• 検索結果がありません。

<エッセイ:関学英文の思い出>芝生と図書館

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "<エッセイ:関学英文の思い出>芝生と図書館"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

<エッセイ:関学英文の思い出>芝生と図書館

著者

山内 政樹

雑誌名

英米文学

59

2

ページ

109-110

発行年

2015-03-15

URL

http://hdl.handle.net/10236/14593

(2)

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!! !! !!! !! !!! ! ! ! !!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!! !! ! !!! !! !!! !! !!! ! 関西学院大学文学部英文学科で 4 年間を過ごし,大学院で 5 年間,さら に研究員として約 5 年間を過ごした。ふりかえると人生の多くの時間を関 西学院で過ごしたことになる。15 年近くあった学生時代の多くの時間を, 私は上ヶ原キャンパスにある芝生と図書館で過ごした。 昔見た海外ドラマの影響なのか,大学には芝生があるものという刷り込み が幼い頃よりあり,上ヶ原キャンパスの中央芝生に惹かれて入学した。英文 科を選んだ理由は,単純に英語の成績が良かっただけで,然したる目的があ ったわけではない。中学・高校を通して文学作品はおろか,本を読むという 習慣が全くなかった。そんなわけで教室で過ごすより大学生活の多くを芝生 の上で過ごすことになった。芝生で遊んだり,友人と話したり,本を読んだ り,ぼーっとしたり,タバコを吸ったり(当時は喫煙可)など,思い返せば 決して褒められた学生ではなかった。何となく 2 年間を過ごし,ゼミに配 属されると少し意識が変わった(ような気がした)。ゼミで文学作品に英語 で直接触れる機会が増えると,その魅力を少しずつではあるが,理解できる ようになった。ただ,文学作品そのものより,作品を論じた評論文の面白さ に目が向くようになった。これは現在でも変わらない。 卒論を終え,無事大学院に入学したが,何をすればいいのか,どう研究す ればいいのか皆目見当がつかず,しばらくの間,身動きが取れない状態にあ った。大学時代の友人の多くが就職し,友人との会話にずれを感じるように なって,大学院入学を後悔しながら,またもや芝生の上でぼーっとする時間 が増えた。ただ 2 年間という短い時間の中で何かをしなければならないと いう思いは常にあった。大学院の授業では,多くの先生方が「とにかく英語

芝生と図書館

山 内 政 樹 (1999 年度 B, 2001 年度 M, 2004 年度 D) """""""""""""""""""""""""""""""""" 109

(3)

を読みなさい」という話をされているのを何度も耳にして,その言葉に従う ことにした。それからは芝生ではなく,図書館で多くの時間を過ごすことに なる。大学院の 5 年間で,できるだけ多くの文献を読むことに集中し,薄 暗い図書館の地下で多くの時間を過ごすことになった。図書館地下の雑誌が ある書庫に通っては,Thomas Hardy を論じている論文や『パンチ』など の 19 世紀に出版されていた雑誌の記事をコピーしては読み,またコピーし ては読みを繰り返し行った。一般企業の事務職員よりコピーをした記憶があ るし,コピーをしているのか,文献を読んでいるのかさえこんがらがるほ ど,図書館にこもっていた。 思い返してみると関西学院大学英文科で過ごした多くの時間は,本との対 話であり,自分自身との対話であったように思う。考えの合わない本,何を 言っているのかわからない本,読後に感動を覚える本など,さまざまな言葉 を通して自己形成を行なった貴重な時間であったと思う。Robert Scholes が「読むという行為は自分自身を読む(知る)という行為である」と書いて いたが,私にとっても同様であり,またそれ以上かもしれない。本を通して 入ってくる言葉や思想,思考が私の中で蓄積され,消化(昇華)され,新た な自己を形成していく糧となる。また,本だけではなく,英文科の先生方と の飲み会も貴重な自己形成の機会であった。飲みの席ではあるが,そこでの 先生や仲間との何気ない会話に感動したり,危機感を抱いたり,反省したり と,多くの言葉を聞かせていただいた。酒を浴びるほど飲む,という言葉が あるが,酒の弱い私にとっては,言葉を浴びるほど聞く,という表現が関西 学院での飲み会ではふさわしかったように思う。現在は,千葉工業大学で研 究・教育に励んでいるが,学生時代に感じることのなかった働くことの大変 さや研究のむずかしさ,奥深さを痛感している。今度は関西学院で学んだ多 くの言葉を,今の学生に少しでも伝えられればと考える次第である。 最後に,関西学院大学英米文学英語学専修(旧英文学科)創設 80 周年, 誠におめでとうございます。今後とも更なる発展・躍進をお祈り申し上げま す。 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 110

参照

関連したドキュメント

子どもたちは、全5回のプログラムで学習したこと を思い出しながら、 「昔の人は霧ヶ峰に何をしにきてい

 次項では,コミュニティにダイナミズムを生み出すアートプロジェクトとは どういうものか,続いて Play Me, I’m

キャンパスの軸線とな るよう設計した。時計台 は永きにわたり図書館 として使 用され、学 生 の勉学の場となってい たが、9 7 年の新 大

なお、保育所についてはもう一つの視点として、横軸を「園児一人あたりの芝生

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

大村 その場合に、なぜ成り立たなくなったのか ということ、つまりあの図式でいうと基本的には S1 という 場

神はこのように隠れておられるので、神は隠 れていると言わない宗教はどれも正しくな

のニーズを伝え、そんなにたぶんこうしてほしいねんみたいな話しを具体的にしてるわけではない し、まぁそのあとは