用 いて栄養摂取量を算出した,. 調査結果および考察 1 , 食品群別摂取量 井寒台漁民1人1日当り食品群別摂取量は表1に示すとおりである, 表1 井寒台漁民1人1日当り食品群別摂取量 (g) 穀そのい 製品砂 も 類 類・ 糖 層 {上 寒 中 層 ロ i平 均 ) 米 作 農 民1 昭和45年目途の. 食糧構成基準. 油脂豆 類 大 豆 類 製 品他類. 宏 量. 432 78 19 13 46. 卵. 乳. 類. 類. 果実 海 菜 緑 その 他 草 黄色 類 類 調査期間. 37. 5 214 48. 23. 3 153. 30. 4 184 28. 動物性食品. 魚その 肉 介 類製 類 ・品. I 153 13. 430 131 20 10 39 14 146. 0. 431 105 20 12 43. 8 150. 7. 472 58 18 12 52. 5 65 14. 400 65 50 17 30. 85 25. 18 3 n 器. 野. 8. 0 18 204 20. 35 140 100 150 200. 1 ▲ 点口7” 967 ハ1 K Uワ ‐. 月31日~ 8月 2日 △1 7 9 66年. 7 J8 .29^ .3. 浦河町 井寒台 石狩当別 材木沢. 表1か らわかるように, 漁民の食品群別摂取量は, 一般的にいうならば 不均衡で低い 魚介類 , . 摂取量は150g であ って, 比較的に多い, これは当然のことである, この調査期間の限りではいも 類摂取量は105g で比較的に多い. この季節に自家栽培の じゃがいもがすでにでており これをと , っていたか らである、 摂取量の少ない食品群は, 肉類・卵類・乳類などの動物性食品, 緑 黄 色 野 菜, 油脂類などである, 表 1からわかるように, 漁民の食品群別摂取量は上層と中層とのあいだに 格差が見られる 肉 , , 類・卵類・乳類な どの動 物性食品, 野菜類, 果実類において, 上層は中層よりも摂取量が多い こ , れらの食品類の十分な摂取は, 副食をゆたかにするという点で, 栄養価の高い良質の動 物 性 蛋 白 質, ビタミン類, 無機塩類 (特にアルカリ性塩類) などの所要量を保障するという点で 栄養のバ ,. ランスをとるという点で, 食生活上重要なことである. 中層は肉類をと らず 卵類摂取 量 も 少 な , い. 下層漁民にいた っては, 見聞の限りでは, さらにひどい状 態である.. 漁民の縁黄色野菜摂取量の少ないことは注目に値する, こんぶ漁民でありながら こんぶをあま , り食 べないことも注目すべき点である, 漁民のあいだには自家栽培の野菜類・じゃがい もを食べるという良い習慣がある 狭い海岸地帯 . の北側にすぐ低い山がひかえており, この山の南斜面 に野菜畑があり 漁民は野菜類 豆類 じゃ , , , がいもを栽培している. 野菜類などの栽培は主と して主婦の仕事であり 栄養摂取上よいことであ ,.

(5) . ・一. 、 ,.. . ・. る,. Sep t ember1970. i 1 C) ion (Sec i i do Uni¥er t t l of Hokka ty of EdL on 1 ・ ca Jouma s. I VO ,1 .21 , No. .. . ●● ●. ● .ソトラ 有害食品添加物を数種類も含有する危険食品である魚肉ソーセー ジ・かまぼこ・イ ンスタ ーメ ンなどは, 60~70%の世帯で利用され, 危険食品, うそつき食品である粉末 ジュースもよく利 用 さ れ て い る,. )とを比較する・ ・ 漁民は魚介類を多く食べ, と, 食品群別摂取量について井寒台漁民と材木沢農民1 かつ牛乳をとるが, 農民は魚介類摂取量が少なく, 牛乳をと らない. 農民は漁民より卵を多く食 べ. る, 緑黄色野菜摂取量では 漁民は農民に比較すると, 極端に少ない. その他の食品群では漁民と農 民とのあい だに大差がない, 漁民に しても農民に しても, 彼らの摂取食品はいずれも, 食糧構成の面から検討を加えると, き わめて低い水準といわざる をえない. 2 , 栄 養 摂 取 量 )との栄養摂 井寒台漁民の成人1人1 日当り栄養摂取量は表 2に, 井寒台漁民と道南大成村漁民2 取量の比較は表3 にそれぞれ示すとおりである.. 表2 井寒台漁民成人1人1日当り栄養摂取量 (成人単位) 熱. 蛋 総. 量. 量. 動 物 性. g. g. Ca l. 上 中 平. 層 層 均. 白. 2 」7 ,6 38 ,511 89 4 8 3 1 2 2 4 2 7 , .6 , 8 6 O 3 5 2 4 9 2 , ,2 ,. 表3. 動蛋. 脂. 炭 力 水化 ノレ. 