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腫瘍溶解性ウイルスに係る規制と安全性・有効性評 価に関する研究

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Academic year: 2022

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(1)腫瘍溶解性ウイルスに係る規制と安全性・有効性評 価に関する研究 著者名 発行年 URL. 松田 卓磨 2017‑03‑23 http://doi.org/10.20780/00032545.

(2) 東京女子医科大学大学院医学研究科および 早稲田大学大学院 先進理工学研究科. 博士論文審査報告書. 論. 文. 題. 目. 腫瘍溶解性ウイルスに係る規制と安全性・ 有効性評価に関する研究 Study on Regulations and Evaluation Methods of Safety and Efficacy on Oncolytic Virus. 申. 請. 者. 松田. 卓磨. Takuma. MATSUDA. 共同先端生命医科学専攻 分子細胞医療研究. 2 017 年 2 月.

(3) 本申請者は,「腫瘍溶解性ウイルスに係る規制と安全性・有効性評価に関する 研究」を博士課程の研究として実施し,本博士論文を提出した.近年の医薬品の 進歩にも関わらず,治療困難な癌腫は依然として多く,さらなる有効な抗癌剤の 開発が必須となっている.抗癌剤の機序の大半は細胞傷害性作用が主であり,癌 細胞と正常細胞のいずれに対しても有害であるため,抗癌剤服用による癌患者の 健 康 と 生 活 の 質 ( QOL) の 悪 化 が 問 題 と な っ て い る . 近 年 , 開 発 が 進 め ら れ て い る 腫 瘍 溶 解 性 ウ イ ル ス( Oncolytic Virus : OVs)は ,既 知 の ウ イ ル ス を 遺 伝 子 工 学 的手法により改変して,癌細胞内でのみウイルスが選択的に増殖して死滅させる ように作られており,副作用の少ない画期的な新規癌治療法として有望視されて いる.しかし,レギュレーションも含めて未だ開発は十分に進んでおらず,特に 日本での開発の遅れが問題とされている. 本 論 文 は ,日 本 で O V s 開 発 が 遅 延 し て い る 現 状 と 課 題 を 明 ら か に し ,日 本 に お け る O V s の 開 発 促 進 に 向 け て 提 言 を 行 っ て い る .そ の た め に 日 欧 米 に お け る O V s 開発に係る規制の調査と分析を行い,さらに公表された臨床開発データを用いて OVs 特 有 の 安 全 性 評 価 及 び 有 効 性 評 価 の 留 意 点 を 明 ら か に し た 上 で そ れ ぞ れ の 改 善すべき内容を提示している. 本 論 文 は 5 章 で 構 成 さ れ て い る . ま ず 第 1 章 で , OVs の 特 徴 及 び 開 発 の 背 景 ・ 歴 史 に つ い て ま と め ,日 本 で の O V s の 開 発 促 進 に 向 け た 本 研 究 の 目 的 と 意 義 に つ いて明確に述べられている. 第 2 章 は , OVs の 国 内 外 の 開 発 状 況 に つ い て 年 度 別 , 国 別 , 使 用 ウ イ ル ス 別 に 調 査 を 行 い , 現 状 を 明 ら か に し た 章 で あ る . OVs を 用 い た 臨 床 試 験 は 数 多 く 開 始 さ れ て い た が ,そ の 多 く は 第 1 相 を 含 め た 早 期 臨 床 試 験 に 留 ま っ て お り ,第 2 相 ・ 第 3 相試験は数少ないことを明らかにしている.特に日本においては,医師によ る臨床研究に留まっており,ほとんど治験が実施されていない状況を示して日本 に お け る OVs の 開 発 の 遅 れ を 明 ら か と し て い る . 第 3 章 で は , OVs の 開 発 に 係 る 規 制 に つ い て 日 欧 米 を 比 較 し て 調 査 し , 日 本 に お け る OVs の 開 発 遅 延 に 各 国 の 規 制 の 相 違 が も た ら す 課 題 に つ い て 明 ら か に し て い る . OVs 開 発 に 関 わ る 直 接 的 な ガ イ ド ラ イ ン は 国 内 外 に お い て 唯 一 2008 年 の I C H C o n s i d e r a t i o n : O n c o l y t i c V i r u s e s( 原 文 ) の み で あ り , O V s の 前 臨 床 試 験 及 び臨床試験は主に遺伝子治療のガイドラインに準拠して実施されている状況であ ることを示し,臨床試験を開始する場合の規制当局による審査プロセスの違いが 日本における開発遅延の原因の一つとなっている可能性を指摘している.更に, 日本ではカルタヘナ法に従った規制下で試験実施が必要であり,国際共同試験で の ハ ー モ ナ イ ゼ ー シ ョ ン に お け る 課 題 や 臨 床 試 験 に お け る 煩 雑 さ を 分 析 し , OVs の臨床試験におけるカルタヘナ法の適用時期について言及している. 第 4 章 で は ,実 際 の O V s の 臨 床 試 験 デ ー タ を 調 査 し ,O V s の 安 全 性 評 価 に つ い て 検 討 し た 結 果 よ り , OVs に 起 因 す る 有 害 事 象 は 軽 度 か つ 臨 床 上 で 管 理 可 能 で あ 1.

