わが国教育の教 育過程 と図書館
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Ⅰ
課 題 と Lて の教 育過 程 と図 書 舘 今 日、社会文化の摂取 に よる人格の自己形成 を 図 る学習主体 と、文化を学習者に媒介す る指導者 との相互作用 としての教育過程において、文化や 情報はそれ 自体学習主体に対 して即時的に媒介作 用が持たれ るだけでな く、それ らは記録 され保存 され得 るものである。 したが ってこの ように保存 ・管理 され常時利用運営が可能な コミュニケーショ ンミディア乃至は コミュニケーションは、教育過程 を常にその根底か ら支えるところの基礎的要因 と な りうるもの と言え よう。 情報氾濫の時代を迎えた今 日では、無数に存在 す る有形無形の各種情報を、各 自が 自らの力に よ り効果的に と り入れ処理す ることが肝要である。 したが って積極的に情報処理をすすめ る意欲や態 度、 さらには望 ましい処理が果せ る諸能力な どの 滴義が切望 され る。 と くに言語 コミュニケーション及び視聴覚 コミュ ニケーシ ョンなどは、 この点に関 して直接関与す るもので もある。 したが って これ らの ミデ ィアを 資料 として選択 し、収集 し、整理 し、保存 し、利 用に供 し、 さらに利用者に対 して基本的利用指導 を も加え る必要性が生 じて来 る。そ して この よう な場 こそ、教育過程を充足 させ るために必要 とな って来 るもの と言え よう。 幸運に も、今世紀は上記のような 目的を達成す1 2 るために準備 され る施設や設備が、順次充足 され て来て十る. それは先進国か ら進行 し、やがて未 開発国に も及は うとしている。 これはまた今世紀 の初頭か ら、すでにその必要性が叫ばれ論議 され、 その方向づけ もまた具体的な施策 も一応なされて いたのである。そ してこのことに対す る社会的エ ネルギーの増幅 も、飽 くことな く実践 されて来て清
水 正
男
Masao Shimizu いるのが実情 と言え よう。 ジ ョン ・デ ューイ Jonn Deweyは、 20C初頃 すでに彼の手になった ラボラトリー ・スクール3 2ケ 年間の実験報告の中でJ鮮やかに教育過程 の中に、 ライブラ リーや博物室を教育的に位置づけている。 彼の著 「学校 と社会 theschooland society」 は高等教育や社会の教育 と国民教育の接点 を、い わば上か ら下に作用 させ ようと意図 してい るよう ニ ト ベ イナ:′ -に見 える。 当時のわが国の実情は、新渡戸稲造の 「帰雁の芦」などか らも伺えるが、南 カ リフォル ニアの小都市の状況に くらべかな りの較差が認め られ よ う。 しか しなが ら、わが国で国民教育には4 げむ教師集団の努力、 日露 ・日清両戦役の結果、5 敏捷記念事業 としての文化国家-の夢の中か ら生 れた、わが国独 自の小規模図書館- しか も小学校6 併設の町村図書館-などが見 られ、米国 とは逆に いわば下か ら上 に向か っての動向が知 られ る。 戦後米軍 占領下時代の昭和21年11月3日、青7 年団員聯盟 L_Y.Yの書記長であ った間宮不二雄 は、第 1回アメリカ派遣 の 月表園 指導者であ るM.P.0.
Keeneyにあてて書簡を送 ってい る。 その 中で"modern library movement"は、日 ・米殆 んど同時期に開始 された (日本1872- 76、米国 1876)のであ ったが、その成果については彼我の 問に大差 を見ている。それは何故であろ うか と問 いかけ る。 恐 らくその原因とするところは、片や「Librarian としての訓練」を受けた ことのない、即 ち図書館 8 についてrspeciality」を持たない人々による「mere book collection」に終始する図書館発展の、低次 の結果に対 しての、他はMesserやWilliam さら にCutter,Dewey,Bowkerその他有能な図書館 専門家 に よる図書館発展-の努力があ って、 は じ めて、そ こに rfruitf。lres。lt〕が もた らされたものではないか としている。はた してそ うであろ うか。 日米両国の図書館発展状況についての比較は古10 く、福沢諭吉 ・勝海舟時代か ら見 られ る。それ ら の情報 の多 くは定量的に把握 された もので、定性 的な面が少ない傾向にあ った。 くだ っての図書館 事情の紹介には新 しい面が見 られ る。明治35年頃 の南加州の-小町での町民の生活の中に、全 くと け入 った公共図書館奉仕の実情が、生 き生 きと描 写 された新渡戸稲造の 「帰雁 の芦」や、昭和初期 の米国大学附属図書館事情を、加藤竜太郎が大学 の附属図書館でな く図書館附属大学の ように、大 学 の教育に図書館が密着 して活用 されていると詳ill 細に述べ る 「留学生 として見たる米国大学図書館」 な どを見 る。そ こには質的な差違が歴然 と指摘 さ れている。特に教育の中には生 き生 きと活動す る 図書館の質的課題が、そこには厳然 と存在す るよ うに見 られ る。定量的に見て もくらべ るべ くもな い彼我の比較の上 に、加えての質的な面での指摘 である。 教育過程にどの ように図書館を位置づけ、効率 的活用をはか るのが よいかの哲学や具体的方策が、 定量の上に定性的発展を見 るのに不可避ではない であろ うか。 本研究を進め るに当 ってのアプローチには、二 つの道が考え られ よう。その-は、いわゆ る教育 側か らの検討であ り、他は図書館側か らの もので 12
ある。JohnDeweyの「tbeschoolandsociety」
に見 られ る教育 と図書館は前者である.開国以来 米国は高等教育 ・社会教育が先行 し、立ち遅れた 学校教育の発展を根底か ら図ろ うとして、教育を 13 14 考え図書館や博物室を位置づけた。 これに対 し本 研究は、連 に学校教育に対 して遅れてい る図書館 15 教育を軽視す る故に、後者すなわち図書館側の視 点を主軸に して教育 と図書館について検討を進め るものである。 それが本研究の中核に迫 るもの と 受け とれ るか らであ る。 と くに大正末か ら、昭和前期終戦 までの激動期 にあ って、戦後の図書館発展に も関連性を もち、 図書館界の中心的存在であった青年団員聯盟L.Y. L.(theLeagueorYoung Librarians)に視点 を当てて研究を進めたい。わが国の図書館の質的 苗q)発展の研究 ・実践に足跡を残 しているLY.L. の、 ここでは さらに昭和13年に某要職に対 して示 し、昭和1718年 の聯盟解散に当 りL Y.L.の公表に な る 「主 として団的立場 より観た る国民全体教育 案」 をここに と り上 げ、議案を中心 として、わが 国の教育 (過程)と図書館について検討を進めたい。
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「主 と して園 的 立 場 よ り観 た る 国民 全 体 数 育英
」 公 表 の経 緯 - 、 国 民 全 体 数 青 葉公 表 の経 緯 「主 として眉的立場 より観たる国民全体教育案」 は、 「団研究Vol.16P:111」に よれば、 「昭和 13年6月某要職の乞に従い、L Y.18L.本部におい て採材整備せ るものを、小野則秋氏に嘱 して-篇 19 20 とな し、原稿は中尾謙吉、城野雄介、小野利秋、 間宮六二蓮 な 雲の四氏が逐使検討→ して直 に印刷 に附 し、小冊子 として提供 した ものであるとして いる。 当時先方の希望で一切の利用を一任 した も のである。従 ってその時点での当案のL Y.L.自 身の手に よる公表は、見合せ られた ものであ った。 ただ し、当案提 出の際に、木篇の主 旨とす るとこ ろの ものの実現のためには、他 日公表す ることも あるや も知れず との了解をえた ものであ った こと か ら、今回 (昭和18年 )LY.
L の解散に当 り、 「一個の団運動の記録」 として鼓 に全文を掲記す ることとした ものであ った。 すでに提 出か ら5箇年 の歳月を経た当時 と錐 ど も、なお もられた意見は、 「我等 の希望を表現 し た ものとして左程 旧に過 ぎたるものと認め発 きは、 斯業 のため甚だ遺憾 とす る処」 とし改革が殆んど 進行 していなか った点の認識を述べ、今後、本昂 もこもられた ところの実現については もちろん、更 に大 き く広 く発展す ることを祈 るものであると希 望を述べている。 当国民全体教育案は、 この ような事情で うまれ、 数 ヶ年 を経 て、今次大戦がはげ しさを加えるに至23 った昭和18年、自らの手で解放に踏み切 ったのを 接に、L.Y.L.が校閲誌 「Eヨ研究」の第16巻に公 表す ることにな った ものである。 したが って、当案は一応公表 しない性格上、 こ れ と直接 ・間接に関連性を もつ諸論文が、 L.