比. 質. 物. %. g. g. 6 ,2 36 ,5 ,7 43 1 .3 ,I 38 ,3 28 3 .9 40 ,9 32 ,4. A I .U,. ・ シ ウ ム. n lg. A.. カチ ソ 口、. A. B,. 効, mg ,力. 456. 248. 340. 810. 472. 207. 178. 417. 464. 228. 259. 614. B2 mg. 610 1 ,45 0 ,83 317 1 ,38 0 ,68 464 1 .42 0 ,76. 70 54 62. )との1人1日当り栄養摂坂量の・ 比較 井寒台漁民と道南大成村漁民2. 熱 量 l Ca. 井寒台漁民 大成村漁民. 餅 肌 醗 伯 g. 質. 2 ,148 2 ,140. 蛋. 脂. 炭水化力. 白 質. 質. 物. g. g. g. 79 ,6 76 ,O. 29 ,5 16 .9. 391. ノレ ・ ン ウ ム. mg 288 251. ビ. 、. A I .U,. A 178. カチ ソ 口、 417. タ. A. 効 力 317. ミ. ソ. B.. B2. r l l g. mg. mg. 0 .68 0 ,88. 65. 1967. 38 ,6. 1957. 1 .23 1 ,13. , C. 表 2か らわかるように, 井寒台漁民の栄養水準は, 上層であろうと中層であるうと, 成人漁民に たい しては低水準 であり, 蛋白質, 動物性蛋白質, 脂質, カルシウム, ビタミンA, ビタミン B2. な どの摂取量はいずれも低い, 、勤労人民に奉仕する蛋白質最適基準学説は, 井寒台漁民の栄養摂取 量がこんぶ漁最盛期という事情の下ではきわめて低い, と判断する,. ●か らわ か る よ う に 栄養摂取量について上層漁民と中層漁民とのあいだに 格差 が 見 ら れ 表2 , ,. る. 上層漁民は中層漁民に比 較すると, 動物性蛋白質, 特に肉・卵・牛乳蛋白質, 脂質, ビタミン A, ビタ ミ ン B2 , ビタ ミ ン C な どの 摂 取 量 に お い て か な り ま さ っ て い る, 上 層 漁 民 は 中層 漁 民 よ り. も, 収入も多く, 生活水準もより高く, 栄養摂取水準もいく らかまさ っている. とりを行 下層漁民は調査対象と しなか ったが, 著者 らはこれを戸別訪問 し, 食生活について聞き・ 生活水準よりも低い 考 え られ と な った. ひろいこんぶの下層漁民の食生活水準は中層漁民の食 , る,.

(6) . 2 1巻 f第1号 第●. ・. 北海道教育大学紀要 (第2部C). ・. 昭和45年9月. 表3か らわかるように, 井寒台漁民の栄養摂取量も道南槍山海岸の大成村 漁民の栄養摂取量もと もに, 彼らの生活と労 働の条件では低水準である, と考えられる. 井寒台漁民の栄養摂取量は こ , んぶ漁最盛期の特殊環境の下でこんぶ漁という重労働に従事する漁民にとって 低水準 も 甚 だ し , い, という断定を下 した理由について突込んだ考察を加えよう ,. 1 ) 特殊 自 然環 境 (. 7月, 8月真 夏の海浜での炎天下, 直射日光の照射が強く 特に紫ク ト線が強烈であり, 砂浜での , こんぶ天日乾燥作業時には反射光線 も強烈であり, そのうえさらに潮風が吹く, 2 ( ) こんぶ漁という特殊労働. 小和船に男1人乗り, 個人のこんぶ採取経験と採取技能に依存し, 力量の強いものは船満杯採取 する, 波浪に翻弄されなが ら, 岩礁をじょうずにさけて小和船をあやつり, 先を争い, .揮身の力を. 出してこんぷをかき取る. このようなこんぶ採取は危険のともなう, 勇壮な男子漁夫の重労働であ る.. . ,. 海水につかりなが らこんぶを和船からおろす作業, こんぶをたばねて肩にかけ, 砂浜の乾燥場ま で運搬する作業, 炎天下の砂浜でのこんぶ天日乾燥作業, これらの作業は主婦を中心と した家族の 作業である, こんぶを鎌で切断し, 整理分類する作業, さらに乾燥する作業, これは家族全体の主 として屋内作業である, 3 ( ) こんぶ漁期の特殊な生活時間内容. 通常10~12時間労働, 人によ っては14時間以上の労働, 短い睡眠時間 (約6時間) , 短い食事 時間と短い休息時間 (計3~4時間) 主婦にはこのほか炊事 こんぶ漁で汚れた衣服 の 洗 濯,、掃 . , 除, 育児などの仕事があり, これらがすべて主婦の肩に重くかかる. こんぶ漁期における主婦の労. 働時間は男子 (主人) より長く, 睡眠時間は家族のうちで特に短い,. こんぶ採取日には漁民は午前3時ごろ起床, 5時ごろの合図でいっせいに ・出漁し, こんぶ漁の勇 壮な戦いが開始する, 午前中にこんぶ採取を終 え, 天日乾燥に移り, 夕方まで乾燥する. 