(4) り , OVs は 忍 容 可 能 な 治 療 法 と 考 え ら れ る こ と を 述 べ て い る . 具 体 的 に は , OVs に 使 用 す る ウ イ ル ス の 種 類 ,O V s の 投 与 方 法 及 び O V s の 遺 伝 子 改 変 の 種 類 で 有 害 事 象 を 比 較 分 析 し た 結 果 , OVs の 静 脈 内 全 身 投 与 の 場 合 に 有 害 事 象 発 現 頻 度 が 高 くなる以外の大きな差異を認めず,いずれの有害事象も十分コントロール可能で あることが示されている.主な有害事象の内容は,インフルエンザ様症候群,発 熱 , 倦 怠 感 な ど ウ イ ル ス 感 染 に 起 因 す る 一 般 的 な 症 状 で あ り , Grade 3 以 上 の 有 害事象は頻度も少なく,併用した抗癌剤による有害事象の可能性もあることを示 し , OVs が 十 分 認 容 可 能 な 治 療 で あ る こ と を 言 及 し て い る . ま た , 過 去 に 臨 床 試 験で発症した重篤な副作用(白血病の発症)及び死亡例を認めた遺伝子改変ウイ ル ス ベ ク タ ー を 用 い た 遺 伝 子 治 療 と 同 種 の ウ イ ル ス を 使 用 す る O V s で は ,遺 伝 子 治 療 と の 相 違 を 明 確 に す る こ と が OVs の 安 全 性 を 適 正 に 評 価 す る 点 で 重 要 で あ る こ と を 述 べ て お り ,遺 伝 子 治 療 と の 相 違 を 明 確 に し て O V s の 安 全 性 ガ イ ド ラ イ ンに関する提言につなげた点は高く評価できる. 第 5 章 で は , 過 去 の 第 2 相 臨 床 試 験 デ ー タ を 分 析 し , OVs の 有 効 性 評 価 に つ い て 検 討 し て い る . OVs は ヒ ト に 投 与 さ れ た 後 は 細 胞 外 で は ホ ス ト の 免 疫 で 産 生 さ れる中和抗体により速やかに減退又は消失するため,ホストの中和抗体の影響を 受けない形で投与する必要があり,直接腫瘍に注射する方法が多く用いられてい る .腫 瘍 局 所 で の 抗 腫 瘍 効 果 は 優 れ て い る 一 方 で 全 身 に 転 移・播 種 し た 癌 に は O V s が到達することが困難である.そのため,臨床試験では局所投与した腫瘍部位で の 抗 腫 瘍 効 果 を 主 な 有 効 性 endpoint と し て 設 定 さ れ る べ き で あ る も の の ,現 在 の 行 わ れ て い る 多 く の 臨 床 試 験 に お け る 主 た る 有 効 性 は 全 生 存 率 (OS)で 評 価 さ れ る た め , OVs の 有 効 性 が 適 切 に 評 価 さ れ な い 問 題 点 を 明 ら か に し て い る . そ し て , 例 外 と し て 中 和 抗 体 に よ り 排 除 さ れ に く い ウ イ ル ス を 応 用 し た OVs の 全 身 投 与 や 免 疫 活 性 化 遺 伝 子 を 改 変 し た OVs で は , 試 験 の 有 効 性 評 価 と し て OS や 治 療 効 果 継 続 期 間 を endpoint に 設 定 す る こ と も 可 能 で あ る こ と を 述 べ て い る .OVs は 局 所での抗腫瘍効果が期待されることから,臨床上効果が期待できる疾患や病態を 考察し,新たに局所での抗腫瘍効果を評価する指標の設定が重要であることを作 用機序から科学的に述べた点は高く評価できる. 第 6 章 で は ,本 研 究 結 果 か ら O V s の 日 本 で の 開 発 促 進 に 関 す る 提 言 に 踏 み 込 ん で い る .日 本 で の O V s の 開 発 ガ イ ド ラ イ ン の 設 定 , 海 外 と の 規 制 の ハ ー モ ナ イ ゼ ー シ ョ ン , 臨 床 試 験 か ら の 安 全 性 情 報 の 十 分 な 蓄 積 , OVs と 遺 伝 子 治 療 と の 差 異 の 明 確 化 , 局 所 投 与 時 の 有 効 性 評 価 の 確 立 な ど の 改 善 点 を 示 し て い る . OVs の 臨 床試験では,安全性評価については必要十分な指標が必要であり,有効性評価に ついては腫瘍局所での抗腫瘍効果を主に評価する指標が必要であることを述べて, 日 本 に お け る OVs の 開 発 促 進 の た め に 医 薬 品 医 療 機 器 等 法 に よ る 条 件 及 び 期 限 付 承 認 の 有 効 利 用 が 望 ま し い こ と を 提 言 し た 点 は , OVs 開 発 を 安 全 に 促 進 す る も のであり意義深い. 2.

(5) 本 博 士 学 位 論 文 審 査 の 公 聴 会 で は ,現 在 治 療 が 不 十 分 な 難 治 癌 に 対 し て O V s が 期待される根拠を明示すること,臨床研究指針の問題点について記載すること, ウイルスベクターの投与量と有害事象に関する点を追記することが求められ,本 学位論文に適切な追記が成されたことを確認した.また, 類似性チェックにおい ても規制や資料は適正に引用されており,問題となる剽窃,盗用は認められなか った. 以上より,本学位論文の研究成果及びそれを根拠とする提言は,日本における OVs の 開 発 促 進 に 科 学 的 に 貢 献 す る こ と が 期 待 さ れ , 大 変 意 義 の あ る も の と 評 価 され,博士(生命医科学)の学位論文として価値のあるものと認める. 2017 年 1 月. 審査員 主査. 早稲田大学客員教授,東京女子医科大学教授. 有賀. 淳. 武岡. 真司. 伊関. 洋. 博 士 ( 医 学 ) (東 京 女 子 医 科 大 学 ). 早稲田大学教授 工学博士(早稲田大学). 早稲田大学教授 医学博士(東京女子医科大学). 3.

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参照

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