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に よって公表 されている。 これ らの多 くの もの はL.Y.L.の 「団研究」に掲載 されている.24 間宮不二雄の 「学校教育の現状 と団事業」が、 Vol.7 PP.217-232に掲載 され大 きな反響を呼 んだのをは じめ、全人の 「公共恩費 と学校経費
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がVol.5 PP.151- 179に、仝 「アメ リカ公共闇 種別制定基準表」がVol.3 PP.413- 415に訳出 されている。 L.Y.L.学校ES制度調査委員会主査村上清道の 「法規上 より見たる学校園」がVol.llPP. 151-179に、村上活造訳 「高等諸学校団経営標準(1)」 がVol.S PP.153- 181、仝 (2)がVol.8 PP.333 - 350、仝 (3)がVol.8PP.411- 433に訳出を見、 「専門学校図書館はいかに改革すべ きか」が同人 によりVol.10PP.293- 313に、また全人の 「学 校底員職制に関す る基礎研究」がVol.7 PP359 - 371に、 さらに小野則秋の 「大学国論」がVol_ 10 PP.159- 167などに発表 されている。 これ らは、すべて 「国民全体数膏薬」が公表 さ れないのを前提 としての発表であった ことか ら、 これ ら諸論文 とこの 「全体教育案」 との問に、 と25 きに類似性が認められる点は、一応許容 され るべ きであろ う。 二 、国民 全 体教育 案提 案 の 「L.
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当案を提案 したのは、既述の通 り青年図書館員 聯盟(the LeagueofYoung Librarians.略称26 L Y.L.青年団員聯盟 )である.27 L.Y.L.の結成 は昭和2年11月15日で、事務所は大阪市南区安堂 寺稿通4- 5に置かれた。 28 事業の主た るものは、校閲誌 「園 研究」の発行 (四季刊行 )、研究図書の出版、特殊問題講習、 日永標準分類法及び 目録法の制定、印刷 カー ド配 給、 日本著者名索引編纂、関係法規改正運動,求 人求職紹介周旋、等 々であ った。 29L.
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の宣言綱領には、 o匡L員の教養の向上、 ○園 管理法準則の確立、o園 設立経営の指導、O匡】 員の社会的地位待遇の改善、o単一国 聯盟結成の 促進、などが挙げられている。 30 31 32 結成以来、N.D.C.、 N.C.良.、N.S.H.など の標準化、仝 16巻に及ぶ 「匡】研究」及び 「L.
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L Bulletin」等の発行等々、 その活動にはめざまし い ものが見 られ る。終始一貫わが国の園事業-の 変 らない熱意 と努力が うかがえる。 三 、 「主 と Lて鹿 的 立場 よ LJ観 た る国民 全 体 教 育案 」の 「園 」 の文字 当案に使用 された 「園
」 (図書館の略字 )の文 字について、LY.L.
は扱関誌名にこれを使用 し、 「園 研究 TOSHOKAN KENKYU」 としている。 この文字は、 「園 研究」 Vol.16 P.111には次の ように解説 されている。 1字を以て 「図書館 」の33 3字を表す。 この字は もと民 国人 杜走友君 の抜 出に係 り、 大正15年 (1926)創めて 日永に於て実用に供せ られ、民国 に於て も民国18年 (1929)同国圃 界に公用するこ とが、同年南京に開催せ られた る第一次中華民国 園 大会に於て決議 され、爾来各方面に実用 され る に至 った。 1字を以て3字に代用することは、現下の如 き 用紙の経済を必要 とす る際、尤 も歓迎せ らるべ き もの と信ず る。 と紹介 されている。 また圃 研究Vol.】 PP.545 - 547には中華民国図書館協会放閑話 「図書学季 刊」第2巻第1期文が掲げ られ、その中にこのこ とが明示 されている。
「定友従事於図書館事業、 将近十稔.間常興友朋通信往還 .及偶属筆為文 : 無不及 「図書館」三字.数歳以来、書此三字、不 知幾千高次.良以服務於図書館界者、此 「図書館」 三字、無時不深留於脳際、此則凡我同志、均同此 理也 .窮以 「図書館」三字、筆蓋繁多、不便書写 :撰述之時毎感 「欲速不達」之苦且於時間精力両 不経済、困私置 「園 」-- 「匿日 宇、用其部分、 以代全体 ;坊略之例 -・今夏墓室旅行 旦峯、偶及 此字 ;頗彼邦人士之賛評.日図書館界、特発行雑34 誌一種、即以此字為名称、籍以提唱、並永久紀念 塵重罪之行云・現該雑誌第一期、華己出版 ・計四 十京 --- 日人対於新制定之採用、其神速有如比、 現核字己通行 日本全国図書館、別我国固末可後人 也-- とある。杜定友による創作 と日太園 界の紹 介が うかがえよう。 さらには、 陳 伯達先生抜 として、 「園 」字乃 「図書館」三字之簡字、始敬老、為南海定友杜子、 為吾国近時国 学専家之一、致力於園 界、己近十載、35 今夏東渡旦杢改案彼邦之園 情形 ・読次、以此字告 之、彼邦人士、始獲供壁、更発行雑誌、以此字命 名、最近寄釆多太、我国人成日 :「此 旦杢之新字 也」、 一字而兼三字之意義、可称為文字上之別開生面者、而究其実際、至為可笑、蓋此字確是国産、 非 日貨也、旦 垂籾造也、久夫、其干行文之間、亦 用之久夫、借地人末敢用、而且人用之、故覚来 日 旦茎、是猶 日人信仰陽明学説、干陽明之学、多所 聞発、故吾国人幾疑 「即知即行」之説、亦旦杢 之 学也、先後一敗、良可嘆也 !換言之 :日人所以用 之原因、即待干陽明 「即知即行」之学説、事事如 之、故其民強、其国亦強・・-・と当字使用国 日木-の讃詞 も忘れない。即知即行の 「陽明学之国強国 日太」の紹介 と評価を加えている。 戴志案先生抜が続 き間宮商店名にも及ぶ、即ち -各種科学的有専門名称及常用名詞之簡写法或符36 競 、図書館学即為科学之一、則凡閑干此穎特別名 詞、未始不可設為簡写法以便学者、杜定友先生今 夏事旦杢述及 「図書館」及 「図書」両名詞之簡写 法一即 「園 」及 「闇 」、彼館界人士、欣然採納並 由間宮商店発行 「園 」雑誌、以提侶之、窺維我国 園 事業,-・と間宮不二雄の経営になるL Y.L.の 未部である間宮商店発行の園 雑誌 「園 研究」には じめて園 の字を使用 した旨を述べている。 以上か ら 「園 」の文字の生みの親、伝来及び使 用の経緯等が明らか となる。 さらに 「杜定友君の 挨拶 が園 研究 VoLlP・350に"A Message From Mr.Ding U Doo,Librarian theSun YatsenUniversity,Library,Canton,China
-がL Y.L.によせ られている。
Ⅲ
r主 と して園 的立 場 よ り 観 た る国民全 体数青 葉」 - 日 次 -園 の使命 と教育的地位 1. 教育国策の原理 2.国民教育の合理化 3.圏 の使命 4.教育機関 としての園 の特色 園 の現状 1. 園 経費現状 2.我が国園 施設の現状 と各国 との比較 3.我が国園 不振の原因 将来の園 1. 教育網の完成 2.社会教育組織の結成 3.園 の組織 4.匡脛 費 5.学校教育の改革 と園 学校 6.園 員養成機関 7.匪L員の待遇改善 「国民全体教育案」は、 「主 とし 園 的立場 よ り観たる」を冠 しての案である。それは 日次に明 らかであるように、大 き く三部か ら成 り立 ってい る。木稿では便宜上 これ らに番号を付 した上、ま ず 「一、園 の使命 と教育的地位」について述べ、 ついで 「二、園 の現状」を、 さらには、 「三、将 来の園 」のあるべ き姿の具体的かつ詳細な主張を とりあげ ようとす る。以下、順次該案にそ って大 要を述べ よう。 -、 園 の使 命 と教 育的地 位 1.教育国策の原理 国家がそれ 自体の存続発展 と国際的地位の向上 を図るために、各種の教育機関並に文化施設を充 実 し 「国民の教養を昂め、その生活力の強化に意 を注 ぐ事は、民族的全体国家当然の義務」であ っ て、近来世界各国が 「国民教育の徹底」に力を致 す所以 もここにある。 したが って、 「真に国民を して教育の機会均等 の恵に浴せ しめ」、都郡 ・貧富 ・老若 .男女の別 な く 「一切高氏を して各 々その長 とす るところを 伸ば し、之を以て民族的全体国家の発展に参劃せ しめる事」は、 これ実に国家教育の太務であると 位置づけている。 2. 国民教育の合理化 従来、わが国教育の弊 とす るところは 「学校教 育偏重」の一事にあると学校教育を位置づける. そのため学校教育の 「特権」を発生 し、 「柔隔文 弱の夙
