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Academic year: 2021

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知的障害教育部門 小学部 第4学年○組A児 自立活動学習指導案 指導者 ○○ ○○ 1 単元名 イライラおにを たいじ しよう 2 指導観 ○実態観 A児は、ADHD と自閉症の併存と診断を受けている男児である。触覚や聴覚に過敏さがあり、気温 の上昇や周囲のざわつきにより、イライラすることがある。また、このような不快感を抑えられない 場合や自分の思いが通らない場合には、大声を出したり物を投げたりするなどの攻撃的な行動を繰り 返してしまう。さらに、衝動性も抑えられなくなり、相手の話を遮り、一方的な会話を続けるように なる。最近は、薬の副作用がひどく服薬を中止しているため、情緒が不安定になることがある。 このような中、担任は、必要に応じて個別対応をし、「A 児のしたことは認めない。しかし、A 児が そうせざるを得なかった気持ちを理解する。」という姿勢で共感的な関わり方を続けてきた。また、A 児にとって不快となる刺激を取り除くとともに、A 児が認められる場面をつくり、自己肯定感を育む ことを大切にした指導を心がけてきた。そのため、担任との信頼関係が築かれ、不適切な行動をした 後は、反省して謝ることができるようになってきている。 そこで、自分の行動を振り返ることができるようになり、先生や友達と楽しく生活したいと思い始 めたこの期に、本単元を取り上げ、自分や他者の感情についての理解を深めるとともに、感情や行動 をコントロールすることの大切さに気づき、場に応じた行動を選択することができるようにしたい。 ○単元観 本単元は、攻撃的で衝動的な行動をしてしまうことのあるA 児が、「自分の中のイライラおにを退治 して、先生や友達と仲良くしたい」というめあてをもち、自分の力で感情や行動をコントロールする ことができるようになることをねらいとしている。 このねらいを達成するために、A 児の実生活上の課題から指導する内容を選択し、場面や目的に応 じた題材を工夫し、取り出しによる個別指導を行う。題材は、<気づく>・<わかる>・<できる> の各段階のねらいを達成するために、系統的に配列する。まず、<気づく段階>では、人には様々な 感情があることや、場面により感情が変化することについて理解させる。次に、<わかる段階>では、 相手との関係を保つために、感情や行動をコントロールすることが大切であることに気づかせる。さ らに、<できる段階>では、場に応じた適切な行動を選択することができるようにする。指導後は、 担任や家庭と連携しながら、必要な場面での言葉掛けや、できていることへの称賛を続け、日常生活 のなかに学んだスキルが般化できるようにしていく。 また、指導の中心であるソーシャルスキルのほかにも、呼吸や姿勢をコ ントロールする課題や、聞くことに集中する課題を毎時間位置づけること にする。そうすることにより、感情や行動の基盤となる身体の機能を高め たり、自他に対する意識を高めたりすることができ、ソーシャルスキルの 学習をさらに効果的にすすめていくことができると考える。 このことは、様々な生活場面において、相手とのよりよい関係を育む上 からも意義深い。 ○指導観 本単元の指導に当たっては、見通しをもちながら落ち着いて学習に参加できるように、活動の予定 を視覚的に示し、事前に「とるべき行動」や「気をつけなければならないこと」を明示しておくよう にする。そして、これらの資料をファイリングし、ルールを確認したり、行動を振り返ったりする際 に、必要に応じて活用できるようにしておく。一方で、A 児の状態が極度に不安定な場合は、クール ダウンの時間を設けるなど、柔軟な対応ができるように準備をしておく。 教材・教具については、目に見えない感情をイメージしながら、自他の感情を理解したり、自他関係 について考えたりすることができるように、感情を視覚化した表情カードやプンプン計(怒りのレベ ルを温度計に例えたもの)などを多様に用いる。

