氏
学位論文審査結果の報告書
日比正彬
生年月日
名
本籍(国籍)
学位の種類
学位記番号
学位授与の条件
(博士の学位)
三△文題目
而冊1'ι子ア1? gene alterationS 血 Iung squamous ce 11 Carc inoma are
Po tent ial t arge t s for the mu ltikinase inhib itor n int edan ib
四召和・平成
認年8月
東京都
士(医学)
博
医第/22ξ号
学位規程第5条該当
26日
(肺肩平上皮癌における戸'gk遺伝子異常はマルチキナーゼ阻害薬
であるニンテダニブの標的と成り得る)
乏葬でt 毛寺'ミ
(主査)
(副主査)
(副主査)
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山的】 線維芽細胞増殖因子受容体伊GFR)遺伝子異常は肺肩平上皮癌(LSCC)において比較的多くみられ る遺伝子異常であるが、 FGFR遺伝子異常による臨床病理的特徴は未だにほとんどわかっていない。血 管新生阻害薬であるニンテダニブは非小細胞肺癌を対象とした臨床試験において有用性が示されている が、 FGFR遺伝子異常とニンテダニブの関連性についての知見は報告されていない。本研究はLSCCに おけるFGFR遺伝子異常がニンテダニブの標的と成り得るか否かを明らかにすることを目的とする。 【方法・結果】 FGFR遺伝子異常を有するLSCCに対するニンテダニブの抗腫傷効果を調ベるため、 FGFR1遺伝子増 幅癌細胞を用いて細胞増殖抑制効果とFGFN シグナル経路に対する阻害効果を検討した。ニンテダニブ はFGFR1遺伝子増幅癌細胞の細胞増殖を遺伝子増幅のない癌細胞に比ベて強く抑制し、同時にFGFRI とその下流のERKのりン酸化を抑制することが確認された。続いて、 FGFR1遺伝子増幅癌細胞のマウ ス皮下移植モデルを用いた抗腫傷効果検討を行ったところ、ニンテダニブ投与群ではコントロール投与群 に比して有意な抗腫傷効果が示された。また、ニンテダニブの魏が卯腫傷組織における分子マーカーの 検討から、ニンテダニブによるFGFR1のりン酸化阻害効果およびCD31の発現を指標とする血管新生阻 害効果が確認された。 一方、ヒト癌組織でのFGFR遺伝子異常の頻度と臨床病理的特徴との関連を検討するため、近畿大学 医学部附属病院においてLSCCと診断された75名の患者の癌組織検体を用いて、次世代シーケンサーに よるFGFR遺伝子異常の検索を行った。 FGFR遺伝子異常は、遺伝子増幅、遺伝子変異、融合遺伝子の いずれかが全体の20%(15/75)の頻度で検出された。 75名の患者のうち、術後再発をきたした36名の 患者でのFGFR遺伝子異常陽性の患者群と陰性の患者群の全生存期問を比較した結果、 FGFR遺伝子異 常陽性群は有意に予後不良であった(175か月対37.7か月; P =0.0025)。 【考察】 術後再発FGFR遺伝子異常陽性LSCC患者では陰性の患者に比ベて全生存期間が有意に短く、 FGFR 遺伝子異常は術後再発LSCC患者におけるFGFR阻害薬の治療標的となることが示唆された。また、 二. ンテダニブが持つFGFR1遺伝子増幅癌細胞に対する抗腫傷効果が明らかになったことから、 FGFR遺伝 子異常は術後再発FGFR遺伝子異常陽性LSCC患者に対するニンテダニブの治療標的となる可能性が考 えられる。 【結論】 本研究の成果はFGFR1遺伝子増幅LSCCにおけるニンテダニブの効果についての新たな知見であり、 LSCC患者に検出されるFGFR遺伝子異常は術後再発の予後に影響し、ニンテダニブの治療標的と成り 1与る。
論文内容
の要
旨
ノ代、 2016年9月1日 (doi:10.1111/cas. 表 年 月 日 ノ弌、 13071) 表 出版物の種類及び名称 博士学位論文 博士論文の印刷公表
D 学位論文の要旨
【目的】繊維芽細胞増殖因子受容体伊伊劇遺伝子異常は肺肩平上皮がん化SCC)におい
て比較的多くみられる遺伝子異常であるが、戸伊k遺伝子異常による臨床病理的特徴は
未だにほとんどわかっていない。血管新生阻害薬であるニンテダニブは非小細胞肺癌
を対象とした臨床試験において有用性が示されているが、FG肌遺伝子異常とニンテダ
ニブの関連性についての知見は報告されていない。本研究はLSCCにおける四伊元遺伝子
