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IRUCAA@TDC : Paradoxical Effect of 2, 3-Dimercapto-1-propanesulfonic Acid(DMPS)on Enhancing Antitumor Activity of Cisplatin in Ascites Sarcoma 180 Cells

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

Paradoxical Effect of 2,

3-Dimercapto-1-propanesulfonic Acid(DMPS)on Enhancing Antitumor

Activity of Cisplatin in Ascites Sarcoma 180 Cells

Author(s)

佐藤, 壽宏

Journal

歯科学報, 111(1): 72-73

URL

http://hdl.handle.net/10130/2324

Right

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的

一般に水溶性 dimercapto 化合物のうち 2, dimercapto-1-propanesulfonic acid(DMPS)および meso-2, 3-dimercaptosuccinic acid(DMSA)は毒性が低く,体内への蓄積性が少ないことから重金属の解毒薬として有効 と考えられている。通常,重金属の解毒に用いられるこれら薬物の量は,1000μmol/kg 以上の場合が多く, 500μmol/kg 以下では認められない。我々は,以前に三酸化砒素の抗癌作用を調べた時に低投与量の DMPS に 砒素の抗癌作用を増強する効果を見出した。この度の実験では DMPS の前処置により S180細胞を移植したマ ウスの生存延命率に対する抗腫瘍作用の増強効果を調べ,DMPS の細胞毒性増強効果の機序について考察し た。 2.研 究 方 法 1)生存延命効果:S180細胞を移植したマウスの延命効果に及ぼす cisplatin(CDDP)単独,および DMPS あ るいは DMSA を併用した時の効果を調べた。 2)薬物の細胞毒性の評価のために,薬物処置を受けたマウスの腹水を採取し,S180細胞を分離した後, 37℃,O2/CO2インキュベーターにて,3H-thymidine 添加6時間後の取り込み量を調べた。

3)継代化した S180細胞を用いて,in vitro での CDDP の用量に対する毒性を調べた。 4)薬物処置されたマウスの腹水細胞の CDDP 量を調べるために,CDDP 投与から1時間毎に5時間の細胞 内 CDDP 量の変化を原子吸光分光光度計を用いて測定した。 5)DMPS の細胞内移行と細胞内カルシウムに対する影響を調べるために,Fura2/AM を負荷した S180継代 細胞に DMPS を作用させ,ARGUS50を用いて,蛍光強度の変化を測定した。 3.研 究 成 績 DMPS は50,100μmol/kg の時に,腹水担癌マウスに対する CDDP の延命効果に対して最大の増強効果を 現した。DMSA には同じような効果はみられなかった。継代細胞に対して CDDP は100から1000nM で3 H-thy-midine の取り込み量を20から30%に減少させた。細胞内 CDDP 量は,DMPS の併用により約1.5倍に増加し た。細胞内カルシウム量は DMPS の用量依存性にかつ時間依存性に減少するのが観察された。 氏 名(本 籍) さ とう とし ひろ

(新潟県) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 1551 号(乙第 677 号) 学 位 授 与 の 日 付 平成15年2月19日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第2項該当

学 位 論 文 題 目 Paradoxical Effect of 2, 3-Dimercapto-1-propanesulfonic Acid (DMPS)on Enhancing Antitumor Activity of Cisplatin in

Ascites Sarcoma 180 Cells

掲 載 雑 誌 名 Journal of Pharmacological Sciences 112号 361∼368頁 2010年

論 文 審 査 委 員 (主査) 川口 充教授 (副査) 木崎 治俊教授 平井 義人教授 山根 源之教授 歯科学報 Vol.111,No.1(2011) 72 ― 72 ―

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4.考察および結論 低用量の DMPS は強い増強効果があり,それは宿主に対する毒性の減弱からではなく,CDDP のがん細胞 に対する毒性の強化に基づくものであることが考えられた。そこで,CDDP の細胞毒性を増強することを証 明するために,DMPS と併用した時の CDDP 量を調べたところ,DMPS は CDDP の細胞内貯留濃度を約1.5 倍増加し,継代細胞の3 H-thymidine の取り込み量を20から30%に減少させた時の CDDP 量(100から1000nM) に匹敵するものであった。DMPS は細胞内カルシウム量を減少させた。これは DMPS が細胞内に入り,細胞 内機能に抑制的な作用を及ぼすこと,また,CDDP の排泄に関与するパーミアブルグリコプロテイン(P-gp) に抑制性に作用することが考えられた。詳細については今後の研究に期待する。また,DMSA には影響がみ られなかったが,二つの薬物の作用の違いは,腎排泄能力,細胞膜輸送タンパクとの結合親和性の違いによる ことが予測される。 以上の結果から,DMPS の低投与量は CDDP の抗腫瘍性を増強するが,その効果のためには,適切な投与 量と CDDP の血中濃度との時間的なタイミングが重要な要素であると考える。 論 文 審 査 の 要 旨 本研究は,低投与量の DMPS が CDDP の抗腫瘍性を増強する機序として,宿主に対する解毒ではなく,細 胞毒性の増強に基づいていることを明らかにした。担癌マウスの ILS%,マウスから抽出した S180細胞の3 H-thymidine 取り込み能,細胞内 CDDP 量,細胞内カルシウムに及ぼす影響を調べた。その結果,DMPS は CDDP による生存延命効果を増強すること,DMPS よりも腎排泄作用の強い DMSA には CDDP の作用に対 する増強効果は明確に観察されなかったこと,細胞内の CDDP 貯留濃度を増加すること,細胞内カルシウム 量を減少することが示され,DMPS には低投与量の時に,細胞に直接作用して,CDDP の S180細胞毒性を増 強することが明らかになった。 本審査委員会では以上の発表について,1)DMPS の臨床における応用の可能性,2)国内で臨床応用の あるジメルカプロール(BAL)と CDDP の協力作用,3)腎排泄機能を考慮する必要性,4)DMSA の対象薬 としての意義,5)Ca を測定した意義などの項目を中心に質疑が行われた。これに対して,1)外国では臨 床応用があること,2)BAL には効果がみられないこと,3)腎排泄機能の保護効果と細胞毒性効果のバラ ンスの可能性も考えられること,4)DMSA は DMPS よりも腎排泄作用が強く,解毒効果で抗腫瘍効果が現 れているのではないことを示すために用いたこと,5)DMPS が細胞内に入ることを,Ca との結合で示し, P-gp に影響を及ぼす可能性を求めたことなどが回答され,概ね妥当であると評価された。 本研究で得られた結果は,今後の歯学の研究の進歩,発展に寄与するところ大であり,学位授与に値するも のと判定した。なお,英・独2か国語につき試験を行った結果,合格と認定した。 歯科学報 Vol.111,No.1(2011) 73 ― 73 ―

参照

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