」を生 じて、 「実業を軽視 し、生活力を薄 弱ならしめた結果、敗惨的人生観か ら生ず る偏狭 思想」は遂に伝統的国民精神の美点にさえやぶ さ かなるものを生ず るに至 ったことは、真に遺憾 と す るところであるとしている。 さらに近来文化の著 しい発展に伴 って国民の教 養向上のため、義務教育年限延長の声 もようや く 昂 まるようにな ったことは、欣び とす るところが あるとしなが らも、 「単に義務教育年限の延長のみを以て国民教育の完壁を期 し得 るとしたな らは、 それは忠はざるの甚だ しきもの」 と言 うべ きもの である。 由来教育の事は人間の一生、国民 の全般 に亘 らなけれ ばな らぬ もので、 6年乃生8年 の短 期間にいかに 「国民教育の徹底を図 ると雄 も、之 を以て完全の もの とす る事はで きない」、 ま して や現制度 の上 に 2- 3年 の義務教育延長をな して も、質の上に多 くを期待 しえない事 は言 うまで も ない ところであるとす る。 国民教育の強化拡充は、義務教育は勿論のこと、 む しろ義務教育終了後の国民大衆の教化にこそ重 大 な ものがあ る。「学校教育の 目的は一生を通 じ て勉学研究の習慣を養わ しめ、その方法を訓練せ しめ ることにある」一方、国家は これ らの要求を 満足せ しむべ き施設、即 ち社会教育機関の整備に 対 して積極的方法を講 じ、学校教育 と共 に学校外 のあ らゆ る教 育機関を総動員 し、 「以て之が聯繁 を図 り教育活動の有機的統合をなす ことに よ り、 始めて国民教育の全体的発達は期せ られ る」ので ある。 ここに学校教育 と共に 「一般社会教育、即 ち園 、博物館、講演会場、研究所等 も国民教育の 一機関 として」軽視すべか らざる存在 とな るので あ るとしてい る。 3.匿 の使命 圏 の国民教 育上の使命については、 「学校教育 37 並に一般社会 に於て国民総体の智的顧問た るにあ り」 とし、 これについて次の諸点を挙げ ることが できるとす る。即 ち、 「7. 学問研究所はた またま実生活上におけ る一 切の疑問解決の自学研鎖、発 明発見の場所た ること。 ィ. 先人の発 した文化的資料を通 じて将来の合 理的発展 に処す る温故知新の道場た ること。 ウ. 国家の伝統的精神文化を図書の形態 に於て 保持 し、国民的情操陶冶の源泉た ること。」 など。 以上か ら園 の国民教育上 の使命は、学校並に他38 の社会教育機関の 「名実共に中枢機関」 として、 実に重かつ大 となるとす る。 4.教育機関 としての園 の特色 ア 教育力 の多方性 園 の教育的 な特色は、 「時間 ・空間的に一切無 制限な る事」 にある。す なわち、年令 ・性別 ・場 所に制限な く、下は学令に達せぬ幼童か ら、上 は 老を養 う老爺老塩に至 るまで」 自由に利用 し うる 事にあ る。幼児は絵本を楽 しみ、学童は参考書を 渉猟 し、成人は学術研究の資料を需め、或は実生 活の参考に資 し、老人は閑時読書に余生を過 ごし、 未婚の子女は将来の主婦 として、主婦は家政 に育 児に、各 々婦人 としての知識教養の向上を計 る等、 「年令 ・性別 の制限な く、 自己が求む るまま寸暇 を用い うるので、全然時間的制限を持たない」 と ころの特色を持つ ことをあげ る。 ィ. 教育力の自由性 さらに園 は園 内に於ても、家庭 に於ても 「自己 の便宜 なる場所に於 て自由に図書を利用 しうる」 ものであ り、其の教育的特色は、学校教育の よう に一定 の場所 に、 しか も 「自己に不必要な る学科 の羅列 に精力を消耗す る事な く」、 必要なる もの を必要 の時に求め うる点、 「学習の実際的 .経済 的」な るをその特色の一つ と見 るべ きであ ると自 由性をあげ る。 ウ. 教育力の経済性 園 に於ては一冊の図書が数十人数百人に利用 さ れ、 「物質的経済」は勿論、近代都市に於 け る住 宅の狭陰 と騒音をさける 「住民の共同書斉 と して 社会的立場 ・経済的立場か ら多 くの特色」を もち、 社会の発達はおのずか ら立に圏 の必要を要求 して いるのであ ると、経済性の指摘をす る。 以上 「-、園 の使命 と教育的地位」について述 べたのであ るが、「1.教育国策の原理」即 ち国民 教養の向上、生活力強化のための教育塩閑 ・文化 施設の充実、真に国民を して教育の機会均等 の恵 に浴 させ、一切万民各々その長 とす るところを伸 ば し、民族的全体国家発展に参劃 させ ることなど が、国家教育の本務、教育国策の原理 とす る。 その上 、
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国民教育の合理化」 として、即 ち学校教育 偏重の弊を改め、学校教育 と共に社会教育 も尊重 す るよ うはか る。 また学校教育 も生涯を通 じて、 勉学研究の習慣を養わせ るのが太務であるが、学 校外のあらゆ る教育校閲を も総動員す ることが、 国民全体教育の合理的発達には必要である。 それ 故に、学校教育 と一般社会教育 としての図書館 ・ 博物館 ・講談会場 ・研究所等 ともに併せて重要視 しす るような合理化が必要であるとす る。「3.園 の使命」につ いては、 「園 」は学校教育 で も社会教育で も、 国民総体の智的顧問の立場を とる。即ち一切 の疑 問解決の場、文化資料に対 し 温故知新の場、新知識獲得の学堂、国民的情操陶 冶の場であるところか ら、学校教育 ・社会教育の 中枢機関であ ると位置 づける。 「4.教育税関 としての園 の特色」としては、教 育力の時 ・空的無制限 の多方性、 自由性及び経済 性をと り上げ、社会 の発達はおのずか らこれ らの 特色をもつ園 に負 うところ大である。 二 、園 の 現 状 以上述べた 「園 の使 命及び教育的地位」の重要 性に対 して、わが国の園 の現状は どうであるのかo これには、園 の経費 の現状、わが国園 施設現状と 対外国の対比、及びわが国の国 不振の原因の究明 などにわた り、以下 の ように分析す る。 1.園 経費の現状 わが国の園 事業の現状が奈辺にあるかは、 「現 在の学校教育費 との数字的比較に よ り、明 らかに す る事ができる」として、昭和7年度におけ る、 「文部省統計 」を例 に採 る。 ア. 教 育 費 まず教育費は、 文部省所管経 費 148,083,243円 公学校費 (地方 費 ) 384.900,441円 合 計 532,984,684円 (但 しこれは外地を含 まざる総額であ って、 即ち樺太、朝鮮、台湾はこの内に含 まれ ない。) とな っている。わが 国内人 口を仮に7,000万人 と概算すれば 「教育費 」は、 1人当 り負担額8円弱 で、国に基礎教育 と しての小学児童一人に要す る経費は年額27円 (国費 ・地方費合計271,917.2肪 円を在校児童数 11,000,000人に平均 した もの)と なる。 これに比較すれ ば負担状況が明らかであ る。 尚、高等学校 ・大学等の経費については、別冊 「図書館費国庫補助金壱千八百万円捻 出案J及び 39 「園 研究Vol.7 PP.217- 231:学校教育の現状 と圃 事業 」を参考せ られたい としている。 ィ. 公共国 費 教育費の うち公共国 費は、 帝国図書館費 238,433円 公共図書館費 1,390,333円 合 計 1,528,766円 国民1人当 り経費負担額 約2銭 (人 口7,000万 人 として )0 以上の通 りで、アメリカ匿I協会が最少限度の国 費 と認めた管内住民1人当 りの1ドルに比較すれ ば雲泥の差、 とす る。 ウ. 学校教育費 と公共国 費 との比較 以上の統計か ら見 ると、わが国唯一の帝国図書40 館経常費は、松木高等学校 (教師29人、生鐙 443 人 )の経費に及ばない。 しか も高等学校は全国で 33校、国立園 は帝国図書館の一館 のみである。 さらに又、 公共 匿l費に至 っては、 収容 園児の 129,001人の1,708校 に要す る経 費 にす ら及 ばな い。 これを もって、わが国の園 事業がいかに貧弱 不遇な存在かを知 るに十分である。 公共園 の現状 とその利用者1人当 り経費 (昭和 7年文部省統計概要 )を見 るに、 官 立 1 公 共 2,296 私 立 1,386) 計 4,686館 蔵書数3種合計 10,563,000冊 閲覧人3種合計 24,766.000人 (利用者1人当 りの経費は僅かに金6銭 ) 以上に例示 した ように、 「現在 の園 経費 と教育 費 とを対比す るに、実に400分 の1に しか相当 し ない」。 この よ うな小額な経費を以て して、 どう して 「圏 が社会教育機関 としての完全なる機能を 発揮 し得 ようか」 と訴える。そ して これを以て、 匡卜を して重大なる国民教育に参加 させ ようとす る ことは、あたか も 「病馬を馳 って突撃せ ん とす る に似て、転 々望局の感なきを得ない」 としている。41 さらにこれについては 「公共図書館費 と学校経 費」間宮不二雄、雑誌園 研究42 Vol.5 PP.138-140 及び 「学校教育の現状と園 事業」間宮不二雄Vol. 7PP.217- 232を参考にす るよう希望 している。 2. わが国選 施設の現状 と各国との比較 ア. 公 共 園 わが国公共国 数を 「図書館総覧 」の統計上か ら 眺めると、 道府県立国 42 同巡回文庫のみ経営す る処 3 計45館
