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都市間高速道路3車線化施策の効果に関する基礎的研究

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Academic year: 2021

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都市間高速道路

3 車線化施策の効果に関する基礎的研究

中平 恭之*

Study on Effect of the Measure Temporary Three-Lane of Intercity Highway

Yasuyuki NAKAHIRA*

Abstract: In recent years, a traffic jam occurs at many spots with increase in traffic volume. The object of this study is to grasp the effect of the measure temporary three-lane of intercity highway. We observed a traffic flow on highway by a video camera, and estimated the traffic flow rate, traffic density and space mean speed. As a result of analysis, we grasped the character of traffic flow on the observation point.

Keyword Temporary three-lane , Intercity Highway

1.はじめに

我が国では、1950 年代からの高度経済成長に伴い、自動 車交通量が急速に増加した。交通量の増加は、交通事故や 交通渋滞の主要因と考えられることから、交通を処理する ために、各地で多くの道路が建設された。特に、高速道路 の建設・延伸は、都市間の主要都市を結び、地区内交通の 削減に寄与してきただけではなく、社会経済活動に多大な 影響を与えてきた。しかし、高速道路においてもボトルネ ックを中心に各地で渋滞が発生し、経済的損失や交通事故 の発生が問題となり、その対策が急務となっている。これ らの渋滞に対して、これまでは道路の新設や増設といった 対策が取られてきた。しかし、道路の新設や増設は、莫大 な費用と長期間の工期が必要となることから、批判や反対 も少なくない。また、新設するための用地を確保すること が困難な箇所も存在する。 東名阪自動車道では、新名神高速道路の四日市 JCT か ら亀山JCT が開通するまでの期間に、多発生している渋 滞を緩和するための新たな施策として、暫定3 車線化施策 を2012 年 12 月から運用を開始した。暫定 3 車線化施策 は、図-1 に示すように 2 車線時の道路幅は拡幅せず、車線 幅や路肩幅を狭めて3 車線を確保するものである。そのた め、多大な費用と時間を必要とせず、既存施設を有効活用 して交通容量を増加させる施策として、その効果が期待さ れている。暫定3 車線化による渋滞対策効果を定量的に把 握するためには、まず、対象地域の対策前後の交通流を詳 細に観測し、その上で交通流の対策前後の変化を解析・把 握する必要がある。 本研究では、東名阪自動車の暫定3 車線化施策が実施さ れた鈴鹿 I.C.から四日市東 I.C.までの区間を対象として、 3 車線化する以前に観測したビデオカメラデータから 3 車 線化以前の交通流の特性を詳細に把握することを目的と する。 *近畿大学工業高等専門学校 総合システム工学科 都市環境コース 図-1 暫定 3 車線化施策 10.95 10.95 0.45 3.25 3.25 3.25 0.75 0.75 3.60 3.60 3.00 1.50 1.50 路肩 路肩 車線 車線 車線 車線 車線 3 車線化前 3 車線化後

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2.観測地点と交通流観測データの概要

本研究では、暫定 3 車線化施策実施前の東名阪自動車道 の鈴鹿インターチェンジから四日市東インターチェンジ までの区間の交通流を観測するため、図-2 に示す 2 地点 で観測を行った。観測は、高速道路上を走行する車両を確 認できる地点から、ビデオカメラにより約 20~130 分程度 行った。データとして観測する内容は、各車両の利用車線、 車線変更の有無、車種などである。なお、交通流の状態が 自由流時、渋滞時などいくつか考えられるが、本研究では 自由流時から渋滞時、渋滞解消までの状態について分析す る。 図-2 観測地点の概要 表-1 交通流観測の概要 交通流は、表-1 に示すように 2012 年の 9 月~11 月の 期間に観測したものである。観測した交通流のビデオカメ ラ動画は、画面に表示される動画上の座標値等を測定する ことができる富士フロンテック社製の画像支援ソフトウ ウェア(図-3 参照)を用いてデータ化する。このソフトウ ェアは、ビデオ動画を 1 フレームずつ測定することができ るため、通過車両の速度や通過時刻などのデータを詳細に 取得できる。そのため、車両がある一定区間を通過する時 刻を取得することで、車両速度などを算出した。

3.交通流観測データの分析結果

交通流観測データの分析結果の一例として、大池中学校 付近で観測した上り車線(名古屋方面)の交通流を分析し た結果を示す。 3.1 車種別の車線利用割合 車種別の車線利用割合を図-4 に示す。観測した走行車 両 6,401 台のうち、57%(3,651 台)が追越し車線を走行し、 43%(2,750 台)が走行車線を走行していた。車種別に見てみ ると、大型車は 36%が追越し車線を走行していたのに対し て、普通車は 60%が追越し車線を走行していたことが分か った。 図-4 車種別車線利用割合 3.2 車線別の交通流特性 車線別の交通流特性を表-2 に示す。交通流の特性とし て、空間平均速度、交通流率、交通密度を推定した。空間 図-3 画像支援ソフトウェア 40% 64% 43% 60% 36% 57% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 普通車(n=5492) 大型車(n=909) 全車種(n=6401) 車種別車線利用割合(n=6401) 走行車線 追越車線 桜台中学校付近 大池中学校付近 観測日 観測時間 観測場所 観測方向 観測日 観測時間 観測場所 観測方向 2012年9月14日 2012年11月29日 18:46~21:00 10:05~10:21 桜台中学校付近 下り線(大阪方面) 2012年9月14日 2012年9月17日 13:19~15:27 17:18~17:46 大池中学校付近 上り線(名古屋方面)