異常がニンテダニブの標的となり得るか否かを明らかにすることを目的とする。
【方法・結果】四伊π遺伝子異常を有するLSCCに対するニンテダニブの抗腫傷効果を調
べるため、 1伊πノ遺伝子増幅癌細胞を用いて細胞増殖抑制効果とFGFR1シグナル経路に
対する阻害効果を検討した。ニンテダニブは戸伊刷遺伝子増幅癌細胞の細胞増殖を、
伝子増幅のない癌細胞に比ベて強く抑制し、同時にFGFR1とその下流の肌Kのりン酸化
を抑制することが確認された。続いて、四伊劇遺伝子増幅癌細胞のマウス皮下移植モデ
ルを用いた抗腫傷効果検討を行ったところ、ニンテダニブ投与群ではコントロール投
与群に比して有意な抗腫傷効果が示された。また、ニンテダニブのm w'卯腫傷組織に
おける分子マーカーの検討から、ニンテダニブによるFGFR1のりン酸化阻害効果および
CD31の発現を指標とする血管新生阻害効果が確認された。
一方、ヒト癌組織での1伊π遺伝子異常の頻度と臨床病理的特徴との関連を検討する
ため、近畿大学医学部附属病院においてLSCCと診断された75名の患者の癌組織検体を
用いて、次世代シーケンサーによる戸aむ'k遺伝子異常の検索を行った。四伊π遺伝子異常
は、遺伝子増幅、遺伝子変異、融合遺伝子が全体の20%(15/75)の頻度で検出された。
75名の患者のうち、再発をきたした36名の患者での1郡元遺伝子異常陽性の患者群と陰
性の患者群の全生存期間を比較した結果、 1伊π遺伝子異常陽性群は有意に予後不良で
0025)。あった(17.5ケ月対37.フ力月;四
【考察】術後再発四q'k遺伝子異常陽性LSCC患者では陰性の患者に比ベて全生存期間が
有意に短く、四6シじ'元遺伝子異常は術後再発LSCC患者におけるFGR阻害剤の治療標的とな
ることが示唆された。また、ニンテダニブが持つFGFR1遺伝子増幅癌細胞に対する抗腫
傷効果が明らかになったことから、戸伊π遺伝子異常は術後再発FG肌遺伝子異常陽性
LSCC患者に対するニンテダニブの治療標的となる可能性が考えられる。
蹄吉論】本研究の成果は戸伊劇遺伝子増幅LSCCにおけるニンテダニブの効果にっいての
新たな知見であり、LSCC患者に検出される1研'k遺伝子異常は術後の予後に影響し、
^ンテダニブの治療標的となりえる。
本論文は、四少π遺伝子異常を有する肺肩平上皮癌に対してニンテダニブ有効である
可能性を論じたものである。これまで、肺肩平上皮癌では四6F叔の増幅が10 20%の頻
度で報告されていたが、肺肩平上皮癌に対するFG殿阻害の有用性は明らかにされてい
ない。著者らは四研'叔遺伝子増幅癌細胞を用いてm w'tルおよびm w'川でマルチキ
ナーゼ阻害薬であるニンテダニブの抗腫傷効果を示した。また、次世代シーケンサー
を用いた肺肩平上皮癌臨床検体の解析によって、術後再発症例において戸伊冗遺伝子異
常陽性群では有意に全生存期間が短くなることが示された。従って、FG肌遺伝子異常
は術後再発群の予後不良因子であることが示唆され、 f伊π遺伝子異常のスクリーニン
グはFGFR阻害活性を有する薬剤の選択に有用であると考えられた。
査
の
^ 孤、2)論文審査結果の要旨
日比正彬氏の博士学位論文に対する最終審査は、平成29年1月13日の17時から小講
堂で実施された。まず、日比氏が本研究を行うに至った背景、細胞株と臨床検体、方
法と結果、考察を口頭で発表し、それに対して主査である岡田委員、副主査である奥
野委員、安田委員がいくつかの疑問点を質した。奥野委員からは、肺肩平上皮癌での
H認0、Ⅸ一2細胞株に対するニンテダニブ処置によるAK1のりン酸化阻害効果に違いが
あった埋由、 m w'即でⅨ一2細胞株異種移植モデルにおいてFGFRのりン酸化亢進力靖忍め
られなかった理由などが質問された。安田委員からは、マルチキナーゼ阻害薬である
ニンテダニブを用いたことによるⅦGFRや即GFR阻害由来のりン酸化シグナル経路ヘの
影響、ニンテダニブで処置した際にアポトーシスの測定は行っているのか、四伊元遺伝
子異常が術後再発後の予後不良因子となるということに対して戸伊冗遺伝子異常が再発
後のみ特別な役割を担っているのか、四伊元遺伝子異常の有無による臨床病理学的特徴
において病期でなくT因子、N因子、 M因子で分類した解析の有無、組織検体を代替した
LiquidBi叩Syによる検討の有無、喫煙年数との相関、四6アπ遺伝子異常のうち四6ア冗1