市 立 園 町村立園 私 立 園 組合立薗 p 肌u Eii Z] 上 上 上 上 以 以 以 以 円 円 円 円 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0 5 5 5 書 費 書 費
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145館 145館 104館 2館 とあ るが、 まだ県立園 未設置が7県、市町村圏 の未設置市62市、 町村立国 は もはや言外の状態 としている。 ィ. わが国園 事業の概況 と世界における地位 公共園 並に学校園 、特殊園 を合せた総数は 「日 太帝国統計年鑑」に よると、昭和 10年現在 ' 官公立 3,467館 私 立 1,614館)計5,081館 蔵書数 11,453,000冊 であ り、蔵書数平均1館2,250冊強 とまことに 貧弱で、個人の書斉 に も劣 る悲 しむべ き状態であ 43 り、わが国全圃 蔵書総冊数を以て して も米国の コ ソグレス ・ライブラ リ- 1館の蔵書数522万冊の 2館分である。蔵書数十万以上が我が国で36館、 内百万冊以上 の ものは京都帝大 と東京帝大の2館 のみ。 日太一の京都帝大の114万 冊でさえ世界の 第32位 (ソ聯邦除外 )に とどまり、帝国園 の85万 冊 も、 ポーラン ド・スウェーデ ン .ノル ウェイ ・ デ ソマーク ・ベルギー ・オランダ等欧州の2流国 の2流轟 にも及ばない。わが国の体面上 まことに 遺憾である。 この よ うな状態にあるわが国の匡lが、その経費 や設備で、世界の どんな地位にあるのかは 自ら明 らかであ り、文化的国家 としての地位を保つには、 余 りに も貧弱 とい うべ きである。
「勿論之を して 国家全体教育に当 らせ るが如 きは、想わ ざるの甚 だ しきもの」 とい うべ きである。 しか らば この ようなわが国園 事業の不振の原因 は、 どとにあるのであるかについて論を進める。 3.わが国屈 不振の原因 7.園 制度の不備 現行の薗 令は、まことに不完全 きわめ るもので、 圏 の設置に関 してはわずかに 「北海道府県、市町 村、学校組合、町村学校組合並町村制を施行せ ざ る地域におけ る町村 に準ずべ き公共団体及びその 組合は、図書館を設置す ることを待」 とい うきわ めて微温的なものに過ぎない。 また学校園 にらい ては更に不完全な もので、帝国大学 の外、専門高 等学校は勿論、私立大学等に対 して もなんら亀 に 関す る規程がない。 尚これについては、論文 「法44 規上 よ り見た る学校園 附帝国園及公立園 との比較 :村上清造、園 研究 Vol.ll PP.151- 179」を 参照す るよ うすすめている。 ィ. 人的要素の欠乏 以上の よ うな結果、置けこ対す る経費 も軽視 され、 「給料の不足か ら」館員の待遇については、下表 の よ うな規定 はあるが、 公 立 匿l 敬 具 俸 級 表 (昭和8年7月1日勅令第176号 ) 級 停 館 長 年 俸奏 任 官 待 遇 奏 任 官 待 遇司 書 年 俸 判 任 官 待 遇館長及司学月俸 書 記 月 俸 1号俸 3,400 円 2,770円 145円 135-円 2号俸 3,050 2,500 135 115 3号俸 2,770 2,330 125 105 4号俸 2,500 2,150 115 95 5号俸 2,330 2,000 105 85 6号俸 2,150 1,820 95 75 7号俸 2,000 1,650 85 65 8号俸 1,820 1,470 75 60 9号俸 1,650 1,300 65 55 10号俸 1,470 1,220 55 50 11号俸 1,300 1,130 _ 50 45 - 43その多 くは この最低率を適用。甚だ しきは規定以 下の支給に過 ぎない。か くて団員の生活は安定を か き、人的要素の欠乏を招来 して、 これが またEB 不振の重大原因 とな っている。 さて、経費を少な くして体面を保存す るのには、 自然官等高 く低額給与に満足す る人間を以て、あ てなければならぬ。偶然に もこれが要求に添い得45 るものは、既に 「人生生活におけ る第一義的生活 を学校数育英他に過 ごし、恩給を給与 され低額の 俸給 に安 んず るもの以外には求め難
い
」。 そ し て さらに悲 しむ可 きことは 「これ らの多 くは、層 位素餐徒 らに余生を送 らんとす るものに して、最 早熱意 も理想 も又積極的前進力 もない」傾向が見4
6 られ ることか ら 「団がかか る人的要素に よって経 営 され ることは、 さなきだに塵挨 と徴 の集積 し易 い団が一段 と陰 うつ とな り、その活動が消極的 と な り」、 か くして団は単なる書物の倉庫 と化 し、 若 き有為の人材は生活の安定を求めて他に去 る。 ここにおいて 「団の不振を招 くのは当然の結果」 と認め られ るとす る。 以上、団の現状を、 「[ヨ経費」
「わが国団施設 の現状 と各国 との対比」
「わが国眉不振 の原因」 等三項にわた り、具体的な分析を進めている。 三 、 将 来 の 園 以上 の、「一、眉の使命 と教育的地位」及び 「二、 暦の現状」 をふ まえ、 これに対処す る将来の図書 館を、 どの ようにす るべ きであるかについて、以 下七項 目にわた り提案がなされている。即 ち、 1. 教育網の完成 2.社会教育組織の結成 3.EB組織 4.屠経費 5.学校教育の改革 と学校団 6.団員養成機関 7.団員の待遇改善 などであ る。 1. 教育網の完成 真の国民教育は、 「国民全体に対す る全面的陶 冶」にある。そのためには、あ らゆ る教育機関を 総動員 し、 これを 「各 々緊密な る関係に於て有機 的に聯繋せ しめ、民族的全体国家の理想に歩調を 合せ」 なければな らないのである。 この意味において、従来か らの 「学校教育全能47 主義の迷妄を打破」 した上 で、学校教育を 「経 と し」、社会及び家庭 の教育を 「緯 とし」て、国民 全体、すなわち国土 の全体に一大教育網 を敷 き、 これに法的な基礎づけがなされなければな らない。 ここに従来 の教育制度の全面的改革を し、あ らた に社会教育機関一切を登場 させ るO とくに、 「E詔 に就てはその機能を最 も強化」 させな くてほなら ない と説 く。 2, 社会教育組織の結成 学校外において、国民全体を教育す るためには 少な くとも社会教育について、その 「国家統制を 必要 とす る。」 か くして、社会教育を全面的に統 制聯繋 させ ると共に、 「これを学校教育に関係を 持たせ ることに よって、初めて全体教育を完成 し、 これを合理化 .徹底化す ることがで きる」 として いる。 7.博 物 館 「国民の教育的興味を喚起誘発せ しむ る」ため に、市町村にはそれぞれの規模に応 じた博物館 ( 自然科学の もの、 または美術工芸的な もの )を、 住民 の数に正比 して、 1個 もしくはそれ以上 を設 置 し、 これを一般に開放す ると共に、 「管内各種 学校の庶物保管の場所を兼営」 させ、普通時 には これを一般人 の参観 ・研究に供 し、学校が教授上 必要のあ る場合には、貸出又は生 産の来館に よっ て利用 させ る。 これは眼に訴えるところの教育施 設であるといえ る。 博物館の庶物蒐集については、最初は まず各種 学校所蔵 の ものを移管 し、その基礎を作 り、年 々 の経費は学校に於て購入す るところの ものを全部 振向け、 これが経営費は団費の外 に支 出すべ きで ある。