天日乾燥. 中炎天下でこんぶを返す作業を何回かする, 夜間雨のおそれのあるときは, こんぷを倉庫に搬入す る,. こんぶ採取のない日には, こんぶの乾燥, 切断, 整理分 類な どの作業を行なう, 鎌による切断, 整理分類はすべて手作業であって, 通常屋内で行なうが, 一部の漁家では日陰で行なう, こんぶ採 取は毎日行なうわけではない, こんぶの豊漁と不漁はだいたい一年交替である,7月 30 日か ら8月. 10 日までの1 1日間, 過去数年間のこんぶ採取日数は3~5 日 で あ っ た,. 7月下旬~8月中旬) の特殊環境の下に おけるこんぷ漁民たちの仕事と 以上がこんぶ漁最盛期 ( 生活時間内容である.. 最適蛋白質基準 学説の観点から漁民の栄養摂取量を検討するならば, こんぶ漁最盛期における漁 民たちの長時間の特殊労働にたいしては, 中層漁民の栄養摂取量ではもちろん不足であり, 上層漁. 民の栄養摂取量をもってしてもなお不足である, 下層漁民の場合は栄養不足もはなはだ しく, 一部 のものはまさに栄養の半飢餓水準ないし飢餓水準である.. 多忙なこんぶ漁期がすぎると, こんぶ漁期ほどの多忙さはなくなるが, 漁民は出かせぎにでる, 大部分の漁民は兼業漁民, 半失業漁民であって, 低所得であるので, こんぶ漁期でも, こんぶ漁期 がすぎても, 栄養を十分とることが できず, 身体を十分休養させることもできない かく して, こ , んぶ漁民は健康を破壊する, 極端な低栄養水準や長期の低栄養水準は労働力破壊の要 因, 健康破壊 の要因の一つである..

(7) . l Vo ,21 ,I , No. i i I C) lof Hokka do Unive i i t t ty of Educa Journa on l r on (Sec s. Sept ember l970. 括. 総. 0世帯のなかでこんぶ採取権を有する90世帯のうちから, 1 , 日高管内浦河町井寒台漁民部落18 67 年こんぶ漁最盛期にある7月 31 日 か ら 8月 2 30世帯 (中層以上の漁家) を対象として選 び, 19 日まで, 世帯別記入方法と聞きとり方法の併用によ って栄養調査を実施 した, 2 . 夏季約 2カ月 のこんぶ漁期には, 漁民の特殊作業を 含む長時間労働, 漁業労働に不適合の栄 養摂取, すなわち体内消費エネルギーおよ び消費物質と栄養摂取量とのあいだの不均衡, 睡眠時間 不足, 休息時間不足, 疲労蓄積などが見られた. これらは漁民の労働力を破壊 し, 健康を破壊する 要 因 と な っ て い る,. 3 , 井寒台の漁民の栄養摂取水準は一般にはなはだ低い. 井寒台の上層漁民ですら低栄養水準で. l 500Ca あ り, 2 , , 低蛋白, 低脂肪, ビタミン不足という低栄養水準をもって しては, こんぶ漁最盛. l以上) と体内消費物質を補充するこ 3 00OCa 期における漁民成人男子1日の体内消費エネルギー( ,. とはできない. いわんやこんぶ採取権のない, 拾いこんぶの下層漁民やその他の困窮者などは, こ んぶ採取権のある漁民よりもさらにいっそう低い栄養摂取水準であり, いわゆる栄養の半飢餓水準 で あ る.. 栄養調査と同時に行なった, 医療関係者による健康調査の結果は, 農民における農夫症と同じ症 状が漁民の場合にも顕著に見られる, と指摘 し, さらに漁民の健康破壊と低栄養水準とのあいだの 緊密不可分の関係を強調した. 4 . 破壊をうけて衰微しつつある漁業や隔年のこんぶ不漁は, 漁民に生活難をもたらしたし, い まももたらしている. 生活難, 漁業の前途不安は漁民の苦悩を増大させている,. 井寒台の生活保護世帯数の増大 (保護率90%) は井寒台漁民部落の窮乏化の確固と した, 明白な 証明である, 井寒台漁民の労働力破壊と健康 破壊の重要な物質的要因の一つは, 漁民の栄養摂取の 極端な低水準である,. 終りに臨んで, 本栄養調査を準備 し, 実施する過程において, 北海道教育大学札幌分 校 学 生 諸. 君, 北海道勤労者医療協会浦河診療所, 井寒台部落会, 井寒台小学校, 浦河漁業協同組合, 浦河保 健所, 浦河町役場な どの協力援助を受けたことにたいして, 深謝の意を表する, 文. 献. 1 96 8 ) 1 . , 19 , 1号, 1( , 細井敬三:北海道教育大学紀要 (第二部C) 6( 9 6 1 0 9 1号 ) 2 阿部捨次郎:日本農村医話 , , , , ,. (6).

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