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また、ロールプレイやゲームなどの体験活動の中で、適切な感情処理や行動の仕方を身につけさせ ること重視する。その際、聴覚的な情報処理が得意であるというA 児の特性をふまえ、言葉を添えて 行動のモデルを示したり、できたことを具体的に称賛したりして、自分自身で感情や行動をコントロ ールすることができるという自信をもたせたい。 3 目標 ○表情カードやプンプン計を手掛かりに、自他の感情をイメージすることができる。 ○場面により感情は変化することや、怒りの感情は自分でコントロールできることがわかる。 ○イライラしたときの自分なりの対処法がわかり、落ち着く方法を選択することができる。 ○場に応じた声の大きさを使い分けることができる。 4 指導計画(全8時間 本時3/8) 配時 段階 主な内容 題材名 備考 1 <気づく> 様々な感情の存在 や、自他の感情に 気づく。 様々な場面での自分の感情が変化する ことに気づく。 いろいろな気持ち ※自分や相手に対す る意識を高めるた めに、次の活動を 毎時間行う。 ・呼吸のコントロー ル(徐々に息を深 く、長くはくこと ができるように) ・姿勢のコントロー ル(寝る姿勢→胡 坐 → 正 座 で の 脱 力) ・聞くことに集中す る練習(数字と言 葉の1分間聴写→ 時間を徐々に増や す) ・相手に合わせた動 き(新聞列車) 2 様々な場面での相手の感情を予測する。 どんな気持ちかな? 3 怒りにはいろんな程度があることや、自 分で感情を調整することができること に気づく。 プンプン計と怒りの 箱 4 <わかる> 感情や行動をコン トロールすること の 大 切 さ が わ か る。 大声を出す、物を投げるなどの行動が、 相手を不快にさせることに気づき、調整 することの大切さがわかる。 してほしくないこと 5 相手を快・不快にさせる言葉を弁別し、 不快にさせる言葉を使わない方が良い ことがわかる。 ふわふわ言葉とチク チク言葉 6 予想される問題場面(暑さやざわつきで イライラする)でも、自分なりの落ち着 き方があることがわかる。 落ち着き方メニュー 7 <できる> 場に応じた適切な 行動を選択するこ とができる。 場に応じた声の大きさ(小さな声、中く らいの声、大きな声)を使い分ける。 声を使い分けよう 8 不快な場面における自分なりの対処法 を選択し、やってみる。 どうすればいい? 5 本時 平成○年○月○日○曜日 第5校時(13:20~14:05) ○○教室において (1) 本時指導の考え方 A 児は前時までに、自分や他者の感情が場面により「うれしい・悲しい・怒っている・恐がっている」 など様々な状態に変化すること気づいている。そこで、本時指導にあっては、怒りにはいろんな程度 があることや、自分で怒りを調整することができることに気づかせることをねらいとする。そのため に、まず、プンプン計(怒りのレベルを温度計に例え、「イライラ・プンプン・カンカン」の3段階を 記したもの)の見方を説明し、「プンプン計をつかって、自分の気持ちを考えよう」というめあてをつ かませる。次に、自分はどんなときに、どの程度の怒りを感じているかについて発言させ、怒りには いろんな程度があることに気づかせる。そして、その怒りの原因を、怒りの表情カードと対応させ、 それを箱の中に閉じ込める操作を通して、自分で怒りを調整できるということに気づかせたい。さら に、怒りの感情が起こるのは自然なことであり、怒りは誰もが持っている感情であることを確認し、 その感情を調整することが大切であることを伝え、学習のまとめをする。 また、これらの中心活動の前後に姿勢のコントロールや聞くことに集中する練習を位置づけ、自分 や相手に対する意識を高める学習を効果的に進めていきたいと考える。

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(2) 本時の目標 ○プンプン計を手がかりに、怒りにはいろんな程度があることを知る。 ○自分の怒りをイメージし、怒りの原因に気づく。 ○怒りの感情を、自分で調整しようとする意欲をもつ。 (3) 準備 ① スケジュールボード ② マットとタオル ③ デジタルタイマー ④ プンプン計 ⑤ 場面を表す言葉カード ⑥ 怒りの表情カード ⑦ 怒りの箱 ⑧ プンプン計イラスト ⑨ 怒りの箱のイラスト ⑩ 聴写用ワークシート (4) 展開(学習過程) 過程 (配時) 学習内容・活動 指導上の留意点 教材 教具 評価 (別紙) 導入 (10 分) 1 本時の学習内容を知り、学習の構えを つくる。 ○始めのあいさつをする。 ○本時学習内容について見通しをもつ。 ○寝る姿勢での全身脱力(30 秒)と椅子へ の着席を行なう。 2 本時学習のめあてをつかむ。 ○プンプン計について説明を聞き、学習の めあてをつかむ。 ・姿勢を正してあいさつするように言葉 掛けする。 ・学習内容について見通しがもてるよう に、スケジュールボードで流れを示す。 ・30 秒の全身脱力が持続できるよう、緊 張が入った場合は、「風船のようにふわ ふわに」と言葉掛けをする。 ・プンプン計の見方について、イライラ・ プンプン・カンカンの3段階と表情図 を対応させながら説明する。 ・プンプン計に興味をもたせるために、 温度を操作できるようにしておく。 ① ② ② ③ ④ 1 2 3 4 展開 (20 分) 3 自分の怒りの原因と怒りのレベルを考 える。 ○自分はどんなときに「イライラ・プンプ ン・カンカン」になるかを考え、発表す る。 ○ 怒 り の 表 情 カ ー ド に 怒 り の 原 因 を 対応させる。 ・イライラ・プンプン・カンカンの各段 階の怒りを感じる場面を発表させ、自 分の怒りの原因に気づかせる。 ・具体的な場面を想像することができな い場合は、イライラ・プンプン・カン カンの3段階に場面を表すカードを振 り分けさせる。 ・なるべく多くの怒りの原因を出させ、 教師がホワイトボードに整理する。 ④ ⑤ ⑥ 5 6 プンプン計をつかって、自分の気持ち を考えよう。 【場面を表すカード】 ○むずかしい問題をといているとき ○待っているとき ○暑いとき ○好きなおもちゃをなくしたとき 等