その額 は現文部省経営の科学博物館の経営 を参考 として、それぞれ規模に応 じた ものを算出 すべ きである。 ィ. 講演会場 博物館 またはEg]の附属 として、 もしくは独立EB として大小の講堂を設備 し、 「国民大衆の学問的 興味を喚起せ しめるため」に常に講演会を開 き、 その教養を高め ると共に、 「発明発見を助長 し、 究明検討の気風を滴養」す るため、 「間断な き刺 戟 と暗示 とを与える事」が必要であ って、 これを 耳 に訴える施設 とす る。ウ. 讃 旗は、 「これ らに よって得た る知識を、学校教 育中に於て学んだ研究方法を以て整理 し、 さらに これを深め る場所」 とす るのである。 -.社会教育機関の聯合 今 日の惇物館及び講演会の存在は、個 々に活動 してす こしも連絡がない。そのため折角の施設 も 徹底的効果 を挙げ難 い。 これが連絡をはか る一つ の具体的方法 として、 48 (1)博物館に於ては全陳列品の説明カー ドに、参 考文献を示すか或は団の利用法を指示す る事 (2)講演者は 自己の講演 と共 に、その主題に関す る参考文献を表記投出せ しむ る事 49 (3)学校教育はすべて 自学的訓練を施 し、小学校 4学年以上の各種教科書の各課題 には必ず出典 を附 し、或は脚註を附 して出典の要点を附記 し、 更に引用書 目、参考書 日を附 してその学習課 目50 と歴とを連絡づけ、常に図書及団利用を覚 らし め る。教科書は要す るに知識に対す る疑問 と興 味を喚起せ しめるため、それ らの概念を記載 し た るものなることを徹底せ しめ、決 して教科書 の暗記が知識の獲得にあ らざることを十分に知 らしむべ きである。 と具体的かつ詳細に指摘す る。 これ らは格別注意 すべ き点についての具体案 として、受け とること が可能である。 オ.研究所 ・実験所 ・試験場の設置 団に よって思想的に纏め られた ものは、 これを 「実地に適用 し、更に一段 の研究 と検討をな さし め るため」に研究所 ・実験所 ・試験場等を設置 し なければな らない。将来においては これ らの校閲 は須 ら く独立せ しむ るのではあるが、 さしづめ大 学 ・専門学校 ・各種学校その他の機関に附設せ ら れた るものを開放 し、 「目下の応急策」 とすべ き である。 また 「実験中或は実地研究中生 じた る新 たなる疑問は、再び団にかえ りて更に思想的検索 を深め る」 ものである。 ここにおいて団の完 ・不 完 は、 また以て実際的効果の艮 ・不良を来す もの でなければな らない。か くて 「社会生活がそのま ま社会学校 として役立た しめ られ、国民知識の向 上 が期 し得 られ る」のである。すなわち、眼 ・耳 に よって得た観念を、頭 と手に よって自己の もの として消化 し、国民 としての血液 とす る事ができ るのであ って、虫に社会教育の 「有機的体制」が 成立す るのである。 3.藍】組 稔 以上 の 目的を達す るには、 ここに 「団組織を完 成 しその機能の合理的発揮を期」 さなければな ら ないo これがため、 まず全国各地に均等的盟網を 敷 き、EBを して小学校 と共に国家必枢 の査設機関 とな し、閲覧料は一切無料 とすべ きである。然 ら は思組織を如何にすべ きか。先づ、公共EBを国立 団 ・道府県立国 ・市町村立EB・私立団の4種 とす る。 7. 国 立 Eg] 国立 団は学術団 とし、全国数箇所に設置 し、内 外古今 の典籍 .文献資料を蒐集 し、図書に よる世 界文化 の最高体系を組織 し、之が保存 と伝達 を計 り、民族的全体国家の発展を理想 とす る社会 の大51 学院た ることにある。 この点、 「その内容並 に実 質的機能に於 て、地方の市町村立 団と五十歩百歩 にあ る現帝国団の如きは大改革 を要す る」と批判 を加え る。 国立 団の附帯事業 として国家の代表的典籍文献 の編纂刊行、特殊貴重資料の複製領布をな し、更 に国民必読図書の推選並に之が編纂領布事業をな さしむ ることとす る。 ィ.道府県立直 道府県立 E5は 「参考圏」 として、各道府県には 必ず1館以上を設置、その 日的 とす るところは一 般民家 の生活 ・技術の向上を図 り、之が参考資料 を提供 し、 また普通の学問研究の便に供 し、併せ て地方市町村立 盾を補助す る外、その地方 におけ る 「中央 国として管下中層の指導統制の任」に当 る。 蔵書は一般的参考書及び貴重なる郷土資料 を蒐 集保存 し、 「地方文化の最高峰 としての希持 を保 た しめ」、 更に所蔵図書 日録を管内の全市町村団 に常時配給 し、市町村団を通 して之が一般利用者 に貸出を許 し、館内におけ る直接閲覧は勿論、巡 回文庫 ・小包文庫の方法に よって、管下市町村 圏 を通 じ間接的閲覧を計 り、 「図書利用の立体的機 能を遺憾 な く発揮 し、道府県民を してEB教育の援 会均等 に浴せ しざる」 ことにある。 さらに道府県は又管内数 ヶ所 に特殊参考団、即 ち農業 圏 ・工業歴 ・商業屈 .郷土資料Eg]等 の如 き
専門団を設け、 「博物館 ・研究所 ・試験場等 と連 絡 して、地方的産業開発に資す ること」としてい る。 ウ.市町村立団 市町村立団は全国各市町村に必ず1館以上 を設 置 し、大都市にあ っては通学区内に分館を設けて 民衆の教化を計る。 これは学校教育における小学 校に該当す るものである。その内容は 「通俗屈た る事を主体」 とす るもので、地方の事情に即 した 職業生活の参考団であると共に、一般民衆の読書 趣味を酒養 し、その常識 ・趣味 ・教養を高め、 ま た一つの 「知的娯楽の校閲 として民風教化の中心 である」べ きとす る。 その経営は職業生活の余暇を利用 して図書利用52 をなさしめるため、 「図書の館内定置主義を廃 し て、団か ら積極的に家庭へ連続的に図書を配給 し、 館外利用を主 とす ること」、 さらに市町村立団は 53 自館の図書の配給をす るだけでな く、府県立EBの 巡回文庫等の配給並に市町村民 と府県立団を継 ぐ ところの 「連絡税関 となる事」 とす る。 この施設に対 して、独立館合を設け ることは理54 想的ではあるが、 さしづめ学校校舎の一室をこれ に当て,盟より係員を出張 させて、 「学校教師 ・ 生徒並にその附近一帯の住民に、図書の貸付をな す も亦臨機の処置 として差支えなきものと考える
」
とす る。 -.私 立 団 私立公共団に して蔵書数壱万を超えるものは、 その内容 ・組誠を官公立団に準ぜ しめ、国費 .地 方費を以てこれを補助奨励 し、 これが活動上 の連 絡提携は官公立団 と同等の待遇をな し、私立圃職 員に対 して 「官公吏員同棒の恩恵」に浴せ しめる こととす る。 オ.郵便 ・鉄道に よる図書運搬の無料取扱い 図書の利用が多 くなると共に、図書の移動がこ れに伴 うのであるか ら、これ らの運搬費は一切無 料 とすること。 以上の組織全体に就いての詳細は、「団研究Vol. 55 9 PP.157-179:団統制論 一 教育国策の原理 と 団統制 - 」を参考す るようにされ甲 、。 4.圏 経 費 団経常費はすべて人 口を算定基礎 として、標準 を定むべ きであってその標準は大体次の基準に よ るべ きである。 7.国 立 四 国立田経常費は全国民1人当 り年額5銭 とし、 (人 口7.000万人 )その冶街 350万 円。 ィ. 道府県立国 道府県立団熱 ま道府県民1人当 り年20銭 とし、 その鹿田 100万人につき金20万円 ウ.市町立団 市町立盟は住民人 口1人当 り年1円とし、人 口 5,000人につ き総額5,000円 (但 し在民2,000人以下の町村 も経常費2,000人 当 りを下 る事をえず、此場合の経費の支出に転 じ ては別に考慮す ること。) 右の標準に於 て国民1人当 りの団経常費負担額 は平均1円25銭、人口7,000万人として総額8,750 万円となる。以上の眉全経常費を以て して も、猶 文部省所管経費中の普通教育費に も及ばず、学校 教育費国民1人当 り約8円とすれば、国費は当学 校費に対 して僅かに16射 こしか相当 しない。盟が 学校教育 と相対 して国民全体教育の実績を挙げん ためには、少 くとも最低右の経費を必要 とす る。 なお、外国の現状については、 「団研究Vol. 3 PP.413- 415:アメリカ公共恩種別制定基準 56 表」を参考 とせ られたいとす る。 5. 学校教育の改革 と学校圏 現在の学校教育の 「最大の欠陥 とす るところは、 教壇教育偏重のそれ」である。被教育者の 「個性 を没却 し、独創性を無視 し、知識 の劃- と機械的 註込 とを強い」 る結果、教育の機能は、 「伝達 と 模倣 とに局限 され、溌刺たる究知心に もゆ る子弟 は、遂に学校教育を侮蔑軽視す る」に さえ至 る。 