車両感知器データによる旅行時間の推定
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(2) IV-394. からしかアップリンクデータが収集されないことが問題点で. 3.3. ある.その為,光ビーコンが設置された特定の区間でした実 測旅行時間は計測できない.. 旅行時間の推定には前節の方法で得た速度を用いて,図‑ 4より算定する.調査対象経路中の始点から終点までの旅行. そこで,本研究では個々の車両に搭載されている車載機の. 時間は,区間毎に算定した流行時間を累計することで得られ. 有無に関係なく,常時交通情報を収集できる車両感知器デー タを用いて旅行時間の推定を行った.. る.また,本研究では前節で論じた方法を基に,推定モデル を4つ定めた.各想定モデルについては表-5に示す.. 3.2. 車両感知器データによる旅行時間の推定. 旅行時間は,交通流の変化に大きく支配されるものである. その為,路線上の交通量,交通密度,平均速度といった巨視 的な状態量を把握する必要がある.本研究では,車両感知器 から収集した速度と Ot についての関係を見出し,旅行時間 の推定モデルを検討する. 第一に,線形近似と多項式近似による回帰分析 をそれぞれ. 推定方法. 区間距離 (感知器勢力範囲) 区間速度 (時間平均速度). L1. L2. Ln. V1. V2. Vn. V1. V2. T1 =. 区間旅行時間. Tn =. T2 = L2. L1. Ln. L T =. 推定時間 (推定旅行時間). 行った.図‑2には,調査対象経路中のある区間の車両感知器 から収集した結果の一部を示したが,両者の間に非常に高い. 図‑4. 相関が成立することが分かる.従って,このような路線では. 表‑5. 速度を Otの関数として定義し旅行時間の推定を行う. なお, 用いる回帰式はモデルを簡略化する為に線形近似による線形. Ti = i=1. Vn. i=1. i. Vi. 旅行時間の推定方法. タイプ別旅行時間推定モデル. モ デ ル N o .. モ デ ル 名 称. 適 用 モ デ ル. 第Ⅰモデル. 終日型. 関数モデル. 回帰式を用いる.. 第Ⅱモデル. 昼夜型. 関数モデル. 第Ⅲモデル. 昼型. 関数モデル. ここで,図の凡例中の「昼間」は調査時間でもある7時か ら 19 時とし, 「夜間」を 19 時から 24 時,そして「早朝」を. 第Ⅳモデル. 昼型. 関数・平均速度モデル. 速度 (km/h/15min). 24 時から7時までとしている.. 4.旅行時間の推定結果とまとめ これまで論じた速度と Ot と速度の関係から,表‑5で定め たモデルより実際に推定した旅行時間の推定結果の一部を図. 60 昼間. 夜間. 早朝. ‑5に示した.なお,推定モデルの有用性を知る為に実測旅行. 40. 時間を用いて,次式に示す相対誤差からその検討を行った.. 線形式 ;R2 = 0.8593 多項式 ;R2 = 0.9151. 推定誤差 =. 20. 推定旅行時間 − 実測旅行時間 × 実測旅行時間. 50. 0. 20. 図‑2. 40. Ot (%). 60. 相対度数(%). 0 80. 速度と Ot の相関関係. 100(%). 第Ⅰモデル 第Ⅱモデル 第Ⅲモデル 第Ⅳモデル. 40 30 20 10 0 -60. 一方,図‑2とは異なり一日の交通量も少なく,速度と Ot の変化も小さい区間があった. 図‑3には,その一例を示した.. -40. 図‑5. -20 0 20 推定誤差(%). 40. 60. 旅行時間推定結果. このような区間では,早朝の時間帯に多少の速度変化が見. 図より,関数モデルと平均速度モデルを組み合わせた第Ⅳ. られるものの,本研究では,その区間での規制速度を用いて 旅行時間の推定を行うものとした.. モデルが他のモデルに比較して旅行時間の推定誤差が小さく なった.また,どの推定モデルにも共通する事は,実測旅行. 速度 (km/h/15min). 時間に対して 10%から 20%程度「短い」旅行時間が推定さ 60 昼間. 夜間. れた.推定した経路では,調査時間帯の実測旅行時間は約15 分から 20 分程度となっていることから,約 3 分から 4 分程. 早朝. 40. 度の推定誤差が生じる.. 20. 今後の課題としては,旅行時間に影響を与える信号停止条 件を組み込み,推定誤差が最小となるような推定モデルの構 築が必要であろう.. 0. 謝辞 0. 図‑3. 10. 20. 30. 40 50 Ot(%). 60. 70. 80. 本研究を行うにあたり,資料提供等でお世話となった愛知県警交 通管制課,豊田市役所総合交通対策課に感謝する次第です.. 終日速度と Ot の変化が少ない区間. -789-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).
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