CNGのみの陽性.衾性群間での術後再発患者の全生存率に違いはあるのか、などが質問
がされた。また、両副主査から、臨床検体の集積期間が20備年から20Ⅱ年であり、
f011W 叩に5年以上を経過しているにも関わらず、打ち切りが多く追跡調査が不十分
ではないかとの指摘を受けた。さらに、岡田委員からは、 P-FG肌抗体を用いて免疫組
織染色を行った際の腫傷組織とマスウ間質組織を判定する根拠、H認0やⅨ・2細胞株に
おいて四研'kをノックアウトすることで四伊耐遺伝子のドライバー遺伝子としての検証
実験の有無について質問された。これらの質問に対して、申請者は、具体的な実験結
果や過去の報告例をあげながら的確に応答した。また、論文内容から戸伊π遺伝子異常
を有する肺肩平上皮癌細胞株に対するニンテダニブの抗腫傷効果、及び肺肩平上皮癌
検体におけるFGR遺伝子異常の頻度と臨床病理学的事象との関連を明らかにし、これ
までの学術水準に新たな知見を加えるものであることが確認された。
従って、主査・副主査は合議の上、提出された学位論文が確かに日比氏の研究結果
であること、学位授与にふさわしい研究計画の立案と問題を見出し解決に導く分析能
力を確認し、最終試験を合格と判定した。
3)最終試験の結果:
合格4)学位授与の可否:
可博士学位論文最終試験結果の報告書
番査委
主査
学位申請者氏名
岳1に主査1
平成 J9年
課博・論博
岳11Ξ主丕竪1
岡田
ノノ文題
要 日比正彬氏の博士学位論文に対する最終審査は、平成29年明13日の17時から小講堂で実施された。まず、日 比氏が本研究を行うに至った背景、細胞株と臨床検体、方法と結果、考察を口頭で発表し、それに対して主査で ある岡田委員、副主査である奥野委員、安田委員がいくつかの疑問点を質した。奥野委員からは、肺肩平上皮癌 でのH520、Ⅸ一2細胞株に対するニンテダニブ処置によるA訂のりン酸化阻害効果に違いがあった理由、 m w'川で LK-2細胞株異種移植モデルにおいてFG殿のりン酸化亢進が認められなかった理由などが質問された。安田委員か らは、マルチキナーゼ阻害薬であるニンテダニブを用いたことによるVEGFRやPDGFR阻害由来のりン酸化シグナル 経路ヘの影響、ニンテダニブで処置した際にアポトーシスの測定は行っているのか、FGR遺伝子異常が術後再発 後の予後不良因子となるということに対して四伊π遺伝子異常が再発後のみ特別な役割を担っているのか、ヂ'6酬遺 伝子異常の有無による臨床病理学的特徴において病期でなくT因子、N因子、M因子で分類した解析の有無、組織検 体を代替したιiquidBiopsyによる検討の有無、喫煙年数との相関、戸ιF冗遺伝子異常のうちル肌ノCNGのみの陽 ・陰性群間での術後再発患者の全生存率に違いはあるのか、などが質問がされた。また、両副主査から、臨床 検体の集積期間が2005年から20H年であり、foH餌叩に5年以上を経過しているにも関わらず、打ち切りが多く 追跡調査が不十分ではないかとの指摘を受けた。さらに、岡田委員からは、P・FG殿抗体を用いて免疫組織染色を 行った際の腫傷組織とマスウ間質組織を判定する根拠、H520やⅨ一2細胞株において戸6肌をノックアウトすること で戸伊耐遺伝子のドライバー遺伝子としての検証実験の有無について質問された。これらの質問に対して、申請者 は、具体的な実験結果や過去の報告例をあげながら的確に応答した。また、論文内容から1伊π遺伝子異常を有す る肺馬平上皮癌細胞株に対するニンテダニブの抗腫傷効果、及び肺肩平上皮癌検体における四伊え遺伝子異常の頻 度と臨床病理学的事象との関連を明らかにし、これまでの学術水準に新たな知見を加えるものであることが確認 された。 従って、主査・副主査は合議の上、提出された学位論文が確かに日比氏の研究結果であること、学位授与にふ さわしい研究計画の立案と問題を見出し解決に導く分析能力を確認し、最終試験を合格と判定した。 旨号
月肴餓
目
17四41'k gene alterations in Nng squamous ceH carcinoma are Potential
targets for the multiki船Se inhibitor ninted肌ib
(肺肩平上皮癌における戸郡π遺伝子異常はマルチキナーゼ阻害薬である ニンテダニブの標的と成り得る)