か くて国民の 「優秀なる独創的文化を興隆す るこ57 とは」到底望みえない。学校教育改革の根本原理 は故に着 日して考慮すべ きものと信ず る。 しか ら ば学校教育をいかに改革す るか。 まず 「学校教育 を して、 自学的団中心の教育に改めることが、現 下の最急務である」。 これが改革の要領について の詳細は 「E58 ヨ研究Vol.PP.1-6:学校Eg3改革意 見書」及び別冊中西喜代造訳 「成人教育 と団」を 参考にされたいが、 ここに大網を挙げると次のよ うになる。 (7- クの3項 目について述べ る。) 7. 小学校 ・中等学校 まず、小中学校令中団に関す る規定を制定、学校団の経営管理の準則を示 し、圏を附設 して専任 団員をお くこと、 さらに教則を改正 して自習科 ・ E5科を新設 し、教育を団中心の教育 とす る.小中 学校教員の資格に 「暦学を必修科 目」 とす ること などとす る。 また教科書には必ず 「出典、引用書 目を附 した ものを採用」せ しむ る事 とす る。 ィ. 専門 .高等学校及び大学 各種専門 ・高等学校並に大学令中に 「学校団に 関する規定を制定 し官職制を定め」 とくに綜合大 学にあ っては、中央EB及び各学部図書室 ・研究室 に関 してこれが有税的関係を規定 し、 また私立学 校の認定には 「学校周の設備及び経常費を以て認59 可の必須条件 とし」、 教科の中に 「匿】学の講座を 設け、将来学術生活に処す る方法を会得せ しむべ き」である。 なお、専門 ・高等学校 .大学EB改革の具体的要 項は左記の諸論文を参考 とされたいとして、次の ものをあげ る。 o [ヨ研究 Vol.PP153-181、 PP333- 350、 60 PP.411- 433:高等諸学校盟経営標準 61 o EB研究 Vol. PP.359-371:学校団員職制 に関す る基礎研究 62 o 団研究 Vol.10 PP.159-167:大学屈論63
o
匿研 究 Vol.PP.293- 313:専門学校団課は いかに改革すべ きか ウ. 学投盾の公開並に公共盟との提携 学校園を開放 して一般社会人の利用に資す ると 共iと、 さらに、 「各学校題並に各公共盟相互間に 図書の相互貸借利用制度を設け」て、各飽所蔵図 書の有接的運用をはかること。 か くて、学生生活には、 「なるべ く学校所属圏 を利用 させ、公共EBは社会人の利用を主 とす るこ と」とす る。 さすれば現時のように社会人を対象 とす る公共EBが学生に占領 され、そのため社会人 の入館を制限するが如 き珍現象を呈す る事が解消 され るのであると説 く。 6.圏 員養成機関 団員養成機関 としては団専門学校の設置、外国 教師の招聴、現業員の再教育、司書検定制度の充 実及び道府県団員養成所新設に及ぶ。 ア. 圏専門学校の設置 団教育の振興には、 「人的要素に侠つべ き点」 の大なる事は前述の如 くであ って、 ここに 「団員 の養成校閑が必要」となる。 そ もそ も、教師養成に師範学校ヽ運転手の養成 には 自動車学校があるのに、従来は団員になるに はそれがための特別なる教育を受けず して可能で あった.現 在僅かに修業年限1箇年の文部省団講 習所はあるが、漸 く2- 30名を収容するのみで、 しか もその 「内容に於て も指導者は多 く帝国Eg]員 の副業的兼務に等 しき状態で、到底満足なる成果 を修めることは不可能である。」 鼓に於て、 「社 会教育を強化 して盟網を敷 くには、如何に して も 完全なる団専門学校の設置をな し、専門的知識を 有す るものを して事に当らしめる必要を痛感する ものである」 としてその養成を強調す る。64 ィ. 外国教師の招聴 しか しなが ら、団専門学校を開設 して も、 「わ が国の現状に於ては、これが教師た りうべ き学識 経験を持 った者は皆無に近 く」、童女に於て明治維 新の当時、 「文物の整備を急速に達成す るために、 範を欧米に もとめたる如 き態度 」が、現在のわが 国の団員養成には必要である。そのためにはまず 「欧米の盟先進国か ら適当なる教師を招聴 し」、 急速に国学の基礎的教育を実施す ることが必要で あるとす る。 ウ.現業員の再教育 将来の団員の養成 も必要ではあるが、差 し当 っ てiっが国が求めるものは、 「現業員の素質向上で ある」。 そのためには、まず現業員に 「基礎的再 教育を施す こと」である。か くてこの中 より 「将 来の指導者 もうまれ」、遂には外国教師を必要 と しな くなることは、現時のわが国の学校教育界が 如実に示 している処 と全 く同様である。 -.司書検定試験制度の充実 オ.道府県盟員養成所新設 このように して全国の団には 「必ず専任 EB員を 置 き」、その教育機能の強化を計 らねばな らない。 尚、 これが具体的内容は、 「E65 B研究 Vol.2 PP. 275- 294:竹林熊彦、団員の養成任用及 び待遇」
を参考 とされたいとしている。 7.崖】員の待遇 現時の監従業員は 「一般教育的熱意に乏 しく、 盟事業のため全精神を打込んでいるものは極めて 僅少」 ときめつける。 とくに、 「上部に位置す るものに於 て、一層 この感 を深 くす る」が、その原 田は二 に 「園 員の待遇 が他の税関に比較 して著 る しく劣 ってい ることにあ る」.か くて匡匝ミその実 績 を挙げえないの も亦 当然であると言え るか ら、 「[詔専門学校を設置 し、団員の素質を向上 させ る と共にその待遇法を改革 し」俸給その他の待遇及 び素質は左記の標準に よるべ きであるとして標準 を示す。即ち、 ア. 国立団又は道府県立 団中一流館の主要館員は、 大学教授に匹敵す るものたること。 ィ.道府県市町村圏に、して中位EBの主要館員は、 中等教員に匹敵す るものたることo ウ.右二項以下の団員に対 しては、小学教員に匹 敵す るものた ること。 -.学校EB員はその学校 の教授 ・教諭 ・訓導 と同 一待遇にす ること。 以上が 「昭和13年6月12日印刷を以て騰写に 代える」 とされた 「E詔員 よりみた る国民全体教育 案」である。
Ⅳ
「国民 全 体 教 育 案」 にみ られ る 教 育過 程 と図 書館 (ま とめ ) - 、今 世 紀 と当研 究 課 題 今世紀は、教育過程 の中に図書館を生み育て位 置づけた特色ある時代 と言えよう。われわれが今 日その軌跡 を求め よ うとすれば、そのアプローチ には一応二つの道が認 め られ よう。 その-は、学校教育や教育学か ら図書館 ・博物 鰭-、他は逆に図書館等 の側か ら教育へ向か った ものである。前者は高等教育や社会教育か ら学校 教育-向か う中に見 られ 、後者は図書館員等の図 書館的立場か ら見た学校 教育を も含めた国民全体 教育の形 の中に うかが え よう。教育過程 と図書館 発展は この二つの道か ら大 き く進め られ ることが 考えられ る。 二 、提 案者 の立 場 及 び 提 案 の 必 然 性 両道 の中、前者の例 に見 られ るJohn Deweyは 社会 (高等教育 ・産業界 を も含む )と学校間の isolatio6Aの除去を何 よ りも願 った。後者 としての L.Y.L.も国民全体教育を設立 し、学校教育を経 に社会教育を経 とす る教育 システム設立 を願望す る立場を とる。 しか もそのために-は シカゴ大学67 68 あ寺らぎ 附属小学校の、他は山形市国民学校及び明木小学 69 校の実践 と、それに よる斯業発展 の 自信 と一種の はずみを共に持 っている点、そ してそれが提案を 生むに至 る必然性を象徴 してい る点が共通に見 ら れ る。 と くにL.Y.L.は結成 の事情か らして も特異で70 ある。関東大震災に よる図書館界 の大阪移転に よ る協力、早期復興帰都後の大阪方の余力をか って のL.Y.L.の結成.御大典記念 の文部省に よる図71 書館倍増国民運動-の世論の猛反撃及び図書館批 判の波に対す る研究や実践活動の緊急性、遅れ切 72 ったわが国図書館界発展-の効率的方策の樹立 ・ 実践 ・研究の焦眉性など、山積す る難問の中に、 L.Y.L.は終始立た されていた。 大阪は舟場の半はサ ロン的半ば アカデ ミックな 73 間宮商店 を事務所 とし、外国の図書館業務経験者 及び内外 の図書館関係資料な どに恵 まれ、 しか も 現職で図書館界に働いている人 々の聯盟 とい う適 切な環境を得 ていたのは、一つ一 つの問題の解決 を進め るのに好都合であ った と見 られ る。 果せ るかな資料整理7
toolとしての 日本十進分頬 4 法N.
