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新規アミノ酸トランスポート トレーサー 0-[18F]Fluoromethy1-L-Tyrosineの癌化学療法効果評価への応用に関する基礎的検討

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Academic year: 2021

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全文

(1)

新規アミノ酸トランスポート トレーサー

0-[18F]Fluoromethy1-L-Tyrosineの癌化学療法効果

評価への応用に関する基礎的検討

著者

山浦 玄悟

2363

発行年

2006

URL

http://hdl.handle.net/10097/22979

(2)

ラ彦 ξ { ミ … } き … 1

氏名(本籍)

学位の種類

学位記番号

学位授与年月日

学位授与の条件

研究科専攻

学位論文題目

やまうらげんご

山浦玄悟(岩手県)

博士(医学)

医博第2363号

平成18年3月24日

学位規則第4条第1項該当

東北大学大学院医学系研究科

(博士課程)医科学専攻

新規アミノ酸トランスポーートトレーサー0{18F]

Fluoromethy1-L-Tyrosineの癌化学療法効果評

価への応用に関する基礎的検討

論文審査委員

(主査)

教授石岡千加史

教授小野哲也

教授伊藤正敏

一421一

(3)

論文内容要旨

目的 ブドウ糖代謝トレーサーおよび核酸代謝トレーサーを使用して,新規アミノ酸トランスポート トレーサー0一[1呂F]Fluoromethyl-L-Tyrosine([T]一FMT)の癌化学療法効果評価への有用性 を検証すること。 方法 実験にはアミノ酸トランスポートトレーサー『F}FMT,糖代謝トレーサー2-Deoxy-D{1-IIC] glucose(『IC}DG),核酸代謝トレーサー[6一'IH]Thymidh/e([・`H]一Thd)を用いた。腫瘍モデ ルとしてラット腹水肝癌細胞AH272を使用し,抗癌剤にはMitomycilleC(MMC)を用いた。 ドンリュウラット背部皮下にAH272を移植して腫瘍モデルを作成し(以下腫瘍ラット),[1δF]一 FMT・[i'IC]一DG・['IH]一Thdの三重トレーサーによる体内分布実験を行った。『sF]一FMTについ ては,各種臓器と腫瘍集積の経時的変化を調べ,[1℃]一DG・[3H]一Thdについては,投与60分後 の各臓器集積と,腫瘍集積の経時的変化を測定した。また,[1T]一FMT・[11C]一DGの二重トレー サーでオートラジオグラム(ARG)を作成し,『8F]一FMTと[1℃]一DGの臓器集積性を画像化し た。 次に,MMC投与1,3,5,7日目と未治療腫瘍ラット群を作成し,[1呂F]一FMT・[11C]一DG・ 『H]一Thdの三重トレーサーを用いて,抗癌剤治療後の各トレーサーの腫瘍集積性の経日的変化 を調べた。また,[18F]一FMT・[11C]一DGの二重トレーサーで腫瘍のARGを作成し抗癌剤投与前 後の各トレーサーの腫瘍集積の特徴を比較した。さらに組織像を作成して,抗癌剤投与後の腫瘍 における組織学的変化を調べた。

結果

はじめに『8F]一FMTの集積特性を投与後120分まで調べた。集積は膵臓が最も高く,次いで 腫瘍が高かった。腫瘍への集積は,投与後30分から60分でピークとなり,120分までほぼ平衡 状態となった。『℃]一DGは,脳・心臓・腫瘍の順で高集積を示し,腫瘍においては投与後30分 から60分でピークとなり120分まで平衡状態となった。また,['IH]一Thdは肝臓・脾臓・小腸・ 腫瘍の順に高く,腫瘍では[1℃]一DG同様30分から60分でピークとなり120分まで平衡状態と なった。このことから抗癌剤治療前後の各トレーサーの腫瘍集積性の比較は,[1RF]一FMT・[11C]一 DG・[llH]一Thd三重トレーサー投与60分後で行うこととした。また,[1呂F]一FMT・[i℃]一DGのラッ ト全身ARG画像は,それぞれのトレーサーの体内分布の特徴を示していた。

(4)

抗癌剤治療前後の各トレーサーの腫瘍集積性はいずれも抗癌剤効果を反映して,腫瘍の縮小効果 に先行して低下していた。[1ハF]一FMTと['1H]一Thdは抗癌剤投与後1日目の時点で未治療群と比 べて有意な低下を示したが,[HC]一DGは5日目にはじめて有意な低下を示した。[ISF]一FMTの腫 瘍ARGでは,腫瘍の辺縁部において『8F]一FMT集積は腫瘍部分から壊死巣に向かって徐々に 低下するのに対し,[1℃]一DGでは腫瘍部分から壊死巣へ急激に集積の低下が認められた。また, 病理組織学的検索では,壊死巣内に炎症細胞浸潤が認められた。 結語 新規アミノ酸トランスポートトレーサー凹F]一FMTは,核酸代謝トレーサー['H]一Thd同様, 糖代謝トレーサー『℃コーDGに比較して癌化学療法効果を反映して治療後早期に集積が低下して いた。このことから,[18F]一FMTは癌化学療法後の治療効果の早期評価に有用なPETトレーサー になり得る事が示唆された。 一423一

(5)

審査結果の要旨

[18F]一FDG-PETは,化学療法により腫瘍が形態学的な変化を起こす前に腫瘍細胞の代謝レベ ルの変化を捉えることができるため,従来の画像診断(CT,MRIなど)より早期に化学療法の 効果を評価できると考えられている。しかし,[し呂F]一FDGは炎症組織に非特異的に集積するため, 腫瘍内に炎症性変化がある場合は化学療法効果を検出する感度が低下する可能性がある。 本研究は,この[18F]一FDGの欠点を克服する新規トレーサーの開発研究であり,東北大学サ イクロトロンRIセンター核薬学研究部にて開発された新規合成アミノ酸トランスポートトレー サー0一[1呂F]一Fluoromethyl-L-Tyrosine([]8F]一FMT)の化学療法効果評価への有用性を検証し たものである。方法は,新規トレーサー[1昌F]一FMT,ブドウ糖代謝トレーサー2-Deoxy-D一[1-1℃]glucose(『ヰC]一DG)および核酸代謝トレーサー[6,'IH]Thymidille(『H]一Thd)を用いた腫 瘍移植ラットヘの『8F]一FMT・[1℃]一DG・['lH]一Thdの3重トレーサー体内分布実験と,[tSF]一 FMT・[1'℃]一DGの2重トレーサーによるオートラジオグラム(ARG)による臓器集積性の画像 化により抗癌剤マイトマイシンC投与後の各トレーサーの体内分布と臓器集積性の経日変化, さらに組織画像を作成して,抗癌剤投与後の腫瘍における病理組織学的変化を調べた。 その結果, L腫瘍移植ラットにおいて,『8F]一FMTは腫瘍と膵臓に高集積を示した。 2.[1昌F]一FMTは『'IC}DGと比較して抗癌剤投与後早期から腫瘍集積性が低下した。 3.[1呂F]一FMTと['IH]一Thdの相対腫瘍集積率の変化に類似性を明らかにした。 総じて本研究は,新規アミノ酸トランスポートトレーサー[1昌F]一FMTが化学療法後の早期の 代謝性変化を捉える点に関して従来のトレーサーよりも有利であることを明らかにし, 四F}FMTが化学療法の早期の効果予測に有用である可能性を示した。その内容は優れているた め,本論文は博士(医学)の学位論文として合格と認める。

参照

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