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0 20 40 60 80 100 120 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 速度 (km/ h ) 観測時間(分) 走行車線 追越し車線 平均速度とは、特定時刻にある区間に存在する車両の走行 速度を平均したものである。交通流率とは、短い測定時間 間隔(例えば 5 分や 10 分)の通過車両台数を、ある単位 時間あたり(ふつう 1 時間当たり)の通過車両台数に換算 したものである。なお、本研究では、集計時間単位として 1,3,5分の 3 パターンについて検討したが、データ変 動の安定性を考慮して 5 分を用いるものとする。また、大 型車は乗用車換算台数を用いて普通車 2 台分とした。 まず、観測したデータの車両速度を時系列で示したもの が図-5 である。観測開始から 10 分程度は自由流であるが、 その後渋滞流になり、100 分頃から自由流へと変化してい ることがわかる。 図-5 交通流特性(速度)の時系列変化 空間平均速度の算出は,一定区間(本研究では 40m)を 通過する時間より求めている.交通流率は、車両の通過時 刻を 1 分ごとのグループに分け,それぞれ 1 分間の交通量 を 1 時間に換算して求めている.全車線について見てみる と、空間平均速度は 68.7km/h、交通流率 3,000 台/h、交通 密度 52.9 台/km であった。車線別に交通流特性を見てみ ると、追越し車線の方が走行車線よりも空間平均速度、交 通流率、交通密度が高いことを把握した。 表-2 車線別の交通流特性 3.3 臨海交通密度と交通容量の推定 推定した交通密度 K と空間平均速度 V の関係から、K-V 関係が直線であると仮定して、回帰分析によって交通容量 と臨海交通密度を推定する。 まず、走行車線と追越し車線に分けて K-V 関係を示した ものが図-6 である。推定した回帰式は、走行車線が式(1)、 追越し車線が式(2)となった。 𝑦 = −1.9157𝑥 + 109.35・・・・(1) 𝑦 = −2.0547𝑥 + 129.89・・・・(2) 次に、全車線の K-V 関係を図-7 に示す。推定した回帰式 は式(3)となった。 𝑦 = −1.0605𝑥 + 123.3・・・・(3) 図-6 K-V 関係(車線別) 図-7 K-V 関係(全車線) K-V 関係から推定した回帰式と交通流特性の基本式より、 交通密度 K と交通量 Q の関係(K-Q 曲線)を推定し、臨海 交通密度と交通容量を求める。 まず、車線別に推定した K-Q 曲線を図-8 に示す。走行車 線の臨海交通密度は 28.54 台/km、交通容量は 1,451 台/h、 追越し車線の臨海交通密度は 31.61 台/km、交通容量は 空間平均速度(km/h) 交通流率(台/h) 交通密度(台/km) 全車線 68.7 3000 52.9 走行車線 63.1 1289 24.3 追越車線 72.9 1711 28.8 y = -1.0605x + 123.3 R² = 0.8642 0 20 40 60 80 100 120 140 0 20 40 60 80 100 120 140 空間平均速度 (km /h) 交通密度(台/km) y = -2.0547x + 129.89 R² = 0.8051 y = -1.9157x + 109.35 R² = 0.8622 0 20 40 60 80 100 120 140 0 10 20 30 40 50 60 70 空間平均速度 (km /h) 交通密度(台/km) 追越車線 走行車線 線形 (追越車線) 線形 (走行車線)

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2,053 台/h となった。 次に、全車線の K-Q 曲線を図-9 に示す。臨海交通密度は 58.13 台/km、交通容量は 3,584 台/h となった。 図-8 K-Q 曲線(車線別) 図-9 K-Q 曲線(全車線)

4.本研究のまとめと今後の課題

本研究では、東名阪自動車の鈴鹿I.C.から四日市東 I.C. までの暫定3 車線化施策が実施された区間を対象として、 3 車線化する以前に観測した交通流データから 3 車線化以 前の交通流の特性を詳細に把握し、臨海交通密度と交通容 量を推定した。 今後の課題としては、まず、K-V 関係を便宜的に線形と 仮定して回帰分析を実施している。しかし、必ずしも線形 であるとは限らないため、推定モデルの検討が必要である。 また、本研究では、暫定 3 車線化施策実施前のデータしか 分析していない。暫定 3 車線化施策の効果を定量的に把握 するためには、施策実施後のデータを観測・分析し、実施 前の結果と比較分析する必要がある。さらに、交通流が自 由流から渋滞流に、また渋滞流から自由流に変化する場合 の関係性をより詳細に検討する必要がある。

参考文献

1) 中平恭之、榎本光樹、廣畠康裕、「高速道路の暫定三車 線化施策の効果」、豊橋技術科学大学教育研究プロジェク ト報告書 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 0 10 20 30 40 50 60 70 80 交通量 (台 /h) 交通密度(台/km) 走行車線 追越車線 走行車線推定値 追越車線推定値 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 5000 0 20 40 60 80 100 120 140 交通量 (台 /h) 交通密度(台/km)

参照

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