D.
C.
の標準化、つづいて苦難 の末に 日本 日 75 録規則N.C.氏.を生み、 さらに 日本件名標 目表N. 76 77S
.
H.の誕生を見 る.一方 明木の町村図書館の経 営の経験か ら、図書館成果を駆使 しての、山形市 78 男子国民 学校の学校図書館的経営に まで発展 した 79 のであ る。他方国定教科書国語読本に 「図書館課」 の創設、及び師範学校 (室Bo)におけ る図苧館学 の開講等 々が続 く。その間 「[ヨ研究 」 も着 々と諸 論文を掲載、か くしてL.
Y.
L.
の当案発表に大 き なはずみ をつけ、提案の必然性を生 んだ もの と思 われ る。 この点、John Dewe8iの場合 と類似 して いる。 三 、教 育過 程 と図 書 飴 わが国教育におけ る教育過程 と図書館について は、当提案か ら多 くの ものを指摘す ることができ る。 第-は、教育過程に大 き く影響を与え る行動的 環境を も含む教育環境の組織化であ る。 学校 ・社会 (図書館 ・博物館 ・公民館な ど) ・家庭 の教育 の一体化に よる国民教育機関の組織化をはか る。 その中で図書館は国民総体の智的顧問 とな り、各 教育機関の中枢機関 とな ることであ る。それは図 書館の教育力 の多方性 ・自由性 ・経 済性 を背景に してい る. その上教育過程におけ る、 自学研鐙 ・ 発 明発見 .国民的情操陶冶の源泉 としての図書館 活動が期待 され てい る。 第二 、教育過程を支え る教育 システムの理念に 対 しての現実 についてであ る。上 記の教育 システ ム化の理念 に対 して、現状の分析 に よれは、至 る ところに不整合が見 られ る。 学校教育 と図書館間 の較差、わが国 と諸外国 との大幅 な差違等か らさ らに館業不振 の原因 として、図書館制度の不備及 び人的要素 の欠乏を見 る。 もちろん、その根底に は教育の中に、 いかに図書館が教育的に位置づけ られてい るかが中核 としてひそんでい るが。 第三 に、以上をふ まえて、教育過程改革につ い てであ るが、学校教育を経 とし、社会 ・家庭教育 を緑 に大数 青桐をつ くり、全国民が これ をにな っ た上 に、それ の進展 のために も学校教育の脱皮 ( それが教育過程 の脱皮一般 であ る)が考 え られ る。 自学的訓練が大前提 とな る。そ して小学校4年 以上 では、教科用図書に出典 .脚注 ・引用書 目 ・ 参考書 目づけ等 の学習科 目と、図書館連絡 を密に し図書や図書館利用を覚 らしめ ることが肝要 であ り、従来 の教科書の暗記だけが知識獲得 の唯一 の 道 ではない ことの体験が大切 であ るとす る。 第四に、新 しい意味 での教育過程を成功 させ る 広義の図書館教育の構造化であ る。 図書館組織 を 見直 し、国立 ・道府県立 ・市町村立 .私立 な どの 諸図書館 の有機的 システムづ くりをす る。 その上 図書館経費 の増額、及び学校教育の 「自学的図書 館 中心教育 」-の脱皮 な ど最急務 としてあげ られ る。か くして専任の図書館員を小中学校 に配置、 教員資格 に図書館科、教科書の上記の扱 い、高等 教育での図書館学開講、外人教師 の招帝 、図書館 専門学校づ くり、館員 の待遇 の改善 な どをはた し、 その発展 を よ り確実にす る事をはか ろ うとす る。 以上 のL.Y.L.の提案は、昭和18年公表 された 後2年 に して終戦を迎 えた。 占領軍は 日本教育の 再建を、民主化のため緊要であ る認識の もとに指 導 をはか った。L Y.L.書記長 の間宮不二雄 は、 日本の図書館教育指導者 として米国か ら派遣 され たPl0.Keene8y2をは じめ、Prefectural Ⅰ & E office8rの Mr4 .Edwin G.McTaggar8t3や Mr. 85 Burnettその他の専門家 、及びマ ッカーサ ー元師
GeneralDouglasMacArthurに各種進言す る中 で、 当案を示 してい る。 86 新制大 学教授指導者講習会が持たれ、図書館学 専攻 グル ープが形成 されはか らず も私 もバ ーネ ッ 87 fち8 トや フェアウェザ ーの指導 を、昭和24年 1月から 3月末 まで受講 で きた。関係者一 同宮 中-参 り親 し く陛下 よ りお言葉 を賜 ったのであ るが、われわ れ の講習が並 々でないことを示 した もの と言え よ う。 爾来、数十年、 当案は教育過程 と図書館 につい て、 日々に新たにわれわれ に訴え続 けてい る よう であ る。 注 1. 施設 :例としては、図書館法第2条に明らかなよ うに、施設としての図書館。 2. 設備 :例としては、学校図書館法第 2条にあるよ うに、設備としての学校図書館。 3.実験報告 :シカゴ大学附属小学校の実践報告、 「the scooland soiety」として出版。 Chapt.3 「Wastein Edueation」がとくに関
係深い。 しよじやくかん 4.全国各地の教育会は、附属書籍館を設けた。児童 室をかねた。その後それらの多 くは、各県での県立 中央図書館などに発展 して行った。 5.終捷記念文化国家事業。 明木村では、明治38年10月17日明木小学校での平 和克服記念教育品展覧会に一日冨戦役記念図書館建 設が提案され、満場一致決定、村会決議を経て創立。 明治39年1月起工、3月竣工、町村 第1号 となった。 6.町村監-小学校併設、学社共存の固-、伊藤新一 (思研究 Vol.3 P.120:町村国経営の実際)に よると、昭和3年3月末調、全国内地公立盟 3,061 館中いわゆる町村団は2,936館9割 5分強であると いう。小学校長が館長、教員兼務で館務担当。ユー ザーは成人及び児童。 7.間宮不二雄 :日本の図書館界に大きな影響を与え たL.Y.L.の書記長。間宮からMr.P.0.Xeeney
への苫簡(1946.ll.3)には、L Y.L.結成 当時 の 日本の図書館界は、 まるで"bambo field" の よ うであ った としている。
8. Keeney-の書簡。図書館運動の質の差 を と りあ げてい る。その中でスペ ソア リテ ィを もたぬ人 々を、
rex-schoolteachersorthevillageofficials」
な どを表現す る。 9. Keen母y-の書簡 。 「団 とわが生涯 ・後期」のP.370 10.福沢諭吉 。西洋事情
。
「ロン ドンの文庫 には11万 冊 - ペ トル スプル グ96万 - パ リ150万 - 」 と している。り
よう ll. 加藤竜太郎o圧ヨ研究 Vol.15 PP.181-1860 12. John Dewey:「学校 と社会」 (the school and society)の とくにChapt.30(Waste in Education)
13. ibid.Chapt.3.Wastein Educationの中の
Chart且。 14. ibid.Chart皿 。 15. 20世紀初頭、若 い ライブラリアン側の視点を中心 として、教育過程 と図書館を見 ようとす る。 16.質的面の発展 の研究 ・実践--N.D.C.、N.C.氏.、 N.S.H.な どの開発その他図書館学的研究 ・実践の 諸成果。 (L Y.L.に よってはた された。) 17. L.Y.L.EB研究Vol.16PP.111-124、当時の わが国教育におけ る教育過程 と図書館を知 るのに好 適であ る。L.Y.L.は当時の代表的研究 ・実践 グル ープであ り、戦後 に大 き く影響を与えてい る。 のりあき 18.小野則秋 :同志社大学 団 主任 けんきち 19_ 中尾謙書 :関西大学 盟 しろ の ゆうすけ 20.城野雄介 :大阪高等学校総務課 ま みや ふ じお 21. 間宮不二雄 :1890-1970、間宮商店主、LY.L. の中心的人物、書記長。米国の図書館事情 に詳 しい。 大正4- 5年米国生活。戦後米軍 との接触 も見 られ た。 22.昭和13年6月12日、 印刷 を以て騰写 に代えた とさ れてい る。 23.L Y.L.解散 。 日的貫徹聯盟解散記念号、Vol. 16 PP.1- 6参照 。 24.項 馴 土次の11項 o上級進学準備教育 o自ら解決す る訓練不足 o図書及び図書館利用訓練を怠 る o上級学校 にお け る訓練の現状 o学校教育 よ りも自学 自修の方が まさる o学校 に対す る魅力は何か 0人智の発達 は疑問の 自解 に まつ ○図書館の 目的 と任務 o学 校経費 と図書館経費の差 ○軍部当局の態度を学べ o中央 闇 制 とその実情 25.双方すなわち国民全体数膏薬 と、その他のL.Y.L. の諸論文 とは、互 いに補完す る。 26.L.Y.L.結成 の事情 については、清水正男 :L.Y. L.とよみの場、 日本読書学会 「読苫科学」 Vol.13 No.12、及びibid.Vol.13No.3.4な どに詳細 に述べ られ ている。表面的事情 と共 に表の事情 もこの結成 には存在す る。 27.事務所、大阪は舟場の間宮商店 内にあ って好都何 であ った。 28.団 研究 Vol.3 P.416「世界的 に認め られた本 誌 」に よれは・- Jahr.11927aufり 1928発行。