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4 自分で怒りを調整することができるこ とを知る。 ○ホワイトボードに貼られた怒りの表情カ ードを箱にいれ、怒りのおさめ方をイメ ージする。 ・怒りの表情カードを箱に入れ、ふたを することにより、怒りを封じ込めると い うイ メー ジがも てる ように 説明す る。 ⑥ ⑦ ⑥ ⑦ 7 まとめ (10 分) 5 本時学習のまとめを行う。 ○学習のまとめを聞く。 ・怒りにはいろんなレベルがある。 ・怒りは、おさめることができる。 ○数字と3文字の言葉を1分間ずつ聴写す る。 ○次時の予告を聞き、おわりのあいさつを する。 ・イラストを使って学習内容のまとめを し、いつでも想起できるようにファイ ルに綴じて持たせる。 ・怒りは誰もがもっている感情であるこ とを確認し、怒りの感情を調節できる と、自分が得をすることに気づかせ、 怒りを抑えようとする意欲をもたせ る。 ・聞くことに集中させるため、聴写のル ールを再確認してから始める。 ・A児の手を見ながらタイミングよく読 みあげる。 ・前回よりも伸びた点を称賛し、達成感 を味わわせる。 ・教室への戻る際の「廊下の歩き方」を 確認し、終わりのあいさつをする。 ⑧ ⑨ ③ ⑩ 8 9 10 (5) 教室配置図

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(6) 本時の評価 過 程 学習活動 目指すA 児の姿 評価 方法 評価 具体的な A 児の様子 導 入 ○始めのあいさつをする。 ○本時学習内容について見 通しをもつ。 ○寝る姿勢での全身脱力(30 秒)と椅子への着席を行な う。 ○プンプン計について説明 を聞き、学習のめあてをつ かむ。 1 2 3 4 姿勢を正して、あいさつでき る。 スケジュールボードを見なが ら、説明を聞くことができる。 20 秒の全身脱力ができる。 話を途中で遮ることを3 回以 内におさめ、説明を聞くことが できる。 【様】 【様】 【様】 【様】 4-3-2-1 4-3-2-1 4-3-2-1 4-3-2-1 展 開 ○自分はどんなときに「イラ イラ・プンプン・カンカン」 になるかを考え、発表す る。 ○怒りの表情カードに怒り の原因を対応させる。 ○ホワイトボードに貼られ た怒りの表情カードを箱 にいれ、怒りのおさめ方を イメージする。 5 6 7 イライラ・プンプン・カンカン の3 段階の怒りを感じる場面 を発表することができる。 怒りを感じる場面から、その原 因を考え、発言することができ る。 「暑くてイライラ、うるさくて イライラ」など、怒りの原因を 言葉にしながら、怒りの表情カ ードを箱に入れることができ る。 【様】 【様】 【様】 4-3-2-1 4-3-2-1 4-3-2-1 ま と め ○学習のまとめを聞く。 ○数字と3文字の言葉を1 分間ずつ聴写する。 ○おわりのあいさつをし、教 室に戻る。 8 9 10 話を途中で遮ることを3 回以 内におさめ、まとめを聞くこと ができる。 教師に話しかけることなく、数 字と言葉を1分間ずつ聴写し 続けることができる。 廊下の歩き方を意識し、静かに 教室に戻ることができる。 【様】 【様】 【ワ】 【様】 4-3-2-1 4-3-2-1 4-3-2-1 評価方法:【様】様相観察 【ワ】ワークシート 評 価:4(できた) - 3(だいたいできた) - 2(ほとんどできていない) - 1(できていない)

参照

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