InternationalBibliographie des Buck und Bibliothekswesen,Jahr.2 (1929年 出版 )には、 L.Y.L.周 研究 Vo1.1にのせ られ た主要論文及び 著者索引が登載 されている・- ・としてい る。 29.匿Ⅰ研究 Vol.16 P.2宣言0 30. N.D.C,の標準化の事情- -清水正男 :わが国に おけ る学校図書館の発展 とL Y.L.(と くに奉仕税 関- )- 信大教育学部紀要No.21、PP.1-240 31. N.C.R.の標準化の事情 ・- 清水正男 :わが国に おけ る学校 図告館の発展過程の研究 - と くにN.C. R.の成立 - 信大教育学部紀要 No.22、PP.1-22。 32.N.S.H.の完成の事情 川 .清水正男 :わが国にお け る学校 図書館の発展過程の研究 - 3大toolとく にN.S.H.成立を中心 - 信大教育学部紀要 No.23、 PP.1-180
33・ 杜定友一 Totei-yu,(Doo I)ing-u)、神戸 港へ入港、間宮不二雄が案内、 日本 の図書館事情 の 見学。その際神戸 で 「団 」の文字 の交渉があ り
、0.
Kを得た。 34. 「発行雑誌一種」 とは、LY.L.の機関誌 「匡研 究」の こと。 35. 「彼邦 」、即 ち 日本の図書館の参観 については間 宮不二雄 が案内 した。 36. 「図書館学 」、中国において図書館学が科学の-として位置づけ られていた様子であ る。 37. 「智的取問」、その表現が言いえている。 38. 「中枢税関 」、 図書館を教育 ・学校教育の心臓 と す るの と似た表現 であ る。 39. ibid.注No.240 40.長野県松本市、現信州大学。 41. EB研究 Vol.5 PP.138-139、 図書館費。 42.[雷研究 Vol.7 学校教育の現状 と図書館事情、 中に14項 目の説明を もつ。 o我 国民の就学状況 と[詔の任務 o小学教育の方針o我国におけ る 「教育」の解釈 o学校教育 とは単 により以上の上級学校に対す る準備教育をす る処か o自ら解決す る訓練の不足 o図書及び団 利用法訓 練の急務 o上級学校におけ る訓練の現状 o学校 教育よ りも自学 自習の方が優 る o学校に対す る魅 力は何か 0人智の発達は疑問の自解 による o[詔 の目的 と任務 o学校経費と国 経費の差 o軍部当 局の態度を学べ o中央 圏 制とその実情、な ど。 43・ Library orCongress,U.S.A.米国国会図 書館。 44.L.Y.L.学校 EB制度調査委員会主査、村上清遊 : 法規上 よ り見た る学校図書館附帝国圏及び公立園 と の比較 :の結語(PP.177-178)として 4項 目を見 る。 o法規的 に屈 一歩手前の図書館、さらに一歩前の図 書でさえ必要な存在であ ると法規に書 くべ きであ るo o物的設備ならざる恩 的施設が学校教育に必要なこ とを認め させ ること。 o学校団制の確立による公共 団 と学校 厩の協力。 0本調査によ りわが学校教育に おいてEB・図書館 .図書の取扱いがあ るか明 らかで ある。 45. EB研究 Vol.9 PP.249-250、団首脳者は第2義 的生活者 に非 ざるか (或は館員)に見 られ る。 この 見解はL.Y.L.の終始一貫 した主張であ った。 46. L Y.L。結成のか くれた理 由がこれ と関係が深い。 清水正男 '.L Y.L.とよみの場、 日本読書学会読書 科学 Vol.13、 No.1.2及び ibid. 札 3.4にその間 の事情が明らかである。 47. 学校 ・社会 ・家庭教育の経緯論は、John Dewey の 「the schooland societyJChapt.3の
「waste in Education」 におけ る社会 と学校の 密接な関係論を よく類似す る0 48. 図書館 の利用法や参考文献の指示などは、 とくに ユーザーに好都合。博物館 ・図書館を往来 して調べ 学習す るのに便利。 49. 図書及び図書館利用中心の学校教育の具体的方法 は、山形の男子国民学校の試行に示 されている。 50. 山形の試行にあってほ、 このことを実行 し、同校 の卒業に必須の論文づ くりなどを通 して、図書館の 活用 をはからせた。 51. 箇 研究 Vol.1 PP.569、 「御大典 と図書館」の 中に、 「米国をは じめ欧米諸国の大学 に勝 るとも怠 らぬ教育税関 として活躍 している」 と図書館につい て述べ、かつ評価 したのを意識 しての発言 と思われ る。 52. Library Extensionは、わが国では大正年代か ら試み られていた。 53. 巡回文庫 :古 くは山 口県立図書館の明木町村団な ど-の巡回文庫
。
「明治40年 1月以来今 日まで22ヶ 年 山口県立団巡回文庫回附を うけ ・・・・・・」、 EB研究 Vol.3 P.152にあ る。 54. いわゆ る町村ESo例えは明木村屈 では大正3年 6 月1日、 明木小学校教室文庫が廻附 された。大正12 年9月、明木小学校図書室 (教室兼用 )。 55. 本研究 と深 い関係がある。小野則秋 :匿】 統制論-目次を見 ると8項 目を見 る。即 ち、 o導言 o教育国策の原理 とその歴史的批判 ○教 育国策 と団 統制 o[盃大綱私案 o[詔員養成機関 ○盟事務の国家統制 oEE統制機関 と 「改正思令」 に よる統制実際の検討 ○結論、など 56. アメリカ団 協会の制定になる1925年の調査のもの に多少の訂正を加えて、1927年 に発表 した ものであ る。 57. 学校教育改革の根本原理 を述べ る。教育過程の質 的検討であ って、極めて重要である。 この ことの原 因については間宮は 「学校教育の現状 と圏事業 ・圏 研究 Vol.7PP.217-231」の中で 「自ら解決す る 訓練の不足」を述べ、上級学校進学のための準備教 育のため専 ら詰込主義 となるとす る。 58. 学校国改革意見書 :Vol.ll PP.1-6、 理事貞 主席 として竹林熊彦名で文部大臣木戸幸一に対 し、 教育審議会の参考に と提 出。第一、学校図書館改革 の方針。第二、学校図書館改革の要領- 1.学校制 度の改革に関す る件 2.小中校合改正並に[ヨ規定制 度に関す る係 3.各種専門高等学校令並に大学令の 改正及び学校圏改定制度に関す る件 4.学校 歴官職 制の制度に関す る件 5.EB学校の設置に関す る件 6.学校藍の公開並に相互貸借制度に関す る件 7.学 校団 調査委員会設置に関す る件、な どが挙げ られて いる。 59.薗 学の講座 一 当時、山 口県重積師範学校 におい て実施 されている。60. Mc Crum 著、村上清造訳。Washington and L
e e大学箇長 Blanche Prichard Mc Crum 女 史の著。 An estimate or standards for a college library,1933の訳述。
61. 村上清造 :学校団員職制 62. 小野則秋 :大学EE論、わが国大学教育の本質的検 討。 63. 村上清造 :学校箇関係論文集、箇 研究 Vol.22、 ibid.Vol.23その他 2をあげている。 64. のちこのことは、昭和 24年 Ⅰ.F.E